ポコアポコヤ

食べ物、お菓子、旅行、小説、漫画、映画、音楽など色々気軽にお話したいです(^○^)

「檸檬のころ」「底辺女子高生」豊島ミホ

2007-06-15 | 小説・漫画他

檸檬のころ/豊島ミホ(2007年2月出版) 凄く良かったです。5つ★か4つ★半か悩む・・。こういう普通の人のそこらに転がっている様な話しなんだけど、でも胸をきゅ~んとさせてくれる小説って、大好きです。
後日映画も見ました。感想はこちら檸檬のころ やっぱり小説の方が・・・

豊島さんとは、なんと!20歳近くも年が違うというのに、色々な部分に共感しちゃいました。昔の高校生と、つい最近の高校生(ごく一部かもしれませんが)が、それほど変わってないみたいなのにもビックリ。私にとっては、もう遠い過去で忘れてしまっている小さな事柄が、この本を読みながら、ふっとフラッシュバックしては懐かしくなり・・ちびまる子ちゃんの高校生版?みたいな感じで、ほろ苦く・甘酸っぱく、読みました。この本には、7つの短編が収録されています。

「タンポポのわたげみたいだね」
高2のクラス替えの後、保健室登校になっちゃったサトという友人がいる橘。ある日、藤山君が学校に一緒に行こうと言いだした。この藤山って子嫌い~。電車の横の席を友達が乗って来る駅までは、カバンで取っておく・・って部分とか、こまごました部分に、懐かしい思い出が蘇りました。この話とか「ラブソング」は、女子同士の心理描写が凄く上手くて、「蹴りたい背中」を読んだ時と同じ様な気持ちになりました。

「金子商店の夏」
晋平は28歳。一浪し、司法試験に何度も落ちて、この年になってしまった。5つ下の予備校仲間には、「痛々しいんだよ」と影で言われてる。
故郷には、じいちゃんが守って来た「金子商店」がある。北高の生徒がジュースなどを買いに来る小さなお店だ。じいちゃんが危篤ということで、故郷にかけつける。バレーボールで球をこぼした時の辛さが、もう何とも言えずリアル!(この部分は「底辺女子高生」でも実体験として出て来ていました。私もバレーボールは嫌だったぁ~!)
とにかくこのお話は、痛い処満載で、読んでいてあ”~~~!って何度か声に出しちゃいました。で、、ラストも、ちょっと哀し過ぎるよぉ~

「ルパンとレモン」
この本で、一番好きなお話。これ、不覚にも涙が出ちゃいました。
凄く切ない話。同じ経験してる訳じゃないんだけど、凄く解る!って部分もあった。
西君と秋元加奈子は、中学時代良い仲だった。中学時代、吹奏楽部の指揮者だった加奈子、そして、西のテーマは「ルパン」だった。2人は同じ高校に合格するも、段々距離が出来てしまう。なんとしたことか、野球部の西の友人の佐々木富蔵が、加奈子を好きになっちゃった。
90~91頁のレモンのリップクリームのシーンは、ウキャー!!!って位、赤面してしまう青春ど真ん中な描写で、甘酸っぱい~。西君、君に幸あれ~~!

「ジュリエット・スター」
恋愛厳禁の下宿でのお話 普通に面白かったナ。

「ラブソング」
クラスから孤立気味の音楽マニアの白田さん。ふとしたことから、辻本君と音楽の会話で盛り上がり好きになる。白田には志摩ちゃんという1つ下の仲良しがいる。
ここで、加奈子が出て来て、クラスでの微妙な位置関係や立場関係などが語られて、そこら辺も凄く描き方が上手い!
★ネタバレです★文字反転して下さい
志摩ちゃんが雑誌にレビューが載った時の、素直に喜んであげられなかった白田の心理状況⇒その後、志摩ちゃんの友達が辻本の彼女だということを知っててあえて黙ってたことで、後ろめたさ?から、微妙な表情をしてたんだ・・って解る辺りとか、こんなに音楽の趣味が合う同士である辻本君が高台に誘ってくれて「友達でいたいんだ」=女として見てなかったんだ、って解るシーンは痛すぎて叫びたい気持ちになっちゃいましたよー!!てっきり、辻本君は白田のこと好きなのか?って私も読みながら間違っちゃってましたもん・・・(T_T)
でも、ラストの「雪の降る町、春に散る花」で、ちらっと出て来るのだけど、白田さんは東京の大学に合格し、意気揚々としてる。加奈子とも仲良しになった・・処がかいまみれて、ほっとしました。 それにしてもバンドのヴォーカルの子が、1話の藤山君だったとはね~
以上
くるり「東京」他、結構家の旦那や子供が好きな曲やアーティスト名が色々出て来てました☆

