気が付けば雨は止んでいた。
また降り出すのではないかといった心配は尽きないのだが、いつまでもこうしてイスに座っているのも勿体無い。
周辺を散策してみよう。
ツアーのみんなが消えて行った方へと向かう。
近くに民家がぽつりぽつりとあるだけで、すぐに河へと出てしまった。
そこには子供たちが水遊びをしてはしゃいでいた。
「石原さん、せっかくだから俺達もメコン川で泳いじゃいますか?」
「おお暇だし泳ごうか。」
俺の方から石原さんを誘っておきながら、速答で乗ってくれるとは思ってもみなかった。
予想外の返事に驚かされたのだが、嬉しくもあった。
結構話が分かる人かもしれない。
俺よりも早く裸になると一目散に河へと入って行った。