クリスチャン・リゾ振付
sakinan göze çöp batar (2012)
11 juillet 2014
at KAAT, Yokohama, JPN
おびえていた台風に見事に裏切られ、灼熱の炎天下の元向かったKAAT。
クリスチャン・リゾ振付、ケレム・ゲレベック出演のダンス公演の開催。
横浜フランス月間のイベントなので、会場には日仏関連のポスター。
INSTITUIT FRANÇAIS YOKOHAMAのスタッフさんもたくさんいらっしゃいました。
会場は5分前ということで、どんな装置なんだと思ったら、
フライヤーで見たあの光景が、そっくりそのまま再現されている。ああ、これ、なんだか見た事ある!と突然のデジャヴに胸が躍る。初めて出会ったはずなのに、なぜだか知っている!という安心感。
白いリノリウムにナチュラルな木の箱、
その上にちょこん、と座るケレム。
赤いチェックのシャツ、ジーンズ、スニーカー、大きなリュック。
どこにでもいそうな(といったら失礼かも)少年、といったイメージ。
とにかく移動する。
序盤はノイズに揺られ、蠢く。場所移動程度。あまり動きの伴わないパフォーマンスだと思っていた、
が。
靴を脱ぎ、帽子の中に植木鉢を入れる、箱を解体する・・・
彼なりの会場resettingを進めていくのだが、音ががらりとかわるとき、とても激しく踊る。
頭が取れそうだよ・・・と少し不安になった。
この作品で印象的だったのは、照明。
とにかく光の使い方がうまい。
照明デザインは、カティー・オリーヴ。
箱を引っぱがした木の板。そこに照明を反射させて、まるで板そのものが発光しているようだった。
その板の前に立つと、激しく踊らねばならない、あのミュージックに切り替わる。
(ここの部分がシュールすぎて、わたしのツボだった。)
それから音楽。
ずっとノイズ系なのかと思っていたら・・・まったく違った。やられた。
ラストのほうで、テーブルに変化した木の箱の上で、まるで頭がない人間のように崩れ落ちるクライマックス。
この部分は、照明もさることながら、音との融合が圧巻。身震いした。
(ここを見て、今日きてよかったと思った。)
音楽担当は誰なのでしょう。
今回の公演、リール市の助成が出ています。
キャンパス・フランスの面接試験を思い出した。
リールに行きたい旨を伝えたら、リールの文化支援に対する前向きな姿勢のことを話してもらった。
「同じ専攻だから、あなた、リールに行くのもいいかもしれないわ。」って優しかった担当者さん。
「リールだったら、パリに近いし、北ヨーロッパ回るのにも適しているのよ。」
正直リールは訪れた事がないし、現地の知り合いもいないし、不安絶頂なんですが、今回の公演を見て、留学先リールもいいなって再認識した。
Merci beaucoup, Chrstian Rizzo.
キーワード
孤独、静寂の中の叫び、国境(ちょっとジャポニズムを感じちゃった。)、めいっぱい、低空移動、ダイナミズム