「担任稼業」
担任の先生の気持ち。担任も大変なんだ~。この大人になった先生の視点も、生徒の「何にも解ってない!」と怒る気持ちも、私は両方解って、とても面白く読めました。「桜の森の満開の下」って知らなかったので、読んでみたくなって、さっそく図書館にリクエストしちゃいました。

「雪の降る町、春に散る花」
その後の、佐々木と加奈子・・・。

あとがきに、豊島ミホさんのこの小説を書くに至る思いが現れていて、凄く良かった。
私の高校生活は暗くて無様なものでした・・・・にもかかわらず、底辺には底辺なりの青春があって・・・・そういう「地味な人なりの青春」をいつか書きたいと思っていました。女子高生なんてだいたい派手に遊んでるイメージ、でなければ、逆にすっかり病んでしまっているイメージが反乱する今ですが、地味な高校生活をおくっている子達だって相当数いるはずです・・・・

「檸檬のころ」は、映画化もされています。辻本君に平川地一丁目の弟っていうのが、見る意欲増します~~☆ レンタルになったら必ず見ます!映画「檸檬のころ」ウィキペディア
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「底辺女子高生」2006年8月出版
実は最初に読んだ、豊島ミホさんの本はこれでした。
小説じゃなくてエッセイ、しかも、豊島さんの学生時代を赤裸々?に、恥をさらすが如く書き明かした風な内容でした。
短いエッセイが幾つも納められているのですが、クラスの片隅で、もんもんと日々を送って来ていた地味で冴えない(本人談)女子高生の思いが一杯。挿絵や表紙の絵も豊島さんの描いた絵。とても上手でカワイイ面白い絵です。

過ぎて振り返ってみれば、あんなつまらない底辺だと思っていた日々も、輝いてたんだな・・・って愛情込めて彼女が自爆しながらも語っているのが伝わって来ました。豊島さんと自分とでは、違った学生生活を過ごして来たみたいだけれど、でも面白く読ませて頂きました。しかしながら、正直、あまり好きな本って訳ではなかったんです。
でも、この本の次に上の「檸檬のころ」を読んだら、凄く良かったんです!

豊島さんは、こういう経験を生かしつつ、それを昇華させて小説にすると、すっごく良いわっ!!と、彼女の書く文章が好きになりました。まだ2冊しか読んで無いのだけれど「神田川デイズ」が、もうすぐ順番回って来るので、それを読むのが、とても楽しみです! (PS この前TVで、装丁家・鈴木成一さんの特集やっていて、面白かった~)


後日読みました「神田川デイズ」豊島ミホ 面白かった~

コメント (31)    この記事についてブログを書く
« エキナカCMの子 岡田将生 ... | トップ | 「オオカミ族の少年」 「生霊... »

31 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読んでみます (牧場主)
2007-06-15 10:26:12
今、たまたま、「ブルースノウ・ワルツ」を借りていいます。
初めての豊島さんの本になります。
latifaさんが一押しの作家なら楽しんで読めそうです。
返信する
読んでみほ (存在する音楽)
2007-06-15 20:57:05
今晩は♪
最近、新しい作家にも手を出していません。
読んでみたいと思いつつ、ズルズル
手の取ってみても、こちらも読めてないなーとズルズル。

『檸檬のころ』装丁は鈴木一成氏でしょうか?
返信する
Unknown (エビノート)
2007-06-15 21:43:19
こんばんは!
『檸檬のころ』も鈴木成一さんの装丁で、その様子がTVで流れてたのをきっかけに読んだんですよ~♪
そして、一気にはまってしまいました。
ムムムと思っちゃう作品もあるんですが、登場人物の心理描写が上手いですよね。
「ルパンとレモン」私も好きな話です。
あと、「ラブソング」に「雪の降る町、春に散る花」
返信する
牧場主さん☆ (latifa)
2007-06-16 10:02:43
「ブルースノウ・ワルツ」は、未読なんですよ、
そもそも、まだ2冊しか読んでいないんです
檸檬のころは、表紙も内容も、私はとても好きです☆
PS 今ね、王様のブランチを見ていたら、佐藤友哉さんご本人が出てきたんです! この前、牧場主さんからお名前伺ったばかりで、ナイスタイミング♪
島本理生さんのこの前読んだ本「大きな熊が来る前におやすみ」の最後の話しに出て来る様な、恋愛に異様にウトいが、どこか素朴で抜けてる?男性って感じで、島本さんと結婚されたっていうのが、凄く納得行く感じがしちゃいました
返信する
存在する音楽さん☆ (latifa)
2007-06-16 10:21:36
こんにちは~存在する音楽さん
そうみたいです。エビノートさんが、既に教えて下さったとおりです(エビノートさん、ありがとうございます^^)
以前、この小説の装丁過程を追った番組があったそうなんです。私はその番組は見ていなかったのですが、見たかったな~。

私が最近見たのは、NHKの火曜夜10時からやってる、「プロフェッショナル 仕事の流儀」?とかいう番組で、神田川デイズっていう同じく豊島さんの本の表紙及び、鈴木さんの仕事っぷりを追った番組で、すっごくオモシロかったんです。
返信する
エビノートさん☆ (latifa)
2007-06-16 10:25:52
エビノートさん、「檸檬のころ」の表紙の番組もご覧になられていたなんて、凄く羨ましいです。
普段、何の気なしに、手に取ってしまっている本の表紙も、影ではあんな風に何人もの人の熱い仕事があって、出来てるんだな~って解りました。

この前の神田川デイズも、録画チェックもされていたとか^^ さっすがです!
私は殆ど図書館で借りちゃうものの、もし自分が、本を、買うか?買わまいか?って悩む立場になった時は、表紙が好きかどうか?って事は、凄く影響大だと思います! この檸檬のころの表紙だったら、買う気が増しちゃいます
返信する
NHKで (存在する音楽)
2007-06-16 10:46:54
鈴木氏の装丁を扱った番組で、以前『半島を出よ』を依頼した村上龍がインタビューに応えていて「会ったことないんだけど、絶対に良いから頼みました』というようなことを言ってました。

神田川デイズ
の装丁を見て、その番組は僕も見ていました。NHKでやっていたやつですよね?檸檬の方は記憶がありません・・
返信する
Unknown (june)
2007-06-16 11:50:19
latifaさん、こんにちわ!
latifaさんが、私と同じように痛っ!と叫んだり
赤面したりしてるので、なんだかすごくうれしくなってしまいました。
それにしても豊島さん、若いのにこんなおばさん(私のことです)の心もがしっとつかんでしまうからすごいです。
今も昔も女子高生の中身なんて、そんなに変わってないのかな?なんて思ってしまいました。

「底辺女子高生」積んでました・・。私もセットで読めばよかったです。
返信する
('-'*)オヒサ♪です。 (チュウ)
2007-06-16 20:02:17
こちらこそ、ご無沙汰してます(⌒_⌒; タラタラ
最近、昼間にPCできなくて、夜になると動きが遅くって…
YahooのTBすら、なかなかできなくて…
また、昼間にできる時にはゆっくり遊びにきますね(o^-^o)
豊島さんは、まだあんまり読んでないんだけど、
普通の女の子の普通の話が…なんだかいいですよね♬
返信する
存在する音楽さん☆ (latifa)
2007-06-17 09:40:37
そうですかー!「半島を出よ」の装丁過程を辿ったTV番組も、存在する音楽さんは、ご覧になられていたんですねー!!
いいな~~。私も見たかったな。
そして、今回の私が見た番組も、またご覧になられていたんですねさっすが~!
そういや、今回のその番組でも、村上龍さんの、そういったインタビューみたいな・・・(もう記憶が・・(^_^;))のを、ちらっとだけ流していましたよね。
こうしてみると、結構何度も、鈴木さんのお仕事ぶりってTVで放映されているんですね~☆
返信する

コメントを投稿

小説・漫画他」カテゴリの最新記事