里山気分! 都会で緑の暮らし365日

『里山ガーデンのある暮らし』~自然の恵みに感謝し、自然の素材を生かし、自然のサイクルに従って自分らしく生きる

14) “コスト”をデザイン-デザイン料は0円

2009-05-24 11:12:21 | 私たちがデザインしたもの
[アイデアこそが最強のデザイン力]

私たちは夫婦ともフリーランスで仕事をしているので、時間の自由度は高く、デザインに関する情報を集め
アイデアを絞り出し、お金をかけずに最良な方法を探るには有利だったかもしれません。

雑誌でお気に入りのスタイリングを切り抜いては何とか実現できる方法を考え
インターネットの情報網を駆使して安くてデザインのよい部材を買付け、それをベースに内装を決めたりと
アイデアでデザインコストをカバーしました。

住宅展示場やメーカーショールームは、様々なヒントが潜んでいるので幾度となく足を運びました。
旧モデルでも機能的に十分な設備機器、タイルの張り分け方、汚れが目立たないマテリアル、
漆喰の模様、いろんな木を体感、オール電化、ガスのコジェネシステム、床暖房の体感、ペアガラスの高断熱性実験の見学、
キッチンにシャンデリアの発想、新機能のシステムキッチン、間接照明、新しい工法や部材の使い方などなど、たくさんのアイデアをもらいました。

ショールームでは、展示品を安く買う事もタイミングが合えば可能です。
ただ厄介なことはアンケートを記入させられ、その後の営業からのアプローチが熱心なことです。









公式サイト:http://atelier-drim.com


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13) “人” をデザイン-リフォームが大得意の大工さん

2009-05-21 22:32:17 | 私たちがデザインしたもの


一般的に建築デザイナーは、新築は好んでやりますがリフォームを得意としないようです。
何もないところから新しい家を設計していくのは規制も少なく、デザイン力を十分表現できる楽しさがあるのでしょうが、
それに比べリフォームは今あるものをどう活かすか壊すかの判断が重要で、熟練の勘と豊富な経験を必要とします。

実際に、この古家のリフォームをお願いしようかとお気に入りの建築デザイナーを訪ねたのですが、快く断られました。
そしてデザイナーにお願いするのではなく、自分たちでデザインすることに決めました。
大工さんにイメージを伝えるためのイラストを描いたり、雑誌の切り抜きを見せたり、ショールームに一緒に行ったり、相談しながら実現の道を探ります。
実はこのプロセスがリフォームをすることの楽しみなわけで、いかに正しく伝えられるかが腕の見せ所です。
そして、リフォームが大得意の大工さんと組むことが絶対条件になります。


そして私たちのイメージを見事に形にしてくれた大工さんが、当時39歳の「アライちゃん」です。

アライちゃんは、工務店の社長タカハシさんの強力な右腕として働いていました。
タカハシさんは、グラフィックデザイナーの友達から『家のことなら何でもできちゃうすごい人』と紹介された人です。
その機動力といったら、大地震とかで全家屋が倒壊しても即座に雨風しのげ煮炊きができる状態にしてくれます。
引越当初から工務店の枠を超えてお世話になっています。
元をたどってグラフィックデザイナーの友達に感謝!
人のネットワークは信頼の情報網ですね。


アライちゃんは建築士の免許を持っている現場大好きの大工さん。
私たちのこだわりや感性をおもしろがって、イメージ通りのものを作ってくれました。
「アンティーク家具にシンクを埋め込んで洗面所にしたい」
「タイルで模様を描きたい」「漆喰壁の模様をアーティスティックに!」
「取り付け部分のない古い電灯を何とか使えるようにして」etc....
そしてリフォームならではの予想できない出来事をひとつひとつ的確に解決し、最良の方法で実行してくれました。


彼は、私たちの「都会でリゾートライフ」実現の一番の立役者です。










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12) “人” をデザイン-相性バッチリの不動産担当者

2009-05-19 23:28:21 | 私たちがデザインしたもの


物件との出会いがめぐり合わせならば、不動産会社のどんな人が担当してくれるのかもめぐり合わせだといえます。
たくさんの不動産営業マンと接してきた中でも、私たちの感性を感じ取ってくれる人はなかなかいませんでした。
売上げ欲しさに強引に話しを進める、こちらが欲するものを理解できずいらない情報を無意味に持ってくる、という具合に。

