とね日記

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量子的世界像 101の新知識: ケネス・フォード

2018年03月02日 18時31分22秒 | 物理学、数学
量子的世界像 101の新知識: ケネス・フォード

内容紹介:
素粒子からブラックホールまで、奇妙で驚きに満ちた量子世界をひもとく画期的入門書。この1冊で現代物理学の本質がわかる!
事象は確率に支配され、複数の状態が重ね合わさり、粒子は生成と消滅を繰り返す―古典物理学の世界観を覆す奇妙で驚きに満ちた量子世界。その全体像を見事に描き出し、量子物理学の最前線へと誘う。
すべては確率に支配され、複数の状態が重ね合わさり、粒子は生成と消滅を繰り返す──古典物理学の世界観を覆す奇妙で驚きに満ちた量子世界。考え抜かれた101の項目でその全体像を見事に描き出し、量子物理学の最前線へと誘います。
”初めての人には「一冊読むならぜひこれを!」と、物理学者には「項目を見たら、きっと読みたくなりますよ」と申し上げたい”。(監訳者・青木薫氏による巻末解説より)
2014年3月刊行、424ページ。

著者について:
ケネス・フォード
1926年生まれ。理論物理学者。ジョン・ホイーラーのもとでPh.Dを取得。ブランダイス大学、カリフォルニア大学アーバイン校、マサチューセッツ大学などで学部長などを歴任。1987年から93年まで米国物理学協会会長を務めた。


理数系書籍のレビュー記事は本書で357冊目。

通っている歯科医院の先生からお借りしたものだ。(参考記事:「素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~:ジョン・ダービーシャー」)

いまいち納得できない解説があるので、ぜひ読んでから教えてほしいということなのだ。せっかくだから1冊まるごと読むことにした。

ブルーバックス本のなかで、本書はレベルが高いほうである。量子物理学というくくりで量子論、量子力学、素粒子物理学の想定問答集のような本。解説は文章が中心で図版はあまりない。420ページの本で101の質問に答えているのだから、質問1つあたり平均4ページを割いていることになる。

部の構成は次のとおり。それぞれの部にどのような質問がなされているかは、記事の末尾に記しておいた。

I 原子より小さい世界
II 原子核の奥へ
III 量子世界の距離、時間、速さ
IV 何が量子化されるのか
V 原子と原子核
VI 原子核のしくみ
VII 素粒子
VIII 素粒子の不思議なふるまい
IX 相互作用
X 量子世界の保存則
XI 波と粒子
XII 波と確率
XIII 量子物理学とテクノロジー
XIV さまざまなスケールでの量子物理学
XV 量子物理学に残された謎

読者の推奨レベルとしては大栗博司先生の「重力とは何か」や「強い力と弱い力」を読んだだけでは少し足りず、さらに南部陽一郎先生の「クォーク 第2版」を読み終えたあたりの方にちょうどよい。

また、大学レベルの量子力学や場の量子論、素粒子物理の入門的な教科書で勉強中の方が副読本としてお読みになるのにもぴったりしている。

各質問に対する回答は、かなり深く踏み込んでいるので「ああ、このように理解すればよいのか!」と感心することしきり。この分野の科学教養書を何冊も読んでいる人でも満足いただける本なのだ。たとえば軌道角運動やスピン角運動量の量子化が電子にどう適用されるか、電子の全角運動量の考え方、原子や原子核の中で素粒子の波動性はどのように考えればよいかなど、これまで量子力学や素粒子物理学の教科書でしか学べなかったことが詳しく解説されている。

特に電子の波動性を示したド・ブロイの式 λ=h/p の説明が素晴らしかった。「12歳の少年が書いた 量子力学の教科書: 近藤龍一」では「しかしながら、ここでE=mc^2を使って導出するのは間違いだ。光子の質量mは0だからこの式は使えない。正しい導出は次のページのようにして行なう。」と書いたが、本書では(質量のある)陽子を衝突させる加速器を引き合いにして、アインシュタインの式 E=mc^2 を使った説明をしている。

また原子核物理学に関する解説は、とてもためになった。原子核の中での陽子と中性子、電子の挙動を詳しく解説した教養書は初めてである。核分裂、核融合は特に詳しく解説されている。

