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人生いろいろ、たぶん大丈夫だ?

40代の中年おじさんです。「四十にして迷わず」うーん、迷える中年羊を誰か救いたまえ。

日米地位協定 在日米軍と「同盟」の70年 山本章子 著

2021年05月09日 16時01分45秒 | 作品

たまたま書店の本棚から見つけた見出しの新書。「日米安保条約」ではなく、「日米地位協定」について書かれていました。一般的に日米の同盟関係を論ずるときは条約を考察するのでしょうが、「地位協定」に着目して戦後の在日米軍を取り巻く日米の思惑や時代背景が丁寧に表されています。

基地従業員として直接関わりのある雇用についての歴史的な変遷、その根拠も「地位協定」に基づいています。また、沖縄で特に目立つ「基地問題」の原因にもこの「協定」が大きく関わっています。

では、ということで著者がその協定の内容に触れているのか、というと実はそうではありません。驚いたことに協定の影に「合意議事録」の存在があり、実際の日米両政府の運営で、肝となるところは、それを根拠にされているということでした。これについては、私は全く知りませんでした。

全国の同業の方、自分が働いている在日米軍基地の成り立ち、労管では絶対説明しない基地従業員の歴史、お給料の仕組み、基地を取り巻く問題の本質がどこにあるかが書かれています。

日米地位協定|新書|中央公論新社 (chuko.co.jp)

 


UNSERE MUTTER, UNSERE VATER

2015年09月21日 13時07分48秒 | 作品

2013年ドイツ制作のドラマです。英語名はGENERATION WAR, 日本語タイトルは、ジェネレーション・ウォーです。

2013年にネット上でこのドラマの存在を知り、ユーチューブでトレイラーを見、英語圏での放映があったことにより、日本で見ることを渇望していました。

先日、レンタルで見終わりました。ユーチューブの断片的な映像をでは分からなかった全体がはっきりしました。

制作はドイツのテレビ局。

アメリカの制作とは違い、当然敗者の視点です。5名の若者の運命がとても悲しい。戦争は勇気が必要なものではなく、ただその日を生きるためにだけ戦うという現実。

5人の運命はそれぞれでしたが、共通しているのは悲しいこと。ストーリーが終盤にさしかかると、特にその印象が強くなります。


NHK大河 「花燃ゆ」 はテロリスト育成物語か

2015年04月12日 21時07分35秒 | 作品
ほぼはじめから見ておりますが、最近黙ってテレビを見ているのがつらくなってきました。
なぜなら、私には吉田松陰と後の幕末の志士たちが現代のテロリストとだぶって見えるからです。
近代日本を造るきっかけになった長州人をこのように言うと、西の方からはかなりの苦情が入りそうです。
物語はこの後、史実の通り進むのでしょうが、当時の世相の中で彼らはやはりテロリストであり、実際監視の対象や投獄ということも行われ、それは現代と何ら変わらないことが行われていたのです。

現代で、私たちが生きているこの世界を暴力により壊そうという人々がいる中で、このドラマを見るのは、正直つらいです。

NHK大河は時の世相を反映し、あるいは世相を誘導すると話している人もいますが、なぜこの時期にこの話を大河にしたのか分かりません。

エンジェルウォーズ SUCKER PUNCH

2015年03月28日 22時57分40秒 | 作品
久しぶりに観なおしました。おじさんも好きです、このような映画。

空想の世界を、映像にするとこういう作品になるのだと思います。

1950年代の現実の精神病院のシアターと呼ばれる世界、劇場であり売春宿でもある空想の世界、さらにそこからもうひとつ空想となる、戦場の世界。この3つの世界を行き来しながら物語が進みます。

日本の女子高生のコスプレ制服を着た西洋のお姉さんたちの、「女祭り」です。

時空と西洋と東洋の間を交錯しながら、進む物語は飽きません。しかし、最後に主人公の現実の世界に戻った瞬間、杭が打ち込まれてしまいます。ここで終わりというわけでなく、少しだけ物語が続きます。

悲しい結末で終わってします。


Baghdad Cafe バグタッドカフェ

2015年03月01日 16時22分23秒 | 作品
この映画のテーマ曲「コーリング・ユー」が心に残り、ホリーコールのアルバムを聴き、公開後の作品をレンタルビデオで見、サウンドトラックを手に入れていました。

