ベネズエラ・ラテンアメリカ短報No.60
( 2022年8月25日 )
(ベネズエラ要点)
・ ベネズエラ経済は、2021年を転換点として回復が本格化。昨年は7.6%成長。対外貿易33%増。今年は2桁の経済成長が予想されている(今年第1四半期は12.3%増、第2四半期は18.7%増の予測)。 / 経済の重要な部分を社会主義指向政権が掌握し維持している下での資本主義的方策の拡大という、原則的立場を堅持している。そのもとで、小規模生産企業が急増し、経済的多様性をかなりな程度達成しての経済回復。外国資本を呼び込むための「経済特区」法の制定もその一環。
・ そのような状況下で、これまで我慢してきた労働者・人民の不満と要望が高まり、噴出し、政府は対応に追われている。また、一部に汚職・腐敗の蔓延があり、それへの労働者・人民の批判と闘いも強まっている。それに対する官僚主義的弾圧もある。それらがせめぎ合っている。 / その状況を、一部の左翼はマドゥーロ政権全体の右傾化、革命への裏切りと批判している。だが、労働者・人民の主要な部分はマドゥーロ政権を支持し、経済回復を基礎に新たな社会主義指向政策の前進を目指している。 / 「People's World」(June 1, 2022)は、ベネズエラ経済が回復してきた原動力を、「PSUVとボリバル革命を率いるマドゥーロ大統領が、ウーゴ・チャベスの伝統を維持してきた、そのベネズエラの革命的連帯感である」と見ている。また、それは「労働者と農民の強固な支持なしには不可能であった」「帝国主義の侵略に対する抵抗は人民の大衆組織とPSUVの関係を強化した」と。
・ 6月にマドゥーロ大統領が中東やユーラシアを歴訪し、中東諸国やユーラシア連合諸国、さらにはインドなどと経済交流の拡大が合意された。 / EUとの関係改善も進もうとしている。 / 米制裁・封鎖は一部崩れ始めた。だが基本的には維持されているので、ベネズエラの苦境は続いている。
・ マドゥーロ大統領は、イラン訪問の際にイランのメディアのインタビューに答えて、現在の国際情勢について次のように語った。「人類は社会、経済、政治、文化の変化のプロセスが加速している転換期を迎えている」「この時期が21世紀全体を規定する」「米国が人類を支配するサイクルが衰退し、新しい地政学がすでに出現している」と。
・ コロンビアとの関係改善が進んでいる。 / コロンビアのペトロは、就任前から外相予定者をベネズエラに派遣。関係正常化の話し合いを持った。 / マドゥーロ大統領は、コロンビアとの国境経済圏の創設を提案。
・ 海外に保有する資産を米英帝国主義が簒奪したのを返還せよという、ベネズエラの要求が強まっている。 / コロンビアは、前政権の下で簒奪した資産を返還へ。
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(ベネズエラ)
teleSUR Published 24 August 2022
President Maduro Proposes a Colombian-Venezuelan Economic Zone
(マドゥーロ大統領、コロンビア・ベネズエラ経済圏を提案)
火曜日(8/23)、マドゥーロ大統領は、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領に国境経済圏の創設を提案すると発表している。 / また、2019年から閉鎖されている国境地帯で、コロンビアとの経済・商業開放を加速させるために関係者のチームが活動していることを発表した。
teleSUR Published 23 August 2022
Venezuelan Economy To Grow 18.7% Second Quarter: Central Bank
(ベネズエラ経済、第2四半期は18.7%の成長へ:中央銀行)
ベネズエラ中央銀行のカリクスト・オルテガ総裁は、火曜日(8/23)、同行の最初の見積もりによると、2022年の第2四半期に同国の経済は18.7パーセント成長すると述べた。 / マドゥーロ大統領は、米国による制裁措置の影響により、同国で新たな経済モデルが構築されつつあることを強調した。
Venezuelanalysis Aug 21st 2022 By Ricardo Vaz
Venezuela Increases Petcoke Exports to India
(ベネズエラ、インドへの石油コークスの輸出を拡大)
世界的なエネルギー不足の中、石油産業の副産物は石炭に代わる安価な代替物として浮上している。 / ベネズエラは、インド企業への石油コークス(ペトコーク)販売を大幅に拡大した。 / インドは、これまで米国とサウジアラビアを供給元としていたが、2022年にベネズエラ産の石油コークスの輸入を開始した。
Venezuelanalysis Aug 18th 2022 By Andreína Chávez Alava
Venezuela: Gov’t Pays Vacation Bonuses, Workers Continue Mobilizing for Labor Rights
(ベネズエ政府は休暇中のボーナスを支払い、労働者は労働権のために動員を続ける)
ベネズエラ政府は、公共部門の労働組合と対話のテーブルを開き、要求に対処している。 / 政府は、全国での相次ぐ抗議行動を受け、公共部門の教育労働者の休暇ボーナスを全額支払うと発表した。 / 国家予算局(ONAPRE)は、新しい労働協定がまだ締結されていないとして、3月にマドゥーロ政権が定めた30ドル(126ボリバル)ではなく、2021年の月額最低賃金1.52ドル(7ボリバル)を基準に今年のボーナスを決定し、物議を醸している。 / この削減は全国で大規模な労働者の抗議行動を引き起こし、当局は最新の賃金に基づく休暇ボーナスを再設置し、ONAPREの指導者マルコ・ポロ・コセンサを、経済省元国家会計官のジェニファー・キンテロ・デ・バリオスに交代させるに至っている。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.08.21 Sunday)に全訳あり】
INTERNATIONALIST 360° AUGUST 14, 2022 Franciso Dominguez
Understanding Maduro’s Successful Socialist Economic Strategy
(ベネズエラ: マドゥーロの成功した社会主義経済戦略を理解する)
2022年にベネズエラの経済がどれだけ成長するか、世界の主要金融メディアが4%から20%の幅で競って予測するようになった。これは、急激な不況、ハイパーインフレ、深刻な欠乏、輸出の崩壊、8年連続の外部からのGDP縮小から、マドゥーロが着実に国を舵取りしていることの証左である。 / ベネズエラの経済力、そして現在の政治力は、EUがグアイドを「暫定大統領」として承認しないようにし、多くの国々がそれに続いた。 / 主要なメディアは、ベネズエラの経済回復を、彼の戦略の資本主義的性質に起因するものとした。この誤った見方は、ウーゴ・チャベスの原則を新自由主義に売り渡し裏切ったと悪意を持ってベネズエラ政府を非難するベネズエラの左派のごく一部の人々を、悲しいかな、汚染してしまった。これは虚偽であるだけでなく、全く馬鹿げている。 / 経済政策は、国の重要な海外収入源(石油、金、希少鉱物、海外貿易、等々)を国家が独占するという状況の中で展開・実施されており、政府の機敏さ器用さにより、米国の執拗な経済侵略にもかかわらず素晴らしい成果を上げている。 / マドゥーロは、2021年の一般教書演説で、ベネズエラ経済は7.6%成長、対外貿易は33%増加、家計消費は4.9%増、食料自給率は60~70%(2022年には90%以上)、CLAPボックス(国家食料分配計画)に入るものの90%以上が国産、インフレは1桁に縮小、食料などの不足は消滅したと報告している。 / さらに、最近のユーラシア諸国(トルコ、アルジェリア、イラン、クウェート、カタール、アゼルバイジャン)への訪問で、マドゥーロは巧みにベネズエラの世界の貿易相手国を拡大した(中国、ロシア、イランはすでに最も重要な国の一つである)。ベネズエラの巨大な資産と反封鎖、経済特区の複合効果により、国民経済が魅力的な外国投資先となったのである。 / ベネズエラの経済復興では、経済のデジタル化と中小生産企業の爆発的な増加という2つの要因が際立っている。2020年のデジタル取引件数は1億2143万2000件で、2021年には2億100万件に増え、国内取引総額の80%をカバーする(2022年にはさらに増える)。小企業の登録を担当するSarenの報告によると、2020年に7,657社、2021年に19,284社、2022年5月末までに13,096社が登録されたとのことである。 / いずれの展開も、ボリバル政府が精力的に後押ししたもの。2021年には国家予算の76%が社会支出に充てられた。 / このように、ボリバル・ベネズエラは、すべての人、とりわけ最も脆弱な国民に食糧安全保障を保証し、国民をCovid-19パンデミックの被害から守り、主要な公共サービスの機能を維持し、イラン、ロシア、中国などとの貿易に対する米国の禁止に挑戦するなど、米国の制裁という世界規模の地雷原を巧みに避け、石油やその他の輸出を増やし、国家主権を守るためにそうした投資に対する国家の優先権を確保しつつ外国資本を誘致し、国内消費を維持・拡大しながら同時に超インフレも抑え、410万の新しい住宅を提供したのである。 / ベネズエラは、これらすべてを達成すると同時に、労働者階級、農民、草の根の共同体の大衆組織を大幅に拡大し、強化し、権限を与えた。それは、大衆的な政治動員の手段としてだけでなく、ワシントンの「政権交代」機構・組織によってコロンビアから放たれた軍国主義やテロリストの冒険に対する抑止力としてである。これは、ボリバル社会主義が機能しているということである。【正確には「ボリバル社会主義指向政権・政策が機能している」ということ。】
junge Welt Aus: Ausgabe vom 12.08.2022, Seite 2 / Ausland 【ドイツ語・機械翻訳】
VENEZUELA Arbeiterprotest
