詩 冬

花が宿っている

あの木

この木

その枝の中に

冬ってそういう季節と思う

冬真っ只中の心を

木々に重ねる

花が宿っている

きっと…

詩 花心

俯いてるわけじゃない

おじぎしてるのよ

顔を合わせないわけじゃない

はにかんでるのよ

こんにちは

って

想うだけで

ほのかに香る

詩 スープカレー

スープカレーを作ったら

「お洒落ね」なんて

聞こえてきた

食卓は原っぱ

知らない花と出会った私

スープカレーを作ったら

「おかわり」なんて

してくれるから

押し花にして挟んでおいた

日々という本の中

また今度作れるように

ね

詩 先生

微かな光に

ほほえんでいる

あなたは

いいとこ探しの

先生ね

詩 足踏み

足踏みの時間が

もどかしい

とか

自分は

何をしてるのかな

とか

思ったあの頃

足踏みの時間が

人生を豊かにしてくれる

と

気づいたある午後

紅茶だって

急いで飲んだら

熱いだけ

ラジオをつけて

オランジェットを添えて

今を

楽しもう