V 原子と原子核
- 線スペクトルとは何ですか、そこから原子について何がわかりますか
- 元素の周期表はなぜ周期的になっているのですか
- 重い原子も軽い原子も、大きさがほぼ同じなのはなぜですか
- 原子核の内部で、陽子と中性子はどんな運動をしているのですか
- 原子番号、原子質量とは何ですか

VI 原子核のしくみ
- 周期表にはなぜ終わりがあるのですか
- 放射能とは何ですか
- なぜ中性子は原子核のなかだと安定しているのに、単独だと不安定なのですか
- 核分裂するとなぜエネルギーが放出されるのですか
- 核融合でもエネルギーが放出されないのはなぜですか

そして本書の監修者の青木薫さんが巻末にお書きになっているように、日々お世話になっている量子テクノロジーや、ミクロのスケールにとどまらず、日常のスケールや宇宙スケールであらわれる量子現象を取り上げ、最先端の話題と未来への展望を語っている。量子力学に関する本はけっこう読んでいるという人にも、このあたりの話は新鮮に感じられるのではないだろうか。というのも、一般向けの量子力学の本では、不確定性原理やシュレーディンガーの猫といった原理的な部分にフォーカスされることが多く、テクノロジーの話題にまで手が回らないということになりがちだからだ。


翻訳のもとになった原書はこれである。原書は2012年10月刊行なので「ヒッグス粒子発見」の後だ。日本語版は2014年3月に刊行された。

101 Quantum Questions: What You Need to Know About the World You Can't See」(Kindle版




著者のケネス・フォードは、本書の中にもたびたび登場する伝説の物理学者ジョン・ホイーラーのもとで博士号を取得した物理学者である。1987年から93年まで米国物理学協会の会長を務めた。退任後は高校の教壇にも積極的に立ち、近年はサイエンス・ライターとしても活躍している。

つまり、本書は教育をライフワークとして位置付ける著者が、長年にわたり大学生や高校生に教えるなかで培ったノウハウを惜しみなく投入し、ライターとしての経験を生かしてまとめあげた力作なのである。


歯科医の先生の質問について

歯科医の先生が腑に落ちなかった件だが、本書の368ページから始まる「プランク長さとは何ですか。量子の泡とは何ですか。」という93番目の質問について、次のようなことを僕に聞いてきた。

「プランク長さというのが自然界における空間の最小の長さだとしても、その半分の長さを考えることには意味があるのではないだろうか?でも、それがよくわからない。本書での説明はどこか逃げている、答をズバリ書いていない気がする。」

プランク長さは、光速cとニュートンの重力定数G、プランク定数hという自然界の3つの基礎的定数から計算でき、プランク長さはプランクによるアイデアだ。またこの他、次のような物理量が知られている。

上からプランク温度、プランク質量、プランク時間、プランク長さ、プランク・エネルギー、プランク密度


これらは物理定数を全て 1 にするような単位系にするために考えられたものだ。これに関しては広江克彦さんが「プランク単位系」というページでお書きになっている。つまり計算上の便法として導入されたのだ。だから、プランク長さに物理的意味があるかどうかとは別の話である。

「量子の泡」のアイデアを思い付いたのはジョン・ホイーラーである。ミクロの世界になればなるほど時空は泡立っているという時空概念だ。この「仮説」の根拠は、プランク長さや量子力学の不確定性原理である。本書ではプランク長さや量子の泡を紹介した後、次のようにしめくくっている。

「この信じがたいほど小さいプランク領域に、重要な新しい未来の物理が見つかるかもしれないのである。(とはいえもちろん、たくさんの新しい物理が原子核のスケールとプランクスケールのあいだでわたしたちを待っている可能性も十分にある。」


また自然のスケールの階層に関しては「大栗博司先生の超弦理論入門」でも取り上げられ、自然の階層には終わりがある、つまりこの世界にはそれ以上分割できない時間や空間があるかもしれないとお書きにになっている。(つまり仮説である。)




超弦理論は、プランク長さにコンパクト化された6次元の「カラビ-ヤウ空間(多様体)」の存在を予言する。このCGでコンパクト化されておらず、真っすぐに伸びる3つの空間次元は、なめらかにつながっている連続体のように見える。(想像図なのでCGをそのまま鵜呑みにしてよいのかどうかはわからないが。)



