



開きはじめの花

蕾


ツマトリソウ、サクラソウ科ツマトリソウ属、褄取草
名前の元になった褄とは、着物の裾の左右両端(腰より下部のへり)を言う
端(つま)が元々の言葉。端から褄に変化。褄取りとは、和服の竪褄(たてのへり)
を手でつまんで持ち上げることをいう。
持ち上げられると、着物の赤い裏地が見える。
ツマトリソウの花にも、同じような縁取りが見られる事がある。
しかし普通はツマトリソウの花は白色で、縁取りのある花は滅多に見つからない。
命名者は、滅多にない縁取りのある花を見て名前をつけたのであろう。
その滅多に見られない縁取りのある花が、池ノ平湿原の登山口に10数株も咲いていた。
スズランとコマクサを撮影に行ったのだが、私はこの花を見つけて、後はどうでも良いと
思うほどだった。
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縁取りのある褄取草を見つけて、真っ先に考えたこと。
それは「高山植物ハンディ図鑑」を書かれた「新井和也」さんの事である。
新井さんは、その中のツマトリソウの説明に、縁取りされたイラストをいれて
「いつかは見てみたい赤く縁取られた花」と書かれていたからだ。
よーし新井さんにメールで教えてあげようとブログを見たら、なんと言うこと
新井さんは2年前の剣岳の登山中に落石にあい、事故死していたのである。
40代の若さで亡くなられるなんて、言葉もない。
「八ヶ岳・霧ヶ峰植物手帳」と「高山植物ハンディ図鑑」の2冊を手に取り
彼の冥福を祈るだけである。
池ノ平湿原に行かれたのですね。
また赤く縁どりされたツマトリソウの撮影おめでとうございます。
私は白いツマトリソウしか知らないので、撮影したならば名前探しになるでしょうね。
「新井和也さん」の事故死ニュースはちょうど西穂高で知りました。
前日は北海道撮影後、剣岳へ下山中の出来事と報じていました。
親子登山とか、まだお若いファミリーでしたので、とてもショックでした。
☆minoさんのお気持ちはきっと新井さんには通じているでしょうね。
私にも「赤く縁どりされたツマトリソウ」を教えて下さりありがとうございました。
私は全く知りませんでした。
新井さんの名前を知ったのは、八ヶ岳の美濃戸口コースに咲く
ホテイランを公開保護している活動をなさっていて
ホテイランの写真を撮りに行ったとき、すべての株に番号札をつけて
公開するという方法を知って、新井さんのブログを見に行ったりしました。
希少種のすべてに同じ公開方法は採れないと思いますが
特定の人しか見られない保護方法は、限界が有るのではと感じていたので
新井さんの大胆な公開方法に共感してました。
ツマトリソウの名前の由来は、高橋勝雄さんの野草の名前からの
受け売りですが、花友と何年も探してました。
これでやっと名前の由来にたどり着けたと思います。