にゃんこの置き文

行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず

止血剤なしで三日目

2012年12月16日 | 日記

止血剤の服用を中止して三日目。今のところ、再喀血の兆しはない。ただ、今まで味わったことのない塩辛い痰が喉に絡む。これって、気管支で出血していると現れる症状らしい。
そりゃあ、あれだけ毎日繰り返し血を吐いてたのに、突然きれいに止まるはずはないよね。
と言って、止血剤を再度服用するほどのものかどうか。
寝ている間に大量再喀血が起これば、窒息死もあるわけだから用心にこしたことはないかもしれないけど、ずっと飲み続けるわけにもいかんしね。
悩む。

今は一応、日常生活が舞い戻ってきている。
咳と痰はしつこく続いているけど、仕事に支障が出るほどではない。
本当に怒涛のような三週間だったけど、貴重な日々でもあった。
一番の発見は、いざとなったら人間というのは、意外とあっさり死を受容できるものらしい、とわかったことだ。

症状の消えた今は、再び死は怖いものになっているけど、余命告知も覚悟していた一週間前は、けっこう冷静に最期を計算していた。
人生は有限であり、私という存在は消えてなくなるのだという事実を、実感をもって受け止めていた。
それでいて、そんなに怖いとも思わなかった。
「まあ、仕方ないよな」という程度の感覚だ。

なんせ、検査結果が出る前から、イレッサの説明をされるんだもんね。
最近は本当に隠さないのね。
今回は必要なかったけど、いつかその時がきても、今回と同じように冷静に説明を聞くことができるのではないかと思う。
本当に今も不思議に思えるほど、動揺はなかった。


あくまでも経過観察なので、3月にはまたレントゲンを撮りに行かなくてはいけない。
「ゲーッ、また病院かぁ」とも思うけど、実は楽しみなこともある。
病院の近くに、激安洋品店と美味しいパン屋さんをみつけたのだ。
ささやかだけど、楽しみはないよりあるほうがいいよね。

もしまた入院することになっても、楽しみはそれなりにみつけていけそうな気がする。
とりあえずは、病室を抜け出しての一服かな?
(禁煙しろよ)
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検査結果

2012年12月13日 | 日記

結果、出た~
医者曰く、「わかりません」だって。
なんじゃ、そりゃ?

造影CTやって、気管支鏡をやって、わかったのは右肺中葉の3番目だか4番目の分かれ目辺りで血が出ているということだけ。
そんなの自覚症状で、何となくその辺だなってことはわかってたぞ。
(今もその辺りが少し痛む)

何で出血しているのか、何で今は止まっているのか、何もわからない。
わからないから治療のしようもなく、当分経過観察するしかないとか。
最新医療といってもこの程度なのね。
人体の不思議さには、まだまだ追いついてないってわけだ。
私の場合、ブリンクマン指数(1日に吸うタバコの本数×喫煙年数)が1000を越えているので、医者は今だに腫瘍への疑いを捨てきっていない。
これから定期的にレントゲンを撮るようにと言われたので、経過観察というのはイコール「目に見える大きさまで腫瘍が育つこと」のようだ。

とりあえず飲み続けていた止血剤の服用を中止して様子見。
あとはひたすら、再喀血しないように祈りながら、ぼつぼつとやってくしかないみたい。
でも入院だぁ、手術だぁ、ってことにならなかったので、私としては万々歳かな?
(黒でもないけど白でもない、中途半端な結果だけど)
ここは素直に、寿命がのびたことを喜ぼう。
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検査入院

2012年12月10日 | 日記

気管支鏡検査の時、肺の中をジャボジャボと洗ってもらったおかげか、あれから一度も喀血してない。
ところが、口から血を吐かなくなった代わりに、頻繁に鼻血が出るようになった。
これって何か関係があるのかな?
もしや単に血の気が多いだけだったりして。(そんな馬鹿な)

明後日、検査の結果を知らされる。
手術とか必要な病気でなければいいんだけど。
初めての入院体験は、なかなか楽しかったけど、もう一度と言われたらご遠慮申し上げたい。

先週の今日が、入院前日だった。
午後9時から絶食。午前零時からは飲むのも禁止。
食べずにいるのは平気だけど、何も飲めないのはけっこう辛いので、12時過ぎにはさっさと寝てしまった。
翌日も止血剤を服用する時だけ、少し水を飲んだけど、それだけで朝の8時前には家を出た。
タクシーをつかまえて、8時半に病院到着。
病室に案内されて、検査の順番が回ってくるまで部屋で待っているように指示される。
本とかも持って来ていたけど、絶飲食なのと緊張のせいで何もする気になれず、ひたすらボーっとしていた。
いつもならこの時間は通勤電車の中だ。それが見知らぬ部屋で時間を潰している。何だかとても変な気持ちだった。

