映画を見ながら株式投資

今の時代に起きていることを正しく認識し、自分なりの先見の明を持つ。

寒い国から帰ったスパイ

2014-04-04 20:08:10 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 マーティン・リット
キャスト リチャード・バートン、オスカー・ウェルナー、シリル・キューザック、クレア・ブルーム、ペーター・ヴァン・アイク、サム・ワナメイカー、マイケル・ホーダーン
1965年 イギリス
ジャンル:ドラマ、スパイ

【あらすじ】
冷戦下のドイツ。英国諜報部の連絡員が、ベルリンの壁のイギリス検問所の近くで射殺される。折しも、それはかつてのナチ党員ムントの残忍な行動が激しくなっていた時だった。ロンドンに呼び戻された英国諜報部のベルリン主任リーマスは、クビを言い渡され、酒びたりに。やがて、図書館で働くナンと愛し合うようになるリーマスだったが、英国諜報部から東ドイツへ潜入せよという密命を受け…。

【感想】
映画チャンネルで放送しているモノクロ映画で面白い作品に出会う確率が高いのは単によほどの名作でもない限り、モノクロ映画を今更放送しても誰も見ないからなのだと思う。当時も見る価値のないようなものが山ほど作られているけど存在自体が消し去られているのでしょう。年寄りによる昔の映画の方が良かったというのはまあ程度の低い意見だと思う。

なぜこんなことを書いたのかというと本作がそれほど面白くなかったからである。スパイ映画なのだが、ほとんどの時間を主人公が真相を語っているだけで絵がなくてもいいのではないかと思えるような内容でした。これならドラマCDで十分。

それでも導入部分とラストはそこそこ楽しめたのですが、途中の中だるみが酷かったです。ずっと同じ場所で過去に何があったのかを主人公が話しているだけではどんなにストーリーが洗練されていたとしても飽きがきてしまうと思います。よほどシナリオに自信があるからあえてそのようにしたのだとすると、大したことないなと思ってしまいます。

我々のスパイ映画に対する印象(例えば敵のアジトに潜入から逃走、カーチェイスや銃撃戦のような激しいバトルまで)別にこれらがなくても十分楽しめるものは作れると私は信じていますけど、もう少し変化をつけてほしかったです。それまでが淡々としすぎているせいでラストのベルリンの壁越えだけが記憶に残ってしまうのは決してほめられることではないでしょう。

今日はどの映画を観ようとなった時にモノクロ映画はやはり敷居が高いので自分の気に入ったものでなかった際にはショックが大きいです。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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クリエーター情報なし
メーカー情報なし

ベルベット・ゴールドマイン

2014-03-29 23:40:14 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 トッド・ヘインズ
キャスト ユアン・マクレガー、クリスチャン・ベール、ジョナサン・リース・マイヤーズ、トニ・コレット、
エディ・イザード
1998年 イギリス
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
1984年ニューヨーク。ヘラルド誌の記者アーサーは1970年代初頭のロンドンでカリスマ的な人気を誇ったロック・ミュージシャン、ブライアン・スレイドの追跡調査を編集長から依頼される。ブライアンは74年に偽装暗殺事件を起こしたことでスターの座を失い、以後は行方不明となっていた。ブライアンが絶大な人気を誇っていた当時、10代のロック青年だったアーサーは、調査をしていく中で当時の記憶を思い出していき…。

【感想】
安易に意味がわからないと言ってしまうのは本来嫌いなのだが、それでも理解に苦しむ内容であると言わざるを得ません。熱心なファンがいるそうなのでグラムロックが好きな人だと違うのでしょう。グラムロックって日本じゃ流行しませんよね。

ストーリー自体はロックミュージシャン、ブライアン・スレイドが引き起こした事件の真相を雑誌の記者が探るというわかりやすい構成になっています。しかしそこで挿入されている映像がかなり癖が強いので状況を何度も見失いそうになりました。ライブで全裸になるのは演出上かまわないが、目の中にハートや$マークを入れるのはさすがに悪趣味。音楽や映像は印象に残っているにもかかわらず、心に残るようなセリフがないので結果として内容を楽しむのではなく映像を眺めるのが主な目的の作品になってしまっていたように私は感じました。

イギリス映画独特の映像表現であるともいえるでしょう。真っ先に思い出したのは「ロッキー・ホラー・ショー」ですね。影響を受けているのではないかと思います。「フラッシュ・ゴードン」の映像もテイストは近いです。たまに見る分には面白いが、毎日だと胸焼けを起こすタイプです。

