LIFE - music. journey. new york.

ニューヨークとわたしの日々

無条件バトン

2006年03月12日 | life
Pooh ちゃんから、「無条件バトン」 なるものが回ってました。さっそくやってみます!


【 無条件でトキめく○○な人を3人 】

●私よりコンピュータに詳しい人
わからないことを優しくいろいろ教えてくれてくれる人には目が☆になってます。

●読書をする習慣のある人
もっと絞ると「文学」を読む人という意味です。いい文学をちゃんと読んでいる人って、言葉が豊かで、教養だけでなくさまざまな人間感情の理解に長けてると思います。

●かっこいいアジア系
これを入れておかないとあちこちから激しくツッコミが来そうなので、ちゃんと書いときます…。顔カタチで選ぶわけではないけど、正直アジア人好き。アジア人男性はセクシーですよ。


【 無条件で嫌いな○○を3つ(ジャンルは何でも) 】

●酒乱
●ごきぶり
●面接


【 無条件でお金がかけられる○○を5つ 】

●旅
正確に言うと無条件に「お金がかけられる」ではなくて、無条件に「時間をかけられる」というのが正しい感じですが。ま、でも “時は金なり” ですから、一緒かな。

…他に何も思いつかないんですが。どうしましょう。
小一時間考えたけど、「無条件に」と言われると本当に他に見当たらないので、これでご勘弁ください。


【 無条件で好きな○○を3つ(どんなものでも…) 】

●フラリと旅行
●ハウス(House Music)
●宮本輝と高村薫の小説


【 無条件でバトンを受け取らせる5人 】

私がバトンを受け取って、最後に他の方に回せない理由は、ほとんどの知り合いが普通のブログでなくて mixi で日記を書いている人だからなんです。答えてもらったら面白そうだなという人はいっぱいいるのですが。mixi のメンバーじゃないと読めないし。どうすればいいんでしょうねえ。これを読んだ方、ご自由に受け取っていただけるとうれしいです。


モスクワの「ターミナル」

2006年03月11日 | travel
「ターミナル」 という映画をご存知でしょうか。スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の2004年の映画です。突然の祖国消滅により出入国を禁じられ、アメリカ・某市の空港内で生活する羽目になってしまった男と、その人間模様を描いたヒューマンドラマ…という作品です。



今日の話はこの映画のリビューではありません。私が以前出会った、本当に空港内に住み着いていた人の話です。

2000年2月3日、西アフリカを旅行中だった私は、突然ニューヨークに戻らなければならない事情ができ、セネガルのダカールからモスクワに向けて飛びました。モスクワからアエロフロート機でいったん成田へ帰るためです。

モスクワでのトランジットは15時間以上もありました。モスクワの空港には待合室とかベンチというものがなぜかほとんどなく (現在はどうだかわかりませんが)、トランジット客は機内から持ち出してきた薄いブランケットを通路の床に敷き、ごろりと横になったりしながら長い時間を過ごします。1回分のミールクーポンの支給はあり、空港内のひたすら殺風景な食堂で軽い食事をすることはできます。一応トランジットホテルというものもあって、お金を何十ドルか支払えばホテルの部屋で休むこともできるのですが、3ヶ月も旅をしているうちにそういうお金の使い方をしなくなってしまっていたことと、全員分は部屋がないと言われたため、私も大勢のアフリカ人に混じってゴロ寝となりました。

あまりにも時間が長いので、ダカールから同乗だったガーナ人のラスタのお兄さん(でもイスラム教徒だった)とずっと話していました。彼はジャンベのビジネスで日本とガーナを年に何度か往復する生活をしていて、このトランジットには慣れているといった風でした。彼の名前はバズといいました。

私たちが話していると、向こうから1人のアフリカ人が「やあ、バズ。ひさしぶり」と言いながら近づいてきました。ひとしきりバズと話して彼が去って行った後、バズは彼について私に話してくれました。

彼はギニア人で、2年前にこの空港に着いたそうです。そして飛行機を降りた後、パスポートを失くしていることに気がつきました。ギニアをちゃんと出国して飛行機に乗ったのですから、その時はパスポートは手元にあったはずですが、どこかで失くしたらしい。しかしパスポートとロシアビザがなければロシアに入国することはできないので、そこで立ち往生となってしまいました。

もちろん彼は、在モスクワのギニア大使館に何度も連絡を取り、事情を話してパスポートの再発行を頼みました。そして、そのたびに大使館に言われたことは「あなたがギニア人であるという証拠がない」ということだったというのです。その状態が2年にもおよび、彼はモスクワの空港から出ることができないまま、そこに住み着くことを余儀なくされてしまったらしい。もうびっくり仰天です。2年ですよ、2年。これは映画じゃないですから、そこで仕事を始めて現金を得るなんていうファンタジックなことはできるはずもなく、彼の空港での日々はいったいどのようなものだったのか、想像もつきません。

バズはほぼ2年前から彼のことを知っていて、彼の境遇にいたく同情し、トランジットで空港を利用するたびに、トランジット客に配られるミールクーポンを彼に与えて食事をさせてあげていたそうです。「こんなことってあっていいのか???」と、ギニアの、というかギニア大使館の対応に怒り心頭でした。

あのギニア人はどうなったのかな。

この映画のあらすじを聞いた時「えーっ あの彼と一緒じゃない!」と思いましたが、この物語には実在のモデルがいるそうです。事態に巻き込まれた理由はこのギニア人とは全然違うけれども、15時間のトランジットでさえ退屈すぎて死ぬんじゃないかと思うような空港内、現実には本当に大変なことだったと思います。