12月15日(水)、17日(金)にNHKにて京都POSSEの活動が放映されました。

2010-12-18 00:07:43 | 京都POSSEの活動報告です!

12月15日(水)にはNHK京都放送局『京いちにちニュース610』で京都POSSEの活動が特集で報道されました。
さらに、12月17日(金)にNHK大阪放送局『おはよう関西』のニュースのトップで、POSSEに試用期間切りの相談件数が増えている状況について放送されました。

今回はその内容についてご紹介したいと思います。

○試用期間切り
今年の春に塾講師に正社員として就職した23歳の男性の事例でした。
入社して3ヵ月後に、上司に「試用期間中だから、君を解雇にすることはできるが、解雇にすると君の経歴に傷がつくが、自己都合退職にすれば傷がつかないから、そうしてくれ。」と言われ、結局、そのまま、自己都合退職をしてしまったそうです。

この事例では、2つほど問題点があります。
まず、1つ目は前半の「試用期間中だから・・・解雇にすることができる」という点です。そもそも、「試用期間」とは法律で認められたものではありません。
会社が勝手に、採用してから一定の期間を「試用期間」と呼称しているにすぎないのです。
ですから、「試用期間」中であっても、労働者を解雇するには、「試用期間」外と同じように厳しい規制(合理的な理由等)がかかり、容易にすることはできないのです。
したがって、「能力不足」などというようなことでの「試用期間」切りは違法行為になります。
2つ目は、「解雇にすると・・・経歴に傷がつくが、自己都合退職にすれば傷がつかない」という点です。
まず、解雇よりも自己都合退職の方がむしろ経歴に傷がつきます。
なぜならそれは、自己都合だと「自分勝手に」会社を辞めたのだと思われてしまうからです。さらに、自己都合退職してしまうと、「自分勝手に」会社を辞めたのだと国家からも判断されてしまうため、離職してから3ヵ月間、雇用保険が受給できなくなってしまうというペナルティも受けてしまいます。
解雇にしてしまうと、会社負担の雇用保険費が上がってしまうため、会社はこのようなことを言うのです。

○シンポジウム

(11月27日の京都POSSEシンポジウムの様子)


(京都POSSE代表坂倉)


11月27日(土)に開催したシンポジウム「ブラック企業で働く若者のいまと、NPOのこれから」が紹介されました。
参加者の学生から、「企業を選ぶときに、企業の中の実態を知らないと選んだ後に不幸になるかも」というコメントと、POSSE事務局長川村の「採用が終わった後の選抜をしているような実態があり、その選抜に残れなかった人を試用期間という名目でクビにする、という働き方を労働者に課す企業が増えているのではないか」という見解が紹介されました。

○IT試用期間延長、試用期間終了直前、解雇通知
IT関連の上場企業でSEとして働いていた23歳の女性の試用期間切りの事例でした。採用されてから3ヶ月間が「試用期間」で研修を受けていました。
しかし、研修が終わり、配属先で働くという際に、さらに半年間の試用期間延長通告がなされました。
このとき、この女性以外にも、同期40人のうち、10人が延長させられたそうです。そして結局、試用期間終了直前、「能力不足」という理由で解雇されました。
現在でも、別の会社に就職しようとした時に、キャリアの短さが原因で、再就職が難しく、今はアルバイトで生計を立てているそうです。

この事例の場合、上述したように「試用期間」で「能力不足」を理由に解雇することは、違法です。上場企業という大企業で、しかも、SEという専門職であっても、違法解雇が行われているという、実態を示しています。

試用期間の延長という事態は、まさに、「試用期間」というものそれ自体が、会社が勝手に定めているということから引き起こされるものだと考えられるでしょう。
もちろん、試用期間が法律で認められているわけではないのですから、試用期間の延長など認められるわけがありません。
試用期間が暗黙の了解として横行していることから招来される雇用の劣化と言えるでしょう。
中途半端な立場、他の人と同じように働いているが、いつ辞めさせられるかわからない不安定な立場というものが、新入社員にますます広がってきていると言えます。

○労働法教授の見解
立命館大学法学部教授、吉田美喜夫先生の試用期間への見解が紹介されました。
会社は、「試用期間」を都合よく利用している。会社の中に入ってからのことだから、外部からは見えにくく、そのため、採用する側の立場が非常に有利になってきている。
手間暇かけずに、とにかく働かせてみて、役に立つ人だけ残せばよいという考えが一部の企業にある、との見解でした。

○まずは相談を
上述したように、「試用期間」というものは、法律で認められていませんし、「試用期間」を名目に「能力不足」を理由に解雇することは、明らかに違法です。試用期間切りに、あいそう、あったという方はPOSSEにご相談ください。
また、最初の事例のように、自己都合退職を勧められた場合、決してそれに同意しないしてはいけません。なぜなら、一度同意してしまうとそれを取り消すことは非常に難しくなってしまうからです。
同意する前に「ちょっと考えさせてください」などと伝え、POSSEにご相談ください。

【相談連絡先】
TEL:075-365-5101
E-mail:kyoto@npoposse.jp
(相談無料)

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☆京都 POSSEでは『ボランティアを募集』しています!
京都POSSEは労働相談、政策研究・提言、調査活動、労働法教育事業、労働法セミナーなどのイベント運営等を若者自身の手で行うNPO法人で、2009年12月に設立されました。
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