大会社だから安心できるとか、小さいから能力が低いとか、企業の看板よりも個人の資質が大切です。
この古家探しは条件が条件なだけに、私たちのニュアンスを感じ取ってくれる人が必要でした。
新聞折込みやwebで気になる物件を紹介している不動産屋さんには、手当たり次第連絡をとりました。
古家を探しながら、古家を探してくれる人を探していたのです。


そしてついに出会ったのが当時26歳の「イナミちゃん」。
知的でさわやかで、その上大胆なところをもっていて、私たちのセンスを感じ取ってくれる青年でした。
この物件に出会う一年前、希望どおりの素敵な家を紹介してくれたのが出会いでした。
その時は彼の的確なアドバイスで買い換えを伸ばすことにしたのですが、それがここにつながったのです。

イナミちゃんは、普通の営業マンでは思いつかない方法でこの家をみつけだしてくれました。
そして私たちに理想の住まいを結びつけてくれました。

根気よく探しつづければ理想の営業マンにもめぐりあえるものです。
イナミちゃんはその一年後に独立し、不動産会社を経営しています。











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11) “時間”をデザイン-子供の成長・環境の変化にあわせて

2009-05-18 15:12:54 | 私たちがデザインしたもの

先述したように改装は子供の成長にあわせて、息子が中学にあがるまでの6年間で完成させれば良いと考えました。
私たちが、体力的にも資金的にも力がある時期に、段階的に改装をしていこうという構想でした。

金銭面からも家のローンを月々返済しながら、リフォームにかける費用はキャッシュで準備しなければならなかったので、そうせざるを得なかったわけですが・・・。
またあわてて全てを改装をするのではなく、自分たちのライフスタイルにあった住環境を練り上げるため、
季節を通してじっくりと変化を体感し、できる所から少しずつ改装していくことが得策だと考えました。

現にこの数年間でめまぐるしく風景が変わりました。
宅地開発により周辺の木が伐採され、それによって風の流れや日照時間帯に変化が生じました。
生態系にも大きな変化がおこり、家での過ごし方や庭の使い方のイメージが最初のものと変わっていきました。

引っ越してきた当時は、うっそうとした森の中にあったため閉ざされた雰囲気が漂う中、ひっそりと暮らす住まいというイメージでした。
しかし周辺の森が伐採され、視界が開け、遠くの景色や街の灯が部屋からも庭からも目にはいるようになると、
逆に開放的になりすぎた感もありましたが、丘の上にある陽のあたる住まいというイメージに変わりました。


改装は大きく5回に分けて行いました。








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10) まさに森の中に埋もれる一軒家

2009-05-17 22:27:14 | めぐり会った“運命の古家”


『普通と違う基準と条件』を提示し、とうとう私たちは運命の古家に巡り会うことができました。
発想から3年、「都会でリゾートライフ」が実現できそうな理想の住まいを見つけるために、
いろいろなアクションをおこし想いを発信し続けたことが実を結んだのです・・・。

それは、横浜のほぼ中心部に位置し、みどりに包まれた高台にありました。
住み始めた頃は北西に竹林3000㎡、北東に国有地となっている森5000㎡の広い緑に囲まれていました。
現在は宅地開発が進みかなり減少してしまいましたが、それでも我が家の敷地面積1300㎡の周りに緑地2000㎡は現存し、
法面に接していることからこの先も減ることはないでしょう。
敷地内には10mを超える桜の木が13本、梅の木7本、何百種類もの花木が植えられ、野鳥たちのすみかになっていました。



家は、築40年の母屋と30年の別宅が南北つづきで建ち、部屋数は16もあり二世帯分としても大きな建物です。
前の主の画家が使用していた2階のアトリエは、広さ約30帖、天井高3m、蛍光灯が50本とスケールの大きな部屋でした。
床の所々に飛び散った絵の具や、絵の題材に使われたと思われる蜂の巣や木の実、動物の骨やワインボトルなどからアートの匂いが漂っていました。

庭からも部屋からも、みなとみらい、ベイブリッジ、マリンタワー、根岸や山手の丘を眺めることができます。

駅から住まいまでは坂を上り下りしますが、下りで徒歩15分の場所です。
平坦部を自転車で飛ばせば5分、バスは坂を下った幹線道路を頻繁に走っていて、結果的に便利な場所でした。



