その辺の草花が
可愛いな美しいなって
思うのよ
朝方
ぼーっとした頭に
入ってきた母の言葉は
優しかった
今日がなんだか
いい日になるような
気がした
ほんの小さなことで
いい日になるんだ
私たち
現代社会に
そんな感受性は
邪魔かしら？
いいえ
どうやら
その感受性が生きるのは
ささやかって
場所らしい
お湯を注いで
紅茶が出来るまでの
2分間
待っているとき
幸せと思う
待っているとき
穏やかになる
待ち合わせの本屋とか
喫茶店とか
待っているとき
幸せと思う
待っているとき
喜びになる
猫が廊下で
待っている
遊ぼうよって
待っている
さて
今度私は
何を待とうかな…
楽しい何か
嬉しい何か
ピアノの練習しよう
と思ったら
ねこのおしりが
ふりふり
して
鍵盤目がけて
飛んできた
ドヤ顔で
行き来する
予測不能な音階は
まるで
前衛音楽家
きみ
まるごと乗せた
音色は
ご機嫌に
地球を
跳ねる
大学生のとき
ピアノを続けたくて
買った電子ピアノが
今でも活躍しています。
イヤホンをつけて
練習するのですが
猫が全体重を乗せて
鍵盤に乗ると
びっくりします。
小さい頃から
私たちをびっくりさせるのが
好きな猫です。
窓辺から
きれいな
きれいな声がする
この街で
聴き覚えのない
その声は
どこか
異国の風を纏ってる
ホッと
こころが
安まるような
哀愁に
寄り添うような
歌声
暮れゆく
窓辺で
ふと
こんな風に
思う
人はみんな
どこか
異国の風を纏ってる
と…
だから
ちょっぴり寂しくて
優しくて
美しい
夕暮れの
バス停で
おばあさんに
話しかけられて
きのう
つい買ってしまった
会話術の本が
役に立った
何でもない
言葉の
やりとり
だったけど
おばあさんは
にっこり
笑っていて
夕陽も
笑っていたよ
ちいさな
一歩
だよ
