猫はシッポで歌う
それはそれは
きげんよく
わたしね
色々考えて
はなうたの漏れる家に
行きついた
なんでも
あくせくやって
はなうたが家から
消えるより
手抜きで
はなうたが漏れてる
ほうがいい
おや?
今日のシッポは
タクトのよう
日々を
奏でているのね
奏でてゆくのね
うっすら見える青空と
金木犀
トキメキが走る
思春期
秋は
憂うつだった
秋が輝きだしたのは
ずいぶん
大人になってから
うっすら見える青空と
金木犀
トキメキが走る
草の茂みへ
シジミチョウ
みちくさ
みちくさ
そこから見える
ちいさな世界
泣かないで
子ども心よ
みちくさ
みちくさ
そこから見える
ちいさな世界
成功がもてはやされる
時代に
何を持って
成功と言うのか
自分で決めたい
空を見る余裕が
あることを
季節の移ろいに
風情を感じることを
わたしは
成功と言うより
しあわせと呼んでいる
道に転がる
どんぐりひとつ
猫に話しかける
午後のひととき
今
どんな成功者の
ことばより
小さなことでも
何かを嗜む
しあわせ者の
はなしが聞きたい
しあわせの
ものさしは
分度器で測るのがいい
180°いろんな
角度から見れるから
ふしあわせの
ものさしも
分度器で測るのがいい
360°見渡して
円になるから
わたしのふしあわせも
ほんの少し
角度を変えると
優しく思える夜もある
まして
しあわせの
決めつけなんて
もったいない
角度を決めることも
ない
しあわせも
ふしあわせも
優しく思える夜もある