ただ、冒頭で書いたようにグラムロックが好きな人にはたまらない作品なのかもしれません。最初から万人向けに制作しているようには思えないので自分の趣味と合わないからといって酷評する気にもなれないそんな作品だと思います。

もっとセリフで印象に残るものがあれば、多くの人に評価される作品になり得たのだと思います。あえてマニア向けにしたのだとしたら少しもったいない気もしました。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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角川書店

ザ・リング2

2014-03-22 22:57:36 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 中田秀夫
キャスト ナオミ・ワッツ、サイモン・ベイカー、デヴィッド・ドーフマン、エリザベス・パーキンス、エミリー・ヴァンキャンプ、シシー・スペイセク、デイヴィー・チェイス、ライアン・メリマン、ゲイリー・コール、カーク・B・R・ウォーラー、アレクサ・パラディノ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド
2005年 アメリカ
ジャンル:ホラー、サスペンス、シリーズ

【あらすじ】
あのおぞましい事件から半年後。レイチェルとエイダンの母子は、忌まわしい記憶から逃れるべく海辺の小さな田舎町へと引っ越し、新たな生活をスタートさせる。ところが間もなく、その町で怪死事件が発生。犠牲者の少年は死因が不明で、顔を異様に歪めて死んでいた。レイチェルの脳裏に思わず“ビデオテープ”の恐怖が蘇る。そしてエイダンの様子にも異変が起こり…。

【感想】
日本版リング2のは90年代を代表する駄作と言っていい出来。本作はその評判を受けてかリング2とは異なる完全なオリジナルストーリーになっています。これで正解だったと思います。

再び、息子に異変が起こるというこれぞ続編というストーリー展開。もう少し捻りが欲しかったというのは言うまでもないでしょう。

1作目は事件の真相に迫っていく展開だったのに対し、本作は母子の周りに奇妙な出来事が立て続けに発生するのを見せているだけなので内容が薄いです。サマラの出生の秘密が明かされるだけです。それだけに無理やり続編を作りましたという感じを強く受けました。

またビデオを見たものが7日以内に死ぬというリングの基本設定が完全になくなってしまっているのもいただけない点です。

ただホラー映画として見るなら鑑賞側に不気味な感覚を与えたり怖がらせるイベントが多いので1よりはボリュームがあるように感じました。内容が薄い割に2時間以上あって長く感じるのもこのせいかと思われます。そのため映画としての完成度は1の方が高いですが、ホラー映画としての評価は同等ですね。

正直、日本版リング2の出来が強烈だったので、その悪い印象に助けられた面があると思います。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

ザ・リング

2014-03-17 21:39:22 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 ゴア・ヴァービンスキー
キャスト ナオミ・ワッツ、マーティン・ヘンダーソン、ブライアン・コックス、デヴィッド・ドーフマン、アンバー・タンブリン、デイヴィー・チェイス、ジェーン・アレクサンダー、アダム・ブロディ、リチャード・ラインバック、レイチェル・ベラ
2002年 アメリカ、日本
ジャンル:ホラー、サスペンス

【あらすじ】
雨の降り続くシアトル郊外。ケイティという少女がおぞましい変死体で発見された。少女のおばで新聞記者のレイチェルは、その死の謎を追う内、ケイティを含む4人の少年少女たちが同日同時刻に不可解な死を遂げていたことを突き止める。そしてケイティの葬儀の日、レイチェルは不吉な噂を耳にする。“そのビデオを見たものは7日後に必ず死ぬ―”。彼女は4人が泊まったという山小屋を訪れ、1本のビデオテープを見つけるが…。

【感想】
続編の2に関してオリジナルである日本版の出来が呆れるくらい酷過ぎるせいで、ハリウッド版「ザ・リング」シリーズは許されてしまっている感じがする。

日本映画「リング」をナオミ・ワッツ主演でハリウッドリメイク。あるビデオテープを見ると7日間以内に死んでしまうという基本的なシナリオはほぼ同じ。詳細な設定やラストは異なる。当時ハリウッドがネタ切れに直面している例としてよく本作が挙げられていたのを覚えています。

日本版とリメイク版両方見ている状況で言わせてもらえば間違いなく日本版の方が怖い。やっぱり日本人が作っているだけあって恐怖に対する感性が近いからなのだろう。字幕に気を取られなくてもいいというのも大きい。そんな中でハリウッドリメイクである本作は外国人が演じているとそれだけで雰囲気ががらりと変わることに存在意義があると思います。同じシナリオでも怖さの質が違うあたりは面白いです。