しかし、弦理論や超弦理論では弦を記述するための背景場に実数という連続量であらわされる座標が必要であることを強調しておきたい。

弦の数式(超弦理論)



もしプランク長さが空間の最小の長さだとしたら、どのようなことになるのか、簡単な例で説明してみよう。斜辺がプランク長さの直角二等辺三角形を考えてみる。



底辺や高さはプランク長さより短いはずだ。(高さ=斜辺/√2)つまり、直角二等辺三角形は存在できない。これを突き詰めれば、私たちが慣れ親しんでいるユークリッド幾何学が成り立たず、三平方の定理も使えないから「距離」が定義できなくなってしまうのだ。

一般相対性理論でも量子の泡による効果でもよいのだが、極端に曲がったとしても空間がなめらかである限り、状況は同じである。この画像では渦巻き型に変形させてみた。スマートホンの方は画像をクリックし「元のサイズで見る」とアニメーションで見ることができる。



つまり最小の長さが存在すると、これまでの幾何学とは全く異なる新しい幾何学が必要になるのである。


さて、時空はなめらかに連続しているのではなく不連続、離散的だと考えるのはどうだろうか?「時空の量子化」のことだ。この仮説もプランク長さや量子力学の不確定性原理に基づいている。

時空の量子化は半世紀以上前のハートランド・スナイダーに始まるが、 最近は非可換幾何学の流行により、 量子時空が多くの研究者の興味を惹いている。「アラン・コンヌの非可換幾何学」もその例である。

ループ量子重力理論」も離散化した量子時空をベースにした理論だ。僕がこれまでに読んだのは「ループ量子重力入門:竹内薫」と「明解量子重力理論入門:吉田伸夫」の2冊。超弦理論も量子重力理論のうちのひとつである。次は「初級講座 ループ量子重力:R.ガムビーニ/J.プリン著、樺沢宇紀訳」を読みたい。




また、大栗博司先生は時空の不連続性とは別の視点から「量子もつれが時空を形成する仕組みを解明~重力を含む究極の統一理論への新しい視点~」という発表をされている。

時空の離散化、量子化に関しては、次の資料をお読みになるとよいだろう。

一般相対論と量子論を繋ぐ、量子幾何学とは?
https://blog.goo.ne.jp/sonokininatte55/e/1a172a06b2d2fb2a6e5b489049c12546

山口哲先生のページ
http://www-het.phys.sci.osaka-u.ac.jp/~yamaguch/j/research.html

量子優先の原理と時空構造(京都大学、中西穰先生、2006年)
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1524-7.pdf

時空の原子を追うループ量子重力理論(日経サイエンス)
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0404/loop.html


いずれにせよ量子時空やプランク長さは、あまりにも小さく、物理的に意味があるかどうかは、仮説の段階であり、物理的に測定できるものではない。測定できないから物理的な意味がないとまでは言わないが、プランク長さをもとにした議論をするのは注意が必要だ。

プランク長さについて、広江克彦さんは「プランク単位系」というページの「伝言ゲーム」という箇所で、次のようにお書きになっている。このページをお読みになるのがいちばんよさそうだ。

「プランク長さが我々の手に届くどんな物理現象とも掛け離れた極微のスケールなので、誰もまだ検証しようもないし、神秘性を帯びてしまって、話にどんどん尾ひれが付いてゆく。」

そして次のこともお書きになっている。

「絶対にそんな大それた物理的意味を持たないというわけでもない。超弦理論や各種の量子重力理論は今まさにこのスケールで起きる現象について熱心に探っているところであり、それらの理論とプランク長さの関係が出てきたりもしている。」

「現在模索中の最先端の理論にはプランク長さより小さな値が出てくることもあり、おそらくプランク長さがこの宇宙の長さの下限だという共通認識は科学者の中にはないだろうと思う。」


プランク長さの物理的意味を問うことに意味がないのであれば、歯科医の先生が考えた「プランク長さの半分」は、なおさら慎重に考えるべきである。物理的な意味はもしかするとあるのかもしれないし、将来その意味が確認されるかもしれないが、今のところいくつかある仮説のうちのひとつである。