しかし、多分、この家を最初に訪れ直感でこの家に住もうと決断できる人は少ないでしょう。
現に、私の家族も全員が住みたくないと口を揃えて反対しました。

何年も放置されていたので庭の花木は伸び放題、太陽の光は遮られ薄暗く、世間から閉ざされた別世界のようでしたから。
建物内は空気がよどみカビ臭が漂い、不要なものが散乱し、床の一部が腐り落ち、雨漏りの跡が大きなシミを作っていました。

その上、持ち主は既に別場所での生活を確立していて、この家にあるものは全て不要とのこと。
居抜きでの引き渡しが条件でした。
これが後にお宝との出会いとなるのですが、その時は条件をのまざるをえませんでした。


しかし、私にははっきりと、この家の未来の姿が見えたのです。




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私たちがめぐり会った“運命の古家"

9) 駐車場はなくてもかまわない

2009-05-16 17:28:18 | 古家に求めた“普通と違う”基準と条件
不動産屋さんもびっくり!の私たちが提示した希望の物件条件・・・
その5) 駐車場はなくてもかまわない
-必要ならば近くに借りればよい-



「駐車場あり」の条件に固執すると、それ以外の理想を逃してしまうものです。
つまり、駐車場はなくてもかまわないと考えれば、たくさんの良い物件があるということです。

私たちは先ず車を所持する必要性を議論しました。
車は、本当に必要なのか?
私たちの車の活用頻度は低く、雨の日に出動するのと休日での買い物、時々遊びに行くぐらい。
車を手放し、タクシーとレンタカーをその都度使うということも考えました。
コスト的には、断然こちらの方が優勢です。





駐車スペース確保のために、陽のあたる本来庭にすれば最適な場所を犠牲にするケースは多く
庭を犠牲にしてまで駐車場が必要なのでしょうか?
無機質な駐車場構造物が入り口に立ちはだかっているのもいただけません。

いずれにしても、私たちにとって駐車場ありの条件は、さほど重要なものではありませんでした。
それよりも、なければ近くに借りればいいと、気楽に考えていました。



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私たちが都会の古家に求めた“普通と違う”基準と条件


8) 駅から遠くてもかまわない

2009-05-15 18:10:22 | 古家に求めた“普通と違う”基準と条件
不動産屋さんもびっくり!の私たちが提示した希望の物件条件・・・
その4) 駅から遠くてもかまわない
-自転車、バスを利用すればよい-



駅から近ければ通勤や買い物には便利ですが、その分土地の広さは限定され自然度も当然減少します。
価格ももちろん上がります。
都会でリゾートライフを実践するには、駅から離れていたほうがかえってよい、と腹をくくりました。


妻も私も東京都心での仕事は頻繁にあるので、家と駅を往復する回数もそれなりにあるはずですが、
自転車をこいで20~30分の距離なら、頭と体をウォーミングアップするには最適な運動量です。
自転車は、低炭素社会実現のためにも重要な交通手段です。
電動自転車も普及してきていることだし、上り坂もどうってことないでしょう!
ETC車などでなく、電動自転車に助成するべきです、国は。


雨の日には、バスを利用すればよいでしょう。
駅に近いことよりも、雑踏や喧騒から逃れたストレスの少ない暮しの場を見つけることが大事です。
私たちの希望物件から「駅から徒歩何分以内」という条件は排除されました。


欧米では、鉄道の駅から近いところで生活するなど、タブーなんですから・・・。










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私たちが都会の古家に求めた“普通と違う”基準と条件


7) 築30年以上でもかまわない

2009-05-14 17:00:46 | 古家に求めた“普通と違う”基準と条件
不動産屋さんもびっくり!の私たちが提示した希望の物件条件・・・
その3)築30年以上でもかまわない
-ガタのきた古家をリフォームで蘇らせる-


昔の家だからこそ使うことのできた、今でいう“高級素材”、伝承の"匠の技"。
古家にはそんなロマンが潜んでいるものです。
たくさんの古い家を見て今の新築の家にはない魅力を再認識しました。

例えば畳。全てわらで作られた本畳床は、弾力性、耐久性、吸湿性、断熱保温性、難燃性、遮音性が高く補修が容易、と
コストが高い、重くて扱いにくいことを除けばすばらしい素材です。
現在ではコストが安く、軽くて扱いやすいことからポリスチレンフォームのものがほとんどのようですが、機能は到底比べものになりません。

格子戸、縁側、欄間の装飾、樹形がユニークな床柱、機能的で神秘的な雪見障子、などなど、
和の建築物のしつらえにカッコイイと感じたものがたくさんありました。
これらは当然自然素材で、長い歳月の中で日本のその土地の気候風土に合わせて改良されてきたものです。
それらをみすみす廃棄するわけにはいきません。