(ベネズエラ: 労働者の抗議行動)
ベネズエラの政府支持者たちは、水曜日(8/10)、適正な給与を求め、福利厚生の削減に反対するデモをおこなった。放送局VTVによると、首都カラカスでは15,000人が街頭に出たという。 / 「社会主義セメント協同組合」の労働者は、「ボリバル革命」の継続を訴えた。 / ベネズエラでは数週間前から、生活費の高騰と低賃金を理由に、主に教育・医療部門の従業員によるデモが行われている。
Hintergrund 11.08.2022 junge Welt zu Venezuela 【ドイツ語・機械翻訳】
Erholt und selbstbewusst
(ベネズエラ: 回復して自信を持つ)
原油価格の高騰は、ベネズエラにも恩恵をもたらしている。この国は回復し、決して国際的に孤立しているわけではない。 / マドゥーロ政権が、特に中国やロシアだけでなく、イランやトルコなど他の新興中心国との戦略的関係を組織的に拡大する一方で、米国やEUも現在、慎重に再び接触を求めている。3月5日に20年以上ぶりに米国代表が公式訪問した。マドゥーロ大統領は、6月末にカラカスでバイデン米国大統領が委嘱した代表団と同政府の協議の継続を確認した。"米国政府高官 "は、「ウクライナ戦争で米国が外交政策の目標をいくつか再調整せざるを得なくなった後、ベネズエラとの関係を再構築するために静かにカラカスを訪れた」と、米国の通信社APは6月27日に報じた。これまでバイデン政権は、ベネズエラでエネルギー企業のシェブロン(米国)、エニ(イタリア)、レプソル(スペイン)にガスや石油の採掘許可を与え、これまで米国が阻止してきた欧州への石油輸送を承認していた。
teleSUR Published 29 July 2022
Meeting to Normalize Relations With Colombia Was Successful
(ベネズエラ: コロンビアとの関係正常化に向けた会談は成功裏に終了)
ボリバル指導者は、コロンビアの次期大統領ペトロが、両国の関係正常化のための会議に将来の外相を派遣してくれたことに感謝した。 / マドゥーロ大統領は、ベネズエラのカルロス・ファリア外相とコロンビアのアルバロ・レイバ・デュラン外相(指名者)の木曜日(7/28)の会談を成功と評した。
teleSUR Published 26 July 2022
Venezuelan Economy Grows 12.3% in Q1 2022
(ベネズエラ経済、2022年第1四半期は12.3%成長)
月曜日(7/25)、ベネズエラ金融観測所(OVF)は、国内総生産(GDP)が2022年の上半期に2021年の同時期と比較して12.3%増加したことを確認した。 / この独立機関の説明によると、ベネズエラのGDPの拡大は、ハイパーインフレの終焉に伴う石油生産の増加と公共投資の結果である。 / また、2022年第2四半期に同国のGDPが16.6%増加したことを記録し、石油生産が36.3%増加したことを強調した。
teleSUR Published 12 July 2022
Venezuela and the EU to Strengthen Cooperation Mechanisms
(ベネズエラとEU、協力体制強化へ)
月曜日(7/11)、ベネズエラのカルロス・ファリア外相は、欧州対外行動庁のブライアン・グリン米州担当局長と会談し、二国間協力について評価をおこなった。 / ベネズエラは、平和と相互尊重の原則に基づき欧州連合(EU)との関係を強化する用意があることを、ファリア外相が示した。双方は、エネルギー、環境、保健医療といった相互の関心分野における協力を促進することに合意した。
Venezuelanalysis Jul 11th 2022 By José Luis Granados Ceja
Petro Government in Colombia Poised to Return Key ‘Stolen’ Asset to Venezuela
(コロンビアのペトロ政権、「盗まれた」重要資産をベネズエラに返還の構え)
問題となっている農薬会社「モノメロス(Monómeros)」は、ベネズエラ国営企業「ペキベン(Pequiven)」の子会社で、ベネズエラの支配下に戻る可能性があると、コロンビア次期大統領グスタボ・ペトロが火曜日(7/5)に地元ラジオで語った。 / コロンビアに拠点を置くこの農薬製造会社は、ベネズエラで2番目に重要な外国人保有資産と見なされている。マドゥーロ政権を追放する取り組みの一環としてワシントンとその同盟国がフアン・グアイドを「暫定大統領」として承認したことを受け、2019年5月に他の多くの外国資産とともにベネズエラの強硬派野党の管理下に置かれたのである。 / 大統領府のファイルを管理するペトロ政権移行チームのメンバーは、新政府は「存在しない幽霊」と交渉することはできないと述べた。 / 地元の情報筋によると、2つの主要工場を持つこの農薬企業は、コロンビアの食物連鎖において主要な役割を果たし、以前はコーヒー、ジャガイモ、パーム油の生産で使用される肥料の半分近くと農薬の70パーセントを供給していたとのことだ。
Prensa Latina July 7, 2022 Published by: Luis Linares Petrov
Russia and Venezuela diversify bilateral trade
(ロシアとベネズエラ、二国間貿易を多様化)
ロシア連邦のユーリ・ボリソフ副首相とベネズエラのカルロス・ファリア外相は、二国間貿易の増加とその多様化について議論したと、ロシア政府のウェブサイトが報じた。 / 「両国間の貿易量は2021年に50%増加し、2022年の最初の4カ月は前年同期に比べ26%増加した」との声明が発表された。 / ボリソフとファリアは、また、ビジネス分野における互恵的なイニシアチブの実施に有利な条件をつくり、エネルギー、工業、輸送、農業、医薬品、先端技術における協力を発展させることに合意した。
【ロシアは軍事協力中心で中国が経済協力中心という状況があったが、ロシアとの経済協力も強化される。】
Prensa Latina July 7, 2022 Published by: Luis Linares Petrov
Venezuela’s Law of Economic Zones complements its macroeconomic plans
(ベネズエラの「経済特区」法はマクロ経済計画を補完している)
最近承認された「経済特区」法は、国内外の投資を促進することによってベネズエラのマクロ経済計画を補完するものであると、地元新聞は報じている。
Venezuelanalysis Jul 2nd 2022 By Ricardo Vaz
Venezuela: Parliament Passes ‘Special Economic Zones’ Law in Bid to Court Foreign Investment
(ベネズエラ: 外国からの投資を呼び込むための「経済特区」法を議会が可決)
PSUVのオリバー・リバス副議長は、この経済政策は社会主義への「究極のステップ」ではなく、「抵抗戦略」としてとらえるべきだと主張した。
Venezuelanalysis Jun 22nd 2022 By Ricardo Vaz - Venezuelanalysis.com
Venezuela: Housing Movements Rally in Caracas, Hold Meeting with Maduro
(ベネズエラ: 「住宅運動」がカラカスで集会、マドゥーロと会談)
ベネズエラの草の根の集団は、火曜日(6/21)、住宅の権利を守るために大規模なデモ行進をおこなった。 / この動員は、借家人、清掃員、建物占有者、先駆的野営者、その他、住宅の自主的な建設を中心に組織する多くの草の根グループを集めた「Pobladores platform」によって推進された。 / カラカス中心部でのこのデモ行進には、コミュニケーション、人権、フェミニズム、その他の分野でチャビスタと連携する多くの運動が同様に参加した。 / デモ行進とそれに先立つソーシャルメディア上のキャンペーンは、「闘争で達成したものは奪われない」をスローガンに掲げていた。スポークスマンのロドリゲスは、何よりもまず「ブルジョアジーへのメッセージ」であることを強調した。住宅団体は、進歩的な法律を覆そうとする不動産「マフィア」を指弾している。 / マドゥーロ大統領は、提案と批判を歓迎し、画期的な法案は撤回しないと約束し、副大統領に、他の閣僚と草の根の代表との会議を組織して提起された住宅問題に対処するよう命じた。
MR online Posted Jun 17, 2022
(Originally published: Canadian Dimension on June 16, 2022 by Owen Schalk)
Nicolás Maduro’s Eurasian tour is a victory lap for the Bolivarian Revolution
(ニコラス・マドゥーロのユーラシア・ツアーはボリバル革命の勝利の道程)
マドゥーロ大統領は、6月7日から、北アフリカや西アジア、さらにはその周辺諸国との協力関係の再確認と拡大を目的としたいわゆる「ユーラシア・ツアー」を展開している。彼はすでにアルジェリア、トルコ、イラン、クウェートを訪問。石油輸出国機構(OPEC)の将来の指導者と会談し、上記の国々と「政治、文化、経済、石油、石油化学、観光分野」、「農業と食糧生産分野」での協力を含む多くの経済協力協定を締結した。また、イラン滞在中に、カラカスからテヘランへの直行便を7月18日に就航させることも発表した。 / ユーラシアツアー中に収録したマドゥーロ大統領の演説では、「帝国主義の覇権も新植民地主義も新自由主義もない新しい人類への希望」を語り、ベネズエラの経済回復と抵抗が続いていることの表れとして各国を訪問したことを挙げている。 / 一方、バイデン政権は、一部の欧米石油企業に対してベネズエラとの投資交渉開始を許可する意向を表明しており、ボリバル革命に対する米国政府の最大限の圧力キャンペーンが若干緩和されたことを示唆している。 / ベネズエラはそのどん底を乗り越えた。革命プロセスは、もう上昇しかない。一方、自称大統領フアン・グアイドーが率いる右派の野党は、かつてないほど力を失っている。 【筆者はカナダのウイニペグ在住の左翼ライター。】
