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ネタバレ「夜行」森見登美彦

2024-06-22 | 小説・漫画他
当時凄く人気でリクエストの人数を見て諦めたままになっていました。久しぶりに読もうと思ったら、難と8年も経っていたとは・・・。

さて、久しぶりの森見作品でしたが、不思議な世界で面白かったです。
解らないままの処もありましたが、後味も悪くなかったです。
短めの章どれも読みやすく、雰囲気が好みだったし、日本のあちこちを旅行している気持ちになりました。4つ★

物語の十年前。京都の英会話スクールに年齢の違う六人の男女の仲間が通っていました。
みんなで鞍馬の火祭を見物しようと夜に出掛けますが、長谷川さんという女性が突然姿を消してしまいます。
十年後。大橋の呼びかけで五人は再び集まり、鞍馬の火祭を見物することになりました。

大橋は他の四人と合流する前、街で長谷川にそっくりな女性を見つけ、あとを追います。
女性が入っていったのは画廊でしたが、そこに女性の姿はありませんでした。
そこでは岸田道生という画家の個展が開かれていて、大橋は『夜行』という銅版画と出会います。
『夜行』は四十八作からなる連作で、タイトルにそれぞれ地名が書かれ、一人の女性が描かれていました。
この「夜行」っていう謎の絵もソソられるものがあって好きだなー。

第一夜 尾道 
中井が変わってしまった妻を取り戻しに尾道に探しに行くが、妻が滞在しているという店には妻に似た様な女性はいるものの妻はおらず、その夫らしき男性に遭遇し・・・

第二夜 奥飛騨
大橋の後輩武田の話。職場の先輩と彼の恋人で活発な美弥、大人しい妹の瑠璃の4人で飛騨に旅行に行くが、謎のおばあさんから「2人からシソウが出てる」と言われ、嫌な気持ちになる。

第三夜 津軽
銀座の画廊で働く女性の藤村が語り部
夫、夫の後輩児島と3人で寝台列車に乗り、津軽に向かう旅に出る。
列車から外を見ていた時に謎の女性が立っていて、すっかり魅了された夫の後輩。
とある古い家で行方不明になってしまい・・・

第四夜 天竜峡
田辺さんが主人公。豊橋に帰る途中の電車の中で、不思議な女子高生と坊主に出会う。

第五夜 鞍馬
皆で祭りに出かけていくのだが、はぐれて・・・

★以下ネタバレ★


パラレルワールドなのかな?
主人公の目線では10年前行方不明になったのは長谷川さんだったが、別の世界ではそれが主人公の大橋だった。
死んだはずの岸田は生きており、なんと長谷川さんは彼の妻になっていた。
『夜行』には対となる『曙光』という作品がある。それぞれ違う世界があるみたい 
以上

表紙のイラストの女性に少し似た人が身近にいるので、ちょっとおかしかったです。

夜行 森見登美彦
2016/10/25

森見登美彦

「美女と竹林」「夜は短し歩けよ乙女」
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8 コメント

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Unknown (水無月・R)
2024-06-22 19:29:49
latifaさん、こんばんは(^^)。
「夜行」というタイトルの銅版画が共通する、旅の思い出を語る仲間たち、彼らが10年前見失った一人の友人。
反転し、さらに反転した世界は、「私」にとって元々の世界だったのか、危ういと思いました。
ぞわぞわする、物語でしたね。
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Unknown (わぐま)
2024-06-23 13:37:23
こんにちは^^
森見さんか~~~ん~苦手なんだよなぁ。
不思議な世界観。についていけない時がある。 こーいう「不思議な世界観」って大丈夫な範囲とダメなやつの境目が分からないんだよね。
ん~挑戦してみたい気もするが、怖い(笑)

あと、森見さんと万城目さんがごっちゃになってる。
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水無月Rさん☆ (latifa)
2024-06-24 10:56:32
水無月・R さん
コメントありがとうございます。

反転する世界、そちらの方が明るい?世界なのかな・・・。

私的には夜行の世界の方にひかれました。

古い作品なので、お忘れになっているかな・・・と思ったのですが、コメントさせて頂いちゃいました
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わぐまさん☆ (latifa)
2024-06-24 11:02:34
わぐまさん、おはようございます!かな?

森見さん、私も得意な方じゃないんです。
以前、彼の評判の良い人気作を2冊トライして最初の方で挫折しちゃっていて・・・。
だから、ほんとに久しぶりだったのよ。

万城目さんも京都のお話が多いものね。デビューの頃も近かったんだったかな。
万城目さんも不思議な世界のお話多いし、共通点あるかー。万城目さんも10年位前から追うの辞めちゃったんだよね・・・最新作の直木賞のはリクエストしてるけど。

PS 私も喫茶店とか電車とかでも本読めないの。
わぐまさんと同じ。
お家でないとダメ。待ち時間や退屈な時にこそ本を読めると良いんだけど・・・
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Unknown (todo23)
2024-06-24 17:28:18
森見さんも万城目さんも京大出身ですね。
森見さんが農学部、万城目さんが法学部で専門は全く違いますが。

森見さんのこの次の作品『熱帯』の冒頭に、小説が書けなくなった森見さん自身が登場します。多分この『夜行』も含め、森見さんが迷走していた頃の作品です
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todo23さん☆ (latifa)
2024-06-25 07:17:16
todo23さん、おはようございます
コメントありがとうございます。

2人共賢いですねー。
そういえば最近読んだ「成瀬は~」の作家さんも京大出身者でしたっけ。彼女は自由な感じだと思って入学したけど、そうでもない人が多くて少々ガッカリしたみたいな事をインタビューで話されてました。
まあ、狭い範囲内でその時の偶然のメンバーだと思いますが・・・

熱帯、夜行、そうなんですね。
迷走していた頃の夜行が結構面白く読めて、油がのってた(であろう)作品を挫折した私って・・・
じゃあ、熱帯も読んでみようかな?
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Unknown (べる)
2024-06-25 22:27:11
不思議な世界観でしたよね。ひんやりした夜の
空気感が作中から漂っているような印象でした。
基本的には明るいモリミー作品が好きだけれど、
こういうひんやり系も悪くないなって思います。
やっぱり、森見さんは京都と舞台にした作品が
いいなって思いますね。
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べるさん☆ (latifa)
2024-06-26 11:16:44
べるさん、こんにちは
コメントありがとうございます。

そうなのねー、べるさんは今迄森見さん作品を追って来ていてずっと読んでいらっしゃるのね。

これ、ファンの方には割と賛否両論の評価みたいですが、私は面白く読めました。
また別の森見作品も読んでみようかなー?と思っている処です。

京都ずっと行ってないけど(数年前細かい旅行の計画は立てたのだけれど、コロナで流れちゃった・・)行きたいなー
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