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ニューヨークとわたしの日々

「強姦は大罪だが、中絶はそれ以上の大罪」??

2009年03月15日 | news
はぁ?

ブラジルで、9歳の少女が同居する義父(23)に繰り返し性的暴行を受け妊娠してしまったため、母体に危険があると判断した医師が、少女の母親と合意の上で中絶手術をしたが、それについてカトリック教会の大司教が「強姦は大罪だが、中絶はそれ以上の大罪」とし、教会法に基づいて医師らを破門した、というニュース。

politically correct【形】
〔表現・考え方・行動などが〕公正な、道徳的に正しい、差別[偏見]のない、差別にならない、差別的でない、非差別的な

日本ではそれほど強く意識されることはないかもしれないけれど、ニューヨークのようなほとんど特異ともいえる超多様社会に住んでいると、常に politically correct であらねばならぬと気をつかう。といっても、何が politically correct で何がそうでないかという線引きは意外と一様でなく、その場にいるメンバーによるし、判断に迷うシーンも多々あって難しい。だから地雷を踏んで無用な摩擦を生むことにならぬよう、微妙な話題についてはもう議論しない、意見を述べないっていう態度になりがち。

前置きが長くなったけど、そのようなわけで、私も日頃はそのような態度なんだけど、このニュースに限っては、カトリック信者がこれをどう受け止めたのか、どう考えているのか、誰かカトリックをつかまえて意見を聞き議論したいと激しく思ってしまった。これって、カトリックのドグマに関わる原理主義的な判断なのはわかるんだけど、こういうカトリック教会の判断を目の前にして、信者はそれでもなお信仰を続けられるものなの?

それって、宗教に甘えて思考停止しているんじゃないの?

少女の母親と担当医は破門され、レイプした義父は宗教的にお咎めなし。義父にレイプされて妊娠させられた9歳の少女の出産を奨励する方が明らかに鬼畜なのに、中絶はダメなんて、狂ってる。この子を苦しみから救ったのは医師。掟を破り、破門覚悟で子供を救ったカトリックの医師の苦悩、その勇気こそが尊い。大司教は何を救ったのか。

中絶はこの子の罪ではなく、加害者である義父の罪。

客観的に物事が見れないのは終わってる。信じる者しか救わない宗教なんて、しょせんその程度のレベル。大司教であろうと一信者であろうと、そんなんだから宗教に傾倒するんでしょって思う。


9歳少女に中絶手術、医師を大司教が「破門」…ブラジル
(以下、リンクより引用)
 【リオデジャネイロ=小寺以作】世界最大のカトリック人口を抱えるブラジルの北東部ペルナンブコ州で、義父に強姦(ごうかん)され妊娠した少女(9)が今月初旬、中絶手術を受けたところ、カトリックの大司教が、中絶に同意した少女の母親と担当医らを破門した。

 医師側は「少女の命を守るため」と反論、大統領も巻き込んだ大論争となっている。

 地元紙によると、少女は同居する義父(23)に繰り返し性的暴行を受けていた。2月下旬に腹痛を訴えて母親と病院に行くと、妊娠4か月と判明。医師は、少女の骨盤が小さく、妊娠を続けると生命にかかわると判断し、今月4日に母親の同意を得て中絶手術を行った。

 ブラジルでは、強姦による妊娠と、母体に危険がある場合、中絶は合法だが、ジョゼ・カルドーゾ・ソブリーニョ大司教は「強姦は大罪だが、中絶はそれ以上の大罪」と述べ、教会法に基づいて医師らを破門。これに対し、ルラ大統領は「医学の方が正しい判断をした。信者の一人としてこのように保守的な判断は残念」と大司教を批判した。
(3月15日2時44分配信 読売新聞)


こちらの方が、日本のニュースサイトよりかなり詳しく書いてあるので、ぜひこっちも読んでほしいです。

CNN.com/world
Excommunicated doctor hailed for abortion on child rape victim



いつも思うことは、宗教はもういいから、武士道を見習いなさいよってことです。



 ▲武士道(講談社バイリンガル・ブックス)

非日本人に「武士道とはなんぞや」ということを自分の言葉で正しく説明するのは至難の業。しかし、たとえば「なんで日本人は財布を拾ったら交番に届けなきゃ、っていう考えがデフォルトなの? 信仰を持ってる人がほとんどいないにもかかわらず?」などと言って感動している非日本人には、宗教を必要としない日本人の倫理観を支えている「武士道」について、ぜひきちんと説明したいと心から思う。

新渡戸稲造が英語で書いたこの本は、「日本の精神文化を知る最良の書」として世界17カ国語に訳され、1世紀にわたって読みつがれてきた不滅の日本人論(アマゾンの内容紹介より)です。

マハティール元首相の呼びかけ

2009年03月10日 | life

War is about killing, massive killing!
CRIMINALISE WAR - The Least We Could Do





by Kuala Lumpur Foundation to Criminalise War


今日で1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲から64年目です。だからというわけではないけれど、更新が滞っているインドネシア旅行記をお休みして、私の敬愛するマハティール元マレーシア首相が呼びかけているキャンペーン、Criminalise War(=戦争を犯罪とせよ)のポスターを貼ります。上のバナーでもポスターでも、どちらでもクリックしてぜひ内容を読んでみてください。別のウィンドウで開きます。

KLFCW は、マハティール元首相が発起人でありチェアマンを務めるNGOです。サイトでは、活動の趣旨や過去のフォーラムにおけるマハティールさんのスピーチを動画やテキストで見ることができ、大変興味深いです。最近のものでは、イスラエルのガザ攻撃によるパレスチナ人虐殺行為に対するスピーチなどがあります。若干(いや、かなり)反米・半ユダヤ的ですが、マハティール元首相の論旨は明快でスマートで簡潔です。こんな風に、自分の言葉ではっきりと主張を述べ世界に影響力を持つ政治家がアジアにいることを誇りに思う一方、日本の政治家にもこんな人物がいたらいいのに、と思ってしまいます。

上記のサイトに行くと自分のメールアドレスをレジスターすることができ、意見を書いて送ることもできるので、平和を望む方は是非。

私はマハティール元首相のブログを愛読してます。今年の年明け1月1日のエントリーは、オバマ次期大統領への公開書簡でした(Open Letter to Barack Hussein Obama President-elect of the United States of America)。高潔で力強いメッセージに心動かされました。

たまにマレー語で書かれている時があるので、そんな日は残念ながら読めません。マレー語はインドネシア語と同じなので、そのうち読めるようになれるかなあ…。