teleSUR Published 16 June 2022
Maduro Calls To Consolidate Venezuela’s Economic Diversity
(マドゥーロ大統領、ベネズエラの経済的多様性を強化するよう呼びかけ)
アゼルバイジャンを訪問中のマドゥーロ大統領がユーラシア・ツアーの主な成果を総括。 / アゼルバイジャン到着後のメディアへの発言で、ボリバル指導者は、ユーラシア・ツアー中に、ベネズエラに投資、知識、技術をもたらすための様々なセクターとの会合が行われたと述べた。 / また、この仕事のもう一つの目的は、この地理的な地域にベネズエラのビジネスマンのための市場をつくることであるとも付け加えた。この意味で、ベネズエラの生産者は、何百万人もの人々と大きな経済力を持つこの市場が自分たちの周りに開かれていることを考えるよう呼びかけた。 / その上で、「石油に依存せず、多角的なモデルを固めていかなければならない」と述べた。ベネズエラはエネルギー大国であり、今後も石油やガスの開発を続けるが、石油に依存しないことを考えなければならない、と述べた。
teleSUR Published 14 June 2022
Maduro’s Eurasian Tour Hits US Blockade Policy - Deputy
(マドゥーロ大統領のユーラシア歴訪は米国の封鎖政策を直撃)
国民議会経済財政委員会のヘスス・ファリア委員長は、スプートニク通信に対し、「このツアーは、国家の経済回復の新たな段階における我が国の発展に新たな展望を開くだけでなく、ボリバル政府を屈服させる一種の脅迫として封鎖を適用するという米国政府の政策に非常に大きな打撃を与えるものだ」と述べた。 【ベネズエラ大統領のツアーは6月7日に始まり、トルコ、アルジェリア、イラン、クウェート、カタールと続いた。】
Venezuelanalysis Jun 13th 2022 By José Luis Granados Ceja
Venezuela’s Maduro Inks 20-Year Cooperation Plan with Iran Amidst Foreign Tour
(ベネズエラ: マドゥーロ大統領、イランと20年間の協力計画を締結)
ベネズエラとイランは、土曜日(6/11)、ニコラス・マドゥーロ大統領がイランを訪問した際、エブラヒム・ライシ大統領と20年間の協力協定に署名した。 / この2日間のイラン訪問は、トルコとアルジェリアへの訪問を終えたマドゥーロ大統領の外国訪問の一環として行われた。 / 新しい20年契約には、ベネズエラの製油所の修復や技術・エンジニアリング・サービスの輸出も含まれると報じられている。ベネズエラはさらに、イランのサドラ社とベネズエラのPDVSAの間で建設された容量80万バレルの新造タンカー4隻のうちの2隻目を受け取ることになる。
teleSUR Published 12 June 2022
President Maduro Highlights Achievements of Eurasian Tour
(マドゥーロ大統領、ユーラシア歴訪の成果を強調)
マドゥーロ大統領は、トルコ、アルジェリア、イランとの協力・友好関係が強化されたユーラシア歴訪の成果を強調した。
teleSUR Published 10 June 2022
Cooperation Makes Iran & Venezuela Indestructible: Pres. Maduro
(協力がイランとベネズエラを破壊できなくする: マドゥーロ大統領)
イランを公式訪問したベネズエラのマドゥーロ大統領は、金曜日(6/10)、イランでスペイン語で放送されているオールターナティブ・メディアHispanTVのインタビューに応じた。以下は、そのインタビューのハイライトである。 / ベネズエラとイランは1950年代から国交を結んでいる。ウーゴ・チャベス大統領のもとで、2001年から両国間の親交のプロセスが加速し、強化され始めた。 / この同胞関係の最も明確な表現のひとつは、2020年の第1四半期に、制裁によって原油を精製するための商品や物資を購入できない中でパンデミックに直面していたベネズエラに、イランが燃料を送ったときに起こった。 / マドゥーロ大統領は、現在の国際情勢について、人類は社会、経済、政治、文化の変化のプロセスが加速している転換期を迎えていると指摘した。 / 「この時期が21世紀全体を規定する。革命的指導者として、私たちは変化の兆しを強く意識しなければならない。米国が人類を支配するサイクルが衰退し、新しい地政学がすでに出現している」と指摘した。 / マドゥーロ大統領は、ベネズエラが米国の経済的ハラスメントをどのように克服したかという質問に対して、重要な要素は、何が起こっているのかについて国民に十分な情報を提供し続けることだと指摘した。 / この4年間、封鎖は経済的な破局をもたらし、ある瞬間には生産高が540億米ドルから10億米ドルに落ち込むという形で表れた。しかし、そのことによって、ボリバル政府は、食糧、保健医療、教育、住宅の供給を保証するための答えを見つけることを妨げられはしなかった。 / マドゥーロ大統領は、自国が「戦争経済(war economy)」から脱却し、経済回復と長期的な発展を促進するための政策戦略の設計に着手したことを強調した。「この2年間で、我々は実体経済の成長を確固たるものにすることができた。これは、我が国の将来に対する楽観を生み出す回復の第一段階である」と。 / ベネズエラ大統領は、いわゆる「米州サミット」は様々な次元で分析されるに値すると説明した。そのひとつは、ジョー・バイデン大統領がキューバ、ニカラグア、ベネズエラを除外したことに対する一部の中南米大統領の抗議である。・・・例えば、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」を代表して、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、バイデン大統領自身の前で、米国のキューバ、ニカラグア、ベネズエラに対する差別を拒否した。 / マドゥーロ大統領はまた、「カリブ共同体(CARICOM)」議長であるベリーズのジョン・ブリセーニョ首相の演説を取り上げた。彼は、キューバとベネズエラの人道的な本質を強調した。 / 最後に、マドゥーロ大統領は、「人民サミット」を強調した。そこでは、ラ米カリブと米国の3,000以上の社会団体が実質的な問題を議論し、街頭での動員を禁止されているにもかかわらず、存在する方法を模索した / 「ベネズエラから、我々はロサンゼルスでの真のサミット『人民サミット』のリーダーたちの輝きと勇気に誇りを感じ、それと一体化している」と述べた。 / ベネズエラ大統領は、イランが40年にわたり米国からハラスメントを受け、国土の70%が農業に不利な条件下にあるにもかかわらず、消費する食糧の100%を生産する能力を賞賛した。 / 「我々はイランから学ぶことがたくさんある」とマドゥーロは述べ、「ベネズエラはイランの商品を輸入するスーパーマーケット・チェーンを設立するための投資を歓迎する」と付け加えた。 / 現在、両国の閣僚は「協力マップ」を作成し、今後20年間の計画や戦略を策定している。統合の真のリンクが構築され、その結果「イランとベネズエラは破壊できないもの(indestructible)になる」とマドゥーロは述べた。
Venezuelanalysis Jun 6th 2022 By Andreína Chávez Alava
Eni and Repsol to Receive Oil-for-Debt Licenses, Venezuela Welcomes ‘Small Steps’
(エニとレプソルが「Oil-for-Debtライセンス」取得へ / ベネズエラは「小さな一歩」と歓迎)
ニコラス・マドゥーロ大統領は、最近の石油企業への譲歩は、制裁緩和に向けた「小さいが重要なステップ」であると表明した。 / イタリアのエニとスペインのレプソルは、ロシアのエネルギー輸入の不足を緩和するために、ベネズエラの石油をヨーロッパに独占的に送らなければならないだろう。(ロイター) / 米国政府は、ベネズエラの石油をヨーロッパに早ければ来月にも輸送することを2社に許可したと報道された。 / 日曜日(6/5)にロイターが報じた匿名の情報筋によると、バイデン政権はイタリアのエニとスペインのレプソルに、ベネズエラの国営石油会社PDVSAとの石油と債務の交換取引を再開し、ヨーロッパに原油を送るなら、ワシントンは「反対しない」という内容の書簡を送ったという。
People's World June 1, 2022 BY FRANCISCO DOMINGUEZ
Maduro’s success: Principled resistance to imperialism pays off
(マドゥーロの成功:帝国主義への原則的な抵抗が実を結ぶ)
