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09-020 : 新劇場開演 【08個別評価・荻野0】

2009年01月22日 23時00分00秒 | 08総評




本当は、代田の次に記事をアップしようとして途中まで書いていたんですが、なぜか正式交渉がないままプロ2年目から契約更改が越年となった選手について書きたいと思います。
その選手とは、2007年のセットアッパーから2008年はクローザーを任されることとなった荻野忠寛0です。


 サンケイスポーツ




2008年シーズンの投手陣崩壊をどうしても「YFK不在の影響」と書き立てたいスポーツ紙や野球評論家の間では、荻野は開幕戦からクローザーとして固定されていたわけではない、と言われていますが、実際には2試合目の登板(3月26日、チームとしては6試合目)からすでに抑えの位置を任されセーブポイントを挙げています。
その後の起用方法をみても、オープン戦が終了する段階でボビーは荻野をクローザーとして起用する、と決めていたのではないかと思うんですけどね。 まあ、それでも、開幕当初は荻野1人だけをクローザーとするつもりはなかったんでしょうけど。 アブレイユとかと併用とかを考えていたんでしょう。
実際に、4月8日・西武ドームでGG佐藤から逆転サヨナラ2ランホームランを打たれるまで、6試合連続で無失点に抑えていたのですから、ボビーの抜擢に十分応えていたことがわかります。


しかし、コバマサ劇場に見慣れたマリーンズファンの眼でさえも、荻野はちょっと不安定さがあったのでは?とか、クローザーとしての適性がないよとか、そんな意見がものすごく多かった。 私もやはり荻野はクローザータイプではないよなぁ、とは思いましたし。 でも、実際に他には誰か適性があった投手がいたか、と言われたら、いま一つ名前が出てきませんでした。 消去法かもしれませんが、結果、正解だったんでしょうね。

投球パターンとしては、クローザーの位置となった2008年シーズンは直球で押すことが多かったように思います。
前年、大きな落差のあるカーブが非常に打者に対して有効だったことを考えると、どうしてあのカーブを投げないのか?と思うこともしばしば。 もちろん、前年通用したからといって次の年も通用するとは限りませんけどね。 荻野本人も、里崎や橋本の捕手達にも思うところが多々あったのだと思いますけど、なんか得意な球を減らし、力の入る直球をベースにしたことにより、その反動で制球力が低下してしまったんじゃないかなぁ、という気がしてならなかったです。


私自身はオフシーズンの選手イベント(トークショーとか)に参加する性質ではないのですが、それでもたまに目を通す雑誌だったり、JCN千葉で制作している「ロッテレビ」を観たりすると、トークショーの様子を流してくれたりしてくれます。
荻野は、どこでもすぐに寝るし、試合中にブルペン待機していても特に緊張感を高めるわけでもなく、マウンドに上がって初めて集中を高める、と話していました。 クローザー適性が高いと(私含め)マリーンズファンから多く言われている久保は、ブルペンで試合状況を観ながら状況に応じて集中力を高めていく、みたいな話をしていました。 この話を聞いて、非常に対称的な集中の仕方だなぁ、と思うと同時に、なぜ荻野がクローザーとして抜擢されたのか、という意味合いが非常によくわかりましたよ。 

「切り替えをいかに短時間でできるか」 そして、「(良い意味で)にぶい性格であるか」じゃないですかね、正確的側面におけるクローザー適性要件は。

試合で自らの投球により逆転負けを喰らってしまっても、次やりかえせばいいや、くらいの気持ちの切り替えと、周りが騒ごうが何を言おうが、自分の役割を次ちゃんとやればいいでしょ、くらいの鈍い感覚。 
場合によっては毎日毎日登板する可能性があるのですから、いちいち暗い気持ちをひきずっていてもいけないし、必要以上に集中し過ぎていても無駄な体力・精神力を消耗させるだけですからね。


ストレートや高速スライダー・フォークなどを中心にいつでも三振が獲れる投手、という、恐らく多くの人が頭に描いているクローザー像を覆した荻野。
投手の補強は新入団選手以外一切していませんから、2009年も恐らくクローザーの位置で投げることになるかと思います。 今年はマリーンズのクローザー伝統の(?)「劇場」を封印していただき、本当に日本プロ野球界にかつてないような新機軸のクローザーとしての活躍を期待したいです。








