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混凝土に咲く花のように


海外旅行記や国内旅行記など、数々の旅行記を連載中!
        HP『我道旅人』で更新内容をまとめて掲載

四国ツーリング -終-

2006年01月25日 | 四国ツーリング
今回の旅で日記を全く書いてなかったことを思い出し、暇つぶしに書く事にした。
フェリーターミナルでもらった乗船申込書の裏を使い、一気に8日間分を書きあげた。
気付けば用紙10枚分になっていた。

日記にまとめ終わると、四国での日々が明確に頭に蘇り思わず笑顔になる。
一人旅だからこそ多くの出会いや発見があったし、気ままに旅をすることができた。

この旅が恐らく学生生活で最後の大きなイベントになるだろう。
そのイベントが今こうして終わろうとしていることがとても寂しい。
あと数日で僕は社会人になるのだ。

まだ色々とやりたいことがあった。
それに社会人になる心の準備もできていない。
そんな僕の気持ちとは一切関係なく、時間と共に社会人の生活は向こうからやって来るのだろう。

フェリーは6時丁度に東京に到着した。
ジェベルのキーを回しエンジンを掛けて温める。
ガタンと鈍い音を響き渡らせ、フェリーの大きな扉が徐々に開いていく。
その扉の先にはまだ薄暗い東京の街があった。

おわり

フェリー内

2006年01月22日 | 四国ツーリング
フェリーターミナルに向かう途中、コンビニに寄ることにした。
フェリー内で食事を取ると高くつくだろうと思い、パンやおにぎりを2食分買い込む。
しかしフェリーターミナルで東京までの乗船券を申し込むと一緒に食事券もくれたのだった。

「うわ…このパンとおにぎりどうしよ…」


フェリー内にバイクを運び、乗務員に柱に固定してもらった。
しばらくの間ジェベルとお別れだ。

甲板にあがり出発を待つ。
ここ四国から遥々東京まで帰るのだ。
バイクで走ってきた道程を考えると寝て待てば自然と運んでくれることが有難い。

出発を見届けると、ラウンジに入り持ち込んだパンと食事券を使ってチャーハンを食べた。
昨日は風呂に入っていなかったし、今日は朝早く起きたため眠い。
そこで風呂に入った後、すぐにベッドへと潜り込んだ。

四国から東京までは17時間30分もかかる。
やることがないので寝て起きては持ち込んだパンを食べたり、食事券で寿司を食べたりした。

四国最後の日

2006年01月21日 | 四国ツーリング
8時開店なので、まだ開いていない。
店内では忙しなく準備をしているようだった。
駐車場にバイクを停め、どうしたものかと待っていると女将さんが店から出てきた。

「おう。食べてくかい?入んなさい。」

開店前なのだが、店へと快く入れてくれた。
店の旦那はとても威勢がよく、注文した天ぷらうどんをすぐに作ってくれた。
神奈川からバイクで来たことを言うと、驚いた様子で旅のことを尋ねてきた。
考えてみると随分と遠くまできたものだ。

うどんはコシがあり、とてもうまかった。
わざわざ来たかいがあったよ。


少し時間的に余裕ができたので、また鳴門海峡へとバイクを走らせることにした。
ここが四国ツーリング始まりの地だったな。
もうこれで四国とはお別れだ。

旅の始めと最後ではこの場所で感じる印象も違う。
ただ共通していることは渦潮を見つけることはできなかったことだ。
まぁそれはそれで仕様がない

最終日の早朝

2006年01月20日 | 四国ツーリング
2005 3/12

朝6時頃、駅の扉がガラッと開き、寒い風が飛び込んできた。
賑やかな声と共におばさんが3人ほど中に入ってきたのだ。
そして隣のベンチに腰掛け雑談し始めた。

こんな朝早くから人が来るとは驚いた。
まだ寝たりないのだが、もう寝袋を仕舞わなくてはならない。

東京行きの帰りのフェリーは10時半までに、フェリー乗り場に行けばいいのでまだ時間がある。
香川で讃岐うどんを食べてから、徳島に行っても十分間に合うだろう。

思い立ったが吉日、道路は空いていたので平均時速80キロで爆走する。
高松と徳島への分岐である国道11号に到着したのだが、今から高松方面に向かうのは時間的にかなりきつい。
近くにコンビニがあったので、ガイド本を立ち読みして近くにうどん屋がないか探した。

まだ7時30分なのでこのような早い時間に、しかも郊外においしい店があるのだろうか。
パラパラとページをめくり、極近くに1件見つけた。
通りを歩いているおばあちゃんに案内してもらい、店に辿り着くことができた。

今日の寝床探しその2

2006年01月19日 | 四国ツーリング
何とかフェリーターミナルを見つけ建物に辿り着けたのだが、東京行きのフェリーターミナルは今日の出航が終わったのだろうか扉は固く閉まっていた。
気を取り直し、次に和歌山行きのフェリーターミナルに向かった。
しかしこのフェリーターミナルは24時間終始フェリーが往来している上、寝袋を引いて寝るスペースがなかったことからここでも眠ることができそうにない。

ベンチに座り眠気を抑える…
しょうがない駅を探すか…

旅の疲れがここに来て爆発しそうだった。
横になった瞬間寝てしまいそうなほどの眠気を堪え、再びバイクに跨った。

フェリーターミナルの場所を見つけるのにさえ苦労したのに、泊まれる駅を探すのはそれ以上にやっかいだった。
途中海沿いの公園の障害者用トイレで寝てしまおうかとも考えたのだが、人が来ないといってもやはりトイレだし落ち着かない。
STBの本を片手に駅を目指し192号を走る。