世界は二重の不思議に呆然としている。ボリバル・ベネズエラの政治的存続と奇跡的な経済回復だ。「ラ米カリブ経済委員会」は、ベネズエラ経済が2014年以来初めて回復して5%成長し、この地域で最も高い水準になるとの見通しを報告した。 / ベネズエラのインフレ率は、2021年9月には7.1%、2022年3月には1.4%と驚異的に下がってきている。 / PSUVの雑誌『Economia Politica y Revolucion』の2022年3月号では、ベネズエラの主食であるアレパに欠かせないトウモロコシの生産量が60%、米は17%増加し、石油以外の輸出が76%増加したと報じている。 / これらの進展は次のような状況と連動している。石油に限らず輸出が好調であること、国内消費レベルが堅調に回復していること、すべての基本的必需品が豊富に供給されていること、国民の生活水準が上昇していること、米国を除く世界経済と徐々に強固なつながりを取り戻したこと、地域および世界で最も優れた成績でCovid-19パンデミックと闘い、死者は5,716人、すなわち人口10万人あたり20.1人の割合(米国の304.18人と比べて)で成功していること。 / これらはすべて、600を超える厄介な一方的経済措置を伴う米国の悪質な封鎖という脈絡の中で行われたものである。ベネズエラの経済は回復しつつあるが、米国の制裁によって引き起こされたすべての歪みに対処し、元に戻す必要があるため、米国の侵略の結果にまだ悩まされている。 / その原動力はウーゴ・チャベスの政治的・倫理的ビジョンに触発され、PSUVとボリバル革命を率いるマドゥーロ大統領がその伝統を維持してきたベネズエラの革命的連帯感である。 / 上記のどれもが、ベネズエラの人々、特にその生産部門、すなわち労働者と農民の強固な支持なしには不可能であっただろう。帝国主義の侵略に対する抵抗は、人民の大衆組織(労働組合、農民組織、コミューン組織、女性、青年など)とPSUVの関係を強化した。同党の権威は絶大に高まり、同時に右派政党、特にフアン・ガウイドの翼の権威は大規模に弱体化した。 / したがって、マドゥーロが右派寄りの政権を率いていると非難する、とんでもない、まったくの虚偽の告発がなされていることは、信じがたいことである。「反封鎖法」(2020年10月)と「経済特区法」(2021年4月)は、マドゥロ大統領を新自由主義者として描き出すための打撃材料として使われてきた。 / 「反封鎖法」と「経済特区法」は、切実に必要とされる経済回復をもたらすために必要な生産装置の避けられない再調整に、民間資本が参加することを定めている。米国の制裁により歳入の99%を失ったベネズエラ経済において、ボリバル国家の庇護のもと、既存の資本を引き出して活用し、生産活動、雇用、付加価値を生み出し、国民の生活水準を向上させることは経済的に合理的である。 / しかし、上記のような好結果は、これらの経済特別法のみに起因するものではなく、より重要なことは、ボリバル政府もマドゥーロ大統領もPSUVも、ウーゴ・チャベスの死後いかなる時点においても、彼らの政治と行動を導く中心的倫理観として社会正義への公約を放棄していないということである。 / 社会主義革命の経済的崩壊を狙った帝国主義主導の孤立化政策は、歴史の自明の事実である。レーニン自身、1918年から21年にかけての14の帝国主義国の経済的、政治的、軍事的侵略によってもたらされた破滅的な状況によって、「新経済政策」を採用せざるを得なくなったのである。 / 歴史的、政治的、経済的な制約があるにせよ、ベネズエラは、米国の持続的な経済戦争にさらされ、崩壊の可能性をはらんだ同じような状況に直面したのである。 / マドゥーロ大統領政権とPSUVが主宰し主導する力強い経済回復により、革命は、国家・社会・経済の社会主義的変革の継続を目指し、石油輸出中心の経済から、経済の多様化、輸入代替への移行を深める段階に入った。
Venezuelanalysis May 28th 2022 By Ricardo Vaz
Venezuela: Maduro Orders Asset Transfers as Grassroots Groups Look to Boost Production
(ベネズエラ: マドゥーロ大統領、草の根グループの生産増進のため資産譲渡を命じる)
マドゥーロ大統領は、人民権力組織とその生産的努力への支援強化を約束した。 / 公共テレビで毎週放送されている「生産的な水曜日」の最新版で、マドゥーロ大統領は、草の根の集団に「資産を譲渡」することを誓った。 / かつてウーゴ・チャベス政権下で優先されたコミューンやその他の人民権力組織は、国の経済危機と米国の制裁下で、国の支援が大幅に減少するなど、困難な状況に直面してきた。 / マドゥーロ政権は、減税や為替規制の撤廃など、自由度の高い施策で経済の安定化を図ろうとしている。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.05.30 Monday)に訳あり】
Venezuelanalysis May 23rd 2022 By José Luis Granados Ceja
Venezuela Launches Tech Platform To Quickly Improve Public Services
(ベネズエラ、公共サービスを迅速に改善するためのTech Platformを立ち上げ)
マドゥーロ政権は、最近、労働者と家族の生活の質の問題を解決することに注力している。 / ベネズエラ政府は、悪化した公共サービスに対処するため、市民と政府との間のより直接的なコミュニケーション手段を促進する、アプリを使った新しい取り組みを開始した。 / マドゥーロ大統領は、迅速な解決を阻む官僚主義を打破することが目的だとし、水、教育、医療に関する問題を優先させると述べた。 / 不満を迅速に解決しようとする政府の努力は、生活の質の問題を解決する能力に対する自信の表れである。ベネズエラの経済状況は、ここ数カ月で少しずつではあるが着実に改善しており、また、米国の大規模な制裁下で同国の石油産業の回復を支援したイランなどの同盟国の協力によって、経済が活性化している。
NEW COLD WAR May 20, 2022 By New Cold War
Published on the Orinoco Tribune, May 17, 2022
Reasons and Implications in Sale of Venezuelan Public Companies Shares
(ベネズエラの国公営企業株式売却の理由と意味合い)
先週、ニコラス・マドゥーロ大統領は、国内外の投資を呼び込むため、複数の国公有企業の株式の5~10%を、近くベネズエラの株式市場に提供すると発表した。 / マドゥーロ大統領が株式公開に言及した企業の中には、公営通信会社CANTVとMovilnet、石油化学会社Pequiven、一連の石油・ガス合弁子会社、グアヤナの数多くの企業などが含まれている。 / 同国で最も重要な株式市場であるカラカス証券取引所のグスタボ・プリド社長は、Union Radioのインタビューで、マドゥーロ大統領の発表は市場に肯定的に受け止められたと述べた。 / 発表の理由 今回の措置は、サービスや財務の持続可能性の面で特に大きな打撃を受けているこれらの国有企業の技術的近代化に投資するための、新たな資金調達を目的とするものである。この背景には、近年、ワシントンによる長期の経済・金融封鎖とそれに伴う外貨収入の一貫した不足がある。 / 米国のベネズエラに対する経済戦争の結果、2014年から19年にかけて石油収入の99%が失われることになった。これにより、補助金制度は取り返しのつかないほど破たんし、経済の回復と再活性化を妨げている。 / マドゥーロの政治経済 国公営企業の株式公開は、ベネズエラの経済的現実に対応するものである。 / このような動きの背景には、一方では、技術やサービスの近代化に投資するための資金を得るために、公社が外国の資本金融市場にアクセスすることが不可能であるということがある。 / 現状では銀行セクターには国営企業が必要とする投資資金を調達する余力はない。 / 従来の資金調達ルートが閉ざされたことで、代替手段を模索せざるを得なくなった。そこで、近年急成長を遂げている株式市場が代替手段として注目されている。資本金が12億ドルから30億ドルになった株式市場は、国家ができない方法で企業に融資することができる。 / こうして、政府の復興と福祉の課題を支えるために民間から資金を得ることが、マドゥーロの政治経済の中心的なテーゼとなったのである。これは政府の権威を強化し、ワシントンやグアイドとの自然な同盟関係が薄れつつある停滞した民間資本を刺激するものである。これらはすべて、収益性のコントロールと投資促進を引き換えに、全般的な景気回復を目指すという目的に基づいている。 / こうした現実主義が、マドゥーロが民営化プロセスを主導し「チャベスの遺産を裏切っている」と主張する政治批判の根拠となっている。だが、これは、一部の人が主張するような「漸進的民営化」ではなく、むしろ国営企業の公共性をさらに確立し、誰もが貯蓄や投資の機会として国営企業に参加できるようにする、国営資本の民主化なのである。 / また、この措置は、主権とマドゥーロ政権の承認という譲れない点を守りつつ、現在進行中の米国や野党との交渉を前にして、戦術的な優位性を蓄積する役割を担っている。封鎖の締め付けを弱めるために考案されたこのような代替的な経済的手段により、政治的譲歩と引き換えに「制裁」を緩めるというワシントンの交渉上のインセンティブは力を失っている。 / 経済面では、賃金の回復と起業への新たなインセンティブに基づく安定した環境下で、これまで達成された進歩が、中期的に定着するためには、公共サービスの改善が必要である。
【米封鎖による苦境から脱出するための現実的方策が進行している。「左派」による「チャベスの遺産を裏切っている」という批判は現実を直視しない誤りだと思われる。】
Venezuelanalysis May 13th 2022 By Cira Pascual Marquina – Venezuelanalysis
Internal Contradictions: A Conversation with Thaís Rodríguez
(ベネズエラの内部矛盾: タイス・ロドリゲスとの対話)
チャビスタの映画制作者兼オーガナイザーが、投獄された労働者を釈放させるための闘いについて語る。
【権力内部の腐敗した部分が腐敗を暴こうとした活動家を投獄するという状況がある。ベネズエラの負の部分の一端が示されている。】
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.05.15 Sunday)に全訳あり】
teleSUR Published 13 May 2022
Venezuela and OPEC Agree to Strengthen Cooperation
(ベネズエラとOPEC、協力関係の強化で合意)
ニコラス・マドゥーロ大統領と石油輸出国機構(OPEC)のモハメド・バルキンド事務局長は、木曜日(5/12)、ベネズエラとOPECの友好協力関係の強化で合意した。 / OPECの事務局長は、封鎖やパンデミックにもかかわらず、ベネズエラがエネルギー部門で回復していることを称賛した。
