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混凝土に咲く花のように


海外旅行記や国内旅行記など、数々の旅行記を連載中!
        HP『我道旅人』で更新内容をまとめて掲載

ベトナム旅行記 DMZツアー2

2008年04月05日 | ベトナム旅行記
ベトナムが南北に分裂していた時、緩衝地帯として非武装地帯、つまりDMZ(DEMILITAEISED ZONE)を作った。
今回はその一体を回るツアーに参加していた。

最初の目的地としてベンハイ川沿いに掛かるヒエンルオン橋に到着した。
映画の舞台にもなったという話だが、その映画を見ていないので特別な感情はなかった。
ただこの橋の隣には国道が通っており、車が当たり前のように往来しているのを見ると、当時の自由に行き来できなかった状況からの時代の経過を感じる。
反対岸にはモニュメントのみで草原が広がっていた。

続いてヴィンモックトンネルを訪れる。
このトンネルはゲリラのために使われたクチトンネルと違い、人々がトンネルの中で生活していた様子が伺えた。
例えばトンネル内にも関わらず生活場所や集会場所、救護室など様々な役割を持つ部屋がある。
トンネル内は蟻の巣のように複雑に入り組んでいて、前の人を見失うと永久に出られそうにないくらい迷ってしまいそうだ。
幸いクチトンネルのように屈んで歩かなくて良いので歩く分には楽なのだが、真っ暗なので前の人と数m離れてしまうと見失いそうでとても恐い。
恐怖と苦痛の中数分歩き回る。
涼しい風が通り抜け出口に辿り着いた。

トンネルの外は無限に広がる海と空が青々としていた。
その光景はあまりに眩しく、目が痛い。
辛い状況に置かれただけに、この光景はとても印象深かった。

ベトナム旅行記 DMZツアー1

2008年03月29日 | ベトナム旅行記
2005年9月22日

朝約束の時間にゲストハウスの前で迎えが来るのを待つ。
ガイドが来ると各宿の前で数人を加えながら、脇道をトコトコと歩く。
大通りに出ると大型のバスが止まっていた。

昨日のバスは日差しに悩まされたため、今回は慎重に座席を選んで座った。
見たところ話ができそうな同じような境遇の人がいなさそうに感じ少し残念だった。

休憩時、少し年配の日本人2人がいたので、同席させて頂いた。
本当なら積極的にガイドや欧米人と絡みたいところだが、どうも英語ができないため、ついつい日本人に声を掛けてしまう。
悪い癖だ。
ただ一人で虚しく飯を食わなくて済みそうなのでほっとする。

彼らは会社の同僚で初めてこのような現地のツアーを利用したとのことだった。
短い旅の期間を飛行機を使い、ハノイ⇒フエ⇒ハノイと移動するらしい。
俺の行程を話すと、「あなた学生だよね?」と質問をされる。
社会人だと説明するのも面倒なので、「そうです」と答えた。
何だか面白くなかった。

ベトナム旅行記 明日の予定

2007年11月03日 | ベトナム旅行記
夕飯を食べ終わると各自バラバラに帰る。
GHに戻ると、洗濯をお願いしようと汚れた衣類を袋に積めてフロントに持っていく。
秤で重さを量り、その重さ分の代金を支払った。

さて明日は何をしようか。

フロントの壁にはこのGHで申し込めるツアーの内容の張り紙があった。
温泉に行くツアーもあり少し興味をそそられる。
最近日本では温泉を求めて山奥を歩き回ったりしていたので、是非とも海外の温泉に行ってみたい。
しかしそんな希望も虚しく、他に誰も行く人がいないためツアーは催行されないようだ。

小野ちゃん達はクチトンネルに行ったならDMZツアーに行く必要はないと行っていたのだが、やはり今回はベトナム戦争とベトナム縦断がテーマだ。
南北に長いベトナムの丁度中心、ベトナム戦争の非武装地域を訪れずして今回の旅の目的を果たせない。
そこで当初の予定どおりDMZツアーに行くことに決めた。

