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「神様2011」川上弘美 感想

2011-12-17 | 小説・漫画他

1993年のデビュー作「神様」と、原発事故を受けて改編した「神様2011」の2編を収録。

実はデビュー作である「神様」は読んだ事がなかったのです。
今回初めて読みましたが、デビュー作から既に川上節だったんですね。
とても微笑ましくふんわりした良いお話でした。

その後に設定を置き換えて書かれた2章目・・・。
そして、「あのこと」と文中で表現される、3.11の震災。
比較して読む事になります・・・。
凄いメッセージ性があるわけではないけれども、作家さんとして何か、書かずにはおれない・・という気持ちで書かれて出版されたんだろうなあ・・・というのが伝わって来ました。

呼びかける時に貴方(あなた)と呼ばれるのが好きだという熊。口に出す時に、ひらがなではなく、漢字を思い浮かべてくださると~という部分が妙に好きです。
この熊と、「センセイの鞄」の先生が、微妙に何か同じニオイがする気がしました。淡々としているようで、優しくて寛容で可愛い登場人物が好きです。

(内容・あらすじ)
アパートの3軒隣の部屋に越してきた熊。その熊と散歩に出かける女性。
それと同じ生活を震災に伴う原発事故の後を舞台にしたお話の2編。

「神様2011」川上弘美 / 2011-09-21

イラストは佐伯佳美さんという方で、一瞬見た時に酒井駒子さんが担当なのかな?って思ったのですが違いました。たまたま本作がモノトーンで、そういう印象の絵だったからでしょうね。
今までに手がけた作品リストを見たら、色々なタイプのイラストを描ける方なんだなぁ~と思いました。(辻村深月『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『光待つ場所へ』、花村萬月氏『愛情』、道尾秀介氏『ソロモンの犬』、湊かなえ氏『贖罪』『Nのために』、乾ルカ氏『メグル』)

これでよろしくて?
センセイの鞄
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4 コメント

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Unknown (タキノ)
2011-12-25 02:24:08
「作家さんとして、何も書かずにはおられない…という気持ちで出版されたんだろうなあ…」という御感想、川上弘美さんのあとがきからも、ひしひしと伝わってくる様ですね。
表紙絵のイラストレーターさんは器用な方なんでしょうね。しかし、どれも誰かに似た作品…。酒井駒子程のオリジナリティと画力は感じられないです。
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タキノさん☆ (latifa)
2011-12-25 19:44:58
タキノさん、こんにちは
この本を読んだ後、amazonなどで色々な方の感想を読んだのですが、川上さんらしくない・・ということで、残念に思っていらっしゃる方も結構いらっしゃいました。

イラストレーターさん、私は存じ上げなかったのですが、本作の挿絵は、酒井駒子さんとちょっと雰囲気は似ていますが、酒井さんの世界には失礼ながら全然及ばないかな・・・って私も思いました。芸術とか、よく解りもしない私が言うのもおこがましいのですが・・。
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Unknown (くっしぃ)
2012-04-22 16:52:50
私も立ち読みで読みました。
実は福島県民だったりするんで(^^;)はじっこなのであまり生活は変わっていませんが。川上さんは福島のことを考えてくれているんだな、と思って嬉しくなりました。
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くっしぃさん☆ (latifa)
2012-04-23 17:29:24
くっしぃさん、こちらにもありがとうございます
そうなんですか・・・くっしぃさんは、福島の方だったのですね・・・。
今もまだまだ大変な状況ですが、くっしぃさんはじめ、みなさんに大きな幸あれ!!!
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