goo blog サービス終了のお知らせ 

ポコアポコヤ

食べ物、お菓子、旅行、小説、漫画、映画、音楽など色々気軽にお話したいです(^○^)

「神田川デイズ」豊島ミホ 面白かった~

2007-06-26 | 小説・漫画他

神田川デイズ (単行本) 豊島 ミホ

東京のある大学に通う地方出身学生たちを、リンクさせながらの連作短編集です。殆どの登場人物が、「大学生活を謳歌してない」地味で目立たないことに劣等感を持ってる。少し前、NHKのプロフェッショナルで、この本の装丁者、鈴木成一さんの仕事ぶりをやっており、その時に、この本を読みたくなって借りて来ましたが、面白かったです。4つ☆~4つ☆半(後で考えたら、5つ☆でも良いかも)

収録作品は、6つ。
「見ろ、空は白む」空白の3年間。原田と仁田と陸奥男は、太ってる、若ハゲ、しゃくれの3人組。もてない・さえない・童貞ときてる。
 3人が出会った、野球の応援観戦の場面が、なんとも言えない気持ちになりました。収録作品の中で、一番面白かったかも。

「いちごに朝露、映るは空」勉強が取り柄?で、優秀な大学に合格した中野道子は、田舎から上京するも、回りの綺麗で華やかな人達に圧倒され、気後れしている。そんなある日、新入生をサークル勧誘の場で声をかけてくれた綺麗な先輩:及川緑と出会い・・

「雨にとびこめ」
永浜準はクレバーを目指し、綺麗どころの女子大の彼女をゲット!が・・・

「どこまで行けるか言わないで」
池田香純と奥村とマルちゃんは、3人とも映画が大好き。3人で、女性の為のピンク映画を作ろうと一致団結する。
「ジョゼと虎と魚たち」が出てきたり、私が好きな映画「下妻物語「ローマの休日」「ピンポン」が、それぞれ出て来たのが嬉しかった。でも私は、ジョゼの妻夫木君の裸は全く、そそられませんでしたがw あと、手首フェチってのも初めて聞きました^^

「リベンジ・リトル・ガール」
小林貴理子は四年目で友だちも恋人も無い。ある日、角田という男と、教科書を忘れたことがきっかけで話す様になり・・・。
飲み会での、この小林の爆弾発言?と態度に唖然・・・・。

「花束になんかなりたくない」★ネタバレです 文字反転してください★
星子にしても、ぼく(生島タカオ)にしても、現在の時点では虚しさや焦りを感じいるものの、ちょっと何年か前は、幸福の絶頂にいた人達なんですよね。星子は昼間働きながら、大学の2部(夜学)に通っていたものの、翌年、一部(昼間)の学校をもう一度受けなおし、みごと合格!!したし、僕に至っては19歳で何かの文学賞を受け、本を出版し、2冊目の本も出したわけで。たとえ、それがあまり売れない本だったり、酷評されたにせよ、そんな賞を受けることが出来たり、本を出版させてもらえる処までたどり着けただけでも、凄い事!!一般人のこれと言って何も取り柄の無い人間(私みたいな(^_^;))から見れば、この2人の過去たるや、立派だし賞賛に値するんです。しかし・・・その輝く頂点を過ぎてみれば・・・って事ですよね・・・。
最初の内出て来た星子の印象が、後半に行くにつれて、変わって、ちょっと意外でした。殆どの人が、ハッピーになったり、カップルになったりと、良い感じになっていたのも読んだ後味が良かったです。
以上
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

豊島さんは、こういう「勉強は出来るんだけど、地味な自分に劣等感を持ってる」みたいなキャラを描くのが凄く上手いと思います。
しかし、今まで読んだ3冊ともが(1冊はエッセイだから、2冊しか読んでないわけで(^_^;))似通ったキャラばかりが出て来ていたので、ちょっと違った人が出て来る話しなんかも読んでみたいな~って思いました。逆パターンの、頭が軽いがモテるのだけは特技?の女性とか。

それとね、最近読む作家さんの本が、偶然だと思うんですが、軒並み、こういう、地味で、人間関係が苦手で、隅っこの方で、中心グループでキャピキャピやってる華のある人達を複雑な心境で見ている・・・って感じなんですよね・・・。
こういう小説(作家さん)が人気がある、って事は、こういう人が今とても多い!って事なんでしょうか? 