ベトナム旅行記 フエでの夕飯

2007年11月02日 | ベトナム旅行記
GHのフロントに行くと日本人4人が漫画を読みくつろいでいた。
これから一緒に夕飯を食べに行くというので、同行させてもらうことにした。
2人をさらに加え総勢7人で夜のフエの道路を歩く。

ホーチミンでは愉快な旅人が多かったのだが、ここフエでは旅人というよりも無意味にダラダラと滞在している人が多かった。
年齢も俺よりも高く、ほとんどが社会人だった。
俺も一応社会人なのだが、なぜか話が全く噛み合わない。

近くの店に入ると1人1品ずつ適当に料理を頼み、ビンビールを分けて乾杯した。
正直この場の空気は好きではなかった。
これだったら一人で食べにきた方がよっぽど良かったかもしれない。
もっと有意義な熱い会話がしたいと思った。

適当に話に合わせ会話をしていると、なんだか俺の後ろのテーブルから聞き覚えのある声がするのに気付く。
振り返るとそこにはメコンデルタツアーのバスで一緒だったオノちゃんがいた。

思わず肩を叩くと「あー!!」と大声を上げて驚く。

「よっ元気?」

彼とは帰国の便が一緒だったのでどこかでまた会うと思っていたのだが、まさかこんな食堂で会うとは…
彼はDMZツアーから帰って来たばかりのようで、ツアーで一緒だった人とご飯を食べていた。

「せっかくなので一緒にどうですか?」

俺の隣の席に座っていた女の子が小野ちゃん達をテーブルへと誘った。
彼らはとてもパワフルで一気に場の空気が一変する。
俺にとってはすごく嬉しいことなのだが、他の人達には悪いことをしたかもしれない。

ベトナム旅行記 フエの宿

2007年11月01日 | ベトナム旅行記
薄暗くなった街並みに明かりが灯り始める。
フエに着いたことは分かるのだが、ここがどこなのか全然検討もつかない。
いったいどこで降りればいいのだろうか。
ふと通りを眺めていたら偶然俺が向かおうとしていたGHの名前が書かれた看板を見つけた。

慌ててバスの前へと荷物を抱えて走り、降ろしてもらう。
路上に出るとすぐに客引きの群れに囲まれるが、俺はもう行く場所が決まっている。
GHの看板目指して歩いていると客引きの一人が連れて行ってくれた。

今回はシングルの部屋にした。
ドミもいいのだが、今回はずっと誰かが必ず一緒にいたので、たまには一人でゆっくりしたかった。
わずか5ドルの部屋なのだが、テレビが付いているし、そのテレビはなんとNHKが映るというサービス付き。

「スゲー!サイコー!」

こんなちょっとしたことで幸せな気持ちになれる。
海外で見るNHKのテレビ番組は日本にいる時によく見かけたアナウンサーがごく日本のありふれた日常を伝えていた。
なんだか妙に遠い国の話のように見え、懐かしく思えた。

ベトナム旅行記 中長距離昼間のバスの乗り方

2007年10月25日 | ベトナム旅行記
中長距離バスはできるだけ昼間ではなく夜間走るものに乗りたかった。
それは昼間のバスでは出発して到着するだけで一日が終わってしまうということ、それに夜間乗れば宿代も掛からないといった理由が様々あったからだった。

今回夜行バスの良さがもうひとつ加わることになった。
いや良さというよりも俺は昼間乗るバスの乗り方を知らなかっただけなのかもしれない。
今回のバスで太陽光線に嫌というほど苦しめられることになった。

俺はGHのみんなに手を振るためにバスの左側の席に座ったのだが、これがそもそもの失敗だった。
ホイアンからフエまでは北上するためバスの進行方向左側の席は丁度西側にあたる。
午後13時からの出発だったため、太陽が沈むまでずっと西日を浴びなくてはならない。
夏の東南アジアの太陽光は本当に半端なく暑い。
しかもエアコンがなければカーテンもなく、さらには窓すら開けられないのだ。
まさにサウナ状態だった。