演出に関しては今何が起こっているのかその状況を説明する方法があまり上手でないため散漫になってしまった印象を受けました。映像を出されてもその後に言葉による説明がないと把握しにくいのが難点。止め絵が多くて激しいアクションなどは少なかったのは好印象でした。

また貞子(本作での役の名前を忘れた)はアメリカ風にアレンジされているのであまり怖くなかったです。ワープするところは思わず笑ってしまいました。主人公が貞子の父親に無許可で侵入してビデオを鑑賞しているシーンが一番怖かった。

原作を読まないと本作だけでは話の全体像をつかめないところに若干のストレスを感じましたが、ホラー映画としては楽しめました。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

ザ・リング [Blu-ray]
クリエーター情報なし
角川書店

虚栄のかがり火

2014-02-14 22:18:41 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 ブライアン・デ・パルマ
キャスト トム・ハンクス、ブルース・ウィリス、メラニー・グリフィス、キム・キャトラル、ソウル・ルビネック、モーガン・フリーマン、ケヴィン・ダン、クリフトン・ジェームス、ドナルド・モファット、アラン・キング、キルスティン・ダンスト、リタ・ウィルソン
1990年 アメリカ
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
若くして債券のトップ・トレーダーとなったウォール街のエリート、シャーマン・マッコイ。彼は妻の目を盗んでは、魅惑的な人妻と浮気をしていた。ある夜、浮気をした帰りに道に迷い、ブロンクス地区に入り込んでしまった彼は、そこで誤って黒人男性をひき逃げしてしまう。この事件をかぎつけたのが、落ち目の新聞記者ピーター・ファロー。ウォール街の白人エリートがひき逃げしたという話はたちまち広がり…。

【感想】
今でも人気の高いトム・ハンクス初期の出演作にもかかわらず、ほとんど名前が出ることがなく、むしろ仲間外れにされているが本作。

ブライアン・デ・パルマはシニカルな人間ドラマはあまり得意ではない印象があります。

随分と久しぶりに鑑賞して当時とは違う新しい発見や印象があるのか期待しましたが、やっぱり第一印象としては投資銀行のエリート役にトム・ハンクスが致命的に合ってないですね。容姿的にエリートで不倫をしてる遊び人には見えません。これは本人ではなくてキャスティングした人が悪い。

それから最後のモーガン・フリーマンの熱弁が全く余計でした。これまでの話の内容にはほとんど関係ない役が最後にこのような主張をしてしまうのは非常に不自然でそれまでの内容がすっかり薄れてしまいます。

ストーリー自体はエリートの白人の男と不倫相手の女が偶然迷い込んだ場所で黒人に襲われそうになったため車ではねてしまう話で後日、事件が発覚し、マスコミも巻き込んで大騒ぎになる展開。普段だったらもみ消されるような小さな事件が、政治などの様々な要因か絡むことで社会問題になってしまう様子には考えさせられるものがありました。主人公は大きな力によって踊らされていたのがよくわかります。個人的にはこの流れで最後までいって欲しかったのですが、黒人をはねたのが主人公か女かに焦点が移ってしまうので全体としてぼやけてしまったように感じました。

制作側が色々やりたくてあれこれ手を出してしまった結果、方向性の定まらない作品になってしまったように感じます。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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ワーナー・ホーム・ビデオ

白雪姫と鏡の女王

2014-02-02 23:17:45 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 ターセム・シン
キャスト ジュリア・ロバーツ、リリー・コリンズ、アーミー・ハマー、ショーン・ビーン、ネイサン・レイン、メア・ウィニンガム、マイケル・ラーナー
2012年 アメリカ
ジャンル:ロマンス、コメディ、ファンタジー

【あらすじ】
幼い頃に国王である父を亡くした白雪姫は、18歳に成長していた。ところが王国は、彼女を城に閉じ込めたワガママな継母の女王による浪費癖で破産寸前。そこで女王は、リッチでハンサムな隣国の王子と結婚して危機を乗り切ろうと企む。だが、王子が恋に落ちたのは白雪姫。怒った女王に命を狙われた白雪姫は森に逃げ込み、7人の小人のギャング団に仲間入り。彼らから様々な戦術や知恵を授かった彼女は王国を取り戻せるのか…?

