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混凝土に咲く花のように


海外旅行記や国内旅行記など、数々の旅行記を連載中!
        HP『我道旅人』で更新内容をまとめて掲載

おわり

2006年06月08日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
名古屋駅周辺は繁華街というだけあって、たくさんの人で賑わっていた。
このような場所は正直自転車で走りたくない。

引き返そうと思っていたところ、マンガ喫茶の看板が目に入った。
今日の寝床が見つかった。
トンカツ屋で名古屋名物味噌カツを食べてから、マンガ喫茶に入り夜を越した。

5月6日

早朝マンガ喫茶を出発し、名古屋駅を目指す。
朝靄の中人気のない街を走り抜ける。
新幹線の出発までまだ時間があったので、デニーズで軽い朝食を済ませた。

帰りの電車を待っていると、大きな荷物を抱えた俺を見て興味を持ったのか声を掛けてきた人がいた。

「それって自転車ですよね?僕もロードレーサーほしいんですよ!」

どうやらこの青年は誤解しているようだ。
この輪行袋の中は普通の折り畳み自転車で、ロードレーサーではない。
少し恥ずかしかった。
考えてみれば、いわゆるママチャリよりも遅い折り畳み自転車で真鶴から名古屋まで走る奴なんているだろうか。
これから先この自転車のままで、旅をやっていけるのかといった不安が少なからずある。。
遠くなればなるほど、お金と時間が足りなくなってくる。
すぐにゴールする必要はないのだが、一回の活動で距離を稼がなければ最後まで行くのは何十年掛かるだろう。。
この折り畳みチャリをカスタムする必要があるかもな。
頭に思い描いていたのは、名古屋で俺を抜き去ったロードレーサーのような細いタイヤを持つ折り畳みチャリだった。

終わり

熱田駅

2006年06月07日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
今回の旅はここ名古屋で終わりだが、まだここが最終目的地ではない。
日本縦断チャリ旅はまだまだ本当に始まったばかりだ。
次回は国道1号に乗って大阪方面を目指すため、今回は熱田駅で終わりにしよう。

電車に乗って帰るからにはとりあえず体を綺麗にしなければならない。
近くの健康ランドで風呂に入ることにした。

健康ランドを出るとすでに太陽は西に沈んでいた。
早く熱田駅に到着したい。
最後の踏ん張りでペダルを漕ぐ。

国道1号から少し離れた場所に熱田駅はあった。
ついに今回の目的地に着いたのだ。

自転車を階段の下に停めて、エレベーターで上へとのぼる。
みどりの窓口ですぐにでも乗れる電車を予約しようと思った。
しかし考えてみれば今日はGWだった。
そんなに簡単に新幹線や夜行バスのチケットが取れる訳がない。
そこで明日早朝名古屋発の新幹線を予約することにした。

さて、これからどうしよう…

今日中に家へと帰れるものだと思っていたため、健康ランドでシャワーを浴びてすぐに出たというのに、これからまた戻るのも面倒だ。
しばらく悩んだあげく、せっかくだから名古屋駅まで行ってみることにした。

名古屋着

2006年06月05日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
コンビニ脇の駐車場に人目を気にせず座りこむ。
この旅で何度もコンビニで休憩していたため、すっかり慣れっこになってしまった。
体に水分を入れるよう、そして体の熱を吐き出すように冷たい飲み物を飲み干す。
喉の渇きが止まらない。
フェンスに寄り掛かりながら、通り抜ける風に身を預けた。

自転車屋に戻ると、修理は終わっていた。
ありがとうとお礼を言い、キャリアに荷物を結び付ける。

「どこから来たの?よく夏になると同じような自転車旅行者がたくさんこの辺りに来るんだよ。」

オジサンはその様子をとても微笑ましいという口ぶりで言った。
その言葉はとても嬉しかった。

今回の自転車は一人旅であるし、同じような仲間が集まるユースホステルにすら泊まっていない。
全て健康ランドで夜を越したため、人と会話することがほとんどなかった。
そんな中トラブル続きで、諦めそうになった。
だがこうして自分のやっていることを少しでも認めてくれる人がいるということだけで、自然と頑張ろうと思えてくる。

もちろん言うまでもなく、人のためでなくただ自分のため、それも学生の時に抱いていた馬鹿な野望のため、こうしてここまで走り続けることができた。
思い出せばわずか3日であったのだが、とても色々あった3日間だった。

こうして俺はついに名古屋までやってきたのだった。

修理

2006年06月04日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
自転車屋はどこにあるのだろう…
また先程の繰り返しになってしまった。
現在地を確かめ地図を広げると、ここからすぐ近くに駅があるのを見つけた。
駅の近くなら自転車屋があるかもしれない。

先程のパンクは無事修理することができたので、今回のパンクも何とかなるものだろうと心は少し落ち着いていた。
自転車屋さえあれば、また先へと進める。

予想通りに商店街の一角に自転車屋を発見した。
とても愛想がいいオジサンがいたので、自転車の修理を頼む。
修理は30分でできると言う。
そこで近くのコンビニまで行って休憩することにした。

悪夢再び

2006年06月01日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
修理代を払い、気分良く自転車屋を後にした。
タイヤの空気も満たされ、路面の固さがハンドルまで伝わってくるのを感じる。
これなら大丈夫そうだ。

再び路上に降りて全力でペダルを漕ぐ。
しばらくすると再びタイヤの異変に気付き、自転車を停める。
とても嫌な予感がした。
ひょっとしてまたパンクしたのかもしれない。

