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「海辺のカフカ」ネタバレ感想 

2009-09-06 | 小説・漫画他

先日、久しぶりに「ノルウェイの森」を再読、その後「1Q84」「少年カフカ」を読んで、そして「海岸のカフカ」を今更になって読みました。
解らない部分は一杯あったけど、思ったより面白く、楽しく読みました。でも、引用だらけだなぁ~って思ったり、またこういう展開かぁ~って処もありました。

まずは、出てくる登場人物たちが、結構みなさん良い感じで好感持てました。(ジョニーウォーカーさん除く 猫惨殺描写にはビックラ)
この小説、カフカ君のエピソードと、ナカタさんのエピソードが交差しながら進むんですが、両方面白かった~。カフカ君の出会う人、ナカタさんの出会う人が、みんな親切で良い人だったり、こざっぱりしていて素敵なんだなぁ~。

カフカ君側では、図書館で働いている性別とかごちゃごちゃになってる不思議な男性(女性)の大島さんとか、お母さんなのかもしれない50過ぎても美しいほっそりとした佐伯さんとかは、素敵な感じの人だろうなぁ~とうっとり想像 お姉さんみたいな存在の女性さくらは、何故か宮崎アニメの「魔女の宅急便」の絵描きの人を連想しちゃった。

それと、舞台になった甲村記念図書館の雰囲気がすご~~くドツボでした。 良いなぁ~こういう図書館! しかもカフカ君は、そこに住んでも良い事になるんです。 
そしてそこの図書館に出る15才くらいの頃の綺麗な幽霊(現在は50過ぎの佐伯さんの15才時の幽霊)に恋をしちゃうんです。とはいえ両思いになるわけではなく、幽霊は絵に描かれたかつての恋人だった男の子を思い続けてるっていうのが、ユニークな展開で好きだったな~。個人的好みで言うと、出来たらエッチとかしないままで終わって欲しかったけど、そりゃ村上春樹の小説では無理って事ですね。プラトニックなままって事、ほとんど無いもんね。

個人的にナカタさんとホシノちゃんのコンビが凄い好きでした。 ナカタさんのかしこまった昔風の口調が好きだったし、猫さん、犬さん、石さんって、さん付けなのも妙に面白かった。そしてホシノ君。トラックの運ちゃんで、かつてちょっと不良で、自分のことを俺っちって呼び、髪型や風貌といい、お坊ちゃんタイプが多い村上春樹の小説の中では、ちょっと珍しい感じの人。このホシノ君ってなんて良いヤツなんだ~って思いました。
あとカーネルサンダースのおっちゃんが、明るい客引きみたいな喋り方をするのも可笑しかったな。

で、ふと考えてみると「1Q84」のふかえりと、ナカタさんって少々似た部分があるのかな。文字が読めないとかっていう障害を抱えていてしゃべり方が普通じゃなかったりするところとか。不思議な力を持ってる処とか。
ふかえりは、あんまり好きってわけじゃなかったけど・・。

カフカ君側のエピソードは、カフカ君は15才だけど家出をして1人で暮らして行こうと思ってる。でもまだ中学生ゆえ、補導され連れ戻されてしまうのに注意しながら、でも良い人と出会って図書館で住むことが出来る様になる。私もその位の年代の頃、真剣に1人で暮らしたいとか家を出たいとか(鞄もいつも用意していたくらい)思って、1人で家を出たらどうやって生活すればいいのか?とか、考えていたので、すっごく興味深く読めました。

ありえない世界や、へっ?? それでそれはどうなったの?解らずじまいか~って事が多々ある本なので、そういうのが気になっちゃうとダメかも・・・・。私は解らない部分もよく理解してない処も、知らない作家や音楽家や曲が一杯出て来ても、やれやれ・・まぁいいか~と、すっとばして読むんですけど。
とはいえ、正直、村上春樹のそういった音楽名や、作家の言った事とかの引用部分が凄く多い処は、昔から私のちょっと苦手な部分です。知っていれば凄く反応出来るけど知らないで読むと、置いてきぼりをくらった感じになるから。

私は、この設定は同じで、でも、ちゃんと細部まで過去とか、その後の事まで書いてくれて、中途半端に終わってしまってる部分も書いてくれたら(となると、あと分厚い本3冊は必要ですな)、もうもう最高に好きな小説になるはずなんですが・・・。
あ、でも、お母さんとお姉さんと(←実際そうなのかは解らないけれど)そういう関連性や描写とかは、私的には別に~(関連ありそうな展開に匂わせなくても~って思ったりもしましたが)
う~ん、この小説の☆付けは非常に難しいな~。読み終わったばかりの今現在は、3つ☆半って感じかな。
ところで、カフカって、チェコ語で、カラスの意味なんですね。