【感想】
ジュリア・ロバーツは英語の発音が非常に聞き取りやすいのでヒアリング力の向上にもってこい。

ベースは白雪姫でありながらもかなりアレンジされています。コミカルでありながらもブラックユーモアが見受けられる。はっきり言って別物。緊張感はゼロですが、映像は派手で観てるだけで楽しいタイプに分類される作品。

娯楽作品としては普通に楽しめるもののこの監督が「白雪姫」という名作童話を捻じ曲げて解釈したそのセンスに対して拒否反応のようなものがありました。悪ふざけな印象なのでまじめに原作にたいしてまじめに向かい合ったものではありません。それほど人を選ぶ作品ではありませんが、癖はあると言えます。テリーギリアムくらい歪んでいれば逆に何も言うことはないのですが。

この監督の映像は映像は相変わらず美しいです。同監督によるギリシャ神話もの「インモータルズ―神々の戦い―」と非常に似た映像になっています。ただ美しいのですが、CGによる加工が激しいので背景などが無機質に感じられる点において個人的にあまり好きになれません。

役者では嫌なおばさん役(王女)を演じたジュリア・ロバーツが本当にぴったりでした。これからはこの路線でやっていけるでしょう。白雪姫についてはあまり容姿のことはいいたくありませんが、眉毛がかなり濃いのが気になった。日本でいう8,90年代のメイクでした。アメリカだとこのタイプの顔がウケているのですかね。一方で王子様がかなり影が薄くてもう少し個性があっても良かったのではないかと思います。

インド映画みたいだという意見を見ましたが確かにそう思いました。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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Happinet(SB)(D)

ヘアスプレー(1988)

2014-01-07 17:31:11 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 ジョン・ウォーターズ
キャスト リッキー・レイク、ディヴァイン、デボラ・ハリー、ジェリー・スティラー、ジョシュ・チャールズ、ミンク・ストール、ジョン・ウォーターズ
1988年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、コメディ、音楽

【あらすじ】
1962年ボルティモア。女子高生トレイシーとペニーは人気ダンス番組“カレンズ・ショー”の大ファン。番組主催のパーティーに行ったトレイシーは、飛び入りで踊って一躍、注目の的となる。太めの体型をものともせずに堂々と踊るトレイシーは、やがて番組レギュラー“カウンシル”のメンバーに抜擢される。しかし、“カレンズ・ショー”に人種差別規定があったことに納得できないトレイシーは、ある抗議活動に出るのだが…。

【感想】
リメイクの方を先に観てましたシリーズ。監督があの史上最低映画との呼び声高い「ピンク・フラミンゴ」の人だと知って驚愕しました。この事実は知らない方が良かった。

舞台となっているのが人種差別が根強い60年代であるにもかかわらず、ファッションセンスに80年代を感じました。もしかしたら近い年代なのかもしれません。

リメイク版と比べると人種差別に対する主張がストレートで強いものだったと思います。これも人によるでしょうけど、私は単純に音楽を楽しみたい派だったのでもう少し弱くした方が良かったのではないかという気がします。基本は60年代のサウンドでダサいダンスを楽しそうにしている若者たちを現代に生きる我々が上から眺める作品です。

登場人物は敵味方含めて皆、個性的でした。主人公は個性的過ぎて受け入れられない人も多そうです。番組の司会をやっていた男が理解のある人物で主人公の力になっていたので好感が持てました。逆にライバル役はかなり憎たらしい損な役回りですが、おかげでストーリーを盛り上げたと思います。セリフにブラックユーモアのあるものが多いですが、キャラのおかげなのかそれほど気にはならなかったです。

あえて比べるのであれば違和感の少ないリメイクを推します。「ピンク・フラミンゴ」の監督というのが頭から離れない。

お薦め度:★★★★★★☆☆☆☆

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紀伊國屋書店

フェイシズ(2011)

2013-11-07 19:10:12 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 ジュリアン・マニャ
キャスト ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジュリアン・マクマホン、サラ・ウェイン・キャリーズ、マリアンヌ・フェイスフル
2011年 アメリカ、フランス、カナダ
ジャンル:サスペンス

【あらすじ】
恋人との結婚を控え、順風満帆な生活を送っていた小学校教師のアンナは、ある日、ニューヨーク中を震撼させている連続殺人犯“涙のジャック”による惨殺現場を目撃。涙のジャックに切り付けられ、川に落とされたアンナは一命を取り留めるが、ショックで人の顔が判別できない“相貌失認”になってしまう。家族や恋人の顔がわからないことから、どんどん混乱状態に陥っていくアンナ。そんな彼女に、再び涙のジャックの影が忍び寄る

【感想】
人の顔が次々と変わることで主人公だけでなく映画を観ている側も混乱してしまって少しイライラしました。犯人が予想できてしまうのもマイナス点。

作風としては「羊たちの沈黙」に近い。連続殺人犯の犯行現場を目撃したことで人の顔を判別することができない“相貌失認”に陥ってしまった主人公が再び命を狙われる。 

この“相貌失認”という設定はもっと色々できることがあったのだろうけど、うまく生きていなかったように感じました。主に主人公と鑑賞している側を惑わすのに多用されており、仕掛けとしては不十分。そもそも相手の顔がわからなくてもひげやネクタイで判別できるなら声で十分誰だかわかるだろうと単純な疑問が生じてしまうのであった。目で見えないものは音などの他の感覚に頼るのが普通。

