先日「例の画像で遊んでみた。」という記事に含めたこのツイートは、もちろん冗談、ジョークのつもりだった。
でも、もしやと思いアメリカのネットオークションサイト eBay で検索してみたところ、茶色い革の表紙の本が表示されたので目を疑った。プリンキピア原書の英訳本、それも相当古い年代物が販売、出品されていたのだ。
ラテン語原本ではないが、そうだとしてもすごい。サイトからはいずれ消されてしまうから、ブログ記事に残しておこう。
まず、こちらである。ラテン語初版か第3版の翻訳かはっきりしないが、1760年に刊行された本。日本円でおよそ47万円。3分冊そろっている。
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そして、さらにもうひとつ見つかった。ラテン語第3版(1726年)のAndrew Motteによる英訳本で1729年に刊行された全2分冊。即決価格は日本円でおよそ64万円、今のところの価格は40万円である。eBayでのタイトルには「1st EDITION」と書かれているが、これは「ラテン語原書第3版」、あるいは「英語版としての初版」であると思う。
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次の2枚は第1分冊と第2分冊の中表紙。ローマ数字でMDCCXXIXは1729のことで、本が刊行された年をあらわしている。(MDCCXXIXをアラビア数字に変換)
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アイザック・ニュートン『プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)』はもともとラテン語で書かれ、初版は1687年、第2版は1713年、第3版は1726年に出版された。日本史で言えば綱吉(5代将軍)から吉宗(8代将軍)の時代に相当する。
第3版からわずか3年後の1729年にはAndrew Motteによって英訳されたおかげでプリンキピアは英語圏全体に広まり、学者でなくても「最高の知性」に触れることができるようになった。上で2番目に紹介した英訳本のことである。
プリンキピア初版本の解説ページ(金沢工業大学所蔵)
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/110/168701.html
ラテン語版の初版(クリックで拡大)
ラテン語版の初版(クリックで拡大)
ラテン語版の第3版(クリックで拡大)
ラテン語版と英語版は、はるか昔に著作権と版権がきれているので、オンラインで無料公開されている。
ラテン語版(初版、画像クリックでオンライン版が開く。)
ラテン語版(初版)は次のサイトでも公開されている。
http://www.gutenberg.org/etext/28233
Andrew Motteによる英語版プリンキピア(原書第3版、1846年刊行の英語版、画像クリックでオンライン版が開く。)
英語版はこのページでも読める。
ちなみに今日、3月31日はニュートンの命日である。明日書く予定の記事も『プリンキピア』に関するものだ。どうやらこの著作に関して発見があったようだ。(記事を読む)
関連記事:
ニュートンの『プリンキピア』がブルーバックスで復刊!
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a85d47fe8132a97c7180c444a816b196
Kindle版で復刊: 日本語版プリンキピア(自然哲学の数学的原理):アイザック・ニュートン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a5ce0252019a5d9b63c20200f019e199
日本語版「プリンキピア」が背負った不幸
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/bff5ce90fca6b8b13d263d0ce6fc134e
例の画像で遊んでみた。
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/07ecc1d77b373a76cd5007a02405204a
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