数箇所駅を回り、ようやく泊まれそうな駅を見つけた。
駅の扉を閉めて風が入って来ないようにしてベンチの上に横たわった。
結局寝るのが午前1時になってしまった。
しかしようやく安心して眠ることができる…

今日の寝床探し

2006年01月18日 | 四国ツーリング
ザーザーッと天から落ちてくる雨を眺めながら考える。
今日はどこに泊まろうか…

この旅を始める前YHと駅を寝床としてうまく利用し、夜を明かそうと考えていた。
そこで駅で寝る時のため寝袋を持って来ていたのだが、まだ一回も駅で寝ていなかった。

普段のツーリングと言えばテントか駅を利用しお金を節約することが多かったため、今回のツーリングのようにお金を掛けてYHばかり利用することに少なからず抵抗があった。
今日は四国ツーリング最後の夜だ。
今日駅で寝なければ今回は駅で寝ずに帰ることになる。
一日中葛藤してきた気持ちに答えを決めた。

地図を見るとフェリーターミナルが近くにある。
駅よりも大きいだろうし、とりあえずフェリーターミナルに行ってみることにしよう。

下山後のコンビニその2

2006年01月17日 | 四国ツーリング
ご飯を食べ終え寛いでいると、何処からともなく車がやってきた。
車内からはモッサリしたおっさんが出てきた。
こんな寒い所で王様座りをしている僕を見て不思議に思ったのか話し掛けてきた。

「どうした?寒いだろ?ちょっと買ってくるからコーヒー、ココア飲みねぇ。ちょっと待っててな。」

そう言うとおっさんは店内へと入る。
呆然とイスに座っていると、紙コップにお湯を入れたインスタントコーヒーを2つ抱えてやってきた。
そのうちの1つを僕にくれ、イスに腰掛けた。

おっさんは昔バイクに乗って僕のように旅して回ったらしい。
だから共感を覚え、コーヒーを御馳走してくれたのだ。
そして「泊まるとこないなら、家に泊まってけや」と言ってくれた。
いきなりの申し出で驚いたのだが、今夜泊まる場所を全く考えていなかったので、是非ともお願いしたい。

しばらくそのまま雑談を交わした。
そして一通り話しおっさんは満足したのだろう。

「それじゃ気ぃつけてな」

そう一言声を掛け走り去ってしまった。

「う…泊めてくれるものと期待していたのだが、やはり現実は甘くないな…」

気が付けば雨もまた降り出し、結局脱いだ雨具をまた着なければならなくなった。

下山後のコンビニ

2006年01月16日 | 四国ツーリング
を数箇所通り過ぎ、なんとか192号へと出た。
街灯や車のライトに照らされた路上がとてもいとおしく感じられた。

計画どおりに行くならば、このまま北上して香川に讃岐うどんを食べに行くのだが、もう心身ともに疲れ果てたので早急に寝たい。
とりあえず休憩しようとローソンに入ることにした。

無事下山したことにより安心したのだろう。
早朝YHで食べた朝飯以来何も食べていなかったことに気付く。
インスタントのきつねうどん、シーチキンおにぎり、それとメグコーヒーを買った。

ローソンの入り口にはテーブルとイスが置いてあったので、ザックと食料をテーブルの上に置く。
そして雨が止んだので雨具を脱ぐことにした。

背もたれに寄り掛かり、きつねうどんをフーフーッと息を吹き掛けながら啜る。
温かいうどんが食道を通っていく感触が分かる。
やっと生きた心地がした。

剣山その2

2006年01月15日 | 四国ツーリング
雨は相変わらずに空から降り注ぎ、俺を濡らす。
剣山が見える場所に到着したのだが、雲と霧のせいで全く見えない。

ここまで来て何もせずに下山するのは報われない。
近くにある大剣神社に寄ってみることにした。
雨の中震えながら境内の階段を上った。

お参りを終え、バイクへ戻ると奇跡的に雲間から太陽が顔を出した。
今まで沈んでいた山々を眩しい光が包み込む。
道路上に溜まった雨水が輝き出す。

あまりに綺麗な光景で思わず言葉を失った。
この景色を見るためにここまで上ってきたのかもしれない。
残念なことにカメラのフィルムが切れていたため写真を撮る事ができなかったのだが、頭の中に焼きつきその時の光景を今でも覚えている。

しかし感動していたのも束の間の出来事だった。
太陽は山へと沈み始めた。
更に下山する場所は北斜面だったため、雪道へと変わったのだった。
冷えてくると路上が凍結する可能性がある。
慌ててエンジンを掛け出発した。

車が全く通らない雪の山道で一人孤独になる。
俺は何やっているのだろう…
真っ暗になったら昨日より最悪だぞ…
気持ちばかりが焦るだけで、ゆっくりと下るしかなかった。

剣山

2006年01月14日 | 四国ツーリング
本来なら剣山スーパー林道に行きたかったのだが、昨日の路面凍結による転倒もあるしやめることにした。
恐らく林道は雪で埋まって危険であろう。
そこでせめて剣山だけでもひと目見たいと麓まで行くことにした。

439号、438号をトコトコと走るのだが、道が悪く雨でスリップしそうで恐かった。
人通りが全くない場所に奥祖谷かずら橋と書かれた看板を見つけた。

路肩にバイクを停め、下りて行く。
観光シーズンではないためか観光客は全くいない。
寂しそうにかずら橋が2つ掛かっていた。
さらに奥には野猿というワイヤーに籠が吊るされたものがあった。

途中で籠が止まってしまったら、降りれそうにない。
乗ってみたかったのだが、係員がいないのでは怖くて乗る事もできなかった。