直射日光は堪らなく暑いのでベトナム笠を顔に被せ日よけ代わりにする。
しかしそれだけでは気休め程度にしかならない。
汗は流れあまりの暑さに意識は朦朧とする…

トイレ休憩の時に早めにバスに戻り空いてそうな右側の席に座った。
しかし恐そうな欧米人が「そこは俺の席だ。どけ!」と脅してくるので、言い換えそうとした。
座席指定じゃないんだからどこだっていいはずだぜ。
しかしすんなりそんな英語が出てくる訳もなく、渋々元の席に戻ることにした。
やばい… 暑すぎて何もできない… 眠ることすらできない…
そんな苦痛に耐えながら数時間、太陽が地平線へと沈み掛けいくらか涼しくなった頃フエへと到着した。

ベトナム旅行記 ホイアン出発

2007年10月21日 | ベトナム旅行記
バスは予定時間どおり見覚えあるホイアンの街の交差点に到着した。
GHに戻りフエへ旅立つ準備を済ませ、同じGHに泊まっていた3人で近くの店に昼飯を食べに行くことにした。

俺はバスが見えたらすぐに飛び出せるようにザックを足元に置き身構えながらテーブルに付く。
料理が来るのを待っている間にバスが来てしまっては寂しいので、すぐにできるであろうトーストを注文した。
バターと黒くて怪しいペースト状の物がトーストと共に付いてきたので塗って食べた。

「クフッ!」

なんかしょっぱい!そしてまずい…
黒いのはチョコレートだと思っていたのだが、何ともいえない味だった。
こいつは食えたものではない。
塗った部分をはがして食べることになってしまった。
他の人達はおいしそうなものを食べているし、この差はあまりに惨めすぎる…
かわいそうな俺…
そしてバスはみんなご飯を食べ終わっても、全く来る気配がない。
なんとなくそんな予感がしてたんだよな…

2人ともGHの前でバスが来るのを一緒に待ってくれた。
バスが来ると固く握手を交わし、俺はバスへと乗り込んだ。
久々に一人になったので何だか心細かったのだが、それもすぐに慣れるはず。
またベトナムのどこかで会えるような気がしていた。
バスは太陽の日差しを一杯に浴びながら北へと向けて走り始めた。

ベトナム旅行記 ハー

2007年09月27日 | ベトナム旅行記
太陽は西に傾き始め空を赤く染め始めた。
明日はミーソン遺跡に行く予定なので、ホイアンの街を楽しめるのは今夜で最後だった。
暗くなりかけてはいたのだが、街の中心部に行ってみることにした。

道中ツクダニから頼まれていたことを思い出す。
「ホイアンに言ったら是非ハーちゃんに会いに行ってくれ。」

ハーちゃんとはツクダニが言うにはホイアンの料理屋で働く可愛い女の子らしい。
俺のことを覚えているはずだから、代わりに是非会いに行ってくれという話だ。
どうせ夕飯を食べようと思っていたところだ。
ハーちゃんがいるという料理屋に行ってみることにしよう。

ホイアンは小さな町ではあるのだがさすがに中心街であるため、通りには料理屋が複数並んでいた。
そのため見つけるのには骨が折れる。

「この店にハーという女性が働いていませんか?俺達の友人の友人なんですよ。」

店員を捕まえて話しかける。

「残念だけどここにはいないわ。今は別の店で働いているのよ。」

別の店で働いている?
なんか変な気もしたが、その場所を教えてもらい再び店を探し始めた。

店を見つけると店員にハーという名の女性がいるか尋ねる。
すると奥から不思議そうな顔をした女性が出てきた。
ソーヘイが流暢な英語で訳を説明した。

「実は友人があなたのことを可愛いと言っていたので会いに来たんだ。」

女性は照れたのか少し微笑んだ。
しかし残念ながらこの女性はツクダニのことを全く覚えてはいなかった。
というかその前にそもそもツクダニと会ったことがあるのだろうか。
俺の感触ではハーという名のベトナム人はたくさんいてこの女性ではないんじゃないかと感じる。
まぁ正直そんなことどうでもいいが…

