法音カウンセラー 釋 真聴 《日乗》

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主宰者の《日乗》

“公案”が届きました。

2012年01月11日 21時14分48秒 | 日乗

【くりのみ会】のお仲間から、素晴らしい質問が届きました。

こんな内容です。

「ロジャーズのいう“有機体の実現傾向”は、仏教でいうとどんな言葉になるのでしょうか?」

手元にある『パーソナリティ理論』には次のように記述されている。
実現傾向とは、有機体を維持し、強化する方向に全能力を発展させようとする有機体に内在する傾向である。

「自己構造の発達にともなって、この実現化傾向への一般的傾向は有機体の経験のうち自己というものに象徴される部分を実現化するという形であらわれてくる。自己と有機体の全経験が比較的一致していれば、実現傾向も比較的統一されたままである。自己と経験が不一致である場合には、有機体を実現する一般的傾向は、その動因の下部組織である自己を実現させる傾向と互いに反対に作用するであろう」

道元さんの「全機」「全機現」といった言葉が思い出されますが、皆さんのご意見もお聞かせください。

 

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5 コメント

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自己 (畳表ドラ猫)
2012-01-12 08:51:35
「自己というものに象徴される部分」とある所から、パーソナリティ理論は自己を有機体の部分と捉えていることが分かります。仏教的には、身体(身)・言語活動(口)・精神(意)という三つの領域における相互の連関、関係性の全てを自己と捉えているのではないかと思います。つまり仏教における自己は部分ではなく、有機体の全体を表わしていると思います。その有機体を構成する要素の内で、「口」である言語活動には、思考を練成する内的動性として「1思い2気持ち3心」というプロセスを観察します。それらは他者にとっての自己という機縁から生じますが、次第に自己にとっての欲望、自己に対する欲望へと展開・深化し「願」という形で意識(言語化=思考)するに至ります。この「願」を仏教では、自分と他人の両者にとって、善き自己を為すための導きとしていると思います。
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コメント感謝! (聞者くりのみ)
2012-01-13 08:53:18
畳表ドラ猫さん。
今年もよろしくお願いします。
早速のコメントありがとうございます。
自己を、身口意の連関・関係性から「部分」でなくて「全体」でとらえるとのご指摘、その通りですね。つい、馬鹿な頭で考え、部分と理解していました。
「願」についての質問ですが、「願」とは、人間の根源的なところでも「自利利他円満」への衝動のおこるところと押さえてよろしいいでしょうか?
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願について (畳表ドラ猫)
2012-01-13 13:45:34
無明、執着、業など、仏教用語は難しいですが、有機的な生命存在である人間も、利己的な遺伝子の生存本能を基礎にしているということは異論はないと思います。その上で、無自覚で表現できないもやもやとした欲望が、言語意識化し、表現可能なプロセスの上に乗るということが、曼荼羅の現象化である自利利他円満の道筋だと思いますが、内省的瞑想によって願を紡ぎだす実践は、とどのつまり仏教的な悟りへと通ずる、ということではないかと思います。

本年も宜しくお願いします。
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ありがとうございます。 (聞者)
2012-01-14 00:57:05
畳表ドラ猫さん。
コメント感謝です。
畳表ドラ猫さんは、密教の方も勉強をしているのですね。
明日、カウンセリング研究会【くりのみ】の勉強会あります。
畳表ドラ猫さんのコメントをコピーして、皆さんに配布します。
ありがとうございます。
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密教 (畳表ドラ猫)
2012-01-14 02:00:07
密教との関りは深いです。まずは親父の家系ですが、四代遡っても密教僧で、同じ寺院に二代にわたって定住したことのない、不遇というか幸いな家系です。僕自身は真言寺院の経営する近場の保育園から空海さんに親しみ、小学校二年生で得度させられて名前をもらい、夏の盆行にもお経を読みに行かされました。でも、ちゃんと勉強したのは高野山の律院で100日の四度加行と50日のマントラ100万回の行、そして9年ほど真言寺院の役僧をやった時位です。慣れない荒行で体を壊したり、それなりの時代でしたが、仏教と密教の勉強はそれなりにできたかなと思います。でも、そのうちに仏教や密教のことも忘れてしまう程マスターできるとよいな、などと思っています。
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