小関順二公式ブログ

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中学3年の五十幡亮汰(東京神宮・中堅手)が超高速の10.76秒で三塁に到達した!

2013-08-06 18:54:07 | 2013年中学野球

 リトルシニア選手権決勝は世田谷西が15対4の大差で東京神宮を退けました。同チームで目立ったのは1番大串亮太(慶應義塾普通部3年)、2番大坪亮介(尾山台中3年)、3番村田雄大(東鴨居中3年)、4番岡敬太郎(品川学園中3年)、5番谷田部翔太(狛江第二中3年)の野手陣。とくに大串の、ボールを上から捉えるバット操作は秀逸でした。俊足、好守も備え、慶應高校進学なら即戦力の働きをすると思います。
 谷田部は第2打席で三塁打を放ったときの三塁到達が12.06秒、また第5打席のバントのときの一塁到達が4.29秒という俊足。第4打席の1死満塁の場面では高めの130キロストレートをおっつけて左中間に二塁打を放ち、技術力の高さも見せつけました。優勝して当然の陣容ですが、東京神宮の1番・五十幡亮汰(埼玉県行田市長野中3年)の脚力が私には忘れられません。
 第1打席の二塁ゴロのときの一塁到達が4.01秒、第2打席の二塁打のときの二塁到達が最後流して8.06秒、そして第3打席の三塁打のときの三塁到達は何と10.76秒という速さでした。私が計測した中では、2012年の三塁到達最高タイムが上田剛史(ヤクルト)の11.09秒、今年は高山俊(明大)と建部賢登(東京ガス)の10.97秒が最速で、荒波翔(DeNA)がトヨタ自動車時代に記録した10.95秒、杉谷翔(日本ハム)が2011年10月18日の西武戦で計測した10.90秒も見事でした(私の中ではこれが最速)。しかし、それらを問題にせず蹴散らしました。中学3年生がですよ。これは大げさでなく事件だと思います。
 試合後、引き揚げてくる五十幡に「100メートルの最高タイムは?」「ベース1周タイムは?」「野球と陸上、高校ではどっちを選ぶの?」と矢継ぎ早に聞きました。五十幡は「手動で10.71秒」「13秒……う~ん」「野球をやりたいです」との答え。プレーをしっかり目に焼きつけたので、この答で十分満足です。どの高校を選ぶのかまで聞けませんでした。チーム関係者は陸上まで含めていっぱいくるでしょうね、と話してくれました。
 五十幡の10.76秒でわかったことがあります。塁間の距離は27.431メートル。三塁までは82.293メートルということになります。打球の確認、一塁から二塁、二塁から三塁へ向かうときのコーナーワークを考えると、ほぼ100メートルのベストタイムが三塁到達のベストタイムと同じくらいになるのではないでしょうか。そう考えれば100メートルを10秒71で走る五十幡が10.76秒で三塁に到達しても不思議ではありません。このレベルのスプリンターがこれまでプロ・アマ含めて日本の野球界にはいなかったのだと思います。


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