春がいる
春がいる
この町のどこかに。
笑ってる 隠れてる
足跡に花咲かせ。
丘の上、水仙が
風に揺れ
手を振る。
まるで
友だち、見つけたように。
ふわり ふわり
笑う
シワの延長線に
未来が見える。
涙が刻まれた
深い溝も
ふわり ふわり
種の好む場所。
ふわり ふわり
愛しい
シワの沿線上に
花は、咲くよ。
背中をくるりと
丸くして
スヤスヤ、猫は
夢の中。
背中に灯る
三日月と
お花の咲いた冬布団。
野花がそっと
揺れている。
ちいさな隙間に
身を寄せて。
ヒールの行き交う
街角で
ちいさな花壇に
身を寄せて。
野山の空気を
身に纏い
都会の花にも
染まらずに。