密告

ホステスの仕事、辞めざるを得なくなってしまいました。

え…！まさか…！飲んだくれてついに客の頭を叩いたか！？と期待していただいた方々へ、

裏切ってすみません。

密告されました。

昼の仕事で、突然センター長に呼び出され「Ｔさんから聞いたんだけど…」と話が始まった。

Ｔさんとはいざこざがあったのは事実。

そもそもそのお店に行ったきっかけは彼女で、私がお店で働くことに対してよく思っていなかった。

それは知ってたけど、なんで今更…？
仕事を始めた時点で彼女はその事を知っていて、仲違いとなったのはそれが理由だ。

でもそうしたら、もっと早い段階でチクらなかったのは何故なんだ？

なんで？なんでだろう？と思いながら、
「副業禁止、とにかくそっちの仕事は辞めてね」
っていう、センター長の言葉にただ頷く事しか出来なかった。

副業禁止というルールを違反した私が悪い。

でも、いきなりこんな形で、お店を辞めることになってしまい、しかもその日はちょうど出勤予定だった。、
ママを始めとしてお店に迷惑を掛けてしまうことに申し訳なくて仕方が無かった。

ママは最近不眠症なので、まだきっと寝てる時間。

とり急ぎ、「バレてしまって辞めなくてはいけなくなってしまった、仕事がおわったら連絡します」というメールを送った。

それから仕事に手がつかなかった。

インターンシップとしての契約は１年で、既に先月で満了しているけど、
今はいろいろ諸事情があり人手が足りなくなるという理由で、アルバイトとして延長して働かせてもらっている状況。

そしたら別に今すぐこの昼の仕事を辞めてもいいんじゃないかって思った。

ソンクラン３日目のＯちゃんや未だに目を合わせてくれない喧嘩したＫちゃん、そして今回のことでなんだか人間不信。

でも、タイに来るにあたって、住んでいるアパートやなにもかもは会社が手配してくれたもので、
今まで本当に良くしてくれた大好きな同僚や上司の顔も次々に浮かぶ。

センター長も、彼の立場があり、聞いたからには言わなくてはいけないということを分かって欲しいという思いで伝えてくれたことが、
とてもよくわかったからこそ、「ハイ、わかりました」と私は答えたんだ。

仕事が終わってママに電話した。

そしたらママは、私が急に仕事を辞めることになって迷惑を掛けてしまうことなんて一切責めず、
「今の仕事を首にならないか、大丈夫なのか」って私の事を第一に案じてくれた。

ありがたくて、申し訳なくて、泣けた。

電話を切って、道端で、シラフのくせに泣いてたら、
仕事が終わった同僚の飲んだくれＮちゃんが通りかかったので、一緒に愚痴とビールを飲んでもらった。



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