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混凝土に咲く花のように


海外旅行記や国内旅行記など、数々の旅行記を連載中!
        HP『我道旅人』で更新内容をまとめて掲載

メコン川

2006年05月16日 | ベトナム旅行記

気が付けば雨は止んでいた。
また降り出すのではないかといった心配は尽きないのだが、いつまでもこうしてイスに座っているのも勿体無い。
周辺を散策してみよう。

ツアーのみんなが消えて行った方へと向かう。
近くに民家がぽつりぽつりとあるだけで、すぐに河へと出てしまった。
そこには子供たちが水遊びをしてはしゃいでいた。

「石原さん、せっかくだから俺達もメコン川で泳いじゃいますか?」

「おお暇だし泳ごうか。」

俺の方から石原さんを誘っておきながら、速答で乗ってくれるとは思ってもみなかった。
予想外の返事に驚かされたのだが、嬉しくもあった。
結構話が分かる人かもしれない。
俺よりも早く裸になると一目散に河へと入って行った。

スコール

2006年05月15日 | ベトナム旅行記
今日はとても暑い。
玄関前の扇風機をつけ、イスに腰を降ろす。

ぼんやりと外を眺めていたら、突然空が曇り始めてきた。
そして空から滝のようなスコールが降ってきたのだ。

「みんな大丈夫かな。」

自分は屋根の下にいて雨に濡れないので、思わず人の事を心配してしまう。
ここで停泊してよかったと思う反面、やはり先に進みたかったという気持ちもどこかにあった。
そんなことを石原さんと話ながら、スコールが止むのを待った。

しばらくぼんやりしていると、ホームステイ先の小学生くらいの女の子が寄ってきた。
ベトナム語で色々話そうとしているのだが、何を言っているのかよく分からない。
そこで今回の旅で重宝している『指差し会話』を取り出す。
すると女の子は慣れた手つきで、本を操り始めた。

「何歳」「趣味は?」「結婚してるの?」

次々に質問攻めにあってしまった。
結婚してないと答えると、どこからかたくさんの写真を持ってきた。

そこには女の子の親戚や知人が写っていた。
一枚の女性の写真を取り出し、しきりに薦めてくる。
何となく言おうとしていることが分かったのだが、どう答えても後々面倒だと思い、分からない振りをした。

ホームスティ

2006年05月12日 | ベトナム旅行記
船は島に到着し昼食となる。
屋外のテーブルにそれぞれ座り、焼そばを食べた。

このままみんなと最後まで回れたらいいのに…

そんなことを考えながら、最後の時を過ごした。
ここが俺達のホームステイ先、残念ながらここでみんなとお別れだ。
ツアーの皆は元来た道を戻り、この場所を去ってしまった。
賑やかだっただけに、後に残されたのは何だか寂しかった。

今晩ここに泊まるのは俺と石原さんだけだった。
本当はヨーロッパ人の一人も残るはずだったのだが、「こんなところに置き去りされたくない。金は戻らなくてもいいから、俺は帰る!」と強情を張っていなくなってしまった。

本当に何もない場所だった。
一日何をして過ごせばいいのだろう。

家の入り口でパスポートを渡した。
何やら手続きが必要なようだ。
ベッドに案内され、荷物を降ろした。

マーケット

2006年05月11日 | ベトナム旅行記
マーケットでは果物を中心に食べ物が豊富に並べられていた。
特別食べたいものがある訳ではなかったのだが、せっかくマーケットに来たのだ。
何か買ってみよう。

旅行会社に借りた『指差し会話』を開き交渉してみた。
『いくら?』と書かれた部分を指差し、おばちゃんに話し掛ける。
すると、興味を持ったのか単語帳を取り上げ、熱心に見入っていた。

周りのおばちゃん達を集め出し、『愛国心』や『愛』といった単語を指差し笑い合っていた。

「あんたあの娘に『愛』って言ってやんなよ!」

そんな会話をしながら笑った。

『指差し会話』のおかげで、おばちゃん達と仲良くなれた。
ザボンでも持って行きなと、通常よりも格安で売ってくれた。
いきなりこんな場所で役立つとは思わなかったよ。
貸してくれた旅行会社のお姉さんに感謝だ。

ザボンはかなり多いので、食べるのに一苦労。
船に戻り皆に配った。

お礼に香港で働いている女性がランブータンを、ベトナムに留学していた娘がブンタンをくれた。
いつの間にかボートの上では市場で買ってきたものの交換会が始まっていた。
本当にいい奴ばかりで楽しかった。

バザール

2006年05月10日 | ベトナム旅行記
持ち歩いていた飲み水がなくなったので、川辺の売店で1リットルのミネラルウォーターを買った。
1リットルのペットボトルをぶら下げ歩くには、少し大き過ぎるのだが、1つサイズを下げると本当にひと口しか飲めない大きさだったので、ベトナムではこのサイズをよく買った。
何ていっても暑いので飲み水は必需品だったのだ。

集団に遅れながら、慌てて船に乗り込んだ。
空いている席が無かったので、一番後ろの船頭が座っている近くに座る。

「そこは座っちゃだめだ。」

ガイドに注意され、その場にいた日本人だけ他の船に移動させられた。
大型連休ということもあるのだろうか、このツアーには多くの日本人がいた。
ベトナムは思った以上に日本人に人気があるんだな。

船は水上マーケットに到着した。
留学している女の子がバナナの揚げたものに練乳掛けたお菓子が美味しいと言っていた。
石原さんが買うようなので、分けて貰った。
モチモチとして甘い。

