夕方 まあくんの担任の先生から 一本の電話が入った
お手紙など色々お渡ししたいものもあるので
御自宅に伺ってもいいでしょうかとの事・・・
突然の家庭訪問?!
3年生の時から まあくんの担任となった先生が
自宅まで足を運んで下さるのは 初めてのことだった
4年生になって まあくんが登校したのは 4日位だったかな
それきり もう行っていなかった
間もなく 先生が来られた
ママは 玄関先で学校のお手紙などを受け取り
簡単に会話を済ませて お礼を言い
先生も では失礼します という感じで 最後にまあくんに話しかけた
先生 「じゃあ まあくん また学校来てね
先生 まあくんが また来てくれるの 待ってるから
クラスのみんなも待ってるからね」
そう言われたまあくんは ちょっと 不愉快なエネルギーになっていた
まあくん 「・・・先生 ぼく ぶっちゃけ 言ってもいいですか?」
ママ (うっ・・・はじまっちゃう)
先生 「うん 何?」
まあくん 「先生は どうして僕が学校に行きたくないって言っているのか
わかりますか?」
先生 「ん~・・・先生 正直 良くわからないよ」
ママ (ガクっ 先生・・・お願いしますよォ
何度説明しても 決して理解しようとしないことに
まあくんは腹を立てているんですからぁ)
まあくん 「僕は 授業でも なんでも
決められているっていうのが嫌なんです
先生は僕がそう言っていることを どう思っているんですか?」
まあくんの 先生に対しての質問が立て続けに始まってしまった
先生は いつものように まあくんに対する説得が始まって
まあくんは 自分の気持ちを先生にぶつけて
しまいに 玄関に座って二人で教育談義バトル?!がはじまってしまった
ママ(あ~あ もう めんどくさいことになってきちゃったよォ
どうすんのよ この空気)
ここで ママが口を挟んだら またまあくん
「先生はママの話は理解するけど ぼくの話は理解してくれない」って
落ち込んじゃうしなぁ でも こんな玄関先で やっぱり失礼だよなぁ
ママはちょっと仕方なく・・・「まあくん 先生に上がって頂いたら?」
と声をかけた
リビングに二人が移動して ママはお茶を入れてあげて・・・
再びバトル再開?!
まあくん
「確かに 学校は楽しいところもいっぱいあるとおもうんです
でも僕はもっと ひとりひとりが自分の学びたいやり方でいいと思うんです
先生はどう思いますか
毎日学校に行かなきゃいけないって どう思いますか
イジメってどう思いますか? どうしてイジメが起こると思いますか
ぼくは こう思います・・・
先生 挨拶って みんなが気持ちよく出来るようになるためには
どうすればいいと思いますか
4年生になって 学校にちょっとだけ行ってみたけど
ぼくは みんなが先生の話をちゃんと聞いてないなぁって思ったんです
先生も みんなが話を聞いていないのに 聞く態度が出来ていないのに
注意していないような気がしたんです
先生は傾聴ってどう思いますか
僕も 自分は100%出来ているとは思わないけど
先生は自分は傾聴って出来ていると思いますか
みんなは傾聴が出来ていると思いますか
ぼくは勉強も大切かもしれないけど 傾聴の大切さ
そういうことこそ 授業でやって欲しいって思うんですけど
先生はどう思いますか
授業って みんなが同じように進んでいかないとダメですか
例えば 算数で1を教わって 次の時間2を教わって
生徒の中には 1をまだ理解していない人もいますよね
でも 次の時間に3と4をやったら
まだ理解していない人は1も2も3も4もやらないといけないですよね
でもぼくは 勉強ってマイペースでいいと思うんです
理解していない人は また1と2をやって
それぞれのペースで楽しみながら進めばいいと思うんです
マイペースってダメですか?