恐る恐る後輪タイヤを見ると先程よりも小さい釘が刺さっているのを見つけた。
またパンクか…。
ゴール直前でトラブル続きで頭に血が上る。

「そんなに俺をゴールさせたくないのか!」

正直何でこんなところに釘が何本も落ちているのか納得ができなかった。
道路に釘など使ってないだろう!!
怒る相手がいるはずもなく、ただ淡々と自転車を押し歩くだけだった。

自転車修理

2006年05月27日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)

今回の旅を思い出しながら、トボトボと自転車を押し歩く。
2件目の自転車屋の前に辿り着いた時、絶望が希望へと変わった。
小さな自転車屋であったが、確かにシャッターが開いているのだ。

恐る恐る声を掛けると、オジサンは笑顔を浮かべ頷いた。

「やっとるよ。」

イスに座り修理される自転車をただひたすら見つめる。
本当によかった…
これで最後まで行ける。

どこまで行くのかとオジサンは自転車のタイヤからチューブを出しながら尋ねた。

「名古屋です。」

この旅の最終目的地は名古屋だ。
時間的に今日中のゴールは難しいにしても、近くまでは行きたいと思う。

するとそんな考えを吹き飛ばすような言葉をオジサンは言った。

「おお。それじゃあ今日中にゴールできるな。」

雲間から日差しが照り注ぐような気持ちだった。
もうそんなところまで来ているのか!

自転車屋

2006年05月24日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
おばあさんが丁度故障する瞬間を横で見ていたので、俺のことを気に掛けてくれて声を掛けてきた。
地元の人だったようで、自転車を修理してくれる最寄の場所を2つ教えてくれた。

「でも今日はGWだからねぇ。やってるかしら。」

そうだった…
今日はGWだ。閉まっている可能性が極めて高い。

ゴールである名古屋までここからあと僅かなのに、こんな中途半端な場所で終わりたくない。
ただ絶望的に思われた。
歩くにはかなりの距離である。
どう考えても無理だ。
今回の旅に自転車の修理道具をカバンの隅っこに入れなかったことが悔やまれた。

自転車屋の1件目は閉まっていた。
やはりそうか…
俺の心は諦めで満たされ始めた。
もうここで今回の旅は終わりだ。

パンク

2006年05月21日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
国道1号は3車線で遥か彼方まで続く直線だったので車道に降りることにした。
ペダルは回転音を刻み、体はそのリズムに合わせ前後に揺れる。
筋肉痛だろうが何だろうが関係なかった。
ただリズムに合わせペダルを漕ぐことが気持ちよかった。

順調に豊橋の街並を走り続ける。
すると突然自転車に異変が起こった。

カラン ガガガガガガ!

後輪がロックしたかのように横滑りをする。
タイヤに枝でも挟まったのか…
自転車を停めて、歩道へと乗り上げる。

一見すると自転車は悪い場所がないように感じた。
一体何が起こったのだろう…。
隅々まで隈なくおかしな箇所がないか探す。
すると後輪に釘が刺さっているのを発見した。
こいつのせいか…

豊橋

2006年05月20日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
2005 5/5

朝8時のチェックアウト近くまで眠ってしまった。
昨日早めに休んだのだが、体の疲労感は抜けなかった。
今日はどこまで行けるのだろうか。

重い体を自転車に乗せ、ペダルを漕ぎ始める。
国道257号から1号へと乗り換え、弁天島の脇を通る。
いくら遅い出発とはいえ、まだ昼のような街の賑わいはなかった。
体は徐々に温まってきて、太腿の筋肉痛も和らいできた。

一端県道3号に乗り、豊橋へと入る。
豊橋はかなり大きな街だった。
ここまで来ると名古屋が徐々に近づいていることを感じる。

信号で待っていると、俺と同じように自転車で旅している人と横に並んだ。
普通の自転車とは形状が違い、アメリカンタイプの自転車だった。
どちらからともなく、互いに軽くお辞儀をした。

宿到着

2006年04月23日 | 断続チャリ旅(真鶴⇒名古屋)
本当に凄い人ゴミだ。
もはや自転車に乗って走ることもできそうにない。
渋々自転車を降りて押しながら歩く。

「おい。見てみろよ。スゲー荷物だな。」

後ろから声が聞こえた。
俺の自転車に括りつけた荷物を見て言ったのだろう。
荷物自体は30リットルのザックなのでそれほど大きいものではなかったのだが、折りたたみチャリに載せているため少ない荷物でも大荷物に見えるのかもしれない。
スゲーと言われると少し恥ずかしくもあったが、嬉しくもあった。

寝袋を持ってくる必要なかったな。
寝袋が結構かさ張るんだよ。

ここでちょっとした心配が頭を過ぎる。
浜松は祭で今日は混んでいる。
ということは健康ランドも混んでいて、中に入れないかもしれない。
早く健康ランドに行かなければ、寝る場所さえも危うい。

もし入店を断られたら、この街を過ぎてどこか落ち着いた場所で、寝袋を使用するといった緊急事態にもなり兼ねない。
コンビニで買い出しをして一目散に健康ランドへと向かった。

健康ランドは少し街中から外れた場所にあった。
確かに混んではいたが、まだ早い時間だ無事中に入ることができた。
風呂に入って、映画を見ながら疲れを癒すことができた。
昨日頑張ったのだ。
これくらいの休憩を取ったっていいだろう。