10時前に看護師さんが迎えにきた。
いよいよだ。車椅子に乗せられて、検査室へ移動。
ここからは、前に「気管支鏡検査」で書いたとおり。

11時過ぎに部屋に戻ってきたものの、喉に施した麻酔が切れる2時間後まで絶飲食を命じられる。
気が抜けたのと、検査前にうたれた精神安定剤の注射の影響か、とっても眠い。なのでこれ幸いと寝てしまった。
1時過ぎに起こされて、お茶を飲まされる。それで問題なしと判断されて昼食にありつく。
ご飯を食べた後、病棟の外に出かけてコンビニで飲み物を買い、少し散歩してタバコを吸った。
いやぁ、この一服が旨いの何の。

それからは本を読んだり眠ったりして、夕食までダラダラと過ごした。
治療や検査がないと、入院生活というのはひたすら暇だ。
大部屋なので同室の人は二人いたけど、一人は末期なのか痛みで動けないらしくずっと寝ている。もう一人の人は元気そうでテレビを見たりしていたけど、抗がん剤の効き目が薄れているとかで、次に投与する抗がん剤の相談を家族同伴でしたいと医者が告げていた。
もし私もそうなったら家族はいないから、一人でそういうことの決断もしていかないといけないわけだ。
うーん、なかなかシビアかも。

夕食後は9時の消灯までずっと本を読んでいた。
元気そうに見えていた人も、寝付くまでずっとおかしな咳をしている。
しばらくの間それが気になって眠れずにいたけど、いつの間にか寝てしまっていた。

翌日は7時に目が醒めた。
朝食をすませ、あとはレントゲンを撮ったら帰れると思っていたのに、造影CTも撮るようにと言われる。
これが順番待ちで、昼前になるかもしれないとか。
時間がたっぷりあるので、またまた病棟を抜け出し、外で一服。
戻ってからはおとなしく本を読みながら待つ。
前にCTを撮った時は車椅子で検査室に向かったけど、今回は歩きだった。
また造影剤を体内にぶち込まれるわけだけど、気管支鏡検査を乗り切った私に怖いものはもうない。

撮影終了後も歩いて病室へ。
そこでやっと退院許可が下りた。


たかが一泊。しかも検査入院。なのに病院の外に出た時の解放感は半端ではなかった。
もし次は治療のために入院が必要と言われたらどうするか。
もしかしたら治療を拒否して逃げ出してしまうかも?
どうにも根性なしの私です。
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その他の検査、あれこれ

2012年12月07日 | 日記

さて、検査のメーンイベントは気管支内視鏡だけど、今回受けた検査はこれだけではない。
血圧と血中酸素濃度は、それこそ四六時中測り倒される。
血圧は多少高くても何も言われなかったので、怖いのは下がることなのかもしれない。
診療を受けた最初の日には、いっぱい血を採られた。
いっぱい喀血してそれでなくても少なくなっただろう血を、更にこんなに採ってもいいのかいなと思ったほど、試験管に何本も吸い出していく。
胸部レントゲンも二回撮った。
そしてある意味、気管支鏡より感動したのはCTだ。

撮るだけなら痛くも痒くもないんだろうけど、私が受けたのは造影CTなので、点滴で造影剤を体に入れられる。
この感触が何というか・・・・苦痛はないんだけど、すごく変な感じ。
造影剤が通るところは熱くなるんだけど、本当に血管を異物が通っていくのがまざまざとわかるのだ。
右腕の肘のところから針を刺されたので、まず胸の辺りが熱くなった。それから下に下りていって胃からお腹、そして両脚の先まで移動し、最後に頭も少し熱くなる。
内臓に比べて、頭の中がそんなに熱くならなかったのは、脳関門とやらでシャットアウトされたからか。
それとも脳には痛みや熱さを感じる神経がないので、わからなかっただけだろうか。
でも肺組織にも神経はないはずなのに、ちゃんと熱くなったぞ。

今回CTは二回撮ったんだけど、一回目は車椅子に乗せられて検査室まで運ばれ、二回目は歩きだった。
この違いが何によるものかもよくわからない。
まあ車椅子なんて、好き好んで乗りたいとは思わないけどね。
楽チンだけど、自分が一気に病人になってしまったような気にさせられる。(いや、病人なんだけど)

私は注射は苦手ではないので、気管支鏡以外で嫌な思いをすることはなかった。
なので、生まれてはじめての入院も、けっこう快適だった。


次回は入院生活について書くつもり。
とはいえ一泊なので、入院と呼ぶほどのものでもないけど。
それなりに考えさせられることはいろいろあったので。
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気管支鏡検査

2012年12月05日 | 健康

検査入院から無事に帰ってきました。
生まれて初めての体験尽くしで書きたいことはいっぱいあるけど、まずは気管支鏡の感想から。
というのも、怖い噂だけはよく聞くけど具体的にどんなものかわからずにいた私。
不安から「気管支鏡検査とは」で検索しまくって体験者のブログ等を発見し、けっこう安心(覚悟?)が出来たのよね。なのでめでたく体験者となった今、「こういうものだったよ~」とプロセスを書いておくのは、未知の恐怖に怯える同士のためになるのではと思うわけで。
もちろん個人差はある。
体験者のブログを見ても、「二度と嫌だ」という人から、「苦しくも何ともなかった」という人まで千差万別だった。
私はと言えば、ちょうど中間くらいかな?

