朝早くのバンコクエア便でカンボジアのシェムリアップへ。1時間くらいのフライトです。シェムリアップ空港でアライバルビザを取り、建物から外へ出ると、カンボジア人の日本語ガイドさんが迎えてくれました。ホテルに荷物を置いて、いよいよ憧れのアンコールワットへ向かいます。
12世紀の前半に創建されたヒンズー教のお寺・アンコールワット。スケールが大きくて、往時の宇宙観と表現エネルギーをいまだに放ちまくっています。ガイドさんはとても上手な日本語でひとつひとつの物語や歴史を詳しく説明してくれます。どこの遺跡もそうですが、アンコールワットを初めて訪れるなら、ガイドさんを雇った方が何倍も興味深く楽しめると思います。私は、これまでに行った遺跡でもいつもガイドさんを付けて見学しましたが、プロのガイドさんのおかげで知ることができた感動というのは本当にたくさんありました。
▼レリーフで埋め尽くされた第一回廊。精緻な浮き彫りでインド古代の叙事詩「マハーバーラタ」の場面が続きます。回廊のレリーフは長編絵巻のようになっていて、歩き進むと戦闘や行軍の様子が展開していきます。
▼南面のレリーフは「天国と地獄」。閻魔大王が判決を下し、天国と地獄に分かれていきます。特に地獄の責め苦のレリーフはとても詳細な描写で、大変こわい。わかりにくいですが、これは「生前ウソをついたために、地獄で舌を引っこ抜かれる」シーンです。この他にも、串刺しにされる・火あぶりにされる・全身に釘を刺される・ムチで打たれる などなど…。
▼アンコールワットを撮りたかった一之瀬泰造が、地雷だらけのジャングルから抜け出て最初にアンコールワットを目にしたのは、このアングルからだったといいます。同じように、私も下に降りて遺跡からちょっと離れ、振り返ってみました。手前には、7つの頭を持つ蛇神・ナーガがいます。
▼アンコールワットの中央祠堂までに行くには、この崩れかかっているように見える塔をよじ登らなくてはなりません。下から見上げるとほとんど垂直にそそり立っている(ように見える)石段は、風化のためすっかり角が取れてやたらスベスベしている上に、踏みしろが20cmくらいしかなく、高所恐怖症の人にはかなりキツイと思います。
▼石段を登っている途中で下を見下ろして撮りました。
▼とうとう着きました。アンコールワットの中央祠堂です。中央祠堂の周辺には、ガルーダ(聖なる鳥)、ナーガ、カーラ(食いしん坊の怪物)など、ヒンズー教の聖獣たちのモチーフがたくさん見られ、表情やしぐさがとてもユーモラス。
▼中央祠堂のすぐ横にある、王様の沐浴のための聖池。この池は仏像を洗うための池でもありました。しかし何と言っても、こんなとんでもないてっぺんに水をたたえた池を作るという、当時の灌漑技術の高さがすごい。
▼中央祠堂の高みから周りを見渡すと、どこまでも広がる密林の中に忽然とアンコールワットが存在しているという印象。
▼アンコールワットの壁面で微笑を浮かべて並ぶ、表情豊かで美しいデバターたち。その表情も、アクセサリーもしぐさも、みんなちょっとずつ違います。1人ずつ実在の女官のモデルがいたそう…。
アンコールワットをたっぷり見学したので、次はバイヨンへ行きました。バイヨンは12世紀の仏教の遺跡。▼顔の高さだけで2~3メートルはある四面仏がごろごろ(失礼)いらっしゃり、その数と大きさにたじたじ。
バイヨンの回廊のレリーフは、アンコールワットのものと違って、宗教色・政治色・戦闘色が薄く、かわって庶民の日常の暮らしぶりを描いたものが多くあります。漁や調理中のシーン、出産シーン、レスリングやチェスをしているシーンなどなど、とても面白かったです。ガイドさんと一緒に夢中になってレリーフに張り付いて見ていたので、気づいたらあまり写真を撮ってなかったです…
私、バイヨンはかなり大好きです。とってもよかった。四面仏のお顔の、なんとも言えない「ニヤリ」という表情のせいなのかな? とにかく相性がよかったです。
この後、小高い丘の上にあるプノン・バケンという遺跡に行き、360度広がるパノラマからアンコールの密林に沈む夕陽をゆっくりと眺めました。
そして夜は、クメール文化の伝統舞踊「アプサラ・ダンス」を鑑賞しました。アプサラとは天女のことで、アプサラダンスは神への祈りとして奉納されるものでした。今日1日、遺跡内でたくさん目にしたレリーフから、そのまま抜け出てきたかのようなアプサラたちが、非常に優雅な舞を見せてくれます。この、「ゆっくりとした優雅な」ってところがカンボジア、という感じなんです。うまく言えないけれど。