( 2022年8月25日 )
(ベネズエラ要点)
・ ベネズエラ経済は、2021年を転換点として回復が本格化。昨年は7.6%成長。対外貿易33%増。今年は2桁の経済成長が予想されている(今年第1四半期は12.3%増、第2四半期は18.7%増の予測)。 / 経済の重要な部分を社会主義指向政権が掌握し維持している下での資本主義的方策の拡大という、原則的立場を堅持している。そのもとで、小規模生産企業が急増し、経済的多様性をかなりな程度達成しての経済回復。外国資本を呼び込むための「経済特区」法の制定もその一環。
・ そのような状況下で、これまで我慢してきた労働者・人民の不満と要望が高まり、噴出し、政府は対応に追われている。また、一部に汚職・腐敗の蔓延があり、それへの労働者・人民の批判と闘いも強まっている。それに対する官僚主義的弾圧もある。それらがせめぎ合っている。 / その状況を、一部の左翼はマドゥーロ政権全体の右傾化、革命への裏切りと批判している。だが、労働者・人民の主要な部分はマドゥーロ政権を支持し、経済回復を基礎に新たな社会主義指向政策の前進を目指している。 / 「People's World」(June 1, 2022)は、ベネズエラ経済が回復してきた原動力を、「PSUVとボリバル革命を率いるマドゥーロ大統領が、ウーゴ・チャベスの伝統を維持してきた、そのベネズエラの革命的連帯感である」と見ている。また、それは「労働者と農民の強固な支持なしには不可能であった」「帝国主義の侵略に対する抵抗は人民の大衆組織とPSUVの関係を強化した」と。
・ 6月にマドゥーロ大統領が中東やユーラシアを歴訪し、中東諸国やユーラシア連合諸国、さらにはインドなどと経済交流の拡大が合意された。 / EUとの関係改善も進もうとしている。 / 米制裁・封鎖は一部崩れ始めた。だが基本的には維持されているので、ベネズエラの苦境は続いている。
・ マドゥーロ大統領は、イラン訪問の際にイランのメディアのインタビューに答えて、現在の国際情勢について次のように語った。「人類は社会、経済、政治、文化の変化のプロセスが加速している転換期を迎えている」「この時期が21世紀全体を規定する」「米国が人類を支配するサイクルが衰退し、新しい地政学がすでに出現している」と。
・ コロンビアとの関係改善が進んでいる。 / コロンビアのペトロは、就任前から外相予定者をベネズエラに派遣。関係正常化の話し合いを持った。 / マドゥーロ大統領は、コロンビアとの国境経済圏の創設を提案。
・ 海外に保有する資産を米英帝国主義が簒奪したのを返還せよという、ベネズエラの要求が強まっている。 / コロンビアは、前政権の下で簒奪した資産を返還へ。
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(ベネズエラ)
teleSUR Published 24 August 2022
President Maduro Proposes a Colombian-Venezuelan Economic Zone
(マドゥーロ大統領、コロンビア・ベネズエラ経済圏を提案)
火曜日(8/23)、マドゥーロ大統領は、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領に国境経済圏の創設を提案すると発表している。 / また、2019年から閉鎖されている国境地帯で、コロンビアとの経済・商業開放を加速させるために関係者のチームが活動していることを発表した。
teleSUR Published 23 August 2022
Venezuelan Economy To Grow 18.7% Second Quarter: Central Bank
(ベネズエラ経済、第2四半期は18.7%の成長へ:中央銀行)
ベネズエラ中央銀行のカリクスト・オルテガ総裁は、火曜日(8/23)、同行の最初の見積もりによると、2022年の第2四半期に同国の経済は18.7パーセント成長すると述べた。 / マドゥーロ大統領は、米国による制裁措置の影響により、同国で新たな経済モデルが構築されつつあることを強調した。
Venezuelanalysis Aug 21st 2022 By Ricardo Vaz
Venezuela Increases Petcoke Exports to India
(ベネズエラ、インドへの石油コークスの輸出を拡大)
世界的なエネルギー不足の中、石油産業の副産物は石炭に代わる安価な代替物として浮上している。 / ベネズエラは、インド企業への石油コークス(ペトコーク)販売を大幅に拡大した。 / インドは、これまで米国とサウジアラビアを供給元としていたが、2022年にベネズエラ産の石油コークスの輸入を開始した。
Venezuelanalysis Aug 18th 2022 By Andreína Chávez Alava
Venezuela: Gov’t Pays Vacation Bonuses, Workers Continue Mobilizing for Labor Rights
(ベネズエ政府は休暇中のボーナスを支払い、労働者は労働権のために動員を続ける)
ベネズエラ政府は、公共部門の労働組合と対話のテーブルを開き、要求に対処している。 / 政府は、全国での相次ぐ抗議行動を受け、公共部門の教育労働者の休暇ボーナスを全額支払うと発表した。 / 国家予算局(ONAPRE)は、新しい労働協定がまだ締結されていないとして、3月にマドゥーロ政権が定めた30ドル(126ボリバル)ではなく、2021年の月額最低賃金1.52ドル(7ボリバル)を基準に今年のボーナスを決定し、物議を醸している。 / この削減は全国で大規模な労働者の抗議行動を引き起こし、当局は最新の賃金に基づく休暇ボーナスを再設置し、ONAPREの指導者マルコ・ポロ・コセンサを、経済省元国家会計官のジェニファー・キンテロ・デ・バリオスに交代させるに至っている。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.08.21 Sunday)に全訳あり】
INTERNATIONALIST 360° AUGUST 14, 2022 Franciso Dominguez
Understanding Maduro’s Successful Socialist Economic Strategy
(ベネズエラ: マドゥーロの成功した社会主義経済戦略を理解する)
2022年にベネズエラの経済がどれだけ成長するか、世界の主要金融メディアが4%から20%の幅で競って予測するようになった。これは、急激な不況、ハイパーインフレ、深刻な欠乏、輸出の崩壊、8年連続の外部からのGDP縮小から、マドゥーロが着実に国を舵取りしていることの証左である。 / ベネズエラの経済力、そして現在の政治力は、EUがグアイドを「暫定大統領」として承認しないようにし、多くの国々がそれに続いた。 / 主要なメディアは、ベネズエラの経済回復を、彼の戦略の資本主義的性質に起因するものとした。この誤った見方は、ウーゴ・チャベスの原則を新自由主義に売り渡し裏切ったと悪意を持ってベネズエラ政府を非難するベネズエラの左派のごく一部の人々を、悲しいかな、汚染してしまった。これは虚偽であるだけでなく、全く馬鹿げている。 / 経済政策は、国の重要な海外収入源(石油、金、希少鉱物、海外貿易、等々)を国家が独占するという状況の中で展開・実施されており、政府の機敏さ器用さにより、米国の執拗な経済侵略にもかかわらず素晴らしい成果を上げている。 / マドゥーロは、2021年の一般教書演説で、ベネズエラ経済は7.6%成長、対外貿易は33%増加、家計消費は4.9%増、食料自給率は60~70%(2022年には90%以上)、CLAPボックス(国家食料分配計画)に入るものの90%以上が国産、インフレは1桁に縮小、食料などの不足は消滅したと報告している。 / さらに、最近のユーラシア諸国(トルコ、アルジェリア、イラン、クウェート、カタール、アゼルバイジャン)への訪問で、マドゥーロは巧みにベネズエラの世界の貿易相手国を拡大した(中国、ロシア、イランはすでに最も重要な国の一つである)。ベネズエラの巨大な資産と反封鎖、経済特区の複合効果により、国民経済が魅力的な外国投資先となったのである。 / ベネズエラの経済復興では、経済のデジタル化と中小生産企業の爆発的な増加という2つの要因が際立っている。2020年のデジタル取引件数は1億2143万2000件で、2021年には2億100万件に増え、国内取引総額の80%をカバーする(2022年にはさらに増える)。小企業の登録を担当するSarenの報告によると、2020年に7,657社、2021年に19,284社、2022年5月末までに13,096社が登録されたとのことである。 / いずれの展開も、ボリバル政府が精力的に後押ししたもの。2021年には国家予算の76%が社会支出に充てられた。 / このように、ボリバル・ベネズエラは、すべての人、とりわけ最も脆弱な国民に食糧安全保障を保証し、国民をCovid-19パンデミックの被害から守り、主要な公共サービスの機能を維持し、イラン、ロシア、中国などとの貿易に対する米国の禁止に挑戦するなど、米国の制裁という世界規模の地雷原を巧みに避け、石油やその他の輸出を増やし、国家主権を守るためにそうした投資に対する国家の優先権を確保しつつ外国資本を誘致し、国内消費を維持・拡大しながら同時に超インフレも抑え、410万の新しい住宅を提供したのである。 / ベネズエラは、これらすべてを達成すると同時に、労働者階級、農民、草の根の共同体の大衆組織を大幅に拡大し、強化し、権限を与えた。それは、大衆的な政治動員の手段としてだけでなく、ワシントンの「政権交代」機構・組織によってコロンビアから放たれた軍国主義やテロリストの冒険に対する抑止力としてである。これは、ボリバル社会主義が機能しているということである。【正確には「ボリバル社会主義指向政権・政策が機能している」ということ。】
junge Welt Aus: Ausgabe vom 12.08.2022, Seite 2 / Ausland 【ドイツ語・機械翻訳】
