里山気分! 都会で緑の暮らし365日

『里山ガーデンのある暮らし』~自然の恵みに感謝し、自然の素材を生かし、自然のサイクルに従って自分らしく生きる

2) プロセスを楽しむ~直して住む古家

2009-04-24 23:22:10 | 私たちが描いた理想のライフスタイル
しかし資金は潤沢にあるわけではありません。
都心近くで多くの緑に触れられる環境を手に入れるには、それ相応の資金が必要です。

そこで、正攻法ではなく私たち流発想で、いろいろな価値観を見いだしていくことにしました。
皆が無難でよいと思う方向には進まず、反対されるような、できるなら避けたいと思われる、
または思いもつかない事を実行することで希少な巡り会いを求めたのです。
      
そしてその考えのもと、広い土地にある古家をターゲットに探すことにしました。
古い家でも工夫次第で、今の時代に合った快適な家に蘇らせることができると思っていました。

一人息子が就学する前に理想の住まいを見つけ、小学生の間に少しづつ改装をしていこうとイメージしました。
好奇心おう盛な子供に、買って揃えるのではなく一緒につくりあげていく楽しさを味わってほしかったし、
そのプロセスで様々な体験や発見をかさねていくことが大切だと考えていました。






古家をなおしながら住むことは、気ままな旅を楽しむことと似ています。

私たちは若い頃、ユーレイルパスというヨーロッパを自由に横断できる鉄道の乗車券を片手にたくさんの国を旅しました。
気に入った街には何日も滞在するという気まぐれな旅です。そこでは想定外の事件にたくさん出くわしました。
止まっていた夜行列車が急に発車し二人離ればなれに?・・・。
ホテルがみつからず駅や公園での野宿は何泊?・・。
コロッセオでのオペラ観賞はタダ?・・。
憧れのファッションの街パリで招待されたアフリカ料理?・・。

数々の事件を自力で解決しながら、触れた人の暖かさは今でも心に強く残っていますし、ここで経験したことや修得した知恵は次の旅に、その後の生活に活かされています。
寄り道の中で想定外のものに出会う事が、旅の醍醐味ではないでしょうか。



古家に住むということは、じっくり時間をかけてデザインすることを楽しもうというものです。
風の通り道、太陽と月の方向、日の長さ、四季の移り変わりや環境の変化を五感で体全体で感じながら、それに合わせて改装をしていくのです。
新居を購入して住む、とストレートに目標に到達するのでなく、寄り道の中の予期しない出来事に胸ときめかせ、ドラマティックなプロセスを、
家探しと家づくりを通して楽しみたいと考えたのです。


まさに楽観的に人生を謳歌する、私たち流のライフスタイルです。







公式サイト:http://atelier-drim.com


私たちが描いた理想のライフスタイル

1) 緑からたくさんの事を学ぶ~元気な子供が育つ家

2009-04-16 00:11:08 | 私たちが描いた理想のライフスタイル
横浜の中心部にもかつては緑がたくさんありました。
田んぼ、沼地、雑木林、森・・・。
私が子供の頃は、これらをフィールドにメダカ、サワガニ、カブトムシなどを捕まえ、危険に挑戦しながら緑と触れ合っていました。

ところが、高度成長期の都市開発でこれらの緑は急速に破壊されてしまいました。
利便性と効率性を求めたツケとしてアスファルトの道路・コンクリートの駐車場・庭のないマンションなど、
緑の少ない環境の中での生活を強いられました。
さらに「服が汚れるからやめて!」などという大人の意識が、子どもの土に触れる機会を少なくしています。

毎日の通学で、土の上を歩いてくる子はいないのではないでしょうか?
公園でも木登りダメ、芝生に入るな、と土に緑に触れる機会は本当に少ないのが現状です。
木登りができない、斜面を上れない、草の上に座れない子どもがたくさんなのも当然です。
腐った木につかまれば折れて転げ落ち怪我をするということも、遊びの中で体験して覚えるものですが、そんなことも知らずに大人になってしまうのです。

自然環境を題材にした外遊びは、体力をつけるだけでなく危険の察知能力や遊びの創造性を養う意味でもとても重要なのです。
これらは学校や塾で教えてくれるものではありません。親が子どもといっしょに体験しながら伝えるものなのではないでしょうか?
小さな頃の楽しい体験や感動した事を思い起こせば、親と一緒に自然の中で遊んだことが蘇ります。
遊びながら道具の使い方を習い、生活を工夫することは、生きる力を養う事なのです。