全然タイプは違うけれど、恒川光太郎さんが描く、こことは別の違う世界だけど、微妙につながってる・・・みたいなお話は好きです。

(内容・あらすじ)
四国の図書館に着いたカフカ少年が出会ったのは、30年前のヒットソング、夏の海辺の少年の絵、15歳の美しい少女―。一方、猫と交流ができる老人ナカタさんも、ホシノ青年に助けられながら旅を続ける。“入り口の石”を見つけだし、世界と世界が結びあわされるはずの場所を探すために。謎のキーワードが二人を導く闇の世界に出口はあるのか?海外でも高い評価を受ける傑作長篇小説。

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8 コメント

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Unknown (ゆう)
2009-09-07 22:02:57
村上さんの作品は数冊しか読んだことがなく、その世界観を堪能するまでにはいきません。
この作品もそうでした。でも、何故か最後まで気になって読んでしまいましたが(笑)

1Q84は結局挫折してしまいました・・
気が向いたらまた挑戦します。
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ゆうさん☆ (latifa)
2009-09-08 09:06:41
こんにちは~ゆうさん
1Q84は挫折してしまったんですね・・・そうっか~。でも手元に本を買って置いてあるのかな? 

このカフカと、1Q84と、ちょっと似た処があったかな~と思いました。
私もカフカも1Q84も「何故か気になって最後まで読んでしまった」ってのが一番当てはまる感じです。途中わからん処とか色々あったんですけれども
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Unknown (エビノート)
2009-09-08 22:09:34
猫と会話できるナカタさんが特にお気に入りです♪能力もですが、人柄がとにかく良いですよね。
村上さんの作品は、全然関係なさそうな二つの物語を平行させて描くパターンが多いのだな。と、『世界の終り~』とこの作品と『1Q84』上巻を読んで思いました。まだまだそんなところしか特徴をつかんでない初心者ですが、『1Q84』の下巻を読むのが楽しみです。
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エビノートさん☆ (latifa)
2009-09-09 09:32:36
こんにちは~エビノートさん
私もナカタさんが好きでした。猫と会話出来る~っていうのは、他の本でも読んだことがあったけれど、面白かったです。ミミでしたっけ・・・名前を忘れちゃったんだけれど、飼い猫でシャム猫の気品あるやつ、あの気取った猫が可笑しかった~。でも、猫好きの方には凄く落ち込む描写がありましたよね・・・

世界の終わり~は未読なんです。1Q84と、これと読んだら、結構お腹一杯になっちゃったので、少し間を開けてから、また「世界の終わり~」とか他の作品も読んでみたいと思っています。
エビノートさんの1Q84の感想、楽しみに待っています
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Unknown (june)
2009-09-11 21:54:22
latifaさん、こんばんわ!
これを読んだのはずいぶん前なのでうろ覚えなんですが、ナカタさんとホシノくんの会話の感じはすごく好きだったことを覚えてます。
latifaさんの記事を読んでホシノくんの「俺っち」とかナカタさんの丁寧な口調を思い出しました。
ところで甲村記念図書館ですが、「芦屋市立図書館打出分室」の雰囲気にすごく近いそうです。
何かの雑誌で見たのですが、その写真がイメージにぴったりでした。

「1Q84」もう読まれたんですね。いいなー。私はいつになることやら・・・。
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juneさん☆ (latifa)
2009-09-12 08:54:15
こんにちは~juneさん
村上春樹といえばjuneさん!(と、勝手にそう思っている私・・・)
とはいえ、随分前に読んだ本のことって、結構忘れちゃうんですよね・・・。

>甲村記念図書館ですが、「芦屋市立図書館打出分室」の雰囲気にすごく近いそうです
 ありがとうー!
これね、juneさんがどなただったかな・・・誰かブロガーさんちでお話されているのを、先日拝見して、すごい情報だ!って控えてたんですよ^^ その他にも、あの作品のあのお店はここらしい・・って事も書かれていて、さっすがjuneさん~って思っていたの。
芦屋といえば、村上さんの故郷じゃないですか~。そこにあんな素敵な図書館があるのね?そこに若き日の村上少年も入り浸っていたりしたのかな~
私も、是非是非行ってみたいです!!!

「1Q84」は、図書館で下巻から先に回って来て焦りました。もうダメか・・返却日になっちゃう・・と思った頃、ギリギリ上巻が回って来て、慌てて読みました。juneさんの感想、凄く楽しみです
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Unknown (さくらんぼ☆)
2010-08-08 11:39:41
この感想を読んで
なるほどな~って
思いました^^
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さくらんぼさん☆ (latifa)
2010-08-14 12:00:09
コメントありがとうございました!
腱鞘炎でレス遅くなってすいません・・・。
こんな拙い感想、読んでくださって、本当にありがとうございますm(_ _)m
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