プランク長さは測定できないが、プランク定数の値であれば光速cと万有引力定数Gとプランク定数hから計算できるほか、実験して求めることができる。これがその実験器。Amazonでは何でも売っている。

プランク定数hの値を測定することで、量子的世界が確かに存在することをマクロな世界で直接感じることができる。プランク定数マニアの方は、こちらからお買い求めいただきたい。価格は26万7,840円である。

プランク定数 実験器 U10700-115



この製品と実験方法の詳細は、次のページでお読みいただける。

プランク定数:阻止電圧法を使って,プランク定数の値を求める
https://www.3bs.jp/physics/experiment/atom-expt/ue5010200.htm


関連ページ:

プランク定数の測定(滋賀総合教育センター)
http://www.shiga-ec.ed.jp/www/contents/1440578636412/files/kiki_phys_10.pdf

プランク定数の測定(津山工業高等専門学校)
http://www.tsuyama-ct.ac.jp/ippan/H21_hokoku/H21_sato1.pdf

LEDを用いたプランク定数の測定実験の試行
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pesj/57/4/57_KJ00005929327/_article/-char/ja/


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翌日に追記:

コメント欄を通じてオライトイラオ様からご質問いただいたが、量子の非局所性は2015年3月に東大の古澤明教授により検証が成功したそうである。本書刊行後のことだ。これによりEPRパラドックスの謎は謎でなくなり、古澤教授が発表した新方式の量子コンピュータ、量子暗号の実現へ向けて研究がさらに一歩進んだことになる。

量子の非局所性の厳密検証に成功――新方式の量子コンピュータにも道
http://eetimes.jp/ee/articles/1503/24/news125.html

量子の非局所性を厳密に検証 - 東京大学工学部
~新方式の量子暗号・量子コンピューターの実現へ~
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/shared/press//data/20150401_furusawa.pdf

古澤教授の検証はアインシュタインが思考実験したのと同じく光子のペアを用いたものだが、陽子のペアを用いたEPRパラドックス(量子の非局所性)の検証は2008年に成功している。

陽子対スピン相関測定によるEPRパラドックスの検証(東京大学原子核実験グループ)
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/sakai_g/epr/


あと、光子どうしの絡み合いに関連して、昨日このニュースが発表された。

光子-光子相互作用による新しい光の形態を創出 - MITとハーバード大
https://news.mynavi.jp/article/20180302-592852/

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量子的世界像 101の新知識: ケネス・フォード



はじめに 量子世界のものの見方

I 原子より小さい世界
- そもそも量子とは何ですか
- 量子物理学の法則はどこで成り立つのですか
- 対応原理とは何ですか
- 原子はどれくらいの大きさですか
- 原子の内部はどうなっているのですか
- 原子の内部はほとんど空っぽの空間なのに、なぜ物質は固いのですか
- 電子の大きさはどれくらいで、内部はどうなっているのですか

II 原子核の奥へ
- 原子核の大きさはどれくらいで、内部はどうなっているのですか
- 陽子と中性子の大きさはどれくらいで、内部はどうなっているのですか
- プランク定数とは何ですか
- 光子とは何ですか
- 光電効果とは何ですか
- 基本粒子、複合粒子とは何ですか
- 標準模型とは何ですか

III 量子世界の距離、時間、速さ
- 量子的な距離スケールとはどういうものですか
- こんなに違う、4つの力が及ぶ範囲
- 粒子はどれくらいの速さで動きますか
- 量子的な時間スケールとはどういうものですか
- E=mc^2とは何をあらわしているのですか
- 電荷とは何ですか
- スピンとは何ですか

IV 何が量子化されるのか
- 物理量が量子化されるとはどういうことですか
- 運動状態とは何ですか
- 励起した原子は同じ原子が別の状態にあるだけですか、それとも別の原子になったのですか
- 量子数とは何ですか
- 量子飛躍とは何ですか
- 確率は量子物理学においてどいう役割を果たしているのですか
- 量子世界において何か確実なことはあるのですか