さて、ここからはいつものように表やグラフなどデータを踏まえながら、荻野の2008年シーズンをみていきましょうか。



表1) 07年・08年比較




荻野が去年と比べて不安定さを感じた一番の要因は、与四球の多さ(13→20)でしょう。 被安打も増えています(43→51)。
防御率はあまり変わっていませんし、クローザーになったことによるのか奪三振数は増えているくらいです。 なのに、どうして?という部分が数値で明らかになってしまいました。

私としては、荻野が出てくると「カウント0-2からスタートだな」という気分でいました。 それだけ制球が定まっていない印象が非常に強かった。 
その上で、4者凡退どころか5者凡退もデフォルト設定されている「荻野劇場」。
荻野は58試合に登板しましたが、被安打0・与四死球0のパーフェクトリリーフをしたのはわずか23試合(39.7%)だけなのですよ。 3試合に2試合はランナーを出す、ってことです。 それも58試合を前半・後半で2分割してみると、前半は29試合中14試合と約半分はきっちり締めていたというのに、後半はわずか9試合だけだったのです。 それも9試合のうちの6試合は、最後に9試合連続無失点で終えている中で抑えたもの。 その前20試合では3試合しかなかった、ってことですからね。 
見事なくらいな「劇場」体質を身につけてくれました。




表2) 左右打者別




表2)を見ると、荻野がいかに左打者に強く右打者に弱いのか、ということがはっきりと見て取れます。
荻野は、左右の打者ほぼ関係なく起用されていることがわかります。 しかし、与四球とか奪三振数はほぼ一緒なのに、被安打数は圧倒的に右打者の方が多い。 去年のデータは取っていないので、もし知っている方がいらっしゃいましたら、教えてくださいませ♪
いずれにしても、どちらかと言えば左打者の方が強打者が多い時代にも関わらず、なぜ右打者が抑えられないのか、という点は、来季の課題になるのかもしれませんね。




表3)対戦チーム別




比較的どの球団に対しても適度に抑え、適度に打たれているって感じの数値ですね。 一応、対戦防御率でみると対ファイターズは0.00ですが失点は2ありますので、他と大差ないですね。 
でも苦手なチームはどこか、と言われれば、やはり対戦防御率が他チームより1点高いGイーグルスと与四死球と被安打が多いバファローズでしょうか。 共通して言えるのは、両チームとも強打の外国人選手がいる、という点でしょうか。 先週別の対戦成績まで調べてはいないので、どのように影響しているか、までははっきいりわかりませんが。 
バファローズとの対戦という意味で言えば、9月10日の自爆がものすごいインパクトありました。 2位通過だってまだ可能性はゼロではない、というところでバファローズに3連敗したのだけど、この日は2点リードしての登板でしたから。。。 この日だけで3与四球3自責点。 この日を除けば1失点(自責点0)なんですけどね、バファローズに対しては。。。 




表4)防御率推移グラフ





「YFKうんぬん、抑え不在」なんてことを思いっきり言われていましたけど、こうして登板した流れでみてみると、荻野は最初からしっかりと役割を果たせていたことがわかります。
決して「シーズン当初、抑えが固定できず不安定だった」という評論家の論調は全く的を得ていない、ということがわかります。 5月に2登板連続で失敗していますが、そもそも1週間も登板間隔が空くようなチーム状態でしたし、その後も連続無失点が続いていたのですからね。

どちらかといえば、6月中旬から9月中旬にかけてのおよそ3ヵ月間、チーム状態が上がってきた時の方が荻野は不安定だったことがわかります。
逆転はされないものの、3~5試合毎に失点を繰り返していたわけですからね。 どこかの元祖・劇場王さながらです。 観ている方に対して、冷や冷やしながら真夏の劇場を堪能させてくれたわけですよ、これが。 表3)のところで書いた9月10日の大炎上以降、シーズン終了まで1失点も許さなかった、というのも、素晴らしいんだか帳尻戦士そのものというのか。。。






2009年シーズンも、恐らく怪我や故障がなければクローザーの位置で起用されるのかと思います。
失敗とかを気にしないような図太い(鈍い)性格といえば、伊藤30もそうです。 荻野と伊藤で、思う存分競っていただき、懐かしのダブルストッパーでも気づいてくれると面白いかもしれませんね。 若い投手達ですから、将来的にも楽しみが増えますし。