せっかくなのでホイアンの地元料理を4品頼み食べた。
ハーちゃんは気分がいいのか、何か話したそうに近づいて来て、ソーヘイに向かってハンサムと言った。
なんだか可笑しかった。

ベトナム旅行記 タクシー代

2007年08月19日 | ベトナム旅行記
それにしてもなかなかホイアンに辿り着かないものだ。
タクシーの料金メーターはガイドブックに乗っている料金の目安をすでに超えていた。
それにタクシーの運転手とグエンは時折何か話し合っていたり、道路脇にあるお店の人達にも話しかけたりと明らかに様子がおかしい。
道に迷ったな…

しばらくすると旅行代理店の前でタクシーは止まった。
なぜに旅行代理店?
ひょっとしてこのおっさん俺達を嵌めたのか…

昔ネパールを旅行していた時、仲良くなったバスの乗客が実はホテルのオーナーで無理やりホテルへと連れて行かれすごく後悔したことがある。
それに海外の長距離バスなどでは目的地の街の郊外にあるホテルなどで降ろされ、無理やりそこのホテルを利用させようとすることが時々ある。

グエンも俺達にそんな仕打ちをしやがったのかと、そんな疑問を持ちつつタクシーを降りる。
しかしグエンは俺らを見るなり、「お前らは降りなくていい」と声を掛け、「ありがとう」と俺達の手をにぎしりめた。
そしてグエンだけその場に残しタクシーは再び走り出した。

えっ!?…

事態の状況がいまいちつかめない。
この旅行代理店はグエンの家だったのか?

そういえばタクシー代は…

いやいやあれだけ仲良くなっていたのだ。
実はすでに1/3の代金を払ってくれたのだろう…
それだけでなくここまでの料金の全額を払ってくれているかもしれない。
人を疑っては駄目だと自分に言い聞かせたのだが、ホイアンのハイバーチュン通りのホテル街に辿り着いた時、初めてやられたと気付くのだった。

ベトナム旅行記 ホイアンへ

2007年08月18日 | ベトナム旅行記
コンパートメントに戻り仮眠をとっていると、列車のスピーカーから音楽が流れ始めた。
ダナンにもうじき到着するようだ。
慌てて手荷物をザックに詰め込み、ベッドの下へと降りる。

ガタンという音とともにブレーキが掛かり、ゴトゴトと列車はダナン駅へと入っていく。
列車のドアが開いた瞬間、一斉に乗客はホームへと飛び降りた。
さすが中部最大の都市だ。
人ゴミの中ソーヘイとベトナム人のグエンと合流し、一緒に駅の外へと歩いた。

ホイアンへは電車が通っていないため、ダナンからバスかタクシーに乗って行く。
3人で割り勘してタクシーで行こう。

グエンはホイアンに住んでいるので、ここは慣れたもののはずだ。
一緒に行きませんかと誘ってみると「あぁ」と頷くのだが、率先してタクシーを捕まえてくれる気配がない。
それだけでなくまるで初めて来た国かのように挙動不審で辺りを動き回っている。

「何だこいつ頼りにならないな。」

一緒に乗る気がないのならグエンと別れてさっさと出発してもよかったのだが、ホイアンまでは少し距離があるのでどうしてもここは一緒に行きたかった。

通りに出て流しているタクシーを捕まえ、外国人である俺らが交渉する。
外国人が交渉したら絶対高くなるんだから、本当は国の人がうまく交渉してほしいところだ。
まぁ1人でも多く乗れば一人当たりの金額は幾分安くなる。
それだけでも十分有難い。

タクシー内では俺とグエンが後部座席で隣だったので積極的に話しかけた。
スポーツ談義で盛り上がり、ソーヘイだけでなく俺もグエンと打ち解けることができたのだった。

「今晩家に泊めてくれないかな。」

そんなことをソーヘイと日本語で話し笑った。