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“CSI:Binding Ties” 感想

2006-09-16 12:46:16 | 海外ドラマ(CSI、その他)
角川文庫はもうCSIのノベライズを出版する気がないのだろうか!?

3作目を境にぱったりと出ない
本国アメリカではラスベガスが8作、マイアミも3冊、さらにはニューヨーク篇も出ているというのに!

以前、某ミステリーの訳者後書で、ここ10年で翻訳小説の売り上げが大幅に下落し、それに伴い翻訳料が値下がりしたことで、出版自体にも影響が出た云々というのを読んだことがあるが、それにしてもひどくないか?

一方で、ドラマの台本を文章化しただけのシリーズ(『24』や『LOST』、『トゥルー・コーリング』など)は量産されて、『24』なんかもう放送開始間もない第五シーズンのノベライズ版まで出している。

読者なめるな、出版社!!!
別に『24』に恨みはないが、こんな安直な文庫垂れ流しで満足できるとおもっているのか!!!

やっぱり『CSI』人気ないのかしら
は@ほー堂とかで@つーとかが宣伝してくれないとブレイクしないのかしら

まあ、いいや。
こうなったら自分で何とかするまでよ。今のご時世、ペイパーバックくらい簡単に手に入るんだから!
アマゾン大感謝。

てなわけで読みました。マックス・アラン・コリンズによるCSIオリジナルノベルシリーズ第六弾、“Binding Ties”。

舞台は第四シーズン後半~第五シーズン前半の時期。グリスがひげを生やして、チームが分裂する前です。


ラスベガス北部で男性の不審死体が見つかる。被害者は裸で縛られた状態で絞殺されており、体には犯人のものらしい体液がまかれている。10年前のラスベガスを震撼させた連続男性殺人“CASt”(犯行の手口からつけられた名称。)と同じものだった。犯行声明が出され、マスコミを騒がせたものの、結局迷宮入りとなった事件。担当していたのはラスベガス赴任直後のブラスだった。
新たな事件に沸くメディアとの攻防をかいくぐりながら、グリッソム達は今度こそ決定的な証拠を見つけることができるのか?

連続殺人犯もの。アメリカの大量殺人犯ものって、マンソンやゲイシーなど有名な例がいくつもありますが、そりゃあマスコミがこんなに煽っていれば無理もないよなあ、なんて変な感想を持ちました。取材した記者が片端からノンフィクションを書いて売っていくわけだから。悲しいことに日本でもこういった例は多いですよね。はあ~。

CSIノベライズシリーズらしく、情緒性を最小限に抑えて話が進みますが、ファンをにやりとさせるシーンもあります。
たとえば、グリッソムがヒゲを生やすようになった理由。そる時間をかけたくないから、にもかかわらず、生やしたら手入れに時間がかかるようになったというのに、ちょっと笑ってしまいました。
「少なくとも20回は、この忌々しいものを剃り落とそうと思ったが、その時間がない。(意訳)。」

原文はこれ↓
“He'd thought of shaving the damn thing off, at least twenty times, but that much of an expenditure of time he wasn't ready to invest”


あと、サラに対する気持ちへの言及も少々。“Butterflied”の後という設定かもしれません。

“On the other hand, he was disappointed in himself, sometimes, as his affection for this bright young woman (=Sarah) had an occasion threatened to take him over the professional line.
And that was a line Gil Grissom did not wish to cross.”

ちょっと、ストイックすぎやしませんか?


アラン・コリンズの文章は映像的で読みやすいです。専門用語も出るから、辞書は必要だけれど、それさえクリアすれば楽勝…とまではいかなくても、読みこなせます。

ただ、今回は他のメンバーの印象がちょい薄かったかな~。とりあえずブラス警部、自分のコールドケースと対峙!という風味もあるので。

最後の、収監された犯人とのやりとりが印象的でした。

シリーズの中で一番の出来ではないでしょうか?CSIファンお勧めです。

というか、翻訳も出してください~



“Binding Ties-CSI:Crime Scene Investigation”
Max Allan Collins
2005 Pocket Books

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