弱い飼い主

朝いち、かかり付けの病院で診てもらった猫の小鉄は

大腿骨骨折で、手術をする事になった。

しかし、先生はここでは手術が出来ないと、言う。

そしてなんと、自分で病院を探せと、言う。







やってくれそうな病院は、教えてあげられるけど、紹介は出来ないと言う。

動物病院て、そういうシステムなの？





予想はしていたが、ワタシは、先生が参考に教えてくれた金額に 驚愕しながら、

とりあえず、家に戻った。





脳裏に、もう少し、お安く手術してくれそうな町の獣医さんを探そうか？

・・・と 言う考えも、ちらついたが、

その日は、午後からのパートで、夜診は間に合わないし、

次の日も、パートで、朝から病院を回る時間はなかった。




ワタシは、とりあえず、教えてもらった病院に電話する事にした。

すると、なんと、今から診てくれる と、言う。




ワタシは、覚悟を決めて、遠い遠い病院へ小鉄を連れて行った。



着いた病院は、人間の病院みたいに立派だった。

待合室に入ると、大きな犬がいた。





近くで見る大型犬は圧巻だ。

連れてる奥様も、身だしなみが美しい。

診察室から出て来たのは、大きな白い犬。

テレビで見た事あるぞ。






その後、小型犬を抱いた庶民風の奥さんも来たけれど、





たぶん、彼女は、家がすごく近所なだけで、

ダンナさんは、絶対、自営業の社長さんとかに違いない。





やっぱりここは、ワタシみたいな貧乏人が

拾った猫、連れて来る所じゃないわ～・・・。

と、ワタシの心は、卑屈な気持ちでいっぱいになった。

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先生は手術の説明を、術後含めて、時間を掛けて、懇切丁寧に話してくれた。

術後、小鉄を迎えに行った時は、看護婦さんが、

「小鉄くん、人慣れしてて、すごい可愛いですね～。」と、言ってくれた。

素敵な笑顔が、身に染みた。