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泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ 瀬川晶司

2024-07-05 | 小説・漫画他
面白かったです。先に映画版を見てから、原作本を読みました。4つ★

瀬川昌司さんは凄い。将棋もだけど、本作もプロの文筆家が書いたと思う程文章もお上手でした。
構成も一番古い過去からさかのぼって行くのではなく、彼がプロになれるか否かの勝負の時の落ち込んで危機的状況になってる頃から始まるんですよね。

彼と彼の周りの人達が起こした行動が、今迄かたくなに決められていた将棋界の掟を変えたというのが素晴らしいんですよね。
彼だけが特別に・・というのではなく、アマチュアからもプロになれる道筋を作った。

本作は瀬川さんの将棋への頑張りはもちろんですが、彼の周りの人たちが良いんですよね。
ご両親、小学校の担任の先生、幼馴染のライバル、将棋センターの席主・・・・

最後のページにその後の先生との事が書かれていました。
先生はドラえもんのハガキに自分の住所は書いていなかったし、人づてに先生の現在のお住まいも判明したので会いたいと申し出したけれど、先生はやんわりとお断りされたのね。つくづく立派な先生だ・・・。

先生も35歳ギリギリで先生になった過去があったのですね(先生にも年齢制限があったとは)
それにしても良い先生だなあー!
瀬川さんはご本人の努力と良い人との出会いがあって、今があるのかもしれませんね。

子供の頃将棋教室でお世話になった方は自腹で2人の少年を、あちこち大会等連れて行ってくれていたのね。彼が将棋の道へと後押ししてしまったがために(その後年齢制限で棋士になれず・・・)と、ずっと彼やご両親に申し訳ない気持ちを持ち続けていただなんて・・・・。泣
このプロ編入で、彼がどれだけ嬉しく救われた事か。

映画版も面白かったです。
映画版の感想はこちら


泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ 瀬川晶司
2006年
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