この度、しばらくぶりに「完全版」のDVDが手に入ったので見直しました。
しばらくぶりで見たので映画のストーリーはほとんど忘れていましたが、ハートフルな物語が始まり、にこにこしながら見終えました。

ヨーロッパの完全版がアメリカ公開版とどの部分が異なっているのか、具体的にはわからないのですが、見終わって心が温かくなる映画です。

ドイツ映画ですが、1980年代半ばのアメリカの田舎町とも呼べない、砂漠の中のドライブイン兼モーテル「バグダットカフェ」を舞台に、すごく狭いアメリカの物語が、美しい砂漠の風景と音楽に乗って続きます。

1980年代のアメリカは、パックスアメリカーなと呼ばれる繁栄の時代のまっただ中。大きな脅威もなく、みんな明るいであろう未来に向けて生きていました。
私はと言えば、社会に出る踏み切りでのタイミングを若干間違ってしまい、社会人生活のスタートでつまずいて、もがいていました。
そんなときに、田舎町のレンタルビデオ店で借りたのがこの作品です。

今ももがいている状態は続いているのですが、それぞれの年代でこの作品を見ても、変わらないものがあります。いや、変わらないものと思えるのは、私自身が何も変わっていないからかも知れません。それで良いのだろうか・・・。

黄色い魔法瓶で入れたコーヒーが飲みたいです。



高倉健さんご逝去

2014年11月29日 09時29分10秒 | 作品
先日高倉健さんがご逝去されました。
連日テレビでは追悼の意味を込めて、作品の放送をしています。

基本的に日本映画はあまり見ないのですが、健さんの映画は別です。初期の作品は見たことはないのですが、野生の証明や北海道を舞台にした、駅stationや駅員(ぽっぽや)など有名な作品が好きです。

作品中の健さんのイメージは、寡黙な男です。なんだろう、男が惚れる男と行ったらよいのか。皆さんが健さんを評価する言葉には、すべて同意です。

謹んで哀悼の意を表します。

アイアンスカイ ディレクターズカット版

2014年08月09日 22時23分12秒 | 作品
B級映画なのかもしれないけれど、ハリウッド製でないために、アメリカへの皮肉たっぷりでした。

ストーリーは荒唐無稽で、月の裏に時機をうかがって潜んでいたナチスの残党が、ちょっと未来の地球に帰還するために攻め込んできました。果たして,地球の運命は如何に。

共和党政権のタカ派アメリカを完全に皮肉り、国連を皮肉り、北朝鮮を馬鹿にし、日本の特攻をも皮肉る内容でした。

ちなみに、ナチスへのシンパシーは全く感じられません。それは、周知の事実だからです。(ネオナチのシーンで分かりますよね)

後は黒人への偏見も全体に描いています。(主人公は黒人男性とアーリア人女性です)

ドイツについては、制作にドイツも入っているので、もう自国の汚点を自虐的に描いています。

B級でしたが、結構お金をかけているためか特撮の場面はきれいに出来ています。

でも1回見れば十分でしょう。

1Q84 村上春樹

2014年07月26日 13時57分42秒 | 作品
今更ながら読んでみました。読後の感想を一言で言うと、もやもや感が大きいです。

1Q84年に30歳であった青豆と天悟。2014年の今ちょうど、還暦を迎えてこの世のどこかでひっそりと暮らしているのだろうか。

不思議な登場人物達の説明が、文脈からうっすらと読み取れるのですが、私ははっきり書いて欲しかったです。
特に天悟の見る、母の幻影の正体は何だったのだろう。その母に起きたことの詳細をぜひ書いて欲しかった。

作者のモチーフは今の社会に存在するモノ、出来事、風潮かもしれない。しかし、同時期にジョージ・オーウェルの「1984」を読んで1984年をくぐり抜けた私にとっては、何か物足りなかった作品です。

「あまちゃん」第157回 じぇじぇじぇ!