犯人にしても予想がついてしまう。主人公を救出したホームレスの存在を知りうる立場なのは警察周辺しかいないでしょう。その中でもっとも主人公に近い存在が犯人であるとするとあまりに露骨すぎるのからあり得ない。したがって犯人はそれ以外ということになる。完全にこちらの予想通りでした。これまで何度も見てきたような犯人の存在でしたから。伏線の張り方が下手だったと言わざるを得ません。

ちなみにこの相貌失認はブラッド・ピットがそうではないかと疑われたことで有名になりました。テーマとしてはタイムリーだったと思います。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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Happinet(SB)(D)

地球最後の日

2013-11-05 18:35:11 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 ルドルフ・マテ
キャスト バーバラ・ラッシュ、ジェームズ・コンドン、メアリー・マーフィ、スチュアート・ホイットマン
1951年 アメリカ
ジャンル:SF

【あらすじ】
ヘンドロン博士は、9ヵ月後に惑星ザイラが地球をかすめて通過した後、親星ベラスが地球と衝突することを突きとめる。博士は国連に対し、ロケットで他の惑星へ避難する案を提出するが、ある天文学者がこの衝突説を否認。国連は何の対策もとらないことを決議する。しかし、ヘンドロン博士は億万長者スタントンの協力でロケットを完成させ、ザイラへと移住する男女数十人を決定。植物の種や家畜を積み、地球脱出の準備を進める。

【感想】
「アルマゲドン」をはじめとする地球の危機シリーズ全てにおける原点だそうで、それを聞いた途端、実はすごい作品だったのだと感激しました。地球が滅びるという内容の映画を初めて見せつけられたら相当なインパクトだったはずです。当時鑑賞した人がうらやましい。

地球に向かって星が2個飛んできて、1個は地球直撃、もう一個は地球をかすめるので選ばれた人間がロケットに乗ってその近くを通過する星の方に移住してしまおうという話。2個飛んでくるという設定そのものが都合が良すぎです。さすがに今の映画でこれをやったらボロボロに叩かれるのは確実だと思います。この時代だからということで寛大になりましょう。都合がいいといいましたが、実際にはそんな所に人間が住めるわけないでしょう。本作ではラッキーなことに大気の成分が全く同じとかで片づけておりました。

人類は全員新しい星に行けるわけがないので選ばれるわけですが、この人選を巡って争いが起こることになります。しかしこのパニック具合の描写は今一つだったように感じました。狂気が足らなかったです。人間が実際にそんな状況に置かれたら殺し合いが起こっていたと思うからです。一人を除いてみんな比較的冷静だったのががっかり。また実際に地球が滅んだのかについて言及されていないのでそっちの方が気になってしまいました。

というわけで内容は全体的に褒められたものではありません。しかし地球の危機シリーズは現在に至るまで矛盾だらけなので「こんなものか」程度でしょう。

全ての原点であるという事実に私は価値を見出しました。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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ランコーポレーション

アベンジャーズ(2012)

2013-10-11 21:49:51 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 ジョス・ウェドン
キャスト ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、トム・ヒドルストン、サミュエル・L・ジャクソン、クラーク・グレッグ、ステラン・スカルスガルド、グウィネス・パルトロウ、イエジー・スコリモフスキ、パワーズ・ブース、ジェニー・アガター、ハリー・ディーン・スタントン、アシュレイ・ジョンソン
2012年 アメリカ
ジャンル:アクション、SF、ファンタジー

【あらすじ】
ニック・フューリー長官が率いる国際平和維持組織シールドの基地で、世界を破壊する力を持つ四次元キューブの極秘研究が行われていた。だが突然、制御不能に陥ったキューブが別世界への扉を開き、そこから現れた邪悪神ロキにキューブを奪われる。ロキが地球の支配を目論んでいると知ったフューリーは、7人の最強ヒーローによる“アベンジャーズ”結成を決意。魔性のスパイ、ブラック・ウィドウらと共にヒーローたちを招集する。

【感想】
「日本よ、これが映画だ」というまさかの客に対する上から目線のフレーズばかりが話題となり、肝心の内容についてはあまり語られているようには思えませんでしたが・・・。

