戦時中、日本軍はゾンビ兵計画を企てていた?
シネコンのグッズコーナーに京極夏彦の原作本があった。ぶ、分厚い!文庫本で千円超えですか・・・これを2時間余にまとめるのは大変なんだろうな、と思いながら、京極堂シリーズ映画化第2弾を鑑賞。原作はもちろん未読(というか、京極夏彦作品をひとつも読んでない)のため、思い入れがない分、存分に楽しめました。
実相寺昭雄監督による映画化第1弾『姑獲鳥の夏』では映像が斜めになっていたおかげで三半規管に異常をきたしましたが、原田眞人監督による今作はそうしたギミックもなく、むしろ中国ロケなどで普通の映画のように金をかけた部分に酔いしれてしまいます。1952年の日本を表現するには中国か~などと、エンドロールを見てビックリしました。CGだとか大がかりなセットではなく・・・発想の転換ってのはこうやって活かすものなのですね。もちろん美馬坂研究所の外観でCGを使い、内部は大がかりなセットでしたが、このバランスもなかなかのもの。
ストーリーとしては、観客に推理する暇を与えないほど、いささか急展開すぎる箇所もあるものの、猟奇性を損なわずに緊張感を与えてくれました。映画女優(黒木瞳)の娘加菜子はどうなるのか、頼子(谷村美月)はクドカンに連れ去られてどうなったのか?などと、隠れ美月ファンとしてはハラハラドキドキ・・・。新興宗教“深秘御筥教”を取材し、祝詞を丸暗記するほどの才女ぶりを発揮した中禅寺敦子(田中麗奈)は狙われる美少女には含まれないのか?などと余計な心配までしてしまいます・・・やはり10代の娘じゃなきゃダメなのか・・・
京極堂の堤真一、榎木津の阿部寛、関口の椎名桔平の3人が息も合っていて、とても楽しそうでした。だけど、誰が主役なのかさっぱりわかりません。もしかすると木場刑事(宮迫博之)が主役だったのか。その木場が観ていた映画も面白かったし、『第三の男』にこだわってるところも良かった。事件が解決(?)した後に関口が書いた『めまい』はさすがにヒッチコックとは関係ないだろうけど、思わぬところで『ジョニーは戦場へ行った』へのオマージュが・・・(違うと思う)・・・
★★★★・
シネコンのグッズコーナーに京極夏彦の原作本があった。ぶ、分厚い!文庫本で千円超えですか・・・これを2時間余にまとめるのは大変なんだろうな、と思いながら、京極堂シリーズ映画化第2弾を鑑賞。原作はもちろん未読(というか、京極夏彦作品をひとつも読んでない)のため、思い入れがない分、存分に楽しめました。
実相寺昭雄監督による映画化第1弾『姑獲鳥の夏』では映像が斜めになっていたおかげで三半規管に異常をきたしましたが、原田眞人監督による今作はそうしたギミックもなく、むしろ中国ロケなどで普通の映画のように金をかけた部分に酔いしれてしまいます。1952年の日本を表現するには中国か~などと、エンドロールを見てビックリしました。CGだとか大がかりなセットではなく・・・発想の転換ってのはこうやって活かすものなのですね。もちろん美馬坂研究所の外観でCGを使い、内部は大がかりなセットでしたが、このバランスもなかなかのもの。
ストーリーとしては、観客に推理する暇を与えないほど、いささか急展開すぎる箇所もあるものの、猟奇性を損なわずに緊張感を与えてくれました。映画女優(黒木瞳)の娘加菜子はどうなるのか、頼子(谷村美月)はクドカンに連れ去られてどうなったのか?などと、隠れ美月ファンとしてはハラハラドキドキ・・・。新興宗教“深秘御筥教”を取材し、祝詞を丸暗記するほどの才女ぶりを発揮した中禅寺敦子(田中麗奈)は狙われる美少女には含まれないのか?などと余計な心配までしてしまいます・・・やはり10代の娘じゃなきゃダメなのか・・・
京極堂の堤真一、榎木津の阿部寛、関口の椎名桔平の3人が息も合っていて、とても楽しそうでした。だけど、誰が主役なのかさっぱりわかりません。もしかすると木場刑事(宮迫博之)が主役だったのか。その木場が観ていた映画も面白かったし、『第三の男』にこだわってるところも良かった。事件が解決(?)した後に関口が書いた『めまい』はさすがにヒッチコックとは関係ないだろうけど、思わぬところで『ジョニーは戦場へ行った』へのオマージュが・・・(違うと思う)・・・