VENEZUELA Arbeiterprotest
(ベネズエラ: 労働者の抗議行動)
ベネズエラの政府支持者たちは、水曜日(8/10)、適正な給与を求め、福利厚生の削減に反対するデモをおこなった。放送局VTVによると、首都カラカスでは15,000人が街頭に出たという。 / 「社会主義セメント協同組合」の労働者は、「ボリバル革命」の継続を訴えた。 / ベネズエラでは数週間前から、生活費の高騰と低賃金を理由に、主に教育・医療部門の従業員によるデモが行われている。
Hintergrund 11.08.2022 junge Welt zu Venezuela 【ドイツ語・機械翻訳】
Erholt und selbstbewusst
(ベネズエラ: 回復して自信を持つ)
原油価格の高騰は、ベネズエラにも恩恵をもたらしている。この国は回復し、決して国際的に孤立しているわけではない。 / マドゥーロ政権が、特に中国やロシアだけでなく、イランやトルコなど他の新興中心国との戦略的関係を組織的に拡大する一方で、米国やEUも現在、慎重に再び接触を求めている。3月5日に20年以上ぶりに米国代表が公式訪問した。マドゥーロ大統領は、6月末にカラカスでバイデン米国大統領が委嘱した代表団と同政府の協議の継続を確認した。"米国政府高官 "は、「ウクライナ戦争で米国が外交政策の目標をいくつか再調整せざるを得なくなった後、ベネズエラとの関係を再構築するために静かにカラカスを訪れた」と、米国の通信社APは6月27日に報じた。これまでバイデン政権は、ベネズエラでエネルギー企業のシェブロン(米国)、エニ(イタリア)、レプソル(スペイン)にガスや石油の採掘許可を与え、これまで米国が阻止してきた欧州への石油輸送を承認していた。
teleSUR Published 29 July 2022
Meeting to Normalize Relations With Colombia Was Successful
(ベネズエラ: コロンビアとの関係正常化に向けた会談は成功裏に終了)
ボリバル指導者は、コロンビアの次期大統領ペトロが、両国の関係正常化のための会議に将来の外相を派遣してくれたことに感謝した。 / マドゥーロ大統領は、ベネズエラのカルロス・ファリア外相とコロンビアのアルバロ・レイバ・デュラン外相(指名者)の木曜日(7/28)の会談を成功と評した。
teleSUR Published 26 July 2022
Venezuelan Economy Grows 12.3% in Q1 2022
(ベネズエラ経済、2022年第1四半期は12.3%成長)
月曜日(7/25)、ベネズエラ金融観測所(OVF)は、国内総生産(GDP)が2022年の上半期に2021年の同時期と比較して12.3%増加したことを確認した。 / この独立機関の説明によると、ベネズエラのGDPの拡大は、ハイパーインフレの終焉に伴う石油生産の増加と公共投資の結果である。 / また、2022年第2四半期に同国のGDPが16.6%増加したことを記録し、石油生産が36.3%増加したことを強調した。
teleSUR Published 12 July 2022
Venezuela and the EU to Strengthen Cooperation Mechanisms
(ベネズエラとEU、協力体制強化へ)
月曜日(7/11)、ベネズエラのカルロス・ファリア外相は、欧州対外行動庁のブライアン・グリン米州担当局長と会談し、二国間協力について評価をおこなった。 / ベネズエラは、平和と相互尊重の原則に基づき欧州連合(EU)との関係を強化する用意があることを、ファリア外相が示した。双方は、エネルギー、環境、保健医療といった相互の関心分野における協力を促進することに合意した。
Venezuelanalysis Jul 11th 2022 By José Luis Granados Ceja
Petro Government in Colombia Poised to Return Key ‘Stolen’ Asset to Venezuela
(コロンビアのペトロ政権、「盗まれた」重要資産をベネズエラに返還の構え)
問題となっている農薬会社「モノメロス(Monómeros)」は、ベネズエラ国営企業「ペキベン(Pequiven)」の子会社で、ベネズエラの支配下に戻る可能性があると、コロンビア次期大統領グスタボ・ペトロが火曜日(7/5)に地元ラジオで語った。 / コロンビアに拠点を置くこの農薬製造会社は、ベネズエラで2番目に重要な外国人保有資産と見なされている。マドゥーロ政権を追放する取り組みの一環としてワシントンとその同盟国がフアン・グアイドを「暫定大統領」として承認したことを受け、2019年5月に他の多くの外国資産とともにベネズエラの強硬派野党の管理下に置かれたのである。 / 大統領府のファイルを管理するペトロ政権移行チームのメンバーは、新政府は「存在しない幽霊」と交渉することはできないと述べた。 / 地元の情報筋によると、2つの主要工場を持つこの農薬企業は、コロンビアの食物連鎖において主要な役割を果たし、以前はコーヒー、ジャガイモ、パーム油の生産で使用される肥料の半分近くと農薬の70パーセントを供給していたとのことだ。
Prensa Latina July 7, 2022 Published by: Luis Linares Petrov
Russia and Venezuela diversify bilateral trade
(ロシアとベネズエラ、二国間貿易を多様化)
ロシア連邦のユーリ・ボリソフ副首相とベネズエラのカルロス・ファリア外相は、二国間貿易の増加とその多様化について議論したと、ロシア政府のウェブサイトが報じた。 / 「両国間の貿易量は2021年に50%増加し、2022年の最初の4カ月は前年同期に比べ26%増加した」との声明が発表された。 / ボリソフとファリアは、また、ビジネス分野における互恵的なイニシアチブの実施に有利な条件をつくり、エネルギー、工業、輸送、農業、医薬品、先端技術における協力を発展させることに合意した。
【ロシアは軍事協力中心で中国が経済協力中心という状況があったが、ロシアとの経済協力も強化される。】
Prensa Latina July 7, 2022 Published by: Luis Linares Petrov
Venezuela’s Law of Economic Zones complements its macroeconomic plans
(ベネズエラの「経済特区」法はマクロ経済計画を補完している)
最近承認された「経済特区」法は、国内外の投資を促進することによってベネズエラのマクロ経済計画を補完するものであると、地元新聞は報じている。
Venezuelanalysis Jul 2nd 2022 By Ricardo Vaz
Venezuela: Parliament Passes ‘Special Economic Zones’ Law in Bid to Court Foreign Investment
(ベネズエラ: 外国からの投資を呼び込むための「経済特区」法を議会が可決)
PSUVのオリバー・リバス副議長は、この経済政策は社会主義への「究極のステップ」ではなく、「抵抗戦略」としてとらえるべきだと主張した。
Venezuelanalysis Jun 22nd 2022 By Ricardo Vaz - Venezuelanalysis.com
Venezuela: Housing Movements Rally in Caracas, Hold Meeting with Maduro
(ベネズエラ: 「住宅運動」がカラカスで集会、マドゥーロと会談)
ベネズエラの草の根の集団は、火曜日(6/21)、住宅の権利を守るために大規模なデモ行進をおこなった。 / この動員は、借家人、清掃員、建物占有者、先駆的野営者、その他、住宅の自主的な建設を中心に組織する多くの草の根グループを集めた「Pobladores platform」によって推進された。 / カラカス中心部でのこのデモ行進には、コミュニケーション、人権、フェミニズム、その他の分野でチャビスタと連携する多くの運動が同様に参加した。 / デモ行進とそれに先立つソーシャルメディア上のキャンペーンは、「闘争で達成したものは奪われない」をスローガンに掲げていた。スポークスマンのロドリゲスは、何よりもまず「ブルジョアジーへのメッセージ」であることを強調した。住宅団体は、進歩的な法律を覆そうとする不動産「マフィア」を指弾している。 / マドゥーロ大統領は、提案と批判を歓迎し、画期的な法案は撤回しないと約束し、副大統領に、他の閣僚と草の根の代表との会議を組織して提起された住宅問題に対処するよう命じた。
MR online Posted Jun 17, 2022
(Originally published: Canadian Dimension on June 16, 2022 by Owen Schalk)
Nicolás Maduro’s Eurasian tour is a victory lap for the Bolivarian Revolution
(ニコラス・マドゥーロのユーラシア・ツアーはボリバル革命の勝利の道程)
マドゥーロ大統領は、6月7日から、北アフリカや西アジア、さらにはその周辺諸国との協力関係の再確認と拡大を目的としたいわゆる「ユーラシア・ツアー」を展開している。彼はすでにアルジェリア、トルコ、イラン、クウェートを訪問。石油輸出国機構(OPEC)の将来の指導者と会談し、上記の国々と「政治、文化、経済、石油、石油化学、観光分野」、「農業と食糧生産分野」での協力を含む多くの経済協力協定を締結した。また、イラン滞在中に、カラカスからテヘランへの直行便を7月18日に就航させることも発表した。 / ユーラシアツアー中に収録したマドゥーロ大統領の演説では、「帝国主義の覇権も新植民地主義も新自由主義もない新しい人類への希望」を語り、ベネズエラの経済回復と抵抗が続いていることの表れとして各国を訪問したことを挙げている。 / 一方、バイデン政権は、一部の欧米石油企業に対してベネズエラとの投資交渉開始を許可する意向を表明しており、ボリバル革命に対する米国政府の最大限の圧力キャンペーンが若干緩和されたことを示唆している。 / ベネズエラはそのどん底を乗り越えた。革命プロセスは、もう上昇しかない。一方、自称大統領フアン・グアイドーが率いる右派の野党は、かつてないほど力を失っている。 【筆者はカナダのウイニペグ在住の左翼ライター。】