V 原子と原子核
- 線スペクトルとは何ですか、そこから原子について何がわかりますか
- 元素の周期表はなぜ周期的になっているのですか
- 重い原子も軽い原子も、大きさがほぼ同じなのはなぜですか
- 原子核の内部で、陽子と中性子はどんな運動をしているのですか
- 原子番号、原子質量とは何ですか

VI 原子核のしくみ
- 周期表にはなぜ終わりがあるのですか
- 放射能とは何ですか
- なぜ中性子は原子核のなかだと安定しているのに、単独だと不安定なのですか
- 核分裂するとなぜエネルギーが放出されるのですか
- 核融合でもエネルギーが放出されないのはなぜですか

VII 素粒子
- レプトンとは何ですか。そのフレーバーとは何ですか
- ニュートリノにもいくつかの種類があるのですか
- ニュートリノには質量があるのですか。ニュートリノ振動とは何ですか
- 素粒子にはなぜ3世代しかないのですか
- 電子はどれも同じだとどうしてわかるのですか

VIII 素粒子の不思議なふるまい
- 素粒子はどのように種類分けされているのですか
- クォークの特徴は何ですか。なぜ単独で見つからないのですか
- 複合粒子は何種類あるのですか
- すべての粒子はフェルミ粒子かボース粒子なのですか。この2種類はどう違うのですか
- ボース-アインシュタイン凝縮とは何ですか
- ボース粒子、フェルミ粒子はなぜそのように命名されたのですか

IX 相互作用
- ファインマン図とは何ですか
- ファインマン図の重要な特徴は何ですか
- ファインマン図は、強い力、弱い力、電磁力の相互作用をどのように図式化していますか
- 粒子が崩壊するとはどういうことですか
- 散乱とは何ですか
- 散乱や崩壊の前後で保存されるのは何ですか
- 散乱や崩壊で変わるものは何ですか

X 量子世界の保存則
- 量子世界でも大きなスケールでも成り立つ四大保存則
- 量子世界だけで成り立つ絶対的な保存則はありますか
- TCP定理とは何ですか
- 部分的にしか成り立たない保存則とは何ですか
- 部分的にしか成り立たない対称性の原理とは何ですか
- 法則を破らなければ、どんなことでも起こりうるのですか
- 対称性と不変性と保存の概念はどう関係するのですか

XI 波と粒子
- 波と粒子はどこが同じで、どこが違うのですか
- ド・ブロイの式とは何ですか
- 波は量子の塊とどう関係しているのですか
- 電子の波動性と原子の大きさはどう関係しているのですか
- 回折、干渉とは何ですか
- 二重スリット実験とは何ですか
- トンネル効果とは何ですか

XII 波と確率
- 波動関数とシュレーディンガー方程式
- 波と確率にはどのような関係があるのですか
- 粒子はなぜ1ヵ所にじっとしていることができないのですか
- 不確定性原理とは何ですか
- 不確定性原理と物質の波動性
- 重ね合わせとは何ですか
- 量子世界を理解するのに波は絶対に必要ですか

XIII 量子物理学とテクノロジー
- どうやって粒子を光速近くまで加速するのですか
- どうやって高エネルギー粒子を検出するのですか
- レーザーとはどのようなしくみですか
- 電子は金属のなかでどのようにふるまうのですか
- 半導体とは何ですか
- pn接合とは何ですか。なぜそれがダイオードなのですか
- ダイオードにはどういう用途があるのですか
- トランジスタとは何ですか

XIV さまざまなスケールでの量子物理学
- 蒸発するブラックホール
- 太陽の中心部で量子物理学はどのように働いているのですか
- 超伝導とは何ですか
- 超流動とは何ですか
- ジョセフソン接合とは何ですか
- 量子ドットとは何ですか
- クォーク・グルーオンプラズマとは何ですか
- プランク長さとは何ですか。量子の泡とは何ですか

XV 量子物理学に残された謎
- 無次元数137
- エンタングルメント(量子もつれ)とは何ですか
- ヒッグス粒子はなぜ重要なのですか
- 弦理論とは何ですか
- 観測問題とは何ですか
- どうして量子なのですか

表A.1 レプトン
表A.2 クォーク
表A.3 力の粒子
表A.4 おもな複合粒子
表B.1 乗数(ヘクト、キロ、メガ、ギガ、...)
表B.2 おもな大きさ(物理量)

