7:50発エアアジア。
6時には空港に着いていなければならない。BTSもエアポートリンクも動いていない早朝なので足はタクシーしかない。
ひとりでタクシー乗ったことはもちろんあるけど、深夜や早朝のまだ暗い時間で、
しかも女の子だけで乗るのは危ないよ~と怖~い話をさんざんまわりから聞かされていたのでビビる。
催涙スプレーかけられてレイプされて身ぐるみ剥がされて道端に捨てられるかもしれない。
もしかしたらもう会えないかもと思って、日本にいる旦那に電話をする。
そしたら、いつも夜になると勝手にゲージに入って休んでる愛犬が、
遅い時間にもかかわらず元気一杯で、異常に興奮しているとのこと。
ああ、動物の勘で、うちの犬は、もう私に会えなくなることに気づいているのだ…、
「邦人女性、タイのタクシーで殺される」という新聞の見出しが頭に浮かぶ。
さよなら、みんな…ありがとう…とても幸せだったよ。
涙を拭いながら、旅行かばんに水着を詰めてふと我に返る。
これからプーケットに行くってのに、あほか。
死ぬときは死ぬという座右の銘を胸に、いざスワンナプームへタクシー乗車。
私の心配をよそに運転手さんはとてもジェントルでよい人でした。
空港で今回プーケット旅行を共にする、幼馴染のきーちゃんと落ち合う。
彼女は、1年前までプーケットのホテルで3年間働いていて、今は辞めて日本で働いている。
里帰り旅行ということで、休暇をとって日本からやってきたのだ。
プーケットの宿泊先は、もちろん彼女が以前働いていたホテルなんだけど、なんと!宿泊料タダ!
彼女はともかく、私はただの棚ぼた!
らっき~~~♪タダより高いものはないというけど、そんなの知らん!もつべきものは幼馴染だ。
きーちゃんありがとう!
ビンボーマリ、ゴージャスリゾートに飛行機乗る前からセレブリティ気分。浮かれる。
でも、飛行機に乗って、セレブはエコノミーには乗らないな、と冷静になる。
しかも前のばばあが、離陸前からシートMAXで倒してきやがり、不快。
まあよい、スッチーに注意されて恥をかけばよい!ふんっ。と思ってたら、
シートそのままでいきなり別の席へ移動していった。
ばばあ!シート戻してから去ってくれ!!くっそ~、エアアジアめ~~!(別にエアアジア悪くない)
イライラしつつも、1時間半のフライトはあっというまだった。東京から福岡ってかんじだね。
空港に迎えの車がきてくれていて、ホテルへ。
う~ん、まさにリゾート。
ボキャブラリーに乏しく、リゾートとしか言葉がでてこない自分が淋しい。
ビューティフルリゾート。アメイジングリゾート。とにかくリゾートです。リゾート連呼!
きれいっす。ひろいっす。
コピーライターにはきっとなれない。
ロビーに着くと、きーちゃんの前の仲間たちが、みんな暖かく迎えてくれて、
中にはきーちゃんに再会できて嬉しくて泣き出す子もいて、きーちゃんは本当に職場で愛されていたのが伝わってきた。
きーちゃんは私の知っている中で、1番の努力家でガッツと能力のある人だ。
4年前、彼女が初めてプーケットに訪れたとき、右も左もわからず、仕事を教えてくれる人もいない中で
自分で必死に仕事を見つけて、覚えて、こなしていかなければならなかったそうだ。
相当大変だったはず。
でも、彼女の持ち前の負けてたまるかのド根性で、研修生から3ヶ月でSVとなり、
その後アシスタントマネージャーにまでなった。
責任感が強く、仕事もできるので周りに頼られることが多い彼女だが、
でもただ頼られることを受けるのではなく、頼ってきた人が、その人ができる最大限の努力をしたかをちゃんと見るそうだ。
何も努力しないで、ただこれをやってくださいって言われるのはお断りだし、そのひとの成長にもならない。
その人のことを信じているからこそ、そういう態度がとれるのだと思う。
人によっては、それを厳しいと感じ、きーちゃんのことを怖がったり、めんどくさく思ったりするかもしれないが、
私はやっぱりきーちゃんは、人の上にたつ度量が備わっているひとだなと思った。
すごく尊敬している。
きーちゃん、私の上司になってくれないかな…。
はてさてホテルに着いて、荷物を置いて、プーケットタウンへお買い物…と思いきや、
ホテルの中やホテルの周りを歩いてると、「KIMI!帰ってきたの~!」とあちらこちらから
KIMI!KIMI!ラブコールが巻き起こり、ちっとも先へ進めない。
めちゃくちゃ人気者。3年間できーちゃんが積み上げてきたものは、とても大きく素晴らしい。
きーちゃん、よかったのう…と成長して活躍している孫をみつめるおばあちゃん気分だ。
なんとか、歓迎の中をくぐりぬけ、タクシーへ。
バンコクのようにメータータクシーがなく、電車もなければ、バスもほとんどないので
ホテルからプーケットタウンまでは交渉制のタクシーを利用しなければならない。
きーちゃんの友達のタイ人が交渉してくれたけど、それでも高い。往復1100B。
う~ん、プーケット交通の便がよろしくない!
プーケットタウンへつき、お土産以外ほとんど荷物を持ってこなかったきーちゃんが、
サンダルやら服やら水着やらタイ旅行に必要なものををさらっと買って帰宅。
私は60Bのタンクトップ1枚購入のみ。
お買い物もバンコクのほうが安くてよい。プーケットは物価が高い!
プーケットに行ったら、あちこち行かずにビーチとホテルの周りでのんびり。これ正しい。
ホテルに戻って、ホテルの中に最近新しくできたスパを見学。
これ、スパです。この形、意味がわからん!マーベラス!テーマは「巣」なんだそうだ。
よくわからんけど凄い。リゾートリゾート。(全てリゾートといってごまかす)
せっかくなので明日来ようぜ!と予約。
60分3000B。
ビーチ沿いのマッサージ屋は60分300B。私がバンコクで行くマッサージ屋は70B。
…と思わず比べてしまう貧乏性を、リゾートだからいいの!と振り切る。
貧乏性マリVSリゾートマリ。
妄想的には勝者リゾートだが、現実的には勝者は貧乏。ちっ。
それから、ビーチのシーサイドレストランでディナー。
ロマンティックな夜なのに、女ふたりで酒を飲む。それもまたよし。