2014年01月02日 14時28分05秒 | 作品
最終回は、第64回紅白歌合戦だった。
私は以前、これは小泉今日子の物語だと書いていましたが、天野春子さんの物語でした。

北三陸市を舞台にした小芝居から入り、上手に画面をつなぎ東京渋谷に持って行きました。
この第157回を見終わって、何かほっと出来たような気がします。それは春子さんへの思い入れが強かったからでしょうか。

被災地を応援するドラマですが、3.11のことも朝ドラらしく取り入れ、決して悲しいことばかりではなく楽しい物語でした。

何か、東北以外ではいまいち理解されない朝ドラのようでしたが、皆さんはどうでしたか。

『半島を出よ』 村上龍

2013年10月04日 09時08分37秒 | 作品
全体を通して、期待はずれです。
細部には、興味を引かれました。

テーマがよく分かりませんでした。導入部を読むと、有事の際の日本の出方について書かれるのかなと思ったのですが、読み進むにつれてよく分からなくなりました。そこにポイントを置いて読みと、途中で出てくる、アウトサイダー達の物語がじゃまになります。特に武器の詳しい解説のところは、全体の中で何の意味があるのでしょう。

どうせ書くのであれば、同じ事件を当事者ごとに分けて、タイトルも別にして、別な作品として出版すれば良かったのではないかと思いました。

北朝鮮反乱軍軍の視点で1冊、政府の視点で1冊、アウトサイダの物語、福岡県民物語。分けで書いてもらえると良かったです。

そうです。クリントイーストウッド監督が用いた手法です。


NHK朝ドラ「あまちゃん」

2013年08月07日 23時51分56秒 | 作品
この朝ドラは、天野アキちゃんのドラマではなく、天野春子いや、小泉今日子の物語になっている。
Kyon2に、出戻りの娘、元ヤンキー、田舎の主婦、スナックのママ、元アイドルの卵、ステージママ、アントプレナー、そして歌手と次々とキャラを変えた役どころを与えている。そして、それをそれぞれ見事に演じている。
宮藤勘九郎は、天野春子の物語を書いているのだ。

We were soldiers ワンス アンド フォーエバー

2012年08月18日 17時24分15秒 | 作品
2001年の封切りも見ました。DVDも持っています。おまけに原作本も手元にあります。
原作のタイトルは、"We were soldiers once ... and young"です。当時定価13ドルのペーパーバックがあります。年月がたって紙が赤茶けてしまいました。

表紙の写真とタイトルに惹かれ、英語の勉強にと買いましたが、途中で挫折していました。そして7年後、何か聞き覚えのあるタイトルの映画予告がありました。ついに映画化されたのです。

期待に胸をふくらませて、映画館へ行きました。原作を読んではいなかったのですが、イメージ通りの作品です。

戦争映画ですが、描かれているものの一つが「リーダーシップ」。ムーア中佐が言います。「上官が戦死したときのために、部下に上官の役割を教えろ」と。
これが象徴的に描かれているのがサベージ軍曹のエピソードです。

また、ムーア中佐は出陣の前のセレモニーで自分の考えを正直に部下の前で披露しました。そうして部下の信頼を得ていったのだと思います。

おじさんは組織の一員だから、リーダーシップについても一家言あります。色々ありますが、まあこの作品を見てください。私の言いたいことが十分伝わると思います。

別に軍隊でなくても、「目標を示す」「方法を示す」「部下を率いる」「人を動かす」ということはとても大切なことです。軍隊は階級があるので、上意下達だと思われるでしょうが、やはりリーダーの素質も大事です。軍隊でなくても同じです。

ただ、身近には、真逆の実例があるので悩むのです。

THE BOOK OF ELI

2012年08月12日 00時57分04秒 | 作品
公開されたときに見ましたが、今ひとつ理解できませんでした。今回DVDで見直しました。

この作品は、人類が信じている宗教に対する様々な側面について描いた作品といえます。

ゲーリー・オールドマン演ずる街の支配者曰く「宗教で支配する」、デンゼル・ワシントン演ずる「伝道者」曰く「これが原因で戦争になった」。また、アルカトラズの出版人曰く「文明を復活させるために必要」。食事のシーンで祈りを捧げる事により「個人の心に安らぎをもたらす」。どれも宗教のそれぞれの側面を表しています。

宗教の功罪を説くのではなく、人類の文明には宗教は欠かせないものだ、と言うのが結論かと思いました。

アクションシーンもありますが、R指定になる位のシーンが多いです。それが必要か、ちょっと疑問に思いました。