12世紀の前半に創建されたヒンズー教のお寺・アンコールワット。スケールが大きくて、往時の宇宙観と表現エネルギーをいまだに放ちまくっています。ガイドさんはとても上手な日本語でひとつひとつの物語や歴史を詳しく説明してくれます。どこの遺跡もそうですが、アンコールワットを初めて訪れるなら、ガイドさんを雇った方が何倍も興味深く楽しめると思います。私は、これまでに行った遺跡でもいつもガイドさんを付けて見学しましたが、プロのガイドさんのおかげで知ることができた感動というのは本当にたくさんありました。
▼レリーフで埋め尽くされた第一回廊。精緻な浮き彫りでインド古代の叙事詩「マハーバーラタ」の場面が続きます。回廊のレリーフは長編絵巻のようになっていて、歩き進むと戦闘や行軍の様子が展開していきます。
▼南面のレリーフは「天国と地獄」。閻魔大王が判決を下し、天国と地獄に分かれていきます。特に地獄の責め苦のレリーフはとても詳細な描写で、大変こわい。わかりにくいですが、これは「生前ウソをついたために、地獄で舌を引っこ抜かれる」シーンです。この他にも、串刺しにされる・火あぶりにされる・全身に釘を刺される・ムチで打たれる などなど…。
▼アンコールワットを撮りたかった一之瀬泰造が、地雷だらけのジャングルから抜け出て最初にアンコールワットを目にしたのは、このアングルからだったといいます。同じように、私も下に降りて遺跡からちょっと離れ、振り返ってみました。手前には、7つの頭を持つ蛇神・ナーガがいます。
▼アンコールワットの中央祠堂までに行くには、この崩れかかっているように見える塔をよじ登らなくてはなりません。下から見上げるとほとんど垂直にそそり立っている(ように見える)石段は、風化のためすっかり角が取れてやたらスベスベしている上に、踏みしろが20cmくらいしかなく、高所恐怖症の人にはかなりキツイと思います。
▼石段を登っている途中で下を見下ろして撮りました。
▼とうとう着きました。アンコールワットの中央祠堂です。中央祠堂の周辺には、ガルーダ(聖なる鳥)、ナーガ、カーラ(食いしん坊の怪物)など、ヒンズー教の聖獣たちのモチーフがたくさん見られ、表情やしぐさがとてもユーモラス。
▼中央祠堂のすぐ横にある、王様の沐浴のための聖池。この池は仏像を洗うための池でもありました。しかし何と言っても、こんなとんでもないてっぺんに水をたたえた池を作るという、当時の灌漑技術の高さがすごい。
▼中央祠堂の高みから周りを見渡すと、どこまでも広がる密林の中に忽然とアンコールワットが存在しているという印象。
▼アンコールワットの壁面で微笑を浮かべて並ぶ、表情豊かで美しいデバターたち。その表情も、アクセサリーもしぐさも、みんなちょっとずつ違います。1人ずつ実在の女官のモデルがいたそう…。
アンコールワットをたっぷり見学したので、次はバイヨンへ行きました。バイヨンは12世紀の仏教の遺跡。▼顔の高さだけで2~3メートルはある四面仏がごろごろ(失礼)いらっしゃり、その数と大きさにたじたじ。
バイヨンの回廊のレリーフは、アンコールワットのものと違って、宗教色・政治色・戦闘色が薄く、かわって庶民の日常の暮らしぶりを描いたものが多くあります。漁や調理中のシーン、出産シーン、レスリングやチェスをしているシーンなどなど、とても面白かったです。ガイドさんと一緒に夢中になってレリーフに張り付いて見ていたので、気づいたらあまり写真を撮ってなかったです…
私、バイヨンはかなり大好きです。とってもよかった。四面仏のお顔の、なんとも言えない「ニヤリ」という表情のせいなのかな? とにかく相性がよかったです。
この後、小高い丘の上にあるプノン・バケンという遺跡に行き、360度広がるパノラマからアンコールの密林に沈む夕陽をゆっくりと眺めました。
そして夜は、クメール文化の伝統舞踊「アプサラ・ダンス」を鑑賞しました。アプサラとは天女のことで、アプサラダンスは神への祈りとして奉納されるものでした。今日1日、遺跡内でたくさん目にしたレリーフから、そのまま抜け出てきたかのようなアプサラたちが、非常に優雅な舞を見せてくれます。この、「ゆっくりとした優雅な」ってところがカンボジア、という感じなんです。うまく言えないけれど。