医療のサイトも見ていたので、おおまかな流れはわかっていた。
事前に知っていたのは、
① 最初に肩に注射をする。筋肉注射なので、けっこう痛い。
② 喉の奥に霧吹きのような器具で麻酔薬を噴霧する。薬の刺激で嘔吐反射が起こるが、ここで頑張って麻酔薬を吸い込むようにしないと後がかえって辛い。
③ 声帯のあるところを通過するときが一番苦しい。
という3つだった。

実際にもだいたいこの通りに進んだ。
検査室に入ったら、まず血圧測定。それから精神安定剤と唾液を出なくするという注射をされる。私はもともと注射は平気なほうなので、薬を注入する際だけ皮下注射より痛く感じたけど、予想したほどでもない。(あるブログでは、「バットでぶん殴られたような」と書いてあったが、せいぜい「すりこぎで打たれたくらい」だと思う)

次に小さなコップを渡され、中の液体で二回にわけてうがいをするように言われる。
これで舌の感覚がなくなった。
続けて霧吹きの登場。
自分の手で舌を引っ張り出し、医者が喉の奥めがけて薬をプシュプシュとやる。
これを吸い込むように頑張るのだが、3、4回やられるとえずいてしまって続けられなくなる。
そこで一服。息を整えてから再度挑戦。えずく。一服。再挑戦。
だいたい5回目かそこらでえずかなくなってきて、そこでオーケーが出た。でもさっきのうがいと違って、どこも麻痺してるような感覚はない。
ホントに効いてるのかいな と心配になったが、医者がオーケーだと言うのだから大丈夫なのだろうと自分を納得させる。

そしていよいよ検査機器の置かれている部屋に入る。
内部は窓の仕切りで二つに分かれていて、こちら側にベッド、窓の向こうにはパソコンやディスプレイがいくつも置かれ、物々しい雰囲気がある。
そういや電気椅子とか薬物処刑の部屋ってこんなだったな と不穏な想像をしつつ横たわる。左腕に血圧計、右手指に酸素濃度を測るクリップ、目にはガーゼ、口にはマウスピースをくわえさせられる。これで体をバンドで縛られたら、まさに死刑執行だ。
ここはもう、さあ殺せ! という心境でまな板の上の鯉になるしかない。

「始めますよ」という声とともに、何かが口の中に入ってくる。あれだけ麻酔薬を吸い込んだのに、管の存在がはっきりとわかる。喉を通って、まあこれくらいなら耐えられるかと思っていたら、突然きました!
どう形容すればいいのかわからん。
痛いというか、ゲホゲホというか、詰まるというか、一言で言うと、「ウゴガッbs!hbg!sjmふじこ!」って感じか。
ただこの時、「今、一番苦しい所を通ってますからね」と声をかけてくれて、気持ちが落ち着いた。確かにそこを通り抜けた後は、咳き込みそうなりこそすれ、そんなに苦しくはない。
操作しているのは研修医らしく、指導医の先生が出す細かい指示を聞く余裕も生まれた。
でもこの研修医さん、最初のうちはよかったけど、熱中するにつれどういう操作をしてるのか舌の根元を押さえつけてきたのね。
内視鏡自体は苦しくないのに、そっちのほうで吐きそうになる。でもそれを伝えようとしても声は出せない。
ダメだ、耐えれん!!と起き上がりかけたけど、ふと舌をねじって脇に寄せてみた。それが正解。吐き気から解放されてやれやれと深呼吸。
その後も肺の中で道に迷ったらしくてウロウロされたり、生理食塩水を注ぎ込まれたり、血の塊りを吸い出されたりとあれやこれやされたけど、まあこの程度ならまだまだ続いても大丈夫だなと思っていたら「終わりでーす」の声。
抜く時は一瞬で、喉がちょっとこすれたかなくらいの痛みだった。

お疲れ様の大合唱に送られ、車椅子に乗って検査室を後にする。
部屋に入ったのが午前10時7分くらい。出たのが11時9分くらい。
準備の段階を含めても、所要時間は1時間ほどだった。

喉への麻酔が効いているうちは誤嚥の可能性があるので、2時間は絶飲のまま安静を命じられる。
部屋に戻って15分も経った頃には、舌の麻痺も取れていたけど、事前の安定剤注射のせいかもの凄く眠くてそのまま爆睡。
1時に看護師が様子を見に来て、もう大丈夫ということでお昼ご飯。
いやもう、これが美味しいのなんのって。
多分ホッとしたからだろうな。


私が診てもらっているところは、気管支鏡検査は経過観察入院とセットなんだけど、病院によってはこの時点で家に帰してくれるところもあるらしい。
そういう次第で結論としての感想は、「確かに苦しい検査だが、二度と嫌だというほどのものでもない」という辺りに落ち着く。
嘔吐反射が強い私としては、もしかしたら胃カメラのほうが苦痛が大きいかもしれない。(試して比べてみようという気は毛頭ないが)


 
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