日本では築30年を経過した家は資産価値がなくなってしまうので、土地の価値だけで金額提示されます。
ホンモノの素材を使いよい仕事がされた家ならば、まだまだ住み続けることはできるはずです。

そんな考えのもと、どんなに古い家でもかまわない、という条件で探してもらうことにしました。


昔の日本の木造家屋のすばらしい材を残し再生することを楽しみたいと思いました。
とはいえ、便利な西洋式の生活スタイルを排除することはできないし、
最新技術を用いた省エネや地球環境を考慮した建材や家具は積極的に取り入れるべきです。
耐震補強も不可欠です。
それらを合体させどんなリフォームができるのかを、ワクワク想像しながら家探しは続行されました。





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私たちが都会の古家に求めた“普通と違う”基準と条件


6) 眺望良好。駅まで平坦では困る

2009-05-11 15:56:03 | 古家に求めた“普通と違う”基準と条件
不動産屋さんもびっくり!の私たちが提示した希望の物件条件・・・
その2)眺望良好。駅まで平坦では困る
-空気のよい高台、遠くの景色が見渡せる開放的な場所-


敷地が狭ければ“東南角地”のような日照条件は重要ですが、高台にあることを求めたので方角は気にしませんでした。
眺めがよく開放的な気分になれることを重視しました。少しぐらい太陽の方向がズレていても、問題ありません。


もともと高いところが大好きで、初めて訪れる街では先ず最初に高いところに登ってその街の全貌を楽しみます。
イタリアのフィレンチェでは、赤いレンガ屋根の連続した美しい街並みに感激しました。
マルセイユの小高い丘から眺めた港は入り江に停泊している船の数に活気を感じました。
高台から見る街の風景は好奇心をあおり、歩く楽しみを倍増させてくれるものです。


「駅まで平坦」が人気物件だとするならば、坂の上の家はリーズナブル?
イヤイヤ、横浜でも山手などでは昔からガイジンは高台に好んで住んでいるのだから、やはりコストリーなのか?

ま、いずれにしても高いところにあるということは、車の排気ガスや電車の騒音など街の喧騒と距離があるということ。
坂道を登ったり降りたりは楽ではないけれど、静かで空気がきれいなことと比較すればたいした問題ではありません。
なによりも家にたどり着くまでの上り坂は良いエクササイズになるはず、とプラス思考で突進しました。









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私たちが都会の古家に求めた“普通と違う”基準と条件

5) 法面含めて森や緑地に囲まれている古家

2009-05-09 22:00:07 | 古家に求めた“普通と違う”基準と条件
『新築・駅から徒歩10分以内・東南角地・駐車場あり・住宅金融公庫利用可・・・』
といった一般的にいう好条件の物件には最初から目を向けませんでした。
資金が潤沢にあるならば、そんな中でいろいろ試みるのもよいでしょう。

そもそも新築物件に広い敷地を求めるのは、私たち庶民にとって無謀なことです。
土地を新たに購入して家を建てるというのもコストが高くなるのではじめから選択肢にありませんでした。


私たちは、”緑の借景のある広い敷地の古家” を探すことにしたのです。
限られた予算の中で理想を実現していかなければいけないので、見方をひねって住まいの価値観を見いだすことにしました。
中古物件の中でも一般的に手を出したくないと思われているものに、たくさんの可能性が秘められていることを感知したからです。




不動産屋さんもびっくり!の私たちが提示した希望の物件条件・・・
その1)法面含めて森や緑地に囲まれている
-都会の中でも自然度が高く、利用価値の高い緑地環境-





緑に囲まれていることはリゾートライフ実践のための絶対条件です。
急斜面に残された竹林、公有地としての緑地、保全された都市林や公園などが隣接していることを第一条件としました。
つまりおおいに借景を活用させていただこう、という考えです。

法面にあるみどりも重要なポイントでした。
価値のない無駄なスペースと思われ敬遠されがちですが、所有したとしても山林あるいは雑種地扱いになっていて税金も安いはずです。
手をつけにくい分かえってみどりは維持されていくものです。
希望エリアは限定せず広範囲に探しました。






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私たちが都会の古家に求めた “普通と違う” 基準と条件

4) 会話がはずむ楽しい家~みんなが集う“たまり”の空間

2009-05-08 18:07:35 | 私たちが描いた理想のライフスタイル
「家庭」という言葉の意味するところは、「家」と「庭」が一体となっているということです。
日本語では家と庭が一体になってはじめて、家庭の絆が保たれると考えられていました。

