亡くなったペットの身体をお清めすることをエンゼルケアという。
動物病院の先生は、電話でコタロウのことを相談させていただいたときに、
お家で看取りをしても、病院でエンゼルケアできるから連れてきてもいいですよ
と言ってくださっていて、私はお願いしようかなと思っていた。
一方で、自分でもできるかなと、コタロウが寝ている時にエンゼルケアについて
調べていた。
目を閉じてあげて、足を身体に寄せるようにしてあげる。
口や鼻やお尻に詰め物をしてあげる。
身体をきれいに拭いてあげる。簡単にいうとそんなところだった。
お家で看取りができたなら、それからエンゼルケアのためだけにコタロウを病院に
連れていくのはなぁ・・・ 私がしてあげる方がいいよね、と気持ちが変わっていった。
コタロウが命いっぱい生ききって、身体から離れた時。
外は雨で、これは「ママがエンゼルケアしてね」っていうことなのね、と思った。
私はすぐにコタロウのエンゼルケアにとりかかった。
寝たきりになった2日でお腹の周りがチッコでだいぶ汚れてしまっていた。
最後までトイレでチッコしてたコタロウは、
寝たままチッコしなくちゃいけなくなって本当にすごく嫌だったろうなと思ったから、
とにかくこれを絶対にきれいにしてあげようと思っていた。
コタロウにも、必ずきれいにしてあげるからねって話しかけて約束してたしね。
鼻血が出るから触れなくなっていた口の中。
歯磨き嫌いだったけど、もうイヤイヤしないから久々に歯磨きシートできれいに拭いた。
上の歯は思ったほど汚れていなかった。
すると、左側の犬歯?がグラグラしていた。
時々、前足で鼻や口の周りを掻くような仕草をしていたのは
その歯が気持ち悪かったからだったのね。
目やにも、もう嫌がらないからきちんときれいに取ってあげられたよ。
腫瘍の近くはママも怖くて強く触れなかったし、奥まっていて取れなかったから
とってもスッキリしたね。
身体への詰め物。コットンを小さくちぎって使ったよ。
コタロウは、最後に食べたものを吐いてチッコもうんちも出しきってた。
後で出てこないように圧迫排尿が必要って書いてあるエンゼルケアもあって、
それをやらなきゃって思ってたけど、コタロウのお腹は2日前までは
空気を飲み込んじゃってるの?ってくらい膨らんでいたのが、
ぺったんこになっていて、身体の中のものをほとんど全部出したんだと思う。
だから口と鼻とお尻に詰め物をしたけれども、漏れる心配はしなかったよ。
コタロウがアシストしてくれたね。
身体は冷やした方がいいから、冷たいけどごめんねって言いながら
流さないシャンプーとタオルで、何度もお水を替えて丁寧に拭き取りをした。
そしてドライヤーの冷風でしっかりとブラッシングしながら乾かした。
身体の向きを変えて全身をね。
尻尾から足先までもつれた毛もきれいにとかして、お腹周りのチッコ汚れも
匂いがなくなるまできれいにしたよ。何度も匂い嗅いじゃった。
全身の毛並みをきれいにブラッシングして整えたら結構抜けたよ。
ブラッシングできてなかったからね。
足を身体に寄せるように。
身体を拭いたり乾かしたりブラッシングしてる間、ママの足でコタロウの足を
押さえていたけど、だんだん開いてきちゃって、
でも、駆けているような姿になって「この方がいいよね」って話したね。
15日にシャンプーしてもらう予定だったのに行けなかったから
エンゼルケアっていうより、「最後のシャンプー」をした感じだね。
思えば、赤ちゃんの頃の最初のシャンプーもママだったから、
最初と最後のシャンプーはママがしたことになるね。
ケアがひと段落して時計を見たら2時間以上過ぎていた。
すごく集中してた。ママはエンゼルケアをすごく頑張ったよ。
約束通り、本当にシャンプーしたかのようにきれいでサラサラでフワフワな
コタロウにしてあげられたよ。
きれいな姿にして見送ってあげることができて本当に良かったと思います。
コタロウにしてあげられる最後のケアがうまくできて嬉しかったです。
コタロウに話しかけながら、ふたりだけの特別な愛おしい時間でした。
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そろそろ、ソメイヨシノの季節ですね。