私は息子と、普段の暮しの中で様々な体験をしたいと思いました。
これができるのも、幼少の頃のたった何年かしかありません。
そのためには、緑に包まれた広い庭のある家に移り住みたかったのです。
元気な子どもに育てたいと思ったら、体験がいっぱいできる家が必要になったのです。
体験がいっぱいできる家は、元気な子供が育つ家、なのです。






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私たちが描いた理想のライフスタイル

プロローグ

2009-04-09 23:32:38 | プロローグ
2001年5月初旬。前日、不動産屋のイナミちゃんからこの物件情報を受け取った私は興奮を鎮めることができませんでした。
その日は家族揃って現地を見に行くことになっていましたが、朝5時に目が覚めた私は一刻も早くその家を見たくて、
皆が寝入っている早朝に一人現地に足を運びました。

古い神社のうっそうとした鎮守の森を右手に、坂を200mほど上ると左手に怪しげな竹林。
その坂途中の右側にただならぬ空気を発する空間がポツリ・・・。
やはりそこでした。
意外に広い門前の石畳のエントランスから白いよう壁が10m以上立ちはだかり、見上げると100株ほどのツツジとサツキの段々花壇が木立の間から顔をだしていました。
格子の門を抜けると巾2mほどの古びたコンクリートの階段が20段。
さらに手摺がついた広いスロープを20mほどあがると、やっと頂上に。

「!!!」




あたり一面は桜の花びらで濃いピンク色に。10本をこえる大きな里桜の並木がその枝でアーチを作っています。
小鳥のさえずり以外は静寂そのもの。
桜の絨毯を踏みしめ奥へと進むと、荒れ放題だが匠の技を漂わせる日本庭園が。
その庭と平行して建つ間口の長い家。朽ちてはいるものの、存在感のある建物です。
その先にはヨーロピアン調のガーデンセットがレンガ敷きのテラスの上に無造作に置かれ、その脇には長年放置されたローズガーデンとハーブガーデンが。
畑の痕跡を残す日当たりの良い空間も点在していました。

「これは尋常じゃないぞ・・!」
空間全体アーティスチックな香りがしました。
長年描いていた “都会でみどりに囲まれた暮し” が私の頭の中で鮮明にイメージされました。

「ここは本当に横浜?」
朝焼けに反射したランドマークタワー、ベイブリッジ、マリンタワーを木立の間から認識し、現実であることを確認しました。
うっそうと茂った木々の隙間からこぼれる光が、キラキラと輝いていました。




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マイホームは一生に一度の買い物でしょうか?
この家に住む前は新築のこじんまりした5LDKに住んでいました。
山のてっぺんで横浜の街が見えるというシチュエーションは同じで、ここより便利な場所でしたがそこにずっと住もうとは思っていませんでした。

休日とあらば、きれいな空気、広々とした景色、季節を感じる草花、を求めて渋滞の中を何時間もかけて行楽地に出かけていました。
身体がみどりを求めていたのです。

今の日本には定年退職後に田舎暮らしを始めたり、週末をセカンドハウスで過ごしたりと、都会から抜け出してリゾートライフを
楽しんでいる方はいますが、私たちは歳老いてからではない「今」の時期に、
都会に居ながらにして、緑がいっぱいの「毎日」の暮しを楽しみたいと考えていました。
しかも生まれたばかりの子供を思うとなおさら住み替えたい気持ちは強くなり、チャンスあらばといつもアンテナを張っていました。


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これは私たち夫婦が何年かかけて、理想の生活の場を探し求め、それに出会い、古家に手をかけながら、
自分たちのめざすライフスタイルをつくりあげていったプロセスです。

緑いっぱいの生活を楽しむ “体験記” であり、子供とともに成長していく “私たち流の生き方” を描いたものです。

田舎にいかずとも、都会の中で、みどりに包まれた暮らしはできるのです。
お金がふんだんになくても自分たちの理想の家づくりはできるのです。

みどりのある毎日の生活がいかに豊かなものか、家づくり庭づくりのプロセスを子供と一緒に楽しむことの大切さ、
健康な家が教えてくれたエコな生活感とは・・・・。








公式サイト:http://atelier-drim.com