ふと、自分が学生時代の頃を振り返ってみたんです。あの頃、若い世代から支持されていた本とかって何だったろう?って・・・。今みたく、自分と同世代の作家さん(共感感じる様な内容を書いてくれる)って、あまりいなかったんじゃないかな~なんて思ったんです。(注)もしかしていても、私がたまたま、知らなかったand読んでなかっただけってこともあるかと思います。

私の学生時代の頃といえば、ユーミンが人気がありました。今から考えてみると、ユーミンが描いていた女の子っていうのは、それなりに学生生活を楽しくやっていた子なんですよね。それを違和感なく、みんなが好きで聞いていた、ってことは、そういう子が多かった時代だった、って事なんでしょうか?(もちろん、ユーミン嫌い!って友達も結構いましたが^^
それじゃ、あの頃、豊島さんの描くタイプの人達は、どんな音楽や小説が好きだったのかな・・・? そこまで考えちゃう私も、どうかしてるな~とか思いつつ、ちょっと色々考えてしまったわけです・・・。

「檸檬のころ」と「神田川デイズ」は、雰囲気が少し似ていて、檸檬のころの登場人物が、大学時代に、こんな風になっている様な気がするお話でした。

「檸檬のころ」「底辺女子高生」豊島ミホ

コメント (22)    この記事についてブログを書く
« 「ひとり日和/青山七恵」感想... | トップ | 1980年頃の、花王ヘア関係商... »

22 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (エビノート)
2007-06-26 21:45:27
こんばんは!
学生時代に読んでいた本は、自分とは別世界と感じる作品が多かったような気がします。
激しく共感するってわけではないですが、
学生時代が遠い昔になってから、こういう懐かしさを感じさせてくれる作品に出会えたのも幸せかなぁ~と思ってます。
返信する
エビノートさん☆ (latifa)
2007-06-27 09:18:51
こんにちは、エビノートさん
うぬ~~、そう言われれば、私も、学生時代に読んでいた本は、自分と別世界の、とんでもない世界(例えば、横溝正史とか、江戸川乱歩とか、はたまた、中年夫婦の話とか(爆)を読んでいた気が・・・。

>学生時代が遠い昔になってから、こういう懐かしさを感じさせてくれる作品に出会えたのも幸せかなぁ~と

言えてます!!!
もしも、自分が青春時代の渦中にいたら、むしろそういう自分と同年代の本は、読みたくなかった気がします・・。複雑な心境も入り混じっちゃうし・・・。
返信する
Unknown (藍色)
2007-06-28 01:45:43
latifaさん、こんばんは。
学生時代の頃、読んでた本って自分とは程遠い、変わってる人が主人公のがいくつか印象に残っています。
なので、すごく違和感ばかりだった気が(笑)。
ユーミン、流行ってましたね。トレンドだったんでしょうけど、たぶん、こういう地味さや劣等感が恥ずかしい、見せちゃいけないような風潮だったんでしょう。
豊島さんの物語で、やっと現実に追いついてきたっていう気がしています。
返信する
藍色さん☆ (latifa)
2007-06-28 08:52:20
藍色さん、こんにちは~
やっぱり藍色さんも、学生時代に読んでいた本は、自分とは違ったタイプの主人公だったんですね。
私もそうだったんですよ。私の場合は、その当時、自分と近いキャラの人が主人公・・って本に、巡り会えなかった・・っていうのもあったかと思います。

>地味さや劣等感が恥ずかしい、見せちゃいけないような風潮だったんでしょう
そうだったのかもしれませんね・・・・。
私の友達で、凄く人気者の女の子は、中島みゆきが大好きみたいで、よく聞いてました(80年代前半頃で、当時から、暗いと評判でした)自分の状況と、自分が好んで聞く(読む)作品が、同じ雰囲気・・とは、限らない一例ですな(^_^;)

最近読む小説は、作家の人と私の年が違うにもかかわらず、色々と共感出来る部分が一杯あって、それが私の読書熱を、あおってくれたと言っても過言ではありません。前は、あんまり小説とか読んでいなかったんですよ。
返信する
こんな人間 (yottyan)
2007-06-30 00:12:00
私の若いときは、どんなだったろう。
結構ぼけっとしてたかもしれない。」
その日その日をただルーチン的に
生きていたかも知れない。
逆に今の方が行動的かも、
読む本と言えば赤川次郎とか、FM雑誌とか読んでいたような、毎週ラジオセンター行ってるようなネクラなおたくだったかもしれません。
友人の下宿先で麻雀したり、エアチェックした曲を聴いたり、ああもう一度
学生時代からやり直したい。
このような本に、人気があるのは
自分を見てるのか、自分とは違うのか
どっちなんでしょうね。
まあ、今が良ければいいんですが(^_^)v
返信する
yottyanさん☆ (latifa)
2007-06-30 08:51:22
yottyanさん、こんにちは
今の方が行動的かも、っていうのは、私の回りを見ていると、同様に言う人がいて、興味深いです!
(現在、すごく行動的で活発だな~って人が、学生時代はそうじゃなかったんだそうで)
私は若い頃の方が、行動的だったし、性格もちょっと違っていて、何て言うか・・・自己中だったし、優しくなかったなーって思います。