マーベルのキャラが多数登場するお祭りムービー。「アイアンマン」「インクレディブル・ハルク」「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ」からなる構成。私みたいに片っ端から映画を観ているような人間ならともかく、全部見たことあるのは少ないのではないですかね。特に「マイティ・ソー」は日本ではマイナーだと思います。

お祭りムービーなので「エクスペンダブルズ」あたりと同系統になります。そのため同様に作品を楽しめるかは誰が(どの作品が)出てるかということになると思います。自分の好きな俳優や作品が出てないと面白さは半減してしまう。とにかく有名どころを揃えたかということになります。その点では上記のラインナップは個人的には物足りない気がします。マーベルだったら「X-メン」とか「スパイダーマン」とか「ブレイド」あたりの方が人気は高いでしょう。あえて知名度が一歩劣るところを突いたのかもしれませんが、選択を間違ったのではないかと私は思っております。

映像に関しては「日本よ、これが映画だ」といばってもいいのではないかと思います。確かに日本映画であれは作れないというくらい金をかけているのははっきりとわかります。ただそれだけですね。複数の作品を無理につなげるとさすがにストーリーにおかしな部分が生じてしまう。結構目立っていました。

続編中とのことですが、「X-メン」あたりを加えて欲しいですね。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

ロック・オブ・エイジズ

2013-09-04 22:30:32 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 アダム・シャンクマン
キャスト ディエゴ・ボネータ、ジュリアン・ハフ、トム・クルーズ、ラッセル・ブランド、アレック・ボールドウィン、ポール・ジアマッティ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、メアリー・J・ブライジ、マリン・アッカーマン、ブライアン・クランストン
2012年 アメリカ
ジャンル:ミュージカル

【あらすじ】
1980年代のハリウッド。ステイシー・ジャックスをはじめとする多くのロックスターを輩出してきたライブハウス“バーボンルーム”で働くドリューは、オクラホマから上京してきたシェリーと出会う。共に歌手を目指す2人は瞬く間に恋に落ちるが、ロックを排除しようとする市長夫人の抗議運動によって、バーボンルームは営業難に陥ってしまう。彼らはステイシーのライブを再度開催することで、その危機を乗り切ろうとするが…。

【感想】
トム・クルーズもこのタイプの役を演じるのはかなりきつくなっていると思う。時折おっさん臭がでておりました。一番言いたいことを書いておくと「ロック」がテーマであるにも拘わらず、あまりロックを感じることができなかったのが期待外れでした。

ブロードウェイで大ヒットした同名ミュージカルの映画化。監督は「ヘアスプレー」や「グリー」で実績のある方です。ミュージカルなので作品の出来というよりも好きか嫌いかという直感的な要素が大きな部分を占めます。「ヘアスプレー」の方が演出は凝っていたように思います。個人的には「ドリームガールス」あたりと比較したくなりました。パフォーマンスの面で本作の方が分が悪いように思います。向こうは本業の歌手ですから。「ロックの神」はトム・クルーズ本人の歌声らしいですが、絵になってはいるものの歌自体は特に上手いというわけではありません。

ミュージカルシーンに突入するタイミングで「なぜそこでいきなり歌い出すんだ?」と首を傾げたくなる場面が2か所ほどありました。ショー要素を強くしている関係なのでしょう。そのおかげでボリュームはあると思います。

途中でプロデューサー?の命令でアイドル路線に転身した姿があまりにダサすぎたのは考え物、ギャグにしないでもう少し自分のやりたい音楽と方向性が違うということでシリアスにやってもよかったように思います。全体的にコメディ色が強いように感じました。冒頭で「ロック」を感じられないと指摘させてもらったのはこの部分が関係しているように思います。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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ワーナー・ホーム・ビデオ

ダーク・シャドウ

2013-08-22 18:28:31 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 ティム・バートン
キャスト ジョニー・デップ、エヴァ・グリーン、ヘレナ・ボナム=カーター、ミシェル・ファイファー、クロエ・グレース・モレッツ、ジャッキー・アール・ヘイリー、ベラ・ヒースコート、ジョニー・リー・ミラー、クリストファー・リー、ウィリアム・ホープ、デヴィッド・セルビー、ララ・パーカー
2012年 アメリカ
ジャンル:コメディ、ファンタジー、リメイク

【あらすじ】
時は1972年。200年の眠りから目を覚まし、ヴァンパイアとして子孫の前に現れたバーナバス・コリンズ。かつては繁栄を誇った名家にもかかわらず、今は見る影もなく没落してしまった末裔と出会い、バーナバスは一家の復興を心に誓う。しかし、200年のあいだに世の中はすっかり様変わり。バーナバスは何をやってもズレまくり、何を言ってもスレ違う。そのおかしな言動のせいでコリンズ家に巻き起こる珍騒動。それでも、彼の家族愛は止まらない! 果たして家族思いのヴァンパイアは、魔女の手から家族を守り、没落した一家の繁栄を取り戻せるのか?