どちらにせよ、劇場、は引き継がないがないでほしいですけどね。










 0 荻野 忠寛  (10/10-1 : 【超!上から目線企画】 08投手陣査定
  【私的評価 Ⅰ】
  【年俸査定】 6,500 (2008予想) ← 3,500 ← 1,200
  (08) 58試合 5勝 5敗 30S 防御率2.45 ← (07) 58試合 1勝 3敗 1S 防御率2.21


  【実際の査定(推定年俸)】
    6,000万円(2,500万円UP) 
    
  【09年の期待数値】
    50試合(50投球回) 3勝2敗(10HP)30S 防御率2.00 与四死球15以内
    三者凡退率50%以上♪ 被安打÷投球回数=0.75以内 (劇場は引き継がなくて良いよ~)






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6 コメント

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荻野で負けたらしかたない (N.S.ボウラー)
2009-01-23 02:30:22
コヤマリンさん、もう09年ですよ。
「昨年と今年」は、「一昨年と昨年」にね。

さて、荻野ですが、
現有戦力では、今年も荻野がクローザーにいちばんふさわしいでしょうね。
従来のクローザーのイメージからすれば、相手に与える威圧感や迫力の点で不安感があるかもしれないですが、結果的に抑えに成功すればいいんです。
なにしろ、彼はハートがいい!
コバマサの「打たれても知らんもんね。打たれたら、オレを起用したほうが悪いんだ」という無責任な開き直りのハートの強さよりも、
打たれたときに見せる荻野の悔しそうな顔つきのほうが好き。「次は頑張れ!」と応援したくなるってもんです
返信する
RE: N.S.ボウラーさん (コヤマリン)
2009-01-23 07:43:20
おはようございます。コメントありがとうございます!&誤記の指摘ありがとうございます。

去年11月には七割くらい書いてあって、すっかり書き終えていたところを見直ししてませんでした・・・・・・あきませんな。。。


荻野のハートの強さ&鈍さは素晴らしいですよね。
確かに、コバマサのようなふてぶてしさとは違うけど、引きずらないって点では文句なし!故障だけは気をつけて長年活躍してもらいたいものです。
返信する
意外と... (T.T)
2009-01-23 17:05:23
荻野は連続無失点の試合が多かったのですね!
分かりやすいグラフで始めて気が付きました
(^^;)

時に荻野のカーブはドロップカーブなのでしょうかね?
そこら辺を極めると、もしやするとクローザーの新たな道を開くかもしれません♪

重圧かかりますが、頑張ってほしいですね。


では、また。
返信する
Re: T.Tさん (コヤマリン)
2009-01-23 21:20:04
こんばんは。コメントありがとうございます。

案外無失点していたんですよ、荻野。
まあ、クローザーとして失敗5回(5敗)が良いかというと微妙っていえば微妙ですけど。

でも結構おもしろいタイプだということがわかりましたから、来年も期待ですね!
返信する
長文お許しを (マッサン)
2009-01-23 22:52:52
コヤマリンさん、こんばんは
今回は、個人的にマリーンズの投手の中で一番好きな
荻野投手、これはコメントしなくては
もっとも好きな理由が30セーブをしたのに抑えは
(主に敗戦処理だった)伊藤投手の方がいいとか
30セーブの投手と敗戦処理を比べている現実
そう言う論調が気に入らない、性格悪い人間なので
荻野投手の(劇場体質の)投球の中身を見れば言われても仕方ないとも理解していますが
左打者の方がおさえているのは、荻野投手のカット気味に食い込んでくるボールが打ちづらいからかな?
カーブをあまり投げなかった理由は分かりませんが
30セーブをしたと言う結果を残した事実を踏まえれば、それはそれで正解だったのかなぁと
ちなみに僕は久保投手の抑えは反対派だったので
久保投手がリリーフに回ったときは抑えに
なっちゃうのかと心配しました。
性格的に向いていないと思っていたので
(この発言で多くのマリーンズファンを敵に回す)
とにかく荻野投手には09年もクローザーとして
期待してますよ!
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Re: マッサンさん (コヤマリン)
2009-01-24 12:22:20
こんばんは。コメントありがとうございます。

あはは。すいません。最後に伊藤と比較(競ってほしい)してしまいました。
1年目からきつい位置でずっとやってきた荻野と、基本的には敗戦処理側ばかりだった伊藤では、確かに「比べてくれるな!」という気持ちはわかりますよ。
川崎と荻野を比べても性格的には荻野の方が引きずらないタイプのようなので、やはりいま一番適任なのは荻野なんでしょうね♪
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