懐かしい道を歩いてみる。
車道との間に植え込みがあり、繁茂していた雑草がいつの間にかなくなっていた。
きれいになったし、道が広くなりいい。
だけれど何だか無機質だ。
あの雑草達はどこへ行ったのだろう。
土からアスファルトへと変わり、雑草達も住み家を失った。
こんな有事が起こっては、今ごろ雑草達の間で緊急集会が開かれているかもしれない。
「雑草界にとって領土を侵略されるのは堪ったもんじゃない!」
「そうだ!総理はどのような考えを持っておられる。」
「極めて遺憾なことであり、毅然とした態度を持って対処せねばならない。」
そんな声が聞こえてきそうだった。
村上春樹の小説に出てきそうな一節だ。
だがこんな文章を書いても決してお金にはならない。
なぜなら俺は村上春樹ではないのだから。残念。