ついに発見！でも…

白根健生病院前１４：３０。
高校生とおぼしき男子２人組。
バスが近づいてもベンチから立ちあがらない。
ドア開けて「新潟行きで～す」と言うとようやく立ち上がり、
ノロノロノロノロとやってくる。
こいつらなんか怪しい…
道中注意して見ていた。
一人は黒のジャンパーを着て、
フチがピンクラインの黒のビニール(エナメル)製のバッグを肩から下げてる。
もう一人は白のジャンパーに茶髪のサラサラヘアの「イケメンタイプ」。

ドコで降りるか？
古町、降りない。バスセンター、降りない。
いよいよ次は新潟駅ってトコで何やら二人、
お互いの定期入れを見せ合いっこしてる。
なにをたくらんでるんだ？
とうとう着いた。
一番後ろに座ってたからなかなか来ない。
まず白のジャンパーが来た。株主パスだ。
…なんだ、なんでもないなぁ。
数人おいて、黒のジャンパーが来た。
また株主パスだ。…んん～？
ボクが数ヶ月前から追っていた
ちょっと青が明るい感じのパスだ！
「ごめん、ちょっとよく見せて」
受け取って見てみる。
シルバーに光るべき「偽造防止」が黒い…
まだ他にお客さんがいたから
「悪いけど、ちょっと中で待っててもらえる？」
と言うと、１秒ぐらいあったかな、
中にいたお客さん「あーっ！」。
外で待ってた白ジャンと逃走しやがった！
逃がしちゃおけねぇと運転席立ち上がる。
左足がサイドブレーキに引っ掛かって靴脱げる。
いいやコレ履いてけ！と、とりあえず履く。
帝石ビルを左に入っていった。
追いかけながら「そうだ！」とポッケに手を入れ、
なぜか入っている笛を出して吹いた。
「スーッ」詰まってならない。
すぐの十字路右へ行った。
「ピーッ」鳴った！吹きながら追いかける。
周りの人、変な顔して見てるけど、
笛のおかげで、飛び出したけど車に跳ねられずに済んだ。
セブンを左へ行った。
敵はずいぶん先、追うのをあきらめた。
「放ったらかしのお客さん、行っちゃったろうなぁ」
なんて思いながら戻ると、
心配そうにこっち見ながら待っててくれた。
「あぁ、ダメだったのねぇ」とお客さん。
「いやぁ、歳にはかなわないわ。
　それにコレじゃ到底ダメよ」と
とりあえず長靴を履いた左足を見せて全３人で爆笑。
「悔しいわねぇ、残念だったねぇ」なんて慰められたくらいにして。
でもね、ちゃんと証拠はつかんできた！
あの黒ジャン、ボクに偽造株主パス
渡しっぱなしにしてったんだもん！

一連の作業を終えてよく見てみると、
この定期入れ、新品じゃん。
コレの為にわざわざ用意してんだな。
ま～ったく、よくやるよ…
ただ、数ヶ月前にこの怪しいパスを初めて見たときは
他にもパスで降りてったのが３～４人いたわけで、
そうすればこの黒ジャンと、
もしかしたら白ジャンもそうだったかも知れないし、
そして他にも偽物を使ってるヤツがいるハズだ。
こいつらをしょっぴくまでは
ボクの「仕事」は終わらないんだな。