人名さくいん
事項さくいん

監修者解説(青木薫)
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8 コメント

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Unknown (オライトイラオ)
2018-03-03 06:18:32
ブルーバックスは手ごろで読みやすくて良いですね。

ところで、量子の非局所性という不思議な現象がありますが、これは定説と考えてよいのでしょうか?
返信する
オライトイラオ様へ (とね)
2018-03-03 07:06:45
オライトイラオ様

コメントありがとうございます。僕もブルーバックスは気に入っています。

量子の非局所性についてですが、本書刊行後の2015年に東大の古澤明教授によって検証がされたそうです。異論のある科学者が一部いるかもしれませんが、定説になったと言ってよいでしょう。これにより古澤教授が発表した新方式の量子コンピュータ、量子暗号の実現へ向けて研究がさらに一歩進んだことになりますね。ブログ記事本文にも追記しておきました。

量子の非局所性の厳密検証に成功――新方式の量子コンピュータにも道
http://eetimes.jp/ee/articles/1503/24/news125.html

量子の非局所性を厳密に検証 - 東京大学工学部
~新方式の量子暗号・量子コンピューターの実現へ~
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/shared/press//data/20150401_furusawa.pdf
返信する
非局所性 (hirota)
2018-03-03 13:16:32
昔は因果律がどうとか言ってたような気がするが、今は非局所性と言ってるんですね。
位置の不確定性と紛らわしいなー。
エンタングルは使わないのかな?
「もつれ」と言われてもワケ分かんないとは思うけど。
返信する
Re: 非局所性 (とね)
2018-03-03 13:57:10
hirotaさんへ
コメントありがとうございます。
学問的には非局所性という言葉を使うのでしょうね。そしてこのほうが局所性との対比が明確になりますし。

「もつれ」のほうは英語だとEntanglementひとつですみますが、日本語だと訳語がばらばらで困りますね。思いつくのだけあげると次のものがあります。

- エンタングルメント、エンタングル
- もつれ、もつれあい
- 絡み合い、からみあい

光子どうしのエンタングルに関して、昨日このニュースが発表されましたね。

光子-光子相互作用による新しい光の形態を創出 - MITとハーバード大
https://news.mynavi.jp/article/20180302-592852/
返信する
Unknown (ひゃま)
2018-03-03 18:34:43
光子-光子相互作用による新しい光の形態を創出 - MITとハーバード大

はおもしろいですね、最新のトレンドはとね日記をみろって、書籍ペースだけでなく主要物理学ニュースもどんどんやってほしいです。

>だから、プランク長さに物理的意味があるかどうかとは別の話である。

そうですね、プランク定数はヒッグス場みたいなもので、むしろビッグGは、陽子と原子(電子複合)の表面積比、つまり構造定数、2GM/rの2が重力定数だってひゃま理論でやってますw
返信する
ひゃまさんへ (とね)
2018-03-03 19:54:05
コメントありがとうございます。

今回は書籍のテーマとニュースのテーマが重なってタイミングがよかったです。

物理学の基礎原理に関するニュースは、もれなくブログに記事を書くよう心掛けていますが、そうでない場合は追い切れていません。物性物理、半導体、宇宙関連のニュースが多いですが、たいてい僕の理解レベルを超えていて、コピペ記事になってしまいがちだというのも、物理ニュースの記事が少ない理由です。

直近で書いた物理学の基礎原理に関する記事で思い当るのはこれですね。

自然法則: 量子力学による古典物理学の謎の解明
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a1e326855ceb0a640f75c08d2c0fb423

あと、記事にしていないものではこういうニュースがありました。

量子コンピュータの新たな設計指針(東京理科大)
~カムチャッカ半島産の鉱物の中に量子ビットを発見~
http://www.tus.ac.jp/ura/pressrelease/pdf/180214.pdf
返信する
Unknown (オライトイラオ)
2018-03-05 17:22:13
とね様、質問にお答えくださり、ありがとうございました。

弊方コメントに関連したコメントがありましたが、それもまた勉強になりました。 
返信する
オライトイラオ様 (とね)
2018-03-05 18:13:12
オライトイラオ様
どういたしまして!
返信する

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