しかし高度成長期以降、細切れにされた小さな土地ゆえに家をめいっぱい大きくして庭を削ってしまう家がたくさん建てられました。
マンションも同様に庭のない生活が、都市部ではあたりまえになってしまいました。
その結果 「家庭」 のバランスが崩れ、家庭崩壊という問題が多発することになったのでは、と思っています。

庭に起こる季節の小さな変化は、家族間の話題を増やすのはもちろん、近所の人との話しのきっかけになるものです。
どこの家にも庭があった時代には、地域の人ともそんなコミュニケーションがあたりまえにあったのです。







一方、家庭の内側のデザインに目を向ければ、プライバシー重視の小さく仕切られた部屋がたくさんある家が建てられるようになりました。
4人家族がそれぞれの部屋にこもることと、何とかだんらんできる共有スペースが確保されています。

私たちが最初に手に入れた家も3階建ての5LDKでしたが、個室はもちろん狭い廊下や玄関に体を合わせて生活していました。
近所の人や友達を招くといっても数人がやっと。
皆で料理をしたいと思ってもキッチンは二人立てば動けませんでした。


のびのびと、悠々と、おおらかに家の中で過ごしたい!
みんなで料理をしながら楽しい時間を過ごしたい!


私たち自身が楽しみ、出会いや語らいを生みだし訪れた人もリラックスできる、
広いキッチンを中心にしたリビングで、料理とおしゃべりが楽しめる “たまり” の空間を作りたいと思いました。
会話がはずむ楽しい家をデザインしたいと考えました。










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私たちが描いた理想のライフスタイル


3) 部屋に広がるみどりの風景~季節と共に移ろう暮らし

2009-05-05 15:03:40 | 私たちが描いた理想のライフスタイル
私たち現代人はパソコン、テレビ、携帯電話、ゲームなど、情報を視覚で捉えることが多くなり、
反対にその他の知覚機能は衰えてしまったと感じます。

みどりに囲まれた場所で目を閉じてみてください。
小鳥のさえずり、虫の声、風のそよぎを耳で感じることができます。
雨上がりには草の匂いが、植物が開花する時期には優しい香りが鼻を刺激します。
日差しの強烈な季節には成長した葉っぱが心地良い緑陰を作ってくれるのを肌で感じます。
収穫の季節には植物を舌で感じ味わう事ができます。
五感で感じれば、みどりはたくさんの楽しみや癒しを提供してくれていることに、
そして私たちはみどりからたくさんの恩恵を受けていることを実感します。



みどり色は色彩学でいうところの中間色、穏やかで安定した気分になる色です。
自然科学者ダーウィンは、葉緑素の緑は色の起源であり、全ての植物のこの世における唯一の色だったと唱えました。
みどりは生命を象徴する色、生命のもとなのです。
みどりの中で深い呼吸をすれば、何かが呼び起こされるような気分になりませんか?

みどりがたくさんある街を歩くのは理屈でなく気持ちのいいものです。
自由が丘のような商店街を包み込むみどり、表参道のような並木道のみどりは、街の風景の大事な要素になっています。
家の周りにあるみどりは、遠くの景色として見た時には、ひとつひとつの建物を柔らかにつなげ、優しい家並みを作る効果を発揮しています。
家の中から見るみどりは、窓枠をシンプルな額縁に見立て、立体の絵として楽しめます。それも、日々変化する動きのある絵です!

みどりは一年を通じて、様々なカタチで私たちを楽しませてくれます。
桜の木を例にとってみれば、
ピンク色の桜の花は、日本人の心を春に導いてくれます。
ウグイスなどの鳥も寄ってきて、心和む歌声を聞かせてくれます。
夏には、枝いっぱいにみどりの葉を茂らせ、強い太陽の日差しを遮ってくれます。
秋には、赤く色づく葉っぱが目を楽しませてくれます。
冬には、その葉は落ち堆肥となります。枝だけになり少ない日照を大地に有効に届けてくれます。


私たちはどの部屋に居てもみどりが目に入る暮らしがしたい、と思いました。
料理をする時、食事をする時、洗濯物を干す時、床に寝ころがった時、コンピュータに向かった時、
浴槽に浸かった時、窓の先にみどりがあってほしい、と。

みどりによってもたらされる季節と共に移ろう暮らしをしたいと思いました。








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