【感想】
特殊メイクのせいでエンドロール見るまでティム・バートンとジョニー・デップのコンビであることに気がつかなかった。監督・キャスト情報が頭に入っているとバイアスがかかるのでその点ではこれで良かったと思っております。

ジャンルは一言で表現するとヴァンパイアものになります。ただ普通の人が抱いている吸血鬼像とはかけ離れたものだったと思います。あまりにマニアックな例えで申し訳ないのだが「レスリー・ニールセンのドラキュラ」に出てくるドラキュラに近いと感じました。コメディ色がかなり強いです。200年ぶりに目覚めたヴァンパイアが文明の進化と名門の衰退に直面して慌てふためくのが笑えます。

ジョニー・デップのコミカルな演技は演技自体を批判するつもりは全くありませんけど、過去にパイレーツ等で散々見てきているので目新しさはなく、さすがにもう飽きたというのが正直な感想。なんでこれだけ長い間、人気を保っているのか自分には理解できません。年齢考えてもそろそろ他の役者に代えてもいい時期に来ていると思います。一方でミッシェル・ファイファーはおばさんが無理して頑張っているあたりがとても合っていた。素晴らしいキャスティング。

ティム・バートン監督なのでここでも癖の強さも見どころの一つとなります。ただしキャラクターに関しては個性が強かったものの、映像に関しては大人しかったです。少なくとも同監督の他作品から受けたようなインパクトは一切ありませんでした。キャラを立てるためにあえて抑えたのでしょう。

ここからが結論になりますが、癖はあるけどそれが面白さにつながっているかと言われると「ノー」だったと思います。もう一つ、二つ突き抜けたものが欲しかったです。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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クリエーター情報なし
ワーナー・ホーム・ビデオ

ミニミニ大作戦(2003)

2013-08-20 19:56:43 | ★★★★★☆☆☆☆☆
監督 F・ゲイリー・グレイ
キャスト マーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロン、ドナルド・サザーランド、ジェイソン・ステイサム、セス・グリーン、モス・デフ、エドワード・ノートン、フランキー・G、オレク・クルパ
2003年 アメリカ
ジャンル:アクション、サスペンス、リメイク

【あらすじ】
天才窃盗犯・チャーリーらは金塊強奪を計画するが、裏切った仲間に金塊を奪われてしまう。1年後、チャーリーは仲間を集め、金塊奪還の大胆な作戦に出る。

【感想】
様々な分野のスペシャリスト達とチームを組んで泥棒を働くというのは嫌でもオーシャンズシリーズが頭をよぎる。両方とも昔の作品のリメイクであるというのも共通点です。強いて比較するのであればオーシャンズの方が豪華で個性は強いと思われます。

30年前の邦題をそのまま持ってくるのはちょっとセンスが悪いような気がしますが、このタイトルの通りミニ・クーパーによるカーチェイスが見どころになっています。車の色もカラフルでしかもミニカーということで他の映画ではなかなか見られない十分光景は印象に残りました。もっとミニカーアクションがあっても良かったと思います。正直、少ないです。

父親が殺された娘の復讐が目的にもかかわらず、雰囲気は決してシリアスではなく、痛快で娯楽性が高いものに仕上がっていました。それでもエドワード・ノートンはもっと悪役ぶりを発揮するべきだったように感じました。おかげで悪く表現するとゆるいです。

また原作が大昔のものであるせいか、ストーリーが王道を行っています。そのためテンポがいいし、わかりやすいストーリーはリラックスして鑑賞できます。しかし最近の映画に慣れてしまっている人には捻りがない分、物足りないと感じる人がいるかもしれません。実際、私がそうでした。

この頃のシャーリーズ・セロンは本当に勢いがありましたね。キャスト目当てで観れる作品でもあると思います。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

ミニミニ大作戦 [Blu-ray]
クリエーター情報なし
角川映画

センチュリオン

2013-08-15 22:17:33 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 ニール・マーシャル
キャスト マイケル・ファスベンダー、ドミニク・ウェスト、オルガ・キュリレンコ、リーアム・カニンガム、デヴィッド・モリッシー、ウルリク・トムセン、ポール・フリーマン、イモージェン・プーツ
2010年 イギリス
ジャンル:アクション

