さて、これまで紹介したような資料を基に、自分が総理大臣だったら自分の思いを通すのか?それとも変えるのか?参拝するのかしないのかをディスカッションで話し合います。
最初は、単純に靖国神社を訪れた個人の経験をもとに感想を言い合ったのですが、次は色々な人の体験や考えを聞いて考える為議論が白熱します。そこでは賛成派・反対派、個人として参拝は良いけれど、総理大臣としては良くない。外交カードとして、あえて行くべきだという意見まで様々です。
思ったよりもディスカッションに時間がかかってしまい、会議室の使用時間が終わりに近づいてしまった為、全体の振り返りを行わずに私の方で簡単な振り返りをして今回の靖国ツアーは終わりました。
今回のツアーを実施して感じたことは、靖国神社に行ったことがある人が本当に少ないということです。38人の学生の中で、靖国神社を訪れた事のある人は4人程度でした。ただ、お祭りに行ったという感じで靖国神社の歴史的背景を知っていたわけではありません。
家族や親戚にも行った事がある人はほとんどいない、というのが多くの意見でした。東京近郊の学生達でもそうなので、日本の人口で見たら実際に靖国神社を訪れた事がある人は一体何%いるのでしょうか。1%もいないかもしれません。そしてその中でもきちんと神社の歴史や背景を知っている人となると、、。
これだけ、マスコミで靖国神社の事が騒がれているのにも関わらず、実態を知る人が少なすぎるように思います。これでは、いい面も悪い面もマスコミの論調に意見を左右されるしかありません。
今回の企画で、自分で見て、考えた参加者の感想を紹介します。
1)大学生・女性の感想
「私は高校生の頃から何度もお祭りとかお花見で靖国に行っていたんだけど、問題となっていることに対して深く考えたことがなくて今回はすごくいい機会になりました。
大学で、日本の政治だったり国際関係を勉強していて靖国のことも授業で触れたりしていたのに、問題の本質を全くわかってなかったなぁ・・と改めて思いました。
私は大学の授業の影響をものすごく受けていて、「小泉さんはよくない」「首相の参拝はよくない」という先入観を持って今回参加したんだけど、それは本当に自分が考えた上での感想じゃなくて、人からの情報や人の意見を自分の意見だと思い込んでしまっただけだったんだと思いました。
ワークショップで色々考えたら、なんだか行く前と違う考えが出てきたから。今回思ったのは、誰かの立場にたって考えるだけじゃなくて、自分の立場でものを考えることも大事だなぁって気づかされました。
参拝反対の立場の人や、賛成の人や、親族がまつられている人の気持ちや、まわりのアジアの国の人々の気持ちや、いろんな気持ちがあることを知ったうえで自分は自分の立場でどう考えるかってことが難しかったです。
学校でいろんな人にこの話をして伝えて、その子たちの意見を聞くのが楽しい最近です。」
さて、次回も感想をお送りします。