★★★★・
私は意外にも猟奇的だったクドカンがけっこう効いてた気がします。あの柄本さんが普通の人に見えちゃいました。
kossyさんのおっしゃり通り、確かにあのものすごい量の文章を2時間強にまとめるのは至難の業だろう・・・と最初からわかっていたのに、わたしはあえて原作に手をつけてしまいました(笑)
おっしゃる通り、このお話のメインは実は木場です。
榎木津の役回りは原作だと木場なんですよね。
最初は木場メインで展開していき、徐々に京極堂の最後の締めへと向かっていきます。
確かに誰が主役・・・というのはないかも、ですね。
あえて言うなら原作中で「わたし」となっている関口なのかな(笑)
原作に近いイメージだったのは前作「姑獲鳥の夏」だったと思いますが、あれは抽象的でわかりにくい映像が多かったですかね。ああいう雰囲気、わたしは好きですが万人受けはしないでしょう。
しかしあの暗い作品をあんなにコミカルに改造させたのには超驚きました。
あれはあれで面白かったと思います。
そうなんですよね。特に分厚い本だとイメージそのものも変わってしまいそうな・・・
原作未読であっても、かなり端折ってあるな~と感じましたもん。
猟奇的な部分。歪んだ性格なんて、戦争体験のあるあの当時にはかなり陥りやすい状況だと思います。クドカンは雰囲気出てましたよね。
>せるふぉん様
ありがとうございます!
原作読まれた方の貴重な意見は参考になります。
木場ばメインであるのはセリフにも表れてましたが、黒木瞳が中心ではなくなったところから、影が薄くなってしまいました・・・落ちたときには死んじゃったかと思ったし・・・
京極作品を知らない俺が偉そうなことも書けないので映画中心になってしまいますけど、映画だけでもおどろおどろしさが伝わってきましたよ。
手足を切られる恐ろしさもあったし・・・あ、おっさんは被害者になり得ないから大丈夫か・・・
うんうん、確かに発想の転換って感じですよね。
言われてみれば中国っぽいんだけど、
観ている間はよく出来てるなぁ~なんて
思ったりしてましたよ~。
最初から中国ロケだと知っていれば「ふ~ん」で終わっていたかもしれないんだけど、エンドロールではビックリさせられました。
なぜか思い出したのが『三丁目の夕日』だったり『スパイ・ゾルゲ』だったりしました・・・
それにしても鋭いですねw
木場の旦那は、本当はもっともっと絡んでいるのですが、トリオにすっかり持っていかれてしまいましたね。
関口君の「めまい」は・・高所恐怖症にあらず(笑)まったく無関係ですw
俺の評価はほとんどが谷村美月のせい・・かな(汗)
いや、もちろんストーリーというか、戦後まもない頃の暗い世相を感じさせてくれた内容にも満足。両手両足切断というおぞましい光景に体が硬直しそうになりましたですよ。
木場が主役だったのは一部だけでしたけど、3人がちょっと浮いていたような気もしたので(笑)
無知でお恥ずかしいのですが、谷村さんて・・・黒い涙を流していた方ですよね?
映画上映の前に観る彼女は可愛かったなぁ~今回はスゴイ事になってましたけど(汗)
京極夏彦さんの本が好きなので、ついつい色々ツッコミたくなりましたが、テンポも良くて(ちょっと早過ぎたけど・笑)、雰囲気もなかなかだったし前作よりも面白かったです。
戦後間もない頃の雰囲気も良かったですね~♪
「リールー、リールー♪」って歌も懐かしかったな。(って、一体幾つだ、私は?!)
はい、黒い涙の少女です。
色んな映画に出てるんですけど、中学生役がぴったりなんですよね。
俺の点数が4になってしまったのは谷村美月ちゃんのおかげです。えーーーーー!!って驚いちゃったですよぉ。
ロケ地の上海とリルは狙いだったのかもしれませんね。
原作が未読の方が、どんな風に映画をご覧になったかすごく気になっていました。
読んだ本人でも、展開の速さについていけないふしがあったので…
今回、半主役というべき木場修の活躍というか、切ない恋心があまり出てなかったのが、残念です。