黒砂台鍼灸あん摩治療院

鍼灸院の日常日記

インフルエンザワクチンの話2

2010-10-06 10:15:27 | 院長のひとり言
インフルエンザワクチンの続きのお話。

今回は少し前に問題になった新型インフルエンザワクチンの話。

新型インフルエンザは豚インフルエンザとも言われ、2009年4月にメキシコで流行が確認されて以降、2010年春頃まで全世界で流行した新しいインフルエンザです。
従来にはない新型のため、免疫系が対応しにくいため強い感染力を持つが致死率は低いというものが特徴です。ただし、若年層(18歳以下)の家庭内感染確率は19~50歳の2倍、4歳以下の乳幼児では3.5倍、51歳以上では0.4倍と年代により感染確立が異なるので注意が必要です。
(50代以上で感染確率が減少するのは、新型インフルエンザがかつて流行したスペイン風邪ウィルスと構造が類似しているため、スペイン風邪を経験し免疫を獲得している年代層では感染率が大幅に低下したため)

致死性は季節性のインフルエンザに比して低いということやタミフル、リレンザ等の抗ウィルス薬が有効なことからワクチン接種は必要ないという暴論を唱える人も居ますが、スペイン風邪を経験したことがない年代層の人ならばワクチンを摂取して免疫を獲得しておくのも大事な予防だと自分は考えています。
なぜならスペイン風邪の流行時にこんなことがあったそうです。
スペイン風邪が流行した折、1918年3月にアメリカで第一波が発生し、5月にはヨーロッパに波及しています。その後1918年秋頃全世界規模で第二波の流行が発生しました。この第二波ではウィルスが変異し、病原性が高まり多くの死者を出しています。
この第二波の流行時、第一波で感染した人は死亡率が一説によると70%も低下したそうです。

こういった事例からも、致死率が低いからワクチン接種を受けないとするのは非常に危険だということがわかると思います。インフルエンザウィルスは非常に変異性が高いものです。すでに新型インフルエンザでも変異種は確認されており、いつ致死性の高いウィルスの流行が起きないとも限りません。
もちろんワクチンを接種して免疫を獲得してもウィルスの変異が大きくなった場合、ワクチンの効果が薄くなる可能性もあります。
それでも接種をしたほうが良いのではないかと考えています。変異が少なくても病原性や致死率は変化しますし、少ない変化であればワクチンの効果は期待できるからです。

スペイン風邪の流行時と医療体制も栄養状況も異なるから現代ならば問題はないという方もいますがこれも疑問です。
スペイン風邪の流行時、米国で1918年3月に流行し、5月にはヨーロッパに流行が拡大していますが、新型インフルエンザでは流行の拡大はもっと性急になっています。
2009年4月24日にメキシコ、アメリカで確認・発表されて以降、4月中にはカナダ、スペイン、ニュージーランド、英国、イスラエル、オーストリア、ドイツ、オランダ、スイスと広い範囲で確認されています。交通網や流通の発達により、スペイン風邪と比較にならないほど急激な感染拡大の可能性があるわけです。
日本への上陸も5月9日と非常に早くなっています。
スペイン風邪の時には日本での大流行は第三波(1919年春から秋)であったことからも感染拡大が劇的に早くなっているのは見て取れます。

10月1日より、新型のインフルエンザワクチンの接種が始まっています。
これは新型インフルエンザに従来型の季節性インフルエンザ(A香港型、B型)を混合したものです。
接種する選択を考えてみるのもいかがでしょうか? 

自分も治療家・施術者の義務として接種予定です。

次回は今回かけなかった新型インフルエンザワクチン副作用のお話



































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