teleSUR Published 16 June 2022
Maduro Calls To Consolidate Venezuela’s Economic Diversity
(マドゥーロ大統領、ベネズエラの経済的多様性を強化するよう呼びかけ)
アゼルバイジャンを訪問中のマドゥーロ大統領がユーラシア・ツアーの主な成果を総括。 / アゼルバイジャン到着後のメディアへの発言で、ボリバル指導者は、ユーラシア・ツアー中に、ベネズエラに投資、知識、技術をもたらすための様々なセクターとの会合が行われたと述べた。 / また、この仕事のもう一つの目的は、この地理的な地域にベネズエラのビジネスマンのための市場をつくることであるとも付け加えた。この意味で、ベネズエラの生産者は、何百万人もの人々と大きな経済力を持つこの市場が自分たちの周りに開かれていることを考えるよう呼びかけた。 / その上で、「石油に依存せず、多角的なモデルを固めていかなければならない」と述べた。ベネズエラはエネルギー大国であり、今後も石油やガスの開発を続けるが、石油に依存しないことを考えなければならない、と述べた。
teleSUR Published 14 June 2022
Maduro’s Eurasian Tour Hits US Blockade Policy - Deputy
(マドゥーロ大統領のユーラシア歴訪は米国の封鎖政策を直撃)
国民議会経済財政委員会のヘスス・ファリア委員長は、スプートニク通信に対し、「このツアーは、国家の経済回復の新たな段階における我が国の発展に新たな展望を開くだけでなく、ボリバル政府を屈服させる一種の脅迫として封鎖を適用するという米国政府の政策に非常に大きな打撃を与えるものだ」と述べた。 【ベネズエラ大統領のツアーは6月7日に始まり、トルコ、アルジェリア、イラン、クウェート、カタールと続いた。】
Venezuelanalysis Jun 13th 2022 By José Luis Granados Ceja
Venezuela’s Maduro Inks 20-Year Cooperation Plan with Iran Amidst Foreign Tour
(ベネズエラ: マドゥーロ大統領、イランと20年間の協力計画を締結)
ベネズエラとイランは、土曜日(6/11)、ニコラス・マドゥーロ大統領がイランを訪問した際、エブラヒム・ライシ大統領と20年間の協力協定に署名した。 / この2日間のイラン訪問は、トルコとアルジェリアへの訪問を終えたマドゥーロ大統領の外国訪問の一環として行われた。 / 新しい20年契約には、ベネズエラの製油所の修復や技術・エンジニアリング・サービスの輸出も含まれると報じられている。ベネズエラはさらに、イランのサドラ社とベネズエラのPDVSAの間で建設された容量80万バレルの新造タンカー4隻のうちの2隻目を受け取ることになる。
teleSUR Published 12 June 2022
President Maduro Highlights Achievements of Eurasian Tour
(マドゥーロ大統領、ユーラシア歴訪の成果を強調)
マドゥーロ大統領は、トルコ、アルジェリア、イランとの協力・友好関係が強化されたユーラシア歴訪の成果を強調した。
teleSUR Published 10 June 2022
Cooperation Makes Iran & Venezuela Indestructible: Pres. Maduro
(協力がイランとベネズエラを破壊できなくする: マドゥーロ大統領)
イランを公式訪問したベネズエラのマドゥーロ大統領は、金曜日(6/10)、イランでスペイン語で放送されているオールターナティブ・メディアHispanTVのインタビューに応じた。以下は、そのインタビューのハイライトである。 / ベネズエラとイランは1950年代から国交を結んでいる。ウーゴ・チャベス大統領のもとで、2001年から両国間の親交のプロセスが加速し、強化され始めた。 / この同胞関係の最も明確な表現のひとつは、2020年の第1四半期に、制裁によって原油を精製するための商品や物資を購入できない中でパンデミックに直面していたベネズエラに、イランが燃料を送ったときに起こった。 / マドゥーロ大統領は、現在の国際情勢について、人類は社会、経済、政治、文化の変化のプロセスが加速している転換期を迎えていると指摘した。 / 「この時期が21世紀全体を規定する。革命的指導者として、私たちは変化の兆しを強く意識しなければならない。米国が人類を支配するサイクルが衰退し、新しい地政学がすでに出現している」と指摘した。 / マドゥーロ大統領は、ベネズエラが米国の経済的ハラスメントをどのように克服したかという質問に対して、重要な要素は、何が起こっているのかについて国民に十分な情報を提供し続けることだと指摘した。 / この4年間、封鎖は経済的な破局をもたらし、ある瞬間には生産高が540億米ドルから10億米ドルに落ち込むという形で表れた。しかし、そのことによって、ボリバル政府は、食糧、保健医療、教育、住宅の供給を保証するための答えを見つけることを妨げられはしなかった。 / マドゥーロ大統領は、自国が「戦争経済(war economy)」から脱却し、経済回復と長期的な発展を促進するための政策戦略の設計に着手したことを強調した。「この2年間で、我々は実体経済の成長を確固たるものにすることができた。これは、我が国の将来に対する楽観を生み出す回復の第一段階である」と。 / ベネズエラ大統領は、いわゆる「米州サミット」は様々な次元で分析されるに値すると説明した。そのひとつは、ジョー・バイデン大統領がキューバ、ニカラグア、ベネズエラを除外したことに対する一部の中南米大統領の抗議である。・・・例えば、「ラ米カリブ諸国共同体(CELAC)」を代表して、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、バイデン大統領自身の前で、米国のキューバ、ニカラグア、ベネズエラに対する差別を拒否した。 / マドゥーロ大統領はまた、「カリブ共同体(CARICOM)」議長であるベリーズのジョン・ブリセーニョ首相の演説を取り上げた。彼は、キューバとベネズエラの人道的な本質を強調した。 / 最後に、マドゥーロ大統領は、「人民サミット」を強調した。そこでは、ラ米カリブと米国の3,000以上の社会団体が実質的な問題を議論し、街頭での動員を禁止されているにもかかわらず、存在する方法を模索した / 「ベネズエラから、我々はロサンゼルスでの真のサミット『人民サミット』のリーダーたちの輝きと勇気に誇りを感じ、それと一体化している」と述べた。 / ベネズエラ大統領は、イランが40年にわたり米国からハラスメントを受け、国土の70%が農業に不利な条件下にあるにもかかわらず、消費する食糧の100%を生産する能力を賞賛した。 / 「我々はイランから学ぶことがたくさんある」とマドゥーロは述べ、「ベネズエラはイランの商品を輸入するスーパーマーケット・チェーンを設立するための投資を歓迎する」と付け加えた。 / 現在、両国の閣僚は「協力マップ」を作成し、今後20年間の計画や戦略を策定している。統合の真のリンクが構築され、その結果「イランとベネズエラは破壊できないもの(indestructible)になる」とマドゥーロは述べた。
Venezuelanalysis Jun 6th 2022 By Andreína Chávez Alava
Eni and Repsol to Receive Oil-for-Debt Licenses, Venezuela Welcomes ‘Small Steps’
(エニとレプソルが「Oil-for-Debtライセンス」取得へ / ベネズエラは「小さな一歩」と歓迎)
ニコラス・マドゥーロ大統領は、最近の石油企業への譲歩は、制裁緩和に向けた「小さいが重要なステップ」であると表明した。 / イタリアのエニとスペインのレプソルは、ロシアのエネルギー輸入の不足を緩和するために、ベネズエラの石油をヨーロッパに独占的に送らなければならないだろう。(ロイター) / 米国政府は、ベネズエラの石油をヨーロッパに早ければ来月にも輸送することを2社に許可したと報道された。 / 日曜日(6/5)にロイターが報じた匿名の情報筋によると、バイデン政権はイタリアのエニとスペインのレプソルに、ベネズエラの国営石油会社PDVSAとの石油と債務の交換取引を再開し、ヨーロッパに原油を送るなら、ワシントンは「反対しない」という内容の書簡を送ったという。
People's World June 1, 2022 BY FRANCISCO DOMINGUEZ
Maduro’s success: Principled resistance to imperialism pays off
(マドゥーロの成功:帝国主義への原則的な抵抗が実を結ぶ)
