鐵屋+Cafe ~島々ノ文化ノ風ガフク~ 現代アート 鉄彫刻家

鉄彫刻家の創作な日々と鐵屋+Cafeの島風な日々。『紅い鉄』『土へ還る鉄』を暮らしへと♪島文化薫るカフェとアートな鉄。

伊勢大橋を伝えるプロジェクト

2017年06月09日 13時13分24秒 | 創作・活動 

先日、伊勢大橋についての第一回となる意見交換会のような話し合いがありました。架け替え工事に伴い、その姿、鋼橋が消し去ろうとしている今、様々な視点から、考えてみることで、何を遺せるのか?どう、人々の記憶に遺していけるのだろうか?そんなことを模索しながら、先ずは、それぞれの伊勢大橋に対する想いを語り合いました。第一回は、『伊勢大橋を知っていただこう』というイベントを開催しましょうということで、前へ進むことになりました。

僕の伊勢大橋に対する想いを少し描きます。僕自身は、鉄を扱う者として、以前から、この鋼橋に魅せられていた訳です。尾張大橋も。鋼橋に関する専門的な知識、歴史的な知識はありませんが、ただ、何となく。感覚で魅せられてました。弥富市で育った僕は、近所のオッサンやお爺さん達から、橋を造る時の話をよく聞かされてました。リベットを接合する時のお話は、とても、引き込まれてゆくもので、橋の下でリベットを真っ赤かに熱し、空へ、上へ、放り投げる。それを上で待ち構えていてキャッチし、素早くリベットを打っていく。昼間だと鉄が赤く熱くなってるのがわからないので、暗くなってからやっていたそうです。夜だと、赤くなったリベットがよく見える。僕も、何度か火傷したことあるので、その状況はよくわかります。その作業風景は、子供心には、とても幻想的でまるで花火のようだったと聞きました。赤い光が真っ直ぐに天へと上り、弧を描いていったんだろうなと、想像するだけでも、その鮮やかな職人技、息遣い、鉄打つ音が聴こえてきそうで、いつか、再現したいものです。そんなイベントも記憶に遺していくアクションとして企ててます。
僕が、この伊勢大橋のプロジェクトに関わるきっかけとなったのは、二人展で発表したインスタレーション作品『鉄の雨の詩』を機に、桑名空襲について、調べているうちに、地元の皆様から、貴重な実体験のお話、語り継がれたお話をお聞かせくださり、伊勢大橋の弾痕の存在を改めて知ったことです。幾度の補修工事を経たにも関わらず、何故?弾痕を遺したのか?直そうと思えばいくらでも直せるものなのに。経緯と真実はわからないのですが、何かしらの想いがあったんだと僕は信じてます。戦争の悲惨さ、繰り返してはいけない過ちを次世代へ伝えるシンボルとして、この弾痕は、どういうカタチになるかわかりませんが、遺していきたいと思ってます。でも、この想いだけが記憶に遺すプロジェクトではなく、もう一面の、歴史的な構造物、近代化の象徴とも云えるこの遺産をどう?伝えていくのか?この橋が産み出した文化、技術、人々の交流による暮らしの繁栄。鋼橋としてのその存在。歴史と文化的象徴を遺したいと思います。開通日、車は数台の通過だったそうです。リヤカーや徒歩で渡られた人は多かったのでしょう。今や絶え間なく通過してゆく車。生命線のような橋です。橋梁の技術は勿論のこと、橋がもたらす文化も継承していくシンボルだと感じてます。
その二面から、それぞれの専門家の先生達のお話をお聞きして、プロジェクトを進めていこうと思います。
第一歩として、この伊勢大橋を知っていただこうというプロジェクトからはじめていきます。二面から、弾痕から紐解く歴史から見た伊勢大橋。高い技術力の結集、幾度の大地震、戦争、伊勢湾台風を耐えてきた屈強な建造物から見た伊勢大橋です。

夏休み始まる7月下旬~8月中旬に、第一回となるイベントを開催予定です。内容は、打ち合わせ中です。専門家をゲストに招き、歴史探訪ツアーも予定しております。
動き始めたばかりで、今後、どんな展開になるのか?わかりませんが、僕は、伊勢大橋そのものを遺すことよりも、記憶に遺してゆくカタチを作っていきたいと考えてます。これから、様々な方々が関わってきますので、色んな意見が出てくるかと思いますが、大切なのは、そこに暮らす人々の想いであり、桑名から長島、そして、弥富と、暮らしを繋いできた鋼橋と共に生きてきた人々が次世代へ繋げてゆくものであって欲しいと願っています。
鉄を扱ってる者としての表現で、皆さんと作り上げていきたいと思います。

共にプロジェクトを進めさせていただきます[N農園]のUさんは、伊勢大橋に対する想いと、長島への想いは、僕には無い、とても高い知識力と実行力です。かなり、歴史を勉強されてます。僕は感覚的に進んでいきそうなので、Uさんは、頼もしいです。今後とも、宜しくです。(※実名掲載の承諾を得ていないのでご了承ください)

このプロジェクトの中で、短編映画、舞台、音楽を作りたいと思ってます。
[紅線]鉄の紅、人の紅、時の紅。補色の緑が裏付ける紅。
そういうカタチの遺し方もいいなと思ってます。
僕自身も彫刻作品、造形作品として、発表していきます。
これから、賛同を募っていきますので、
ご興味ありますお方は、お声がけください。


言葉足らずの長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。