パララックス・ビュー

監督 アラン・Ｊ・パクラ
キャスト ウォーレン・ベイティ、ウィリアム・ダニエルズ、ヒューム・クローニン、ポーラ・プレンティス、ケネス・マース、ビル・マッキーニー、アンソニー・ザーブ
1974年　アメリカ
ジャンル：サスペンス

【あらすじ】
上院議員の暗殺現場に居合わせたガールフレンドが後日死体となって発見されたことから、新聞記者のジョーは調査に乗り出す。

【感想】
非常に知名度が高い役者であるにもかかわらず、なぜかあまり作品を鑑賞したことがないウォーレン・ベイティ主演のサスペンス。

政治的な権力によって引き起こされる殺人事件。完全なフィクションですけど、どう考えても実際の政治の世界と重なるように描いている。本作を通じて当時の国家権力を批判する監督の意図があったものと思われます。ウォーレン・ベイティというスター性の高い役者を起用してまでこの後味が悪い結末にしてしまうのだから間違いないでしょう。ウォーレン・ベイティが主演である以上、本来なら事件解決のために彼が大活躍する内容を連想するはずですから。

中盤でラリッているような宗教チックな映像が挿入されているのも特徴的です。ここで直ぐに思い浮かんだのはアメリカンニューシネマの演出です。主人公の性格もアウトローなのでやはり社会に対する不満が隠れているようです。アメリカンニューシネマ的な要素をミステリータッチに描いた作品は貴重だと思います。」

ただサスペンスやミステリーとして鑑賞すると明らかに説明不足である点が惜しいです。IMDbでもこの部分を指摘している人が多いのは納得でました。

それにしても70年代の映画は本当に個性が強い。強すぎて逆に今では真似できないのでしょう。

お薦め度：★★★★★★☆☆☆☆

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