世界は二重の不思議に呆然としている。ボリバル・ベネズエラの政治的存続と奇跡的な経済回復だ。「ラ米カリブ経済委員会」は、ベネズエラ経済が2014年以来初めて回復して5%成長し、この地域で最も高い水準になるとの見通しを報告した。 / ベネズエラのインフレ率は、2021年9月には7.1%、2022年3月には1.4%と驚異的に下がってきている。 / PSUVの雑誌『Economia Politica y Revolucion』の2022年3月号では、ベネズエラの主食であるアレパに欠かせないトウモロコシの生産量が60%、米は17%増加し、石油以外の輸出が76%増加したと報じている。 / これらの進展は次のような状況と連動している。石油に限らず輸出が好調であること、国内消費レベルが堅調に回復していること、すべての基本的必需品が豊富に供給されていること、国民の生活水準が上昇していること、米国を除く世界経済と徐々に強固なつながりを取り戻したこと、地域および世界で最も優れた成績でCovid-19パンデミックと闘い、死者は5,716人、すなわち人口10万人あたり20.1人の割合(米国の304.18人と比べて)で成功していること。 / これらはすべて、600を超える厄介な一方的経済措置を伴う米国の悪質な封鎖という脈絡の中で行われたものである。ベネズエラの経済は回復しつつあるが、米国の制裁によって引き起こされたすべての歪みに対処し、元に戻す必要があるため、米国の侵略の結果にまだ悩まされている。 / その原動力はウーゴ・チャベスの政治的・倫理的ビジョンに触発され、PSUVとボリバル革命を率いるマドゥーロ大統領がその伝統を維持してきたベネズエラの革命的連帯感である。 / 上記のどれもが、ベネズエラの人々、特にその生産部門、すなわち労働者と農民の強固な支持なしには不可能であっただろう。帝国主義の侵略に対する抵抗は、人民の大衆組織(労働組合、農民組織、コミューン組織、女性、青年など)とPSUVの関係を強化した。同党の権威は絶大に高まり、同時に右派政党、特にフアン・ガウイドの翼の権威は大規模に弱体化した。 / したがって、マドゥーロが右派寄りの政権を率いていると非難する、とんでもない、まったくの虚偽の告発がなされていることは、信じがたいことである。「反封鎖法」(2020年10月)と「経済特区法」(2021年4月)は、マドゥロ大統領を新自由主義者として描き出すための打撃材料として使われてきた。 / 「反封鎖法」と「経済特区法」は、切実に必要とされる経済回復をもたらすために必要な生産装置の避けられない再調整に、民間資本が参加することを定めている。米国の制裁により歳入の99%を失ったベネズエラ経済において、ボリバル国家の庇護のもと、既存の資本を引き出して活用し、生産活動、雇用、付加価値を生み出し、国民の生活水準を向上させることは経済的に合理的である。 / しかし、上記のような好結果は、これらの経済特別法のみに起因するものではなく、より重要なことは、ボリバル政府もマドゥーロ大統領もPSUVも、ウーゴ・チャベスの死後いかなる時点においても、彼らの政治と行動を導く中心的倫理観として社会正義への公約を放棄していないということである。 / 社会主義革命の経済的崩壊を狙った帝国主義主導の孤立化政策は、歴史の自明の事実である。レーニン自身、1918年から21年にかけての14の帝国主義国の経済的、政治的、軍事的侵略によってもたらされた破滅的な状況によって、「新経済政策」を採用せざるを得なくなったのである。 / 歴史的、政治的、経済的な制約があるにせよ、ベネズエラは、米国の持続的な経済戦争にさらされ、崩壊の可能性をはらんだ同じような状況に直面したのである。 / マドゥーロ大統領政権とPSUVが主宰し主導する力強い経済回復により、革命は、国家・社会・経済の社会主義的変革の継続を目指し、石油輸出中心の経済から、経済の多様化、輸入代替への移行を深める段階に入った。
Venezuelanalysis May 28th 2022 By Ricardo Vaz
Venezuela: Maduro Orders Asset Transfers as Grassroots Groups Look to Boost Production
(ベネズエラ: マドゥーロ大統領、草の根グループの生産増進のため資産譲渡を命じる)
マドゥーロ大統領は、人民権力組織とその生産的努力への支援強化を約束した。 / 公共テレビで毎週放送されている「生産的な水曜日」の最新版で、マドゥーロ大統領は、草の根の集団に「資産を譲渡」することを誓った。 / かつてウーゴ・チャベス政権下で優先されたコミューンやその他の人民権力組織は、国の経済危機と米国の制裁下で、国の支援が大幅に減少するなど、困難な状況に直面してきた。 / マドゥーロ政権は、減税や為替規制の撤廃など、自由度の高い施策で経済の安定化を図ろうとしている。
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.05.30 Monday)に訳あり】
Venezuelanalysis May 23rd 2022 By José Luis Granados Ceja
Venezuela Launches Tech Platform To Quickly Improve Public Services
(ベネズエラ、公共サービスを迅速に改善するためのTech Platformを立ち上げ)
マドゥーロ政権は、最近、労働者と家族の生活の質の問題を解決することに注力している。 / ベネズエラ政府は、悪化した公共サービスに対処するため、市民と政府との間のより直接的なコミュニケーション手段を促進する、アプリを使った新しい取り組みを開始した。 / マドゥーロ大統領は、迅速な解決を阻む官僚主義を打破することが目的だとし、水、教育、医療に関する問題を優先させると述べた。 / 不満を迅速に解決しようとする政府の努力は、生活の質の問題を解決する能力に対する自信の表れである。ベネズエラの経済状況は、ここ数カ月で少しずつではあるが着実に改善しており、また、米国の大規模な制裁下で同国の石油産業の回復を支援したイランなどの同盟国の協力によって、経済が活性化している。
NEW COLD WAR May 20, 2022 By New Cold War
Published on the Orinoco Tribune, May 17, 2022
Reasons and Implications in Sale of Venezuelan Public Companies Shares
(ベネズエラの国公営企業株式売却の理由と意味合い)
先週、ニコラス・マドゥーロ大統領は、国内外の投資を呼び込むため、複数の国公有企業の株式の5~10%を、近くベネズエラの株式市場に提供すると発表した。 / マドゥーロ大統領が株式公開に言及した企業の中には、公営通信会社CANTVとMovilnet、石油化学会社Pequiven、一連の石油・ガス合弁子会社、グアヤナの数多くの企業などが含まれている。 / 同国で最も重要な株式市場であるカラカス証券取引所のグスタボ・プリド社長は、Union Radioのインタビューで、マドゥーロ大統領の発表は市場に肯定的に受け止められたと述べた。 / 発表の理由 今回の措置は、サービスや財務の持続可能性の面で特に大きな打撃を受けているこれらの国有企業の技術的近代化に投資するための、新たな資金調達を目的とするものである。この背景には、近年、ワシントンによる長期の経済・金融封鎖とそれに伴う外貨収入の一貫した不足がある。 / 米国のベネズエラに対する経済戦争の結果、2014年から19年にかけて石油収入の99%が失われることになった。これにより、補助金制度は取り返しのつかないほど破たんし、経済の回復と再活性化を妨げている。 / マドゥーロの政治経済 国公営企業の株式公開は、ベネズエラの経済的現実に対応するものである。 / このような動きの背景には、一方では、技術やサービスの近代化に投資するための資金を得るために、公社が外国の資本金融市場にアクセスすることが不可能であるということがある。 / 現状では銀行セクターには国営企業が必要とする投資資金を調達する余力はない。 / 従来の資金調達ルートが閉ざされたことで、代替手段を模索せざるを得なくなった。そこで、近年急成長を遂げている株式市場が代替手段として注目されている。資本金が12億ドルから30億ドルになった株式市場は、国家ができない方法で企業に融資することができる。 / こうして、政府の復興と福祉の課題を支えるために民間から資金を得ることが、マドゥーロの政治経済の中心的なテーゼとなったのである。これは政府の権威を強化し、ワシントンやグアイドとの自然な同盟関係が薄れつつある停滞した民間資本を刺激するものである。これらはすべて、収益性のコントロールと投資促進を引き換えに、全般的な景気回復を目指すという目的に基づいている。 / こうした現実主義が、マドゥーロが民営化プロセスを主導し「チャベスの遺産を裏切っている」と主張する政治批判の根拠となっている。だが、これは、一部の人が主張するような「漸進的民営化」ではなく、むしろ国営企業の公共性をさらに確立し、誰もが貯蓄や投資の機会として国営企業に参加できるようにする、国営資本の民主化なのである。 / また、この措置は、主権とマドゥーロ政権の承認という譲れない点を守りつつ、現在進行中の米国や野党との交渉を前にして、戦術的な優位性を蓄積する役割を担っている。封鎖の締め付けを弱めるために考案されたこのような代替的な経済的手段により、政治的譲歩と引き換えに「制裁」を緩めるというワシントンの交渉上のインセンティブは力を失っている。 / 経済面では、賃金の回復と起業への新たなインセンティブに基づく安定した環境下で、これまで達成された進歩が、中期的に定着するためには、公共サービスの改善が必要である。
【米封鎖による苦境から脱出するための現実的方策が進行している。「左派」による「チャベスの遺産を裏切っている」という批判は現実を直視しない誤りだと思われる。】
Venezuelanalysis May 13th 2022 By Cira Pascual Marquina – Venezuelanalysis
Internal Contradictions: A Conversation with Thaís Rodríguez
(ベネズエラの内部矛盾: タイス・ロドリゲスとの対話)
チャビスタの映画制作者兼オーガナイザーが、投獄された労働者を釈放させるための闘いについて語る。
【権力内部の腐敗した部分が腐敗を暴こうとした活動家を投獄するという状況がある。ベネズエラの負の部分の一端が示されている。】
【「ラテンアメリカの革命的大衆闘争」(2022.05.15 Sunday)に全訳あり】
teleSUR Published 13 May 2022
Venezuela and OPEC Agree to Strengthen Cooperation
(ベネズエラとOPEC、協力関係の強化で合意)
ニコラス・マドゥーロ大統領と石油輸出国機構(OPEC)のモハメド・バルキンド事務局長は、木曜日(5/12)、ベネズエラとOPECの友好協力関係の強化で合意した。 / OPECの事務局長は、封鎖やパンデミックにもかかわらず、ベネズエラがエネルギー部門で回復していることを称賛した。