大型バス

2006年05月09日 | ベトナム旅行記
乗り換えるバスは大型のバスだった。
乗客が皆乗り込まなければ空いている席が分からないため、すぐにはバスの中に入れなかった。
また待たされるのか…
乗り換えるなら初めからこのバスに乗せて欲しかったもんだ。
後からだと座る場所を探すのも大変だ。

出発直前まで外で待たされ、皆バスへ戻ったところを見計らって、俺達もバスへと乗り込んだ。
空いている席を探しながらバス内の通路を歩く。
奥のロングシートの真中の席が空いているのを見つけた。

右隣は日本人の女の子2人、その前にも日本人らしき人が2人いた。
バスの中はすごく暑かった。
隣の女の子は俺に気を使ってくれたのか、クーラーの噴出し口を俺の方に向けてくれた。

「どうもありがとう。」

そんなやり取りをきっかけに、隣の女の子達と話すきっかけができた。
彼女らはホーチミンに留学していて、友達2人がベトナムに会いに来たようだった。

旅の話をすると盛り上がり、楽しい一時を過ごすことができた。
気が付けば、バスは河岸に到着していた。

乗り換え

2006年05月08日 | ベトナム旅行記
バスは気付けばすぐに休憩となった。
特別お腹が減っているという訳でもないので、何も食べる気がしない。
時間を持て余し、食堂に吊るされているハンモックに揺られ寝そべった。

しばらくダラダラとしていると、ようやくミニバスにエンジンが掛かった。
それを見て、皆バスへと乗り込む。
俺も先程の席に戻り、窓の外を眺めた。
やれやれようやく出発か…。
ツアーはお土産屋や食堂と契約しているのか、度々休憩することが多い。
早く出発しないものかと考えていたら、ガイドが俺と石原さんを外へと呼んだ。

「2人ともここからは別のバスで行きます。降りてください。」

今日の観光はずっとこのバスで回るものだと思っていたので、こんな旅が始まったばかりの中途半端な場所で降ろされるとは思ってもみなかった。

日本語ガイドが別のバスの英語ガイドを紹介してくれた。
今まではベトナム人と言っても日本語ガイドだったので少し安心感があったのだが、ここから先は言葉が通じにくい英語ガイドだった。
言いたいことをはっきりと伝えられないと、どうしても不安を覚える。
いきなり乗り換えろと言われて、本当にこのバスに乗ることができるのだろうか。
こんなところに置き去りされるのだけは勘弁だぞ…。

バス

2006年05月03日 | ベトナム旅行記
俺はメコンデルタ1泊ツアーだったのだが、タカシさんと同じ1日日本語ツアーのバスに乗せられた。
そのバスの中で俺と同じ1泊ツアーに申し込んだ唯一の日本人である石原さんに出会った。
石原さんは年齢は40歳前半の男性で、フィリピンを訪れたついでにホーチミンに寄ったらしい。
一言挨拶を交わした。

バス内で隣に座ったのは小野ちゃんだった。
彼とはこの先旅の道中、度々出会うことになる。
それは入国と出国の両フライトが俺と全く同じだったからだ。
それだけでなくベトナムを電車やバスを使い北上して行くといった旅の主たる目的もまた同じだったことが大きいだろう。

集合場所

2006年05月01日 | ベトナム旅行記
部屋へと戻り身支度でもしようとしたのだが、昨日遅くまで騒いでいた奴等がシャワーを使っていて、洗面所に入れやしない。
そこでまだ時間的には早いのだが、メコンデルタツアーの集合場所である旅行会社へと向かった。

旅行会社の前は日本人や欧米人がたくさん屯していた。
その中に空港から街中までのバスで一緒だった日本人の男性2人に出会った。
もう会うことはないだろうと思っていたので、こんな場所で出会うことが少し意外だった。

「昨日夕飯一緒に食えなかったすね。」

昨日の約束を思い出し、話し掛けた。

「あの後GHに行ったんだけど、コカさんが外に出てったとオーナーが言ってたからさ。遅くなってゴメン。」

俺がタカシさんと外でコーラを飲んでいたときにおそらく行き違ったのだろう。
部屋で待っていなかった俺の方が悪かったのだが、素直に謝ってくれた。

ベトナム料理

2006年04月25日 | ベトナム旅行記
タカシさんが朝ご飯を食べようと、GHから出てきたところに丁度出くわした。
声を掛け、一緒に食べることにした。

簡素な席に付き、5000ドンを払うと器に入ったフォーを出してくれた。
スープは透明で小さな肉の団子がその上に乗っていた。
期待に胸を膨らませレンゲでスープを啜る。

「あれ!?そんなに美味しくないな…」

思わず声が漏れてしまった。

「たしかにそうだな…」

とても期待していた分、どうしても評価が厳しくなってしまう。
スープは薄味で、深みのある味ではなかった。
ベトナム料理はよくおいしいと言われるが、昨日食べた夕食もそうだが、特別おいしいものではないのだろう。

ベトナム料理も結局はある程度お金を払って贅沢品を食べなくては、美味しいものは出て来ないのかもしれない。
屋台で、しかも安いお金で美味しいものは出てくるはずもない。
考えてみれば、日本の店だってそうだ。

美味しいものを食べたい欲求もあったのだが、今食べているものは現地の多くの人達が食べている食事なので、この味の方がおいしい高級料理を食べるよりも、価値があるように感じた。
これがこの国の料理、そして庶民の文化なのだ。
ベトナム料理は全ておいしいという間違った知識を持つよりも、美味しい食事は値段によって変わるということもまた知っておくべき事だと感じた。
ベトナムに来てすぐに偏ったベトナム料理のイメージを壊すことができたのだった。