となりで編み物している
距離感で
あなたのことを
見つめている
それはいつか
理想を押し付けた
悲しい過去があったから
お互い
のびのびと暮らしあえたら
いいのにね
それも私の
理想に過ぎないのかな…
となりで編み物している
距離感で
あなたの話を聞いている
ありがとう
なんて
こっちの方だよ…
友達と電話をしていると
向こうから雲雀(ひばり)の声が
聴こえてきた。
雲雀よ
雲雀
私の心は、どこか遠い故郷へ
舞い戻っていた。
そういえば、買い物へ行く途中
花が咲いていたので
立ち止まると
辺りから畑の匂いがした。
畑の匂い
田んぼや海苔の匂い
街の人が知らない匂いを
私は知っている。
どこか無理をしていた自分を
風がそっと撫でていく
雲雀よ
雲雀
私に帰ろう。
こんな寒い日は
公園の雪柳が気になる
バス停の猫が気になる
カタバミ 梅
街灯のカラス
電線の雀
元気にしてるかな…
みんな みんな
みんな みんな
可愛いご近所さん
統合失調感情障害になって
幾度目の
春を迎えようとしている。
今日、テーブルの上に
絵本が置いてあった。
統合失調症を患ったお話
絵・文Himaco
頷きながら、涙が溢れていた。
しんしんと、優しい夜…
アスファルトの隙間に
カタバミが咲いている
野花は隙間を
好むのね
欠けた心を隠さないで
恥じないで
その隙間を
種が探すから