とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

算数チャチャチャ(NHKみんなのうた)

2011年09月30日 13時46分11秒 | 理科復活プロジェクト
僕が理数系の道に進むことになったのは、おそらくこの曲に感化されたからなのだと思う。

NHKの「みんなのうた」で初めてこの曲が歌われたのは昭和48年(1973年)のことだという。僕は当時11歳。

まずはお聴きいただきたい。



算数チャチャチャ
作詞:山口和義 作曲:山口和義

ルート2プラス1分の 
2プラス ルートの2
算数チャチャチャで解きましょう
それ ほら もうできた

分子をルートの 2でくくり
ルート2プラス1
そのルート2 プラスの1で
分母子を 約せば
答えは かんたん たったわずかの
ルートの2となるよ

サインθ(シータ)がコサインの 
ルートの3倍
算数チャチャチャで解きましょう
それ ほら もうできた

サインを割ること コサインは
タンジェントのことさ
2辺が 1対ルート3
斜辺が 2となるね
サインは2分の ルートの3で
コサイン0.5 コサイン0.5 
コサイン0.5


ルートやサイン、コサイン、タンジェント。。。小学生の僕にとって、これらは魔法の呪文のようだった。こういうのはいつになれば教えてもらえるのだろう?先生だか親だかに聞き、中学生や高校生のお兄さん、お姉さんたちは学校でこういうのを勉強しているのだと知った。

当時の僕には中学生や高校生は「雲の上の大人」に見えた。それまでの人生で僕の両親はサインとかコサインという言葉を発したことは一度もなかった。だから理解をはるかに超えた「魔法の算数」を知っている中学生や高校生を尊敬した。そしてルートやサイン、コサインを知れば世の中のすべてが解き明かせるのだと幻想していた。

その2年後の1975年、新宿の京王デパートでCASIOの関数電卓「fx-3」が売られているのを目撃する。ショーケースの中の「卓上計算機」に目が釘付けになった。

こりゃすごい!「算数チャチャチャ」の歌にでてきたルート、サイン、コサイン、タンジェントがついている神様のような電卓。。。胸が熱くなった。関数電卓というものを生まれて初めて目にしたのがこのとき。値段は6万5千円。。。

クリックで拡大


CASIO fx-3の詳細は「関数電卓マニアの部屋」というサイトのこのページを参照。

僕があまりに長い間ショーケースに張り付いてこの電卓に見入っていたからなのだろう。店員さんが電卓を取り出して触らせてくれたのを覚えている。サインの値を計算するのに0.5秒くらいかかっていた。計算中に青白い蛍光表示管がチカチカと点滅するのがとても賢く思えた。

電卓のキーを押した瞬間に僕の理数系人生が確定したのだった。

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2013年2月に追記:

その後、僕は神様の計算機を入手することになる。解説記事はこちら。

神様の計算機 (CASIO fx-2、1972年)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/51d92a0f17a3abd1112691590d86c83a

王様の計算機 (CASIO fx-3、1975年)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6840ad8d279eff97acd11a3f56b54343

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2016年10月に追記:

当時放送されたオリジナルの「算数チャチャチャ」の動画がアップされた。




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関連記事:

関数電卓ノスタルジア (HP-12C, HP-15C, HP-16C)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/03e84c4fe4608f263779c5f442bf29f9

「理科復活プロジェクト」始動!
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c08cbe47b0a5ce8c64549d913800cb0a


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8 コメント

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Unknown (YoshY)
2011-09-30 16:29:35
面白いですね。73年と言うと、小生アメリカに行っている時期ですので、まったく知りませんでしたが、もう30を過ぎていましたから、日本にいても見ることは無かったでしょう。

しかしどの年代(中学生、高校生?)を対象に作った歌なのでしょうね。とても小学生向けとは思えません。
返信する
YoshYさんへ (とね)
2011-09-30 16:40:01
当時、既にエンジニアでいらっしゃったのですね。

NHKではペギー葉山さんが歌っていました。NHKの番組「あなたのメロディー」の入選曲だったようです。

ところでHP-15Cですが、2回目以降の予約受付が始まりましたね。初回受付のときあれだけ慌てて予約ボタンを押したのが可笑しく思えます。
返信する
kankodori2004 (kankodori2004)
2012-02-11 20:04:30
この動画は、カセットテープの録音にあわせて私が自作してアップしました。
下手くそですみません。
返信する
kankodori2004さんへ (とね)
2012-02-11 21:17:04
動画の作者の方からコメントをいただけるとは想像だにしていませんでした!とてもうれしいです。ありがとうございました。

上手に作成された動画だと思いますよ。他にも素晴らしい動画をたくさん投稿されているのですね。
返信する
Unknown (Nagz)
2012-05-13 17:37:17
懐かしいです。

私は小学校2,3年だったような記憶です。
内容はくわしくは分からなかったのですが、
2番のヨットの絵をみたとたん記憶がよみがえり
ました。カラーでなくうちは白黒TVだったような。

http://www.youtube.com/watch?v=ao1lWbWeTFU
に新しい投稿?があるようです。
返信する
Nagzさんへ (とね)
2012-05-13 20:38:00
コメントいただきありがとうございます。また、オリジナルの動画を紹介していただき、とてもうれしいです。重ねてありがとうございました。記事本文にも追記させていただきました。

僕の場合、この動画を見たのは白黒だったと記憶しています。サザエさんは最初のうちは白黒で後にカラーテレビで見れるようになって、その色彩に感動した覚えがあります。このあたりの時代から20年間は電気製品の進化は目ざましいものがありましたね。
返信する
Re:Nagzさんへ (Nagz)
2012-06-24 18:24:33
Nagzです。
私の記憶に間違いがあったようで、小2でなく小6かもしかしたら中1だったのかもしれません。同級生や家内(同世代)に確認しました。失礼しました。とねさんとどうやら世代が被っているようです。

1) 間違いかもしれないと気づいたのは、とねさんの「タイガー計算器」の記事を読んだからです。私の学部4年生の研究室には「タイガー計算器」がありました。確かルジャンドル級数展開を手計算したという話は25年前に聞いた記憶があります。1950年の原著を読んでいないので、ルンゲクッタで解いのかは、わかりませんが…。

2) カシオ?のfxは音源をもっていて、ニーモニックが公開されていてプログラミングできたように思います(もしかしたら、また勘違いかもしれません)。そういう耳(目)で気づかなかったのですが、KraftwekのPocket Calculatorはもしかしたらfxがモチーフなのかなと感じました。
http://www.youtube.com/watch?v=gkItfibBUYw

#算数チャチャチャの映像になんとなく似ているような。
#すこし書きすぎてしまったようです。
返信する
Re: Nagzさんへ (とね)
2012-06-24 19:31:30
Nagzさんへ

僕は昭和37年の秋に生まれました。

タイガー計算器で偏微分方程式を解くなんて、恐ろしい挑戦ですね。(笑)それしか方法がなかったから仕方ないのでしょうけれど。。。

Kraftwekの動画を見せていただきました。今でもこういうテクノな音楽で集客できるものなのですね。
返信する

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