遊月(ゆづき)の日々これ修行なり~

パワースポット研究家(おたる案内人)でセラピスト遊月のブログ
【パワースポットニッポン(VOICE)北海道担当】

アトランティス物語6〜光の中でその2(2002年4月4日発行のメルマガより)

2020-02-13 16:24:00 | 遊月作ファンタジー物語
光の中で その2







『今回のような悲しみを繰り返さないため、我々はあなたたち人類を、いくつかのグループに分けました。
そのグループのひとつが、今ここにいるあなたたちです。

これから先の時間軸で、今回と同じくらい、もしかしたらそれよりも大きな課題が再び人類の前に現れた時、
あなたたちには危険を知らせるラッパを吹く役割が与えられました。

このままでは大変なことになります、だから目を覚ましてくださいと知らせるためのラッパです』

ラッパとは、世界に危機が迫っているといった警告を与えるときに、
大地のどこかに潜んでいるとされる羽のある妖精たちが吹く楽器のことだろう。

実際に見たことはないけれど、大きく響く高い美しい音が聞こえてくると言われていたから。

『人々に警告を与えるためにあなたたちはこれから何度生まれ変わっても、魂のことをすべて覚えてい ることになるでしょう。
たとえ生まれてすぐには忘れていたとしても、何かのきっかけさえあればすぐに思い出せるのです。

世界はすべて対となります。光と闇があるように、対となるものがひとつとなって世界を構成しているのです。
ですからあなたたちと対の存在として、全て忘れ去ってしまうグループもあります。彼らもまた重要な役割を担っていると言えます。

あまりにも魂のことばかりに偏りすぎると、現実を見ることができなくな ります。それでは生まれて経験する意味がありません。
天秤をかけるようにゆっくり傾いては再び戻りを繰り返しつつ、歴史は進んでいきます。
そのためにすべてに相対するグループを作ったのです。これは、世界のバランスをとるためにいちばんよい方法なのです。

あなたたちがもし魂など存在しないと話す人と出会っても、彼らはそういう役割を演じているに過ぎないのです。
そしてまた、あなたたちもすべて覚えている役割を与えられたに過ぎないのです。
お互いが同じ目的のために生きている仲間であることを覚えておいてください。

大切なのは、自分の役割を知り、全うすることです。
最終的にすべての存在は霊的なものであると、ちゃんと魂が知っています。
だから忘れている人に出会っても、心配しないで下さい』

もしかしたら今回もそんな役割があったのかもしれないと私は思った。
だから石の声を聞く人たちと、石の声を否定し、石の力をすべて搾り取ってしまった人たちがいたのかもしれない。

だとしたら、彼らを救えなかったことをずっと悔やんでいきていくような気がしていたけれど、もしそうならば、少しはその思いを手放して行けそうだと思えた。

『さあそれでは、あなたたちが次に生きるべき場所へ移動していきましょう』
優しい声はがそう言うと、光の乗り物はゆっくり浮上し動きだした。

『私たち魂は、永遠に生きています。ですがこの星はとても若い。
そのことはどういう意味かわかりますか? 』
その場にいた人々はお互い周りを見回した。

どういう意味?
そんなこと考えたこともない。
優しい声は続けた。

『この星は出来たばかりでした。そして、この星で初めて生まれた魂もありました。
ですが、大半の魂たちは、別の場所からここへやってきていたのです。
今この船にいる人は全員、別の星からここへ、目的を持ってやってきた魂 の集まりなのです』

星?
自分がかつて別の星に住んでいたことがある?
その時光の乗り物は突然動きを止めた。

『さあ、あなたたちはこれから、今ある知識をある建物に封印する仕事があります。
すべての叡智の封印が終わったら、この地に降り立って、今回の命を全うしてください。
そこでそれぞれが選んだ、命の最後の日まで生きるのです』

たくさんの情報が押し寄せてすぐには理解できずにいたけれど、これからわたしはこの先ずっと生きていく場所へと降り立つのだということはわかった。

『この光の船は場所だけを移動したのではありません。
時空を少し超えました。つまりあの美しい国が沈んでから、長い年月が過ぎた場所へと移動してきたのです』

もう、理解を超えていた。時空を超える。
長い年月が過ぎている?
だって、わずかな時間しか過ぎていないのに、一体何が起きてしまったのだろう。

『この地には、かつてあなたの国でともに生き、波にさらわれて生を止めた人々が多く生まれ変わっています。
彼らは記憶をなくしており、姿かたちも違っています。
ですが出会えばあなたたちは魂が共鳴しあって、かつて一緒にいたことをどこかで思い出すことができるでしょう。

もしかしたら目の前にいる人が、かつて自分にとってどんな存在だったのかをありありと思い出せる人もきっといるでしょう。

ですが、かつての関係を一度忘れて、今から降り立つその場所で、彼らとともに次の課題の日まで、あなたたちの智慧をしっかりと地上に残していってください』

優しい声がそう告げると、再び光の壁は透明になり、これから降り立つその場所と呼ばれた景色を見ることができるようになった。

私たちは、光り輝く大きな石の建造物が三つ並んで建設されていく様を驚きとともに見詰めた。それらは想像を絶するほど大きかったから。

『この三つの建物は、いわば時空を超えた記憶保存装置のようなものです。
あなたたちが幾度生まれ変わろうと、この先どれほど長い時間が過ぎて、どんな災害がこようとも、決して崩れることなく、次の課題の日まで持ちこたえるでしょう。
遠い星から持ち越まれた叡智を封印したままで』

建造物の上空で、人々が白くて丸い乗り物で移動していくのが見えた。
乗り物の中に、見たことのある人の顔があった。

山に登ろうと呼びかけたとき、すべてを知りながらあえて命を終わらせる道を選ぶと告げた、 師と呼ばれる美しい人。姿や髪の色はまったく違うのに、なぜかすぐにわかった。

『この建物を上空から見ると、このように並んでいます。』
光の乗り物は、建造物の真上に止まった。
今度は床が透明になり三つの建物が並んでいる姿を見ることが出来た。

『この星に来る以前あなたたちが暮らした星は、この建物が表す星座の中に存在します』
光のなかで優しい声は言った。
『私たちのふるさとだね』
隣に座って一緒に建造物を眺めていた、大切な友達のひとりが嬉しそうに私に笑いかけた。
あれが、私たちの故郷の星?

そう言われてもあまり実感がわかないまま、少し斜めの線を描くように並ぶ三つの巨大な建物を、不思議な気持ちでじっと見つめた。


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