【あらすじ】
紀元117年、ブリテン島北部に駐屯するローマ帝国第9軍団は、先住民ピクト人への襲撃を開始。ピクトの女戦士エテインを道案内に前進するものの、彼女の裏切りで逆にピクト人の奇襲に遭ってしまう。辛うじて生き残ったクイントゥスら数人の兵士は、囚われた将軍を救うために敵地へ忍び込む。しかし、その際に仲間のひとりがピクト王の息子を殺めてしまう。怒りに震える王は、復讐のため逃げた兵士たちをエテインに追わせるが…。

【感想】
ここ数年、R15に分類される作品が多くなったように思います。認定している側の判断基準の問題なのか、暴力描写が好まれている傾向にあるのかはよくわかりませんが、本作に関してはあまり見せたくない類の映像が多数ありました。

戦いにおいて相手の喉元を容赦なく刃物で引き裂くような激しい暴力描写は確かに生々しいです。しかしそのわりに痛々しさが感じられないのは、残忍な描写を多用しすぎて一種の爽快感に変わってしまったためだと思われます。個人的には過激な描写はメリハリをつけてここぞという時に使う方が好みではあります。既に同様の作品が多数見受けられるのでオリジナリティは高くありません。

また登場人物が次々と死んでいくのは長期間のドラマとかならいいですけど、100分程度の時間の作品でやられると軽く感じられてしまいます。どうせ主人公以外、みんな死ぬんだろうという雰囲気が漂っていました。

一方で「007/慰めの報酬」に出演していたオルガ・キュリレンコがなかなか個性的なキャラクターを演じていたのはとてもよかったです。他の登場人物を完全に食っていました。おかげで彼女が退場してからの展開はおまけのように感じられてしまったのは困りものですが・・・。ラスボスにもってきてもよかったのではないでしょうか。

紀元117年を舞台とした映像は非常に美しかったです。内容が過激なのでじっくりと楽しむ余裕がなかったのはもったいない。

何にせよ、きつい描写が多いので鑑賞するにはそれなりの覚悟がいるかと思われます。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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東宝

トータル・リコール(2012)

2013-08-13 23:25:18 | ★★★★★☆☆☆☆☆

監督 レン・ワイズマン
キャスト コリン・ファレル、ケイト・ベッキンセール、ジェシカ・ビール、ブライアン・クランストン、ジョン・チョー、ビル・ナイ、ボキーム・ウッドバイン、ウィル・ユン・リー、イーサン・ホーク
2012年 アメリカ、カナダ
ジャンル:アクション、SF、リメイク

【あらすじ】
荒廃した近未来。地球に残されたわずかな土地は、富裕層が暮らすブリテン連邦と、貧しい者たちの住むコロニーに区別されていた。見知らぬ女性と共に追われる夢を頻繁に見ていたコロニーの工場労働者ダグラスは、人工記憶を取り扱うリコール社に興味を持つ。同社を訪れた彼は、突然、警官隊の襲撃を受けるものの、無意識のうちに驚くべき戦闘力を発揮して警官隊を撃退。彼は自分の過去に秘密があることを知る。

【感想】
冷やかし目的で観たので想像していた内容よりは良かった。ただオリジナルの世界観の再現を放棄して派手な映像とアクションで押す作りは感心できませんでした。これだと続編だと知らない人が本作を鑑賞しても気がつかないまま終わるような気がします。

観る前から不安に感じていた理由の一つがキャスト。A・シュワルツェネッガーやシャロン・ストーンほどの個性的な役者はあまりいませんから。その点ではコリン・ファレルとケイト・ベッキンセールは濃さという面で現状考えられる中ではベストに近い起用だったかなと思っています。アンチが多いので批判も相当あったみたいですが、個人的には満足でした。

やっぱり問題となるのはオリジナルと異なる作風ではないかと思う。一応、近未来の世界とか現実と夢の境界などはテーマとして組み入れているが、上辺だけで全くの別物なんですよね。そのためアクションも演出が派手で面白いのだけど、何かが違うと引っかかるものがありました。オマージュと取れるものが少なかったように思います。せめて顔が割れるシーンくらい入れてやれば私を含めた旧作のファンも喜べたのではなかったでしょうか。  

また全体的にシリアス一辺倒だったのも気になった所。主人公は敵から押されてばかりでした。反対にオリジナルは大暴れする印象が強く、息抜きできるようなシーンが結構あったと思います。それが理由で「コマンドー」あたりと同様に愛され枠になったのでしょう。

悪くはないけど、人の記憶に残る作品であったオリジナルの個性には及ばないでしょう。

お薦め度:★★★★★☆☆☆☆☆

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