ぼくは 今 そういう学校になって欲しいというより
そういう学校を作りたいんです」
あ~今 思い出しても 次から次へと想いのたけを
先生に必死に ぶつけていた まあくん
まだまだ 書ききれない・・・
これだけ 9才の少年に 今の教育に対して感じている違和感
どうにかしたいという気持ちがたくさん つまっていて
必死に正直に自分の気持ちを大人に言えるって
それだけでも すごいなぁ ママには出来ないよ
いつも 思うのだけれど
ここで 先生が 少しでもいいから 共感してくれたり
気持ちを受け止めてくれれば いいんじゃないかと思うんですが
ダメですかねェ~先生
若い 男性教師は・・・は~あ
ひとつ ひとつ まあくんの言葉に反論・・・じゃないにしても
「みんなで一つのことを 一緒に学ぶことも大切なんだ
遅れる子が出ないように 色々授業を工夫しているんだよ
みんなが勝手に好きなことをバラバラに勉強していくのは無理がある
授業は決められたことばかりしているわけじゃないぞ
みんなそれぞれやりたいことを提案して話し合って形にしていく
そういうこともやっているんだよ
みんな話を聞いていないように見えても
ちょっとダレることは あるけど 普段はみんなはちゃんと先生の話を聞いてるぞ」
まあ・・・正論 先生も頑張っておられて
学校も色々工夫して取り組んでいることを 必死にまあくんに説明していた
とにかく 両者 まったく 譲らない議論?!が
ざっと2時間は続いただろうか
ど~したもんでしょう??? ただただ平行線
は~あぁ・・・・
結論から言うと 先生は
「まあくんは学校で辛い思いをしているわけじゃないよね
友達と嫌なことがあったわけでもない
授業が決められているのが嫌かもしれないけど
学活くらいしか授業を受けたわけじゃないから
実際には 体験してないよね 先生はもう一度体験したらどうかと思うんだよ
まあくんが言うほど嫌じゃないかもしれないし
受けてみたら 楽しいかもしれないでしょ
勉強がわからなくて嫌だったら 先生がわかるように工夫するよ
だから とにかく学校に来てほしい」
まあくんは だんだん 意気消沈してきて
口数が少なくなり しまいに貝のように口を閉ざしてしまった
最後にポツリと 「それでも ぼくは行きたくないんです」
もう 涙目・・・
先生 「それでも 先生は まあくんに学校に来てほしい」
平行線・・・・
ママも それは何度かまあくんに提案してみたことはあった
“何事も体験だから 今の4年生の授業を体験しておいでよ”って
でもまあくんが 決して頷いてはくれなくて
「もう・・・ あの 教室の空気がダメ
先生の気が・・・
もう とにかく俺の言うことが絶対正しいからみんなよく聞けみたいな気で」
と ママには言っていた
そうこうするうち パパが帰宅
最後に先生が まあくんが学校で一番やりたいことは何?という話になり
「サッカーの試合 野球の試合 かけっこ をクラスのみんなでしたい」
とまあくんが話して
(以前 同じことを先生に言ったときは 先生に“それは無理”とまあくんは言われた)
その提案を先生が受けると言ってくださり
来週の月曜日の体育の授業は それをみんなでする時間にするから
来てほしいと言われ まあくんはそれを承諾した
長い 話し合いはこうして終わり
暗くなった中 先生は帰られた
パパ 「でも先生 最後に言ってたじゃん
“先生も学校行きたくないときあるんだから
まあくんも来なよ
本当はどうすればいいのか先生もわからないよ”って
あれが最後に出た先生の本音だよ
先生だって どうしたらいいか教えて欲しいって思って
助けを求めてここ来たんだよ
だからそんな先生の気持ちをわかってあげようね」
まあくんは それからしばらくして・・・
滝のように涙を流して 号泣
大きな声をあげて いつまでも いつまでも 泣き続けた
どんな感情があがったの?
つづく・・・・
(長くてすみません かっくん1日の夜にやっと熱が下がり
でも下がったばかりなので2日は学校をお休み)