私も、10代のころ、FM雑誌読んで、エアチェックするのが趣味でしたよ~☆
あの頃って、そういう人多かったのかもしれませんね。

私は、今の脳のまま、体と時代だけ、若い頃に戻りたいです。そうしたら、前よりまし?に、行動出来そうなので
返信する
Unknown (june)
2007-07-05 21:37:34
私の学生時代は、村上春樹が好きでよく読んでいました。
共感というよりも、少し上の世界に憧れて背伸びをするような気持ちだったかも。これ、リアルタイムで読んだらどうなんでしょうね。リアルタイムだったら痛すぎてあまり読みたくないと思ったかもしれないし、一歩を踏み出そうとする彼らに勇気づけられたかもしれないし・・。
私も今の脳のまま、体と時代だけ若いころに戻りたいです!そうしたらもっとなりたい自分に近づける気がするんですけど、気のせいかなぁ・・。

>豊島さんの描くタイプの人達は、どんな音楽や小説が好きだったのかな・・・? 

まさしとか?
返信する
juneさん☆ (latifa)
2007-07-06 08:26:58
juneさん、こんにちは!
おおお~~同じです!と言っても、私が村上春樹読み始めたのって、もう1982年頃で、高校卒業した直後だったんです。だから、ちょっと中高生時代では無いんですよー。
それにしても、juneさんも昔、村上春樹が好きだったなんて、なんか奇遇で嬉しいです☆

私が多分村上作品で、最初か、2つめ位に読んだのが、「午後の最後の芝生」という、1982年9月号「宝島」に載っていた短編だったんです。それ読んで、好き確定!になり、83~86年頃までは、全部の本を買って読んでました。しかし、私は、あまのじゃくな性格なので、ノルウェイ以降は、殆ど読まなくなってしまいました・・・。

まさし・・って、さだまさしのことかな?
なるほど・・・。
返信する
Unknown (june)
2007-07-10 22:50:45
村上春樹さんの世界を理解できるのは私だけだ!くらいの勢いで好きでした。
今思うと恥ずかしいですけど^^;
私は「風の歌を聴け」ですっかりやられました。
羊三部作とか、「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」は今でも好きです。
でも「ノルウェイの森」の後はしばらく追いかけなくなってしまったのです。
latifaさんと同じですね。
メジャーになりすぎてさみしくなったというのもあるかもしれません。
でも何年ものブランクの後で「海辺のカフカ」を読んで、やっぱり好きだ・・と、再確認しました。
と、豊島さんからだいぶ話がずれてしまいました。すみません。
返信する
juneさん☆ (latifa)
2007-07-11 08:50:33
juneさん、またコメント嬉しいです~~
そうかー!かなりjuneさん、思い入れのある作家さんだったのですね。私も多分人生の中で、一番多く読んだ作家さんでもあり、ハマり度が一番高かったのが(若い頃だけど)、村上春樹さんだったので、juneさんと、こういう昔のお気に入りの作家さんが同じというのが、凄く嬉しくてたまりません!

juneさんは、世界を理解出来るのは・・^^って思われていたんですね♪←juneさんカワイイです☆ 
私は、若い頃、どんな本を読んでも他人事っていうか、共感出来るというか、そういう本が無かったんですが、初めて自分にしっくり来る本だなー!って思ったのが、村上さんの小説でした。juneさん同様、風の歌を聴けとか、羊3部作で、すっかりハマってしまいました。

それに、ノルウェイの森以降、追いかけなくなったなんてーーーーー同じで、嬉しいなー!!!
回りに村上さんのファンって方はいらっしゃっても、みんな、ノルウェイ以降でファンになった・・って方としか知り合った事が無いのです。
そうなの。そうなの! 別に村上さんの小説が良くなくなっちゃった・・・って訳じゃなくて、異常にメジャーになって、何だか淋しくなっちゃったんですよね・・・。

私は、「海辺のカフカ」は未読なのですが、去年だったかな、オウムの事件に関して書いた本「アンダーグラウンド」を久し振りに読んで、やっぱりこの人好きだ!と、くしくも、再確認した処だったんです。
「約束された場所で―underground 2」も続けて読んじゃいました。
それじゃ、海辺のカフカも読んでみようっかな!!!

最近では、「村上かるたうさぎおいしーフランス人」を読みました(レビューは、アンダーグラウンドにしても、コレにしても、何故か、どれも書いていません)
チャンドラーの「長いお別れ」を翻訳して、「ロング・グッドバイ」という本も出されたそうで、そちらも興味有りです☆

私こそ、嬉しくてつい興奮、長くなっちゃってスイマセン!!
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

小説・漫画他」カテゴリの最新記事