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「アシンメトリー」感想 飛鳥井千砂

2011-11-23 | 小説・漫画他

少し前、王様のブランチで紹介されたこともあり、凄く人気の「タイニー・タイニー・ハッピー」 が、図書館で待ち順番が凄かったので、同作家さんの最近発売になった文庫版を借りて来ました。
飛鳥井さんの小説を読むのはこれが初めて。とても読みやすく、2時間ほどで読み切りました。3つ★半

実はこの「アシンメトリー」内容について全く知らなかったのですが、偶然というか、ここのところ興味があった、アセクシャルの人が出て来る本だったのです。アセクシャルというのは、性的欲求が無い性分の人の事だそうです。その部分については、アッサリ目だったので、もうちょっと詳しく一杯読みたかったな。
この小説の中では、紗雪という奇抜なファッションをする女性がアセクシャルなんです。ただ、紗雪は中学校の頃から、ずっとゲイの治樹だけを好きなんです。2人は性的には惹かれ合う事は無いのですが、非常に仲良しでピッタリ来る関係です。紗雪は、全てを解りつつ、治樹と結婚します。回りからは偽装結婚と言われたりもするのだけれど・・・。紗雪は、今までつき合った男子とはダメだったけれど、治樹となら、満足の行く行為が出来るかも・・?と思っている処があったのだけれど

★以下ネタバレ 白文字で書いています★
やっぱりダメだったんです。治樹ががんばってキス以上にトライして来たものの、やっぱりダメだった時、紗雪も同時に自分がやっぱりたとえ治樹相手であっても、ダメなんだ・・というのが解るんです。
でも、良かったじゃないですか!この事があって、2人はそれぞれ違う性癖だけれど、マイノリティ同士で、性的な事は無くても、一生仲良く添い遂げる良い夫婦に心おきなく、なれそう・・・かなぁ・・・? これからも紗雪が治樹を思う気持ちの方ばかり強い気がする・・・紗雪が可哀想な気がするな・・。
朋美と貴人は、どうなっちゃうんでしょうか・・。あと治樹も元彼とまた復縁しちゃいそうだし・・不安たっぷりな感じで終わっちゃいました。
以上

朋美の、自分を卑下して、相手に褒めさせる様にし向ける様な会話が嫌いという貴人。ハッ!としましたねー。今までこういうのに気を留めた事が無かったけれど、たしかにちょっと嫌らしいですね。
この朋美と紗雪が、最後の方で、相手に対して意地悪な発言をしてしまったことなどを、ぶっちゃけるシーンがあって、ウワワ・・と冷や汗が出そうになります。結構、黒くてぬらりとした深層心理みたいのも書かれていて、ちょっと私には、重かったかな・・。

でも、登場人物のキャラ(特に貴人の)なかなか作り上げられているなぁ~と思いました。でも出て来る人たち全員、あまり好きじゃなかったし、共感出来る人もあまりいなかった。でも興味深く読ませてもらいました!
279頁で貴人は、小さい頃からチヤホヤされ恵まれて来ただけに、人から拒否されることに凄い恐怖感を感じている。これまでいつも女の子の方から近づいて来て、気が付いたらつき合ってる様になっていて、強くその子の事を好きだと感じる事はなかったのに、離れて行く時には異常な程、固執して必死でくい止めようとして・・・。なのに紗雪ったら、自分が恐怖を感じている環境にいるのに弱音もはかず、涼しい顔をしていた。そんな紗雪は、子供心に神聖なヒーローの様な存在だった。という処とか、凄いリアリティを感じました。

飛鳥井 千砂 / 2011-10-25
内容(「BOOK」データベースより)
結婚に強い憧れを抱く女、朋美。結婚に理想を追求する男、貴人。結婚に縛られたくない女、紗雪。結婚という形を選んだ男、治樹。朋美は、親友の紗雪が幼なじみの治樹と突然結婚を決めたことにショックを受ける。心から祝えない朋美だったが、ふたりの結婚パーティーで出会った貴人に次第に魅かれていく。しかし、紗雪と治樹の結婚には隠された秘密があった…。

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2 コメント

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雨のGW (牧場主)
2012-05-03 07:19:14
この小説に出てくるマイノリティの心情を興味深く読みました。
まあ、何て色んな感情があることよ、って。
私は、朋美という結婚に執着する女性の気持ちに対して、あまり好意的に読み進められなかったんですが、最後ばたばたって強くなったのがすごく面白かったです。
欲を言えば、もう少し、何故強くなったのか知りたかったです。
たとえば、貴人君が最後の方で紗雪に詰め寄った修羅場をいさめるシーンで、大声を出したら萎縮してしまう、と的確ななだめ方をするんだけど、確かそのシーンの前は朋美の方からプロポーズして無視された、っていう状況じゃなかたかしら。
今までの朋美なら、被害者意識がまずあるキャラだったのに。
朋美って、そう、ドリ子的ですよね、服も、例えば治樹がゲイだって分かった後の治樹への感情とかも含め。
なのに、何か最後、お母さんを嫁に出す娘の心境を語る感じ、その時のラフな服装とか。
急にふっきれて不思議。

あの、ひとつ分からなかったので教えてください。
治樹は貴人に対して、最後殴られた後、治樹の方から「16年悪かった」って謝るシーンが、何かよく分かりません。
・・・貴人は別に治樹のことを16年想い続けていたわけではないですよね?
16年ってことは、偽装結婚を黙っていたことではないから、ただ、ゲイだってことを黙っていたことを言っているのでしょうか?
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ギャー(+△+) (latifa)
2012-05-03 15:29:54
牧場主さん、こんにちは!
ちょ、ちょっと~~、、自分の記憶力のひどさ、忘却力の凄さに、今画面の前でショックを受けてます・・・。

もう一度読まないと、結構忘れちゃってて・・・。
この後に、タイニータイニーハッピーを読んだせいか、タイニーの方の記憶はあるんだけど、アシンメトリーの方は、

ほんとにごめんなさい・・・
うっすらですが、私も朋美ってドリ子的って思った記憶があります。あと、最後の方で、急に強くなって、どうした?!って、驚いたことも覚えてます。

あと、16年については、そのシーンが思い出せません!本当にすいません。
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