2月さいごの日
青いシャツを洗濯して
こころも洗う
サッパリ洗う
気持ちいいね
清々しいね
昨夜の雨もまた
街を洗ったみたいで
通りの梅が笑ってた
遠くの山も笑ってた
気持ちいいね
清々しいね
瞳の中に
れんげ草を咲かせて
見ている街角で
ささやかな場面に
出会うたび
白くなってゆく
花弁
いつか
おばあさんが教えてくれた
白いれんげは
幸せの花
わたしはれんげ草が好き
雲雀の住処に
なるところも
瞳の中の
れんげ草
今日はどんな出会いが
あるのやら
どんな春風
吹くのやら
春先に会う約束を
したもので
春に敏感になる
通りの梅が咲いたから
そろそろかな
と思う
洋服屋さんを
のぞいてみる
よしよし
春だな
日差しのぬくもりを
感じてみる
うんうん
春だな
そして
心にたずねてみる
そろそろかな
そろそろ
春だな
道を通るのは
人間だけじゃない
犬や猫
ハトやセキレイ
春になれば
虫たちも
通る
もっと
おおらかに
いきものたちの
ぬくもりを
感じて
歩く
一緒に
歩く
トテトテトテ…
いっぱい
泣いたところに
春が来て
いっぱい
泣いたところに
明日が来る
いっぱい
いっぱいになって
ぽろぽろと
奏でる
月夜の子守唄
今夜あなたに
あげたいな
すみれ
れんげ
しろつめくさ
なずな
かたばみ
ほとけのざ