午後1時、市ヶ谷駅に集合です。38人ともなると流石に大人数。全員揃ったところで神社に向かいます。市ヶ谷駅から靖国神社までは靖国通りをまっすぐ、10分の道のりです。
神社には正面の門からではなく、南門から入ります。南門の入り口では狛犬が出迎えてくれました。まずは靖国の概要説明と集団参拝をするために、参集所という建物にむかいます。入口横には「NPO法人ACTION様」と書かれた紙が貼ってありました。
参集殿は靖国神社設立130周年記念の時に立て替えられた新しいもので、中は広くとても綺麗です。最初に宮司さんから簡単な説明があり、その後靖国神社の概要に関するビデオを20分ほど視聴する事となりました。小学生向けに制作されてあるビデオだったので、分かりやすく靖国神社の歴史が説明してありました。
靖国神社は1869(明治2)年、明治天皇の意志によって、戊辰戦争での官軍の戦死者らを弔うために建てられました。当初は東京招魂社という名前で、10年後に靖国神社と改称されます。「靖国」とは「国を安(靖)らかにする」という意味をこめて明治天皇が名づけました。
靖国神社の「神」は、戦死や戦病死した軍人・軍属と、それに準じる人々。明治維新に貢献した坂本竜馬や吉田松陰らも祭られています。西南戦争で賊軍となった西郷隆盛や会津藩の白虎隊は祭られませんでしたが、後年敷地内に慰霊碑が建立されています。ただ、その西郷隆盛や白虎隊等に関しては説明の中では触れられていません。
新たに戦死者が出るたびに「祭神」に加える合祀の手続きがとられ、現在は250万人近い人たちがまつられています。基本的には天皇のために亡くなった軍人や軍属を祭る場所だと言う事でしょう。
ビデオを視聴している間に遺族会の方々が参拝をしに私たちの横を通り過ぎていかれました。人数にして70~80人でしょうか。通り過ぎる時に私たちを不思議そうに見ていたのが印象的でした。本当は説明をして色々お話を伺いたかったのですが、、。
本殿に参拝するにあたり、一人500円の玉串料を集めます。そして参集所から本殿へと続く廊下の入口で口と手を清めます。そこで38人が私を先頭に4列に並びます。そこから長い廊下を渡って本殿へ。
本殿の横では宮司さんによるお清めがあります。その後、本殿へ参拝です。全員が本殿にあがった後、私が神前に玉串を置き、2礼、2拍、1礼を全員で行います。そして退出。それだけでした。神道なので、念仏を唱えたりはしませんし、通常神社に行った時と同じと言えばそうなのですが、「靖国参拝」というイメージが先行していたせいか、多少拍子抜けした感もありました。通常の参拝では拝殿までしか入れないそうです。
私は特に何教徒というわけではありませんが、神社の持つ独特な雰囲気を感じましたし、ここがまさしく小泉さんが参拝をしている場所で、その事がこれだけ大きな問題になっている事を思うと、不思議な感じがしました。
参拝をしたこと自体はひとつの神道における儀礼的な事で、なんら特別な事ではありません。しかし、それが靖国神社という場所だと他の政治的、歴史的意味を持つ。そんな場所に自分がいる事が不思議だったのが率直な気持ちです。
参拝をしているときは、フィリピンで色々な形で縁のあった日本兵の方々や、12年に渡り支援をしているジャイラホームという孤児院の土地は、もともと日本軍の駐屯地だったため、そこで亡くなったであろう方々。多くの日本兵との良い思い出を話してくれたフィリピンのおじいちゃんやおばあちゃんの事が頭に浮かびました。
参拝を終え、参集所に戻る時には一人づつ本殿のほうを向いてお神酒を頂きました。